マンション生活での相談は、「マンション管理士 香川事務所」へ。

平成27年(2015年) 管理業務主任者 試験問題 及び 解説

ページ2(問26より問50まで)

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謝辞:当問題の作成にあたっては、ミスミ様、大石様、青木様のご協力を戴いております。
テキスト文への変更など、ご助力を心から感謝いたします。

「マンション管理士 香川事務所」 より。


*注: マンション標準管理規約(単棟型、団地型、複合用途型)は、平成28年3月に改正があり、当解説においては、一部未対応ですから、注意してください。(2016年 8月29日:改正に対応した。)
 また、「マンションの管理の適正化に関する指針」も平成28年3月に改正がありましたので、注意してください。

※ 出題当時以後の法令等の改正には、一部は対応していません。

*試験に臨んで、お節介なアドバイス
  1.設問にあわせて、問題用紙に ○(まる)、X(ばつ)をつける。
    殆どの設問が、「正しい」か「間違い」かを訊いてきますので、設問により、問題の頭に、○かXをつけます。
    そして、各選択肢を読み、○かXをつけます。
    問題の○なりXと、選択肢の○かXが一致したものを、マークシートに記入してください。

  2.疑問な問題は、とりあえず飛ばす。
    回答の時間は限られています。
    そこで、回答として、○かXかはっきりしないものがでたら、「?」マークをつけて、次の問題に移ります。
    全部の回答が終わってから、再度戻って決定してください。

  3.複雑な問は、図を描く。
    甲、乙、A、B、Cなど対象が多い問題もでます。
    この場合、問題用紙の空いているところに、図を描いてください。
    重要な点が分かってきます。

(出題者からの注意) 1.答えは、各問題とも1つだけです。2つ以上の解答をしたもの、判読が困難なものは、正解としません。
              2.問題中法令に関する部分は、平成27年4月1日現在施行中の規定に基づいて出題されています。


解説者からのコメント:あやふやな出題、適切でない出題もあって、解答ができないのもあります。

※  マンション標準管理規約は、平成16年に改正があった。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。
   マンション標準管理委託契約書は、平成15年に改正があった。また、平成22年5月にも改正があった。

問26

【問 26】 建築基準法に基づいて実施されたマンションの定期調査・検査の内容又は方法として、最も不適切なものはどれか。

1 外壁仕上げのタイルについて、手の届く範囲をテストハンマーで打診し、その他の部分については双眼鏡等を使用して目視により、異常がないことを確認した。

○ 適切である。
 
 平成23年 管理業務主任者試験 「問25」 、平成22年管理業務主任者試験 「問27」 、平成21年マンション管理士試験 「問37」 、平成19年マンション管理士試験 「問20」、 平成18年管理業務主任者試験 「問18」 、など。
 
  劇場、病院、ホテル、マンションなどの共同住宅、デパートなど、多くの人が集まる特殊建築物等では、建物の構造の損傷や劣化が、大惨事を起こす可能性があります。そこ で、建築基準法第12条では、定期的に、一級建築士や二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者にその状況の調査・検査させて、その結果を、特定行政庁(国土交通省ではありませんよ)に報告させます。報告の時期は、6カ月から3年までの間で、特定行政庁が定めます。(建築基準法施行規則第5条1項)
 具体的な調査・検査の方法、判定の基準は、平成20年3月10日の国土交通省告示があります。
 それらは、調査の対象物により、
  1.建築物...国土交通省告示第282号、改正:平成26年11月7日:国土交通省告示第1073号
  2.昇降機...国土交通省告示第283号 、 一部改正:平成21年9月18日
  3.建築設備...国土交通省告示第285号
 と別れて出されています。すべて平成20年4月1日から施行されています。(その後の改正もあります。)

  なお、建築基準法に基づく「定期調査・検査報告制度」は、消防法に基づく消防用設備等点検とは異なる制度ですから注意してください。


 そこで、設問は、平成20年国土交通省告示第282号、改正:平成26年11月7日:国土交通省告示第1073号、改正:平成27年 国土交通省告示第258号
 (11)外装仕上げ材等 タイル、石貼り等(乾式工法によるものを除く。)、モルタル等の劣化及び損傷の状況
 「タイル、石貼り等(乾式工法によるものを除く。)、モルタル等の劣化及び損傷の状況
  開口隅部、水平打継部、斜壁部等のうち手の届く範囲をテストハンマーによる打診等により確認し、その他の部分は必要に応じて双眼鏡等を使用し目視により確認し、異常が認められた場合にあっては、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分を全面的にテストハンマーによる打診等により確認する。ただし、竣工後、外壁改修後若しくは落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面的なテストハンマーによる打診等を実施した後10年を超え、かつ3年以内に落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面的なテストハンマーによる打診等を実施していない場合にあっては、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分を全面的にテストハンマーによる打診等により確認する(3年以内に外壁改修等が行われることが確実である場合又は別途歩行者等の安全を確保するための対策を講じている場合を除く)。」 とあり、
 外壁仕上げのタイルについて、手の届く範囲をテストハンマーで打診し、その他の部分については双眼鏡等を使用して目視により、異常がないことを確認することは、適切です。


 


2 各階の主要な防火戸について、3年以内に実施した最新の点検記録があったため、閉鎖又は作動の状況をその記録のみにより確認した。

○ 適切である。
  防火戸の点検は、選択肢1で引用しました、平成20年国土交通省告示第282号、改正:平成26年11月7日:国土交通省告示第1073号、改正:平成27年 国土交通省告示第258号
 (28) 防火戸にあっては、各階の主要な防火戸の閉鎖時間をストップウォッチ等により測定し、戸の重量により運動エネルギーを確認するとともに、必要に応じて閉鎖する力をテンションゲージ等により測定する。防火シャッター等にあっては、各階の主要な防火シャッタ一等を作動させて確認する。ただし、3年以内に実施した点検の記録がある場合にあっては、当該記録により確認することで足りる。」 とあり、
 各階の主要な防火戸について、3年以内に実施した最新の点検記録があったため、閉鎖又は作動の状況をその記録のみにより確認した、は適切です。



3 可視状態にある免震装置について、3年以内に実施した最新の点検記録があったため、劣化及び損傷の状況をその記録のみにより確認した。

X 適切でない。 可視状態にある免震装置なら、目視での確認も必要。
  免震装置は、選択肢1で引用しました、平成20年国土交通省告示第282号、改正:平成26年11月7日:国土交通省告示第1073号、 改正:平成27年 国土交通省告示第258号
 「6 その他 (3)(4) 免震構造建築物の免震層及び免震装置 
  免震装置の劣化及び損傷の状況(
免震装置が可視状態にある場合に限る
 目視により確認するとともに、3年以内に実施した点検の記録がある場合にあっては、当該記録により確認する。」 とあり、
 単に、記録だけで確認するのは適当でなく、免震装置が可視状態にあると、目視での確認も必要ですから、可視状態にある免震装置について、3年以内に実施した最新の点検記録があったため、劣化及び損傷の状況をその記録のみにより確認した、は適切ではありません。



4 非常用照明装置の予備電源について、予備電源への切替え及び器具の点灯の状況を確認した。

○ 適切である。
  常用照明装置の予備電源は、平成20年3月10日;国土交通省告示第285号
 別表第3 
 「2 電池内蔵形の蓄電池、電源別置形の蓄電池及び自家用発電装置
 (1) 予備電源 予備電源への切替え及び器具の点灯の状況 作動の状況を確認する。」 とあり、
 非常用照明装置の予備電源について、予備電源への切替え及び器具の点灯の状況を確認した、は適切です。



答え:3

 
過去問題から、国土交通省の告示にあることは、分かっていたが、選択肢3の可視状態にある免震装置や、選択肢4の非常用照明装置の予備電源を探すのに、時間がかかった。

《タグ》建築基準法 国土交通省告示。 定期調査・検査、外壁仕上げのタイル、各階の主要な防火戸、可視状態にある免震装置、非常用照明装置の予備電源


*2016年 1月24日: 一応、建築基準法を飛ばして、管理業務主任者試験の解説を「問50」まで終わったので、また、「問26」へ戻ってきました。

問27

【問 27】 マンションの大規模修繕工事の工事監理を行う場合における、工事監理者の業務内容に関する次の記述のうち、「建築士法第25条の規定に基づき、建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準」(平成21年国土交通省告示第15号)において、工事監理に関する標準業務として示されていないものはどれか。なお、本問において、建築主は管理組合とする。

1 工事監理の着手に先立って、工事監理体制その他工事監理方針について建築主に説明すること。

○ 標準業務として示されている。

 建築士法からの出題とは!
 さらに、建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準とは、まったく、管理業務主任者としてその必要性から、出題者の意識を疑う、実に不適切な出題だ。
 一応解説しますが、「建築士法第25条の規定に基づき、建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準」(平成21年1月7日:国土交通省告示第15号
 「第一 業務報酬の算定方法
  建築士事務所の開設者が建築物の設計、工事監理、建築工事契約に関する事務又は建築工事の指導監督の業務(以下「設計等の業務」という。)に関して請求することのできる報酬は、複数の建築物について同一の設計図書を用いる場合その他の特別の場合を除き、第二の業務経費、第三の技術料等経費及び消費税に相当する額を合算する方法により算定することを標準とする。
  (略)
  2 工事監理に関する標準業務及びその他の標準業務
   一 工事監理に関する標準業務
    
工事監理の着手に先立って、工事監理体制その他工事監理方針について建築主に説明する。」 とあり、
 適切です。



2 工事施行者から提出される工事請負契約書の適否を合理的な方法により検討し、設計者に報告すること。

X 標準業務として示されていない。 設計者でなく、建築主に報告する。
 選択肢1で引用しています、「建築士法第25条の規定に基づき、建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準」(平成21年1月7日:国土交通省告示第15号
 「二 その他の標準業務
   (1) 請負代金内訳書の検討及び報告
     
工事施工者から提出される請負代金内訳書の適否を合理的な方法により検討し、”建築主”に報告する」 とあり、
 事施行者から提出される工事請負契約書の適否を合理的な方法により検討して、報告をするのは、設計者ではなく、
建築主ですから、標準業務として示されていません。
 また、工事監理に関する標準業務ではなく、その他の標準業務ともなっています。


3 設計図書の内容を把握し、設計図書に明らかな、矛盾、誤謬(ごびゅう)、脱漏、不適切な納まり等を発見した場合には、建築主に報告し、必要に応じて建築主を通じて設計者に確認すること。

○ 標準業務として示されている。
 選択肢1で引用しています、「建築士法第25条の規定に基づき、建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準」(平成21年1月7日:国土交通省告示第15号
 「2 工事監理に関する標準業務及びその他の標準業務
   一 工事監理に関する標準業務
     (2) 設計図書の内容の把握等
       (@) 設計図書の内容の把握
     
設計図書の内容を把握し、設計図書に明らかな、矛盾、誤謬、脱漏、不適切な納まり等を発見した場合には、建築主に報告し、必要に応じて建築主を通じて設計者に確認する。」 とあり、
 設計図書の内容を把握し、設計図書に明らかな、矛盾、誤謬(ごびゅう)、脱漏、不適切な納まり等を発見した場合には、建築主に報告し、必要に応じて建築主を通じて設計者に確認すること、は標準業務として示されています。



4 工事と設計図書との照合及び確認の結果、工事が設計図書のとおりに実施されていないと認めるときは、直ちに、工事施行者に注意を与え、工事施行者がこれに従わないときは、その旨を建築主に報告すること。

○ 標準業務として示されている。
 選択肢1で引用してます、「建築士法第25条の規定に基づき、建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準」(平成21年1月7日:国土交通省告示第15号
   「2 工事監理に関する標準業務及びその他の標準業務
   一 工事監理に関する標準業務
     (5) 工事と設計図書との照合及び確認の結果報告等
       
工事と設計図書との照合及び確認の結果、工事が設計図書のとおりに実施されていないと認めるときは、直ちに、工事施工者に対して、その旨を指摘し、当該工事を設計図書のとおりに実施するよう求め、工事施工者がこれに従わないときは、その旨を建築主に報告する。なお、工事施工者が設計図書のとおりに施工しない理由について建築主に書面で報告した場合においては、建築主及び工事施工者と協議する。」 とあり、
 工事と設計図書との照合及び確認の結果、工事が設計図書のとおりに実施されていないと認めるときは、直ちに、工事施行者に注意を与え、工事施行者がこれに従わないときは、その旨を建築主に報告すること、は標準業務として示されています。



答え:2

  建築士法と、建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準から出題とは、まったく、この問題の出題者は、管理業務主任者にどのような知識を求めていて、こんな出題に至ったのか、理解に苦しむ。

  実に不適切な出題として糾弾します。

  解説としても、どこにあるのか、まったく時間がかかる出題でした。


《タグ》築士法 建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準


*2016年 1月24日: これで、2ページ目の「問26」から「問50」の解説が終わりましたの、まだ、未解説のページ1に戻ります。
問28

【問 28】 給水設備の管理・点検に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 給水ポンプに空気が入るとポンプが空転して送水しなくなり、電流計の値及び圧力計器の値が正常値より高くなるので、あらかじめ正常値を把握しておく。

X 適切でない。 ポンプが空転すると抵抗が少なくなり、電流計の値及び圧力計器の値が正常値より”低く”なる。高くはならない。
 
給水ポンプに空気が入るとポンプが空転して送水しなくなります。
 そして、水よりも空気では、抵抗が少なくなるため、電流計の値及び圧力計器の値が正常値より低くなるため、設問の電流計の値及び圧力計器の値が正常値より高くなるは、適切ではありません。
 なお、あらかじめ正常値を把握しておくことは、肝心です。

2 給水配管が水道メーターやバルブなどの砲金製部材と接触する部分は、腐食しやすく漏水が発生しやすい場所なので、注意して確認する。

○ 適切である。
 基本的に金属は、電気化学反応を生じて、経年と共に錆が発生したり腐食していきます。給水配管でも、内部に錆が生じて赤い水がでることもあります。特に、給水配管が水道メーターやバルブなどの異種金属の砲金製部材と接触する部分は、異種金属接触腐食が進行しやすく、この部分の確認は重要ですから、適切です



3 水槽回りは、漏水の有無やマンホールの施錠、オーバーフロー管の防虫網などの点検を行う。

○ 適切である。
  
水槽の周りを点検する際には、破裂、亀裂を見て水漏れの有無の点検は当然ですし、関係者以外が水槽内に侵入しないようにマンホールの施錠の確認、オーバーフロー管から虫などが侵入しないように設けられている防虫網を点検することは、適切です。
 また、水槽の周りは、清潔にして、ゴミや汚物が置かれていないようにします。



4 受水槽のオーバーフロー管の排水口や水栓の吐水口は、適切な排水口空間、吐水口空間が確保されていることを確認する。

○ 適切である。
 
 受水槽のオーバーフロー管の排水口や水栓の吐水口は、適切な排水口空間、吐水口空間が確保されていないければ、汚水が逆流したり水が溢れたりしますから、これらを確認するのは、適切です。
 オーバーフロー管の向きにも注意してください。

 


答え:1

  
選択肢1は、少し悩んでも、他の選択肢の正しいのは、常識でも分かる?

《タグ》
給水設備。 給水ポンプ、空回り、腐食、受水槽、排水口空間、吐水口空間、オーバーフロー管、点検


●2015年12月28日:管理業務主任者試験での設備関係の解説が、一応終わりましたので、また、 マンション管理士試験の「問18」 に戻って解説します。

問29

【問 29】 共用部分の管理、変更又は規約の変更における特別の影響に関する次の記述のうち、区分所有法によれば、最も不適切なものはどれか。

1 1住戸1議決権の定めを1区分所有者1議決権とする規約に変更する場合、2住戸以上を所有する区分所有者がいるときは、その区分所有者の承諾が必要である。

○ 適切である。 一部の区分所有者の通常の受忍の範囲を超えている。
  平成26年マンション管理士試験 「問5」 、 平成26年管理業務主任者試験 「問35」 、平成25年マンション管理士試験 「問6」 、 平成25年管理業務主任者試験 「問35」 

  まず、設問の「規約の変更」は、区分所有法第31条

 「(規約の設定、変更及び廃止)
 第三十一条  
規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
 2  前条第二項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の四分の一を超える者又はその議決権の四分の一を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。」 
とあります。
  区分所有法第31条1項によれば、「規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない」とあります。
 そこで、この曖昧な「一部の区分所有者の権利に”特別の影響”が及ぶ場合」とは、争いがある箇所で、判例では、「達成される目的との関係で規制の程度、方法等が
”通常の受忍の範囲を超えること”をいう」とされています。
 この判決の文章でもはっきりしませんが、要するにケース・バイ・ケースでみていきましょうということです。
 で、設問の「1住戸1議決権の定めを1区分所有者1議決権とする規約に変更する場合、2住戸以上を所有する区分所有者がいるとき」となると、これは、今まで2住戸を有し2議決権をもっていた区分所有者にとって、議決権が半分になるという重要な変更です。
 これでは、影響を受ける区分所有者としては、”通常の受忍の範囲”を超えていると判断しますから、その区分所有者の承諾が必要となり、適切です。



2 101号室前の敷地に防災用倉庫を新設するには、区分所有者及び議決権の格4分の3以上の多数による集会の決議が必要であり、さらに工事期間中の騒音が101号室に及ぶ場合には、その影響の程度にかかわらず、その区分所有者の承諾が必要である。

X 適切でない。 影響の程度による
  平成21年マンション管理士試験 「問6」 、平成20年マンション管理士試験 「問5」  

  101号室前の敷地に防災用倉庫を新設するとなると、これは、共用部分の重大な変更となり、区分所有法第17条

 「(共用部分の変更)
 第十七条  共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。
 
2  前項の場合において、共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。」 
の規定があります。
 区分所有法第17条1項により、設問の前半、「 101号室前の敷地に防災用倉庫を新設するには、区分所有者及び議決権の格4分の3以上の多数による集会の決議が必要」は適切です。

 では、設問の後半「工事期間中の騒音が101号室に及ぶ場合には、
その影響の程度にかかわらず、その区分所有者の承諾が必要である」、の検討ですが、
 これは、区分所有法第17条2項に、選択肢1と同じ様に、「共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない」とあり、ここでも、「特別の影響」とは、何かが問題となります。
 判例では、「特別の影響を及ぼす」場合か否かの判断に当たっては、共用部分の変更又はそのための工事の必要性、合理性と、共用部分を変更することによって区分所有者の受ける不利益とを比較衡量し、不利益が
受忍すべき程度を超えるか否かを基準に検討すべきである。」とあり、”受忍すべき程度を超えるか否かを基準に検討”すると言っていますから、その影響の程度にかかわらず、その区分所有者の承諾が必要とはなりませんから、適切ではありません。
 選択肢2は、前半は適切ですが、後半が不適切ですから、全体として、適切ではありません。



3 101号室前の共用廊下に管理組合の掲示板を設置するには、区分所有者及び議決権の各過半数の集会の決議で足り、101号室の使用に影響が生じないときは、その区分所有者の承諾は不要である。

○ 適切である。 
  平成27年マンション管理士試験 「問4」 、 平成27年マンション管理士試験 「問25」 、 平成26年マンション管理士試験 「問9」 、平成24年マンション管理士試験 「問16」  

  101号室前の共用廊下に管理組合の
掲示板を設置することは、選択肢2の「重大変更」ではなく、「軽微の変更」と判断できます。
 すると、区分所有法第18条

 「(共用部分の管理)
 第十八条  共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、
集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。
 2  前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。
 3  前条第二項の規定は、第一項本文の場合に準用する。
 4  共用部分につき損害保険契約をすることは、共用部分の管理に関する事項とみなす。」 
 とあり、
 設問の前半「区分所有者及び議決権の各過半数の集会の決議」は、区分所有法第18条1項に該当します。
 ここでの、決議の「各過半数」は、区分所有法第39条1項

 「 (議事)
 第三十九条  集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、
区分所有者及び議決権の各過半数で決する。  (以下、略)」 とあり、
 101号室前の共用廊下に管理組合の掲示板を設置するには、区分所有者及び議決権の各過半数の集会の決議で足りますから、前半は適切です。

 では、設問の後半「101号室の使用に影響が生じないときは、その区分所有者の承諾は不要である」ですが、これは、区分所有法第17条3項で準用されています前条2項(第17条2項を指します)の「特別の影響」の有無となります。
 設問では、「影響が生じない」となっていますから、その区分所有者の承諾は不要となり、後半も適切です。
 よって、選択肢3は、全体として、適切です。



4 共用部分の変更に関する決議要件のうち、区分所有者の定数を4分の3以上から過半数とする規約に変更するには、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、この場合、2住戸以上を所有する区分所有者がいるときでも、その区分所有者の承諾を得る必要はない。

○ 適切である。
  共用部分の変更に関する決議要件で定数を変更するは、選択肢2でも引用しました、区分所有法第17条
 「(共用部分の変更)
 第十七条  共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。
ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。
 2  前項の場合において、共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。」 
です。
  区分所有法第17条1項但し書きによれば、区分所有者の定数を4分の3以上から過半数とする規約に変更することは、可能です。
 その際には、規約の変更となり、選択肢1で引用しました区分所有法第31条1項

 「 (規約の設定、変更及び廃止)
 第三十一条  
規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。  (以下、略) 」 により、
 区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要ですから、この部分は適切です。

 では、その規約の変更の際に「2住戸以上を所有する区分所有者がいるときでも、その区分所有者の承諾を得る必要はない」の検討ですが、規約の変更の前は区分所有者の定数は、3/4以上となっていたのを、単に過半数にするのであれば、全体としての変更であり、特に2住戸以上を所有する区分所有者であっても区分所有者の数としては変更前と同じ1の扱いであり、特別の影響を及ぼすには該当しないため、適切です。
 そこで、選択肢4は、全体として適切です。



答え:2

 
解説は長くなりましたが、易しい部に入る出題です。

《タグ》
区分所有法。  特別の影響、規約の変更、共用部分の重大変更、共用部分の軽微な変更、複数の住戸を有する区分所有者の扱い。

問30
【問 30】 管理組合法人に関する次の記述のうち、区分所有法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 管理組合法人は、その設立登記によって、その事務に関し、区分所有者のために原告又は被告となることができる。

X 誤っている。 特に管理組合法人は、その設立登記によって、区分所有者のために原告又は被告となるのではない。規約又は集会の決議による。  
 平成26年管理業務主任者試験 「問32」 、 平成24年マンション管理士試験 「問8」 、平成19年マンション管理士試験 「問5」  

  設問の捉え方が、管理組合の設立時期を中心にするのか、裁判を中心にするのか面倒ですが、あまり深くは考えず、管理組合法人が原告・被告の規定は、区分所有法第47条8項

 
「(成立等)
 第四十七条
 8  
管理組合法人は、規約又は集会の決議により、その事務(第六項後段に規定する事項を含む。)に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる。」 とあり
  「その設立登記によって」ではなく、「規約又は集会の決議により」その事務に関し、区分所有者のために原告又は被告となることができますから、誤りです。
  それでは、管理組合法人は、登記が無ければ法人となれない規定との順序との関係はどうなるのでしょうか?



2 理事は、規約又は集会の決議によって禁止されていないときに限り、配偶者又は1親等の親族のみに特定の行為の代理を委任することができる。

X 誤っている。 理事は、他人に委任できる。 配偶者又は1親等の親族のみに限定されない。
  平成24年管理業務主任者試験 「問34」 、 平成23年マンション管理士試験 「問6」 

  理事の代理環形は、区分所有法第49条の3

 
「(理事の代理行為の委任)
 第四十九条の三  
理事は、規約又は集会の決議によつて禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。 とあり、
 理事が特定の行為の代理を委任することは他人であればよく、設問のように配偶者又は1親等の親族のみに限定していませんから、誤りです。



3 全ての専有部分が1人の区分所有者に帰属することになった場合、管理組合法人は解散したものとみなされる。

X 誤っている。 全ての専有部分が1人の区分所有者に帰属することになった場合でも、また増加することも考えられるので、管理組合法人は解散とみなされない。
  平成18年 マンション管理士試験 「問2」 、 平成15年 管理業務主任者試験 「問35」 
 
  この設問は、かなり論議が必要な出し方です。
 まず、法人の解散は、区分所有法第55条
 「(解散)
 第五十五条  管理組合法人は、次の事由によつて解散する。
    一  建物(一部共用部分を共用すべき区分所有者で構成する管理組合法人にあつては、その共用部分)の全部の滅失
    二  建物に専有部分がなくなつたこと。
    三  集会の決議
 2  前項第三号の決議は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数でする。 」
 です。

 
 
そこで、これ以外の事由では、管理組合法人は解散しませんから、管理組合法人は解散したものとみなされるは、誤りです。
 と簡単に説明することは、易しいのですが、何か腑に落ちない人もいるでしょう。

 

 じつは、民法の法人の理論からの説明として、「区分所有者の数は特に制限されておらず、また、専有部分が存在する以上、途中で区分所有者数が減少しても、後で増加することも考えられるから」だとする解釈が以前の区分所有法ではありました。
 この、理論が法人格成立の要件から区分所有者の数が無くなった改正後も引き続き採用されていて、「専有部分が存在する以上、途中で区分所有者数が減少しても、後で増加することも考えられる」ので、区分所有者の数が1名になっても、法律上当然には解散とならないとなります。



4 代表理事が、個人として、管理組合法人名義の土地を購入する場合は、その価格が適正なものであっても、監事が管理組合法人を代表する必要がある。

○ 正しい。 利益背反行為では、監事が管理組合法人を代表する。
 
 平成26年マンション管理士試験 「問3」 、 平成26年管理業務主任者試験 「問32」 、 平成25年マンション管理士試験 「問8」

  管理組合法人の代表理事であれば、その行為については、区分所有法第51条

 「(監事の代表権)
 第五十一条  
管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、監事が管理組合法人を代表する。」 
とあり、
 代表理事が、個人として、管理組合法人名義の土地を購入する場合に、例えその価格が適正なものであっても、管理組合法人と理事との利益が相反しています。
 そこで、この場合には、監事が管理組合法人を代表する必要があり、正しい。



答え:4

  過去問題をやっていないと、選択肢3は、少し悩むか。  
  選択肢3の法人の解散については、 「マンション管理士 香川事務所」が無料で提供しています、「超解説 区分所有法」 の第55条 を参照してください。

《タグ》区分所有法。 法人、理事の代理、解散、利益相反行為
問31

【問 31】 総会の議事録に関する次の記述のうち、マンション標準管理規約の定めによれば、最も不適切なものはどれか。


 *注: マンション標準管理規約(単棟型、団地型、複合用途型)は、平成28年3月に改正があり、対応した。(2016年 8月29日)


1 議長は、総会が開催された日から2か月以内に、議事録を作成しなければならない。

X 適切でない。 総会が開催された日から2か月以内に、議事録を作成しなければならないの規定はない。
 
総会の議事録については、標準管理規約49条  (注:平成28年3月のでは、電磁的方法が可能な場合のみ一部改正点。)
 
「(議事録の作成、保管等)
 第49条 
総会の議事については、議長は、議事録を作成しなければならない。
 2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び議長の指名する2名の総会に出席した組合員がこれに署名押印しなければならない。
 3 理事長は、議事録を保管し、組合員又は利害関係人の書面による請求が あったときは、議事録の閲覧をさせなければならない。この場合において 、 閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。
 4 理事長は、所定の掲示場所に、議事録の保管場所を掲示しなければならない。」 とあり、
 標準管理規約49条1項によれば、議長は、総会の議事録を作成しますが、特に、総会が開催された日から2か月以内の規定はないため、適切ではありません。



2 理事長は、組合員又は利害関係人の書面による閲覧請求があったときは、閲覧の理由が記載されていなくても、議事録を閲覧させなければならない。

○ 適切である。 総会議事録の閲覧では、書面があればよく、理由までは求められていない。
 
総会議事録の閲覧は、選択肢1で引用しました、標準管理規約49条3項   (注:平成28年3月のでは、電磁的方法が可能な場合のみ一部改正点。)
 「3 理事長は、議事録を保管し、組合員又は利害関係人の
書面による請求が あったときは、議事録の閲覧をさせなければならない。この場合において 、 閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。」 とあり、
 組合員又は利害関係人の書面による請求が あったときは、議事録の閲覧をさせなければならず、この際に、閲覧の理由が記載は、求められていませんから、適切です。
 総会の議事録や規約は、多くの人が見てもいいという性格です。
 しかし、会計帳簿や什器備品台帳となると?



3 理事長は、所定の掲示場所に、議事録の保管場所を掲示しなければならない。

○ 適切である。 
  
総会の議事録の保管場所は、選択肢1で引用しました、標準管理規約49条4項  (注:平成28年3月のでは、電磁的方法が可能な場合のみ一部改正点。)
 「
4 理事長は、所定の掲示場所に、議事録の保管場所を掲示しなければならない。」 とあり、
 適切です。
 総会の議事録は、閲覧に備えて、保管場所も掲示しましょう。



4 総会に出席しなかった組合員は、議事録に署名押印することはできない。


○ 適切である。 総会に出席をしていないと内容を確認できない。
 総会の議事録の署名人は、選択肢1で引用しました、標準管理規約49条2項  (注:平成28年3月のでは、電磁的方法が可能な場合のみ一部改正点。)
 「2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び議長の指名する
2名の総会に出席した組合員がこれに署名押印しなければならない。」 とあり、
 議事録に署名・押印できるのは、当然ながら、総会に出席して、総会の内容を知っている組合員でなければなりませんから、適切です。



答え:1

 選択肢1は、引っ掛け問題ですが、ここは、易しい。

《タグ》標準管理規約。 総会の議事録、作成期間、閲覧、保管、署名人

問32

【問 32】 団地内での総会決議に関する次の記述のうち、マンション標準管理規約及びマンション標準管理規約コメント(団地型)(平成16年1月23日国総動第232号・国住マ大37号。国土交通省総合政策局長・同住宅局長通知。)の定めによれば、最も適切なものはどれか。


 *注: マンション標準管理規約(単棟型、団地型、複合用途型)は、平成28年3月に改正があり、対応した。(2016年 8月29日)


1 A棟の外壁の補修工事を行う場合、団地総会の決議のみでA棟の修繕積立金を取り崩すことができる。

○ 適切である。 各棟修繕積立金の取崩しは、団地総会の決議でできる。
   
マンション標準管理規約(団地型)は、 平成27年 マンション管理士試験 「問32」 
 
  まず、マンションの標準管理規約には、
 @単棟型
 A団地型
 B複合用途型
  の3つがあることは、基本です。


 そこで、団地総会で決議できる事項は、マンション標準管理規約(団地型)50条  (注:平成28年3月では改正なし。)
 「(議決事項)
 第50条 
次の各号に掲げる事項については、団地総会の決議を経なければならない。
    一 収支決算及び事業報告
    二 収支予算及び事業計画
    三 管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法
    四 規約(第72条第一号の場合を除く。)及び使用細則等の制定、変更又は廃止
    五 長期修繕計画の作成又は変更
    
六 第28条第1項又は第29条第1項に定める特別の管理の実施(第72条第三号及び第四号の場合を除く。)並びにそれに充てるための資金の借入れ及び団地修繕積立金又は各棟修繕積立金の取崩し
    七 第28条第2項又は第29条第2項に定める建物の建替えに
係る計画又は設計等の経費のための団地修繕積立金又は各棟修繕積立金の取崩し
    八 団地修繕積立金及び各棟修繕積立金の保管及び運用方法
    九 第21条第2項に定める管理の実施
    十 区分所有法第69条第1項の場合の建替えの承認
    十一 区分所有法第70条第1項の場合の一括建替え
    十二 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法
    十三 組合管理部分に関する管理委託契約の締結
    十四 その他管理組合の業務に関する重要事項」 とあります。

 ここで、6号や7号の第28条とは、以下の団地の修繕積立金です。 (注:平成28年3月の改正点。28条2項に付き省略。)
 「(団地修繕積立金)
 第28条 管理組合は、各団地建物所有者が納入する団地修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた団地修繕積立金は、土地、附属施設及び団地共用部分の、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。
    一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
    二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
    三 土地、附属施設及び団地共用部分の変更
    四 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査
    五 その他土地、附属施設及び団地共用部分の管理に関し、団地建物所有者全体の利益のために特別に必要となる管理
 (以下、略)」 
 また、7号の第29条とは、以下の各棟修繕積立金です。  (注:平成28年3月では改正なし。)

 「(各棟修繕積立金)
 第29条 管理組合は、それぞれの棟の各区分所有者が納入する各棟修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた各棟修繕積立金は、それぞれの棟の棟の共用部分の、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。
    一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
    二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
    三 棟の共用部分の変更
    四 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査
    五 その他棟の共用部分の管理に関し、その棟の区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理
(以下、略)」 
 マンション標準管理規約(団地型)50条6号によれば、団地の総会において、各棟修繕積立金の取崩しが決議できますから、適切です。


 参考:(区分経理)  (注:平成28年3月では改正なし。)
 第30条 管理組合は、次の各号に掲げる費用ごとにそれぞれ区分して経理
しなければならない。
    一 管理費
    二 団地修繕積立金
    三 各棟修繕積立金
 2 各棟修繕積立金は、棟ごとにそれぞれ区分して経理しなければならない。



2 B棟の区分所有者が、専有部分を暴力団事務所として利用することを止めない場合、区分所有法第59条の競売請求の訴訟を提起するには、団地総会の決議を経なければならない。

X 適切でない。 区分所有法第57条から第60条(義務違反者に対する措置)は、団地総会の決議事項に入っていない。
 よく区分所有法でも団地関係で出題がある箇所です。
 棟総会での決議事項は、マンション標準管理規約(団地型)72条 (注:平成28年3月では改正なし。)
 「(議決事項)
 第72条 
次の各号に掲げる事項については、棟総会の決議を経なければならない
    一 区分所有法で団地関係に準用されていない規定に定める事項に係る規約の制定、変更又は廃止
    
二 区分所有法第57条第2項、第58条第1項、第59条第1項又は第60条第1項の訴えの提起及びこれらの訴えを提起すべき者の選任
    三 建物の一部が滅失した場合の滅失した棟の共用部分の復旧
    四 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査の実施及びその経費に充当する場合の各棟修繕積立金の取崩し
    五 区分所有法第62条第1項の場合の建替え
    六 区分所有法第69条第7項の建物の建替えを団地内の他の建物の建替えと一括して建替え承認決議に付すこと」 とあり、
 設問の「B棟の区分所有者が、専有部分を暴力団事務所として利用することを止めない場合、区分所有法第59条の競売請求の訴訟を提起する」ときには、 マンション標準管理規約(団地型)72条2号により、これは、棟総会の決議事項で、選択肢1で引用しました、マンション標準管理規約(団地型)50条の「団地総会での議決事項」にはありませんから、適切ではありません。

 区分所有法で団地関係から準用が除外されている以上、マンション標準管理規約(団地型)でも当然に、団地総会の決議事項から、除外されます。



3 修繕積立金の保管及び運用方法については、団地修繕積立金は団地総会の決議を、各棟修繕積立金は各棟総会の決議を、それぞれ経なければならない。

X 適切でない。 団地総会の決議で、団地修繕積立金及び各棟修繕積立金の保管及び運用方法は可能。
 修繕積立金の保管及び運用方法については、選択肢1で引用しました、団地総会で決議できる事項として、マンション標準管理規約(団地型)50条8号   (注:平成28年3月では改正なし。)
 「
八 団地修繕積立金及び各棟修繕積立金の保管及び運用方法」 とあり、
 団地総会において、決議があれば、団地修繕積立金及び各棟修繕積立金は、各棟総会の決議は不要ですから、適切ではありません。



4 団地の集会所を増改築してキッズルームとしても利用するために、団地修繕積立金を取り崩すには団地総会の決議及び各棟総会の決議を経なければならない。

X 適切でない。 団地共用部分の変更で団地修繕積立金を取り崩すには団地総会の決議だけでいい。 各棟総会の決議は不要。

 まず、団地修繕積立金は、マンション標準管理規約(団地型)28条  (注:平成28年3月の改正点。28条2項に付き省略。)
 「(団地修繕積立金)
 第28条 管理組合は、各団地建物所有者が納入する団地修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた団地修繕積立金は、土地、附属施設及び団地共用部分の、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。
    一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
    二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
   
 三 土地、附属施設及び団地共用部分の変更
    四 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査
    五 その他土地、附属施設及び団地共用部分の管理に関し、団地建物所有者全体の利益のために特別に必要となる管理
 (以下、略)」 とあり、
 団地の集会所を増改築してキッズルームとしても利用するのは、マンション標準管理規約(団地型)28条1項3号に該当しており、団地修繕積立金の取り崩しとなります。

 すると、選択肢1で引用しました、団地総会で決議できる事項として、マンション標準管理規約(団地型)50条6号
 「六
第28条第1項又は第29条第1項に定める特別の管理の実施(第72条第三号及び第四号の場合を除く。)並びにそれに充てるための資金の借入れ及び団地修繕積立金又は各棟修繕積立金の取崩し」 に該当していますから、総会の決議だけでよく、各棟総会の決議は不要ですから、適切ではありません。


答え:1 

 
マンション標準管理規約(団地型)からも出題がありますから、読んでおくことです。
 マンション標準管理規約(団地型)は読んでいない人が多かったようで、正解率が低いようです。 

《タグ》マンション標準管理規約(団地型)。 団地総会の決議事項、棟総会の決議事項、

問33

【問 33】次の記述のうち、区分所有法によれば、規約の定めとして効力を有しないものはどれか。


 *注: マンション標準管理規約(単棟型、団地型、複合用途型)は、平成28年3月に改正があり、対応した。(2016年 8月29日)


1 各専有部分に属する排水枝管を管理組合が定期的に点検・補修を行うと定めること。

○ 規約の定めとして効力を有する。

  平成25年マンション管理士試験 「問30」 、 平成24年マンション管理士試験 「問33」 、 平成23年マンション管理士試験 「問1」 

  設問としては、区分所有法の規定として、「規約で別段の定め」ができるかどうかを訊いています。
 そこで、規約は、区分所有法第30条

 「(規約事項)
 第三十条  
建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる
 2  一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めることができる。
 3  前二項に規定する規約は、専有部分若しくは共用部分又は建物の敷地若しくは附属施設(建物の敷地又は附属施設に関する権利を含む。)につき、これらの形状、面積、位置関係、使用目的及び利用状況並びに区分所有者が支払つた対価その他の事情を総合的に考慮して、区分所有者間の利害の衡平が図られるように定めなければならない。
 4  第一項及び第二項の場合には、区分所有者以外の者の権利を害することができない。
 5  規約は、書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により、これを作成しなければならない。 」 
です。

 区分所有法第30条1項によれば、「建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができます」、から、規約で定められるのは、建物又はその敷地若しくは附属施設の
 @管理 と 
 A使用についてだけ です。
 この規定により、
専有部分であっても、その用途、管理・使用の制限は規約で定めることができます。
 そこで、設問の「各専有部分に属する排水枝管を管理組合が定期的に点検・補修を行うと定めること」を検討しますと、基本的に専有部分に属する部分は規約では定めることが出来ませんが、各専有部分に属する排水枝管となると共用部分と繋がっているため全体の管理として、管理組合が定期的に点検・補修を行うと定めれば、規約として有効です。


 参考;標準管理規約21条2項 (注:平成28年3月の改正点だが、2項は変更なし。)
  旧:21条 「(敷地及び共用部分等の管理)
 第21条 敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の管理のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。
 
2 専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる。
  
以下、略」
 旧:同第21条関係コメントC 第2項の対象となる設備としては、配管、配線等がある。



2 各住戸の専有部分の床面積に差異が少ない場合に、共用部分に対する各区分所有者の共有持分の割合を、全住戸均等に配分すると定めること。

○ 規約の定めとして効力を有する。
  平成26年マンション管理士試験 「問1」 、平成22年管理業務主任者試験 「問1」  

  共用部分の持分は、区分所有法第14条
 「(共用部分の持分の割合)
 第十四条  
各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による
 2  前項の場合において、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有するものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれその区分所有者の専有部分の床面積に算入するものとする。
 3  前二項の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による。
 
4  前三項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。 」 
とあります。
 区分所有法第14条1項により、原則として、各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合ですが、4項により、規約で別段の定めが許されています。
 そこで、各住戸の専有部分の床面積に差異が少ない場合に、共用部分に対する各区分所有者の共有持分の割合を、全住戸均等に配分すると定めることは、規約として有効です。
 ただし、各住戸の専有部分の床面積に差異が大きいときに、共有持分の割合を全住戸均等とすると、この規約は無効となることがありますから、注意してください。



3 各住戸の専有部分の床面積に差異が少ない場合に、総会における議決権割合を、議決権の過半数による決議事項について1住戸1議決権、議決権の4分の3以上の多数による決議事項については専有部分の床面積割合と定めること。

○ 規約の定めとして効力を有する。
  平成23年マンション管理士試験 〔問4」 、 平成22年管理業務主任者試験 「問31」 

  議決権は、区分所有法第38条

 「(議決権)
 第三十八条  
各区分所有者の議決権は、規約に別段の定めがない限り、第十四条に定める割合による。」 です。
 議決権は、原則:規約があれば、規約に従い、規約がなければ、選択肢2で引用しました区分所有法第14条に定める割合となります。

 そこで、 総会における議決権割合を、議決権の過半数による決議事項について1住戸1議決権、議決権の4分の3以上の多数による決議事項については専有部分の床面積割合と、別々に定めることは、面倒な規約ですが、有効です。

 この場合も、選択肢2で説明しましたように、各住戸の専有部分の床面積に差異が大きいときに、1住戸1議決権の全住戸均等とすると、この規約は無効となることがありますから、注意してください。



4 管理者は、毎年1回一定の時期にその事務に関する報告をしなければならないが、当該報告を各区分所有者に郵送又は電子メールで送信することにより、総会での報告に代えることができると定めること。

X 規約として無効である。
  平成26年マンション管理士試験 「問25」 、平成25年管理業務主任者試験 「問38」 

  管理者の事務報告は、区分所有法第43条

 「(事務の報告)
 第四十三条  
管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。 」 
とあり、
 この規定では、規約での別段の定めを認めていませんから、当該報告を各区分所有者に郵送又は電子メールで送信することにより、総会での報告に代えることができると定める規約は、無効です。


 
 
 管理者にこの事務報告の義務を課しているのは、区分所有法の集会中心主義の一環として、区分所有者が出席している集会で管理者が報告することにより、管理者の行った事務内容について区分所有者が質問することができるため、管理者の事務執行に対する監督をより十分に行うためです。


答え:4 

 
ここは、かなり易しい。

《タグ》区分所有法。 規約での別段の定め。 規約、共用部分の持分の割合、議決権、管理者の事務報告

問34

【問 34】 管理組合の管理行為に関する次の記述のうち、マンション標準管理規約の定めによれば、不適切なものはいくつあるか。


 *注: マンション標準管理規約(単棟型、団地型、複合用途型)は、平成28年3月に改正があり、対応した。(2016年 8月29日)


ア 管理組合は、計画修繕、不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕、敷地及び共用部分等の変更、建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査費用、その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理のためには、修繕積立金を取り崩すことができる。

○ 適切である。
 以前はかなり多くて、出題方法として不適切であると度々指摘してきた個数問題です。 (注:平成28年3月の改正点。ここは、旧のままです。)
 「(修繕積立金)
 旧:第28条 管理組合は、各区分所有者が納入する修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。
    
一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
    二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
    三 敷地及び共用部分等の変更
    四 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査
    五 その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のた めに特別に必要となる管理

 2 前項にかかわらず、区分所有法第62条第1項の建替え決議(以下「建 替え決議」という。)又は建替えに関する区分所有者全員の合意の後であ っても、マンションの建替えの円滑化等に関する法律(以下本項において「円滑化法」という。)第9条のマンション建替組合(以下「建替組合」 という。)の設立の認可又は円滑化法第45条のマンション建替事業の認 可までの間において、建物の建替えに係る計画又は設計等に必要がある場 合には、その経費に充当するため、管理組合は、修繕積立金から管理組合 の消滅時に建替え不参加者に帰属する修繕積立金相当額を除いた金額を限 度として、修繕積立金を取り崩すことができる。
 3 管理組合は、第1項各号の経費に充てるため借入れをしたときは、修繕 積立金をもってその償還に充てることができる。
 4 修繕積立金については、管理費とは区分して経理しなければならない。」 です。
 設問の標準管理規約28条1項よれば、「計画修繕」は1号、「不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕」は2号、「敷地及び共用部分等の変更」は3号、「建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査費用」は4号、「その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理」は5号に、各々該当していますから、適切です。


 参考:平成28年3月改正の標準管理規約28条
 (修繕積立金)
 第28条  管理組合は、各区分所有者が納入する修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。
     一  一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
     二  不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
     三  敷地及び共用部分等の変更
     四  建物の建替え及びマンション敷地売却(以下「建替え等」という。)に係る合意形成に必要となる事項の調査
     五  その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理
 2  前項にかかわらず、区分所有法第62条第1項の建替え決議(以下「建替え決議」という。)又は建替えに関する区分所有者全員の合意の後であっても、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成14年法律第 78号。以下「円滑化法」という。)第9条のマンション建替組合の設立の認可又は円滑化法第45条のマンション建替事業の認可までの間において、建物の建替えに係る計画又は設計等に必要がある場合には、その経費に充当するため、管理組合は、修繕積立金から管理組合の消滅時に建替え不参加者に帰属する修繕積立金相当額を除いた金額を限度として、修繕積立金を取り崩すことができる。
 3  第1項にかかわらず、円滑化法第108条第1項のマンション敷地売却決議(以下「マンション敷地売却決議」という。)の後であっても、円滑化法第120条のマンション敷地売却組合の設立の認可までの間において、マンション敷地売却に係る計画等に必要がある場合には、その経費に充当するため、管理組合は、修繕積立金から管理組合の消滅時にマンション敷地売却不参加者に帰属する修繕積立金相当額を除いた金額を限度として、修繕積立金を取り崩すことができる。
 4  管理組合は、第1項各号の経費に充てるため借入れをしたときは、修繕積立金をもってその償還に充てることができる。
 5  修繕積立金については、管理費とは区分して経理しなければならない。



イ 管理組合は、計画修繕、不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕、敷地及び共用部分等の変更、建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査費用、その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理のためには、借入れをすることができる。

○ 適切である。
  マンションでは、基本的に管理費や修繕積立金が不足するなら金額を増額しますが、修繕積立金においては、借入れもやむなしとしています。それが、標準管理規約63条  (注:平成28年3月では改正なし。)
 「(借入れ)
 第63条 
管理組合は、第28条第1項に定める業務を行うため必要な範囲内において、借入れをすることができる。」 です。
 標準管理規約63条で引用されています、第28条第1項とは、選択肢アで引用しました、
    一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
    二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
    三 敷地及び共用部分等の変更
    四 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査
    五 その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のた めに特別に必要となる管理 
 ですから、適切です。



ウ 管理組合は、収支決算の結果、管理費に余剰が生じた場合、区分所有者から返還の求めがあるときは、負担割合に応じて返還することができる。

X 適切でない。 一度納付された管理費や修繕積立金は、余っても区分所有者に返還しない。
 管理費は、標準管理規約60条   (注:平成28年3月の改正点。この解説は、旧のまま。)
 「(管理費等の徴収)
 旧:第60条 管理組合は、第25条に定める管理費等及び第29条に定める使用料について、組合員が各自開設する預金口座から自動振替の方法により 第62条に定める口座に受け入れることとし、当月分は前月の○日までに一括して徴収する。ただし、臨時に要する費用として特別に徴収する場合には、別に定めるところによる。
 2 組合員が前項の期日までに納付すべき金額を納付しない場合には、管理組合は、その未払金額について、年利○%の遅延損害金と、違約金としての弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用を加算して、その組合員に対して請求することができる。
 3 理事長は、未納の管理費等及び使用料の請求に関して、理事会の決議に より、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる。
 4 第2項に基づき請求した遅延損害金、弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用に相当する収納金は、第27条に定める費用に充当する。
 5 組合員は、納付した管理費等及び使用料について、その返還請求又は分割請求をすることができない。」 とあり、
 標準管理規約60条5項「5 組合員は、納付した管理費等及び使用料について、その返還請求又は分割請求をすることができない」とありますから、収支決算の結果、管理費に余剰が生じた場合、区分所有者から返還の求めがあっても、負担割合に応じて返還しませんから、適切ではありません。

 なお、収支決算の結果、管理費に余剰が生じた場合には、その余剰は、翌年度の管理費に充当します。(標準管理規約61条1項参照)
  
 参考:参考:平成28年3月改正の標準管理規約60条
 (管理費等の徴収)
 第60条  管理組合は、第25条に定める管理費等及び第29条に定める使用料について、組合員が各自開設する預金口座から口座振替の方法により第62条に定める口座に受け入れることとし、当月分は別に定める徴収日までに一括して徴収する。ただし、臨時に要する費用として特別に徴収する場合には、別に定めるところによる。
 2  組合員が前項の期日までに納付すべき金額を納付しない場合には、管理組合は、その未払金額について、年利○%の遅延損害金と、違約金としての弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用を加算して、その組合員に対して請求することができる。
 3  管理組合は、納付すべき金額を納付しない組合員に対し、督促を行うなど、必要な措置を講ずるものとする。
 4  理事長は、未納の管理費等及び使用料の請求に関して、理事会の決議により、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる。
 5  第2項に基づき請求した遅延損害金、弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用に相当する収納金は、第27条に定める費用に充当する。
 6  組合員は、納付した管理費等及び使用料について、その返還請求又は分割請求をすることができない。



エ 管理組合は、修繕積立金に充当するため、建物の屋上部分の一部を携帯電話会社に賃貸することができる。

○ 適切である。
 まず管理組合は、建物の屋上部分の一部を携帯電話会社に賃貸することができるかですが、これは、標準管理規約16条   (注:平成28年3月の改正点。この解説は、旧のまま。)
 「(敷地及び共用部分等の第三者の使用)
 旧:第16条 管理組合は、次に掲げる敷地及び共用部分等の一部を、それぞれ当該各号に掲げる者に使用させることができる。
    一 管理事務室、管理用倉庫、機械室その他対象物件の管理の執行上必要な施設管理事務(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「適正化法」という。)第2条第六号の「管理事務」をいう。)を受託し、又は請け負った者
    二 電気室○○電力株式会社
    三 ガスガバナー○○ガス株式会社
 
2 前項に掲げるもののほか、管理組合は、総会の決議を経て、敷地及び共用部分等(駐車場及び専用使用部分を除く。)の一部について、第三者に使用させることができる。」 とあり、
 標準管理規約16条2項によれば、総会の決議があれば、建物の屋上部分の一部を携帯電話会社に賃貸することができます。

 そこで、賃貸料はその他の使用料として、標準管理規約29条
 「(使用料)
 第29条
駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料(以下「使用料」という。)は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる。」 とありますから、
 管理組合は、修繕積立金に充当するため、建物の屋上部分の一部を携帯電話会社に賃貸することができ、適切です。


 参考:平成28年3月改正の標準管理規約16条
 (敷地及び共用部分等の第三者の使用)
 第16条  管理組合は、次に掲げる敷地及び共用部分等の一部を、それぞれ当該各号に掲げる者に使用させることができる。
     一  管理事務室、管理用倉庫、機械室その他対象物件の管理の執行上必要な施設
        管理事務(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成12年法律第149号。以下「適正化法」という。)第2条第六号の「管理事務」をいう。)を受託し、又は請け負った者
     二  電気室
        対象物件に電気を供給する設備を維持し、及び運用する事業者
     三  ガスガバナー
        当該設備を維持し、及び運用する事業者  
 2  前項に掲げるもののほか、管理組合は、総会の決議を経て、敷地及び共用部分等(駐車場及び専用使用部分を除く。)の一部について、第三者に使用させることができる。



1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ


答え:1 適切でないのは、 ウ の1つ。

 
個数問題ですが、それほど難しくはない出題です。

《タグ》標準管理規約。 修繕積立金の取り崩し、 修繕積立金の借入れ、管理費等の返還、使用料の修繕積立金への繰り入れ。

問35

【問 35】規約に別段の定めがない場合、敷地及び共用部分等の共有持分の割合に関する次の記述のうち、民法、区分所有法及びマンション標準管理規約によれば、最も不適切なものはどれか。


 *注: マンション標準管理規約(単棟型、団地型、複合用途型)は、平成28年3月に改正があり、対応した。(2016年 8月29日)


1 共有持分の割合を計算する場合、一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分されて、それぞれの区分所有者の専有部分の床面積に算入される。

○ 適切である。
  平成22年マンション管理士試験 「問1」 
 
 共有持分の割合を計算する場合は、区分所有法第14条

 「(共用部分の持分の割合)
 第十四条  各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。
 2  前項の場合において、
一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有するものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれその区分所有者の専有部分の床面積に算入するものとする
 3  前二項の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による。
 4  前三項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。 」 
とあり、
 区分所有法第14条2項によれば、一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分されて、それぞれの区分所有者の専有部分の床面積に算入されますから、適切です。



2 敷地については、公正証書によりその共有持分の割合が定まっている場合、それに合わせる必要がある。

○ 適切である。 敷地の割合は、規約では決められない。
 敷地の持分は、建物の共用部分の持分とは異なり、基本的に規約で定まるものではなく、分譲時の契約書によって定まります。
 そこで、敷地については、公正証書によりその共有持分の割合が定まっている場合、それに合わせる必要がありますから、適切です。

 参考、標準管理規約10条関係コメント 
 (注:平成28年3月の改正点。この解説は、旧のまま。)
 旧:第10条関係
   @ 共有持分の割合については、専有部分の床面積の割合によることとする。
     ただし、
敷地については、公正証書によりその割合が定まっている場合、それに合わせる必要がある。
     登記簿に記載されている面積は、内のり計算によるが、共有持分の割合の基準となる面積は、壁心計算(界壁の中心線で囲まれた部分の面積を算出する方法をいう。)によるものとする。
   A 敷地及び附属施設の共有持分は、規約で定まるものではなく、分譲契約等によって定まるものであるが、本条に確認的に規定したものである。なお、共用部分の共有持分は規約で定まるものである。

 
参考:平成28年3月改正の標準管理規約コメント10条関係
   コメント 第10条関係
 @ 共有持分の割合については、専有部分の床面積の割合によることとする。ただし、敷地については、公正証書によりその割合が定まっている場合、それに合わせる必要がある。
  登記簿に記載されている面積は、内のり計算によるが、共有持分の割合の基準となる面積は、壁心計算(界壁の中心線で囲まれた部分の面積を算出する方法をいう。)によるものとする。
 A 敷地及び附属施設の共有持分は、規約で定まるものではなく、分譲契約等によって定まるものであるが、本条に確認的に規定したものである。なお、共用部分の共有持分は規約で定まるものである。
 B なお、第46条関係Bで述べている価値割合による議決権割合を設定する場合には、分譲契約等によって定まる敷地等の共有持分についても、価値割合に連動させることが考えられる。



3 共有持分の割合の基準となる面積は、マンション標準管理規約によれば、壁心計算による。

○ 適切である。
  共有持分の割合の基準となる面積は、選択肢2でも引用しました、標準管理規約10条関係コメント (注:平成28年3月の改正点。この解説は、旧のまま。)
 「旧:第10条関係
  @ 共有持分の割合については、専有部分の床面積の割合によることとする。
    ただし、敷地については、公正証書によりその割合が定まっている場合、それに合わせる必要がある。
   登記簿に記載されている面積は、内のり計算によるが、
共有持分の割合の基準となる面積は、壁心計算(界壁の中心線で囲まれた部分の面積を算出する方法をいう。)によるものとする。」  とあり、
 登記簿では、内のり計算ですが、マンションでは、販売時にはまだ、建物が完成していないために、壁心計算を採用していますから、適切です。


 


4 建替え決議に基づき建物が取り壊された場合には、一時的に土地についての民法の共有関係が生じるので、共有持分の割合についても民法の規定に従う。

X 適切でない。 建物は取り壊されても、敷地の共有持分については元々変更が無く、一時的に民法の共有関係が生じるわけではない。
 設問の主題が、敷地にあるのか、建物取り壊しにあるのか曖昧ですが、選択肢2でも説明していますように、マンションでもその敷地の共有持分は建物に依存していませんから、建替え決議に基づき建物が取り壊された場合でも、敷地には元々民法の共有関係があり、一時的に民法に従うことも無く、適切ではありません。


答え:4

 
建物の共用部分の持分と敷地の持分とは、連動していませんから注意してください。
 日本では、建物の権利と土地の権利は別個の物です。 登記簿も参考にしてください。
 すこし難しいか。


《タグ》区分所有法 + 標準管理規約 。 共用部分の持分の計算、 一部共用部分、敷地の割合、登記簿の専有部分面積(内法)、 規約の面積(壁心)

問36

【問 36】 団地内の建物の一括建替え決議において示さなければならない事項として、区分所有法において規定されていないものは、次のうちどれか。

1 建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持又は回復をするのに要する費用の額及びその内訳

○ 規定されている。
 団地内の建物の一括建替え決議は、区分所有法第70条
 「(団地内の建物の一括建替え決議)
 第七十条  団地内建物の全部が専有部分のある建物であり、かつ、当該団地内建物の敷地(団地内建物が所在する土地及び第五条第一項の規定により団地内建物の敷地とされた土地をいい、これに関する権利を含む。以下この項及び次項において同じ。)が当該団地内建物の区分所有者の共有に属する場合において、当該団地内建物について第六十八条第一項(第一号を除く。)の規定により第六十六条において準用する第三十条第一項の規約が定められているときは、第六十二条第一項の規定にかかわらず、当該団地内建物の敷地の共有者である当該団地内建物の区分所有者で構成される第六十五条に規定する団体又は団地管理組合法人の集会において、当該団地内建物の区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で、当該団地内建物につき一括して、その全部を取り壊し、かつ、当該団地内建物の敷地(これに関する権利を除く。以下この項において同じ。)若しくはその一部の土地又は当該団地内建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地(第三項第一号においてこれらの土地を「再建団地内敷地」という。)に新たに建物を建築する旨の決議(以下この条において「一括建替え決議」という。)をすることができる。ただし、当該集会において、当該各団地内建物ごとに、それぞれその区分所有者の三分の二以上の者であつて第三十八条に規定する議決権の合計の三分の二以上の議決権を有するものがその一括建替え決議に賛成した場合でなければならない。
 2  前条第二項の規定は、前項本文の各区分所有者の議決権について準用する。この場合において、前条第二項中「当該特定建物の所在する土地(これに関する権利を含む。)」とあるのは、「当該団地内建物の敷地」と読み替えるものとする。
 
3  団地内建物の一括建替え決議においては、次の事項を定めなければならない。
    
一  再建団地内敷地の一体的な利用についての計画の概要
    二  新たに建築する建物(以下この項において「再建団地内建物」という。)の設計の概要
    三  団地内建物の全部の取壊し及び再建団地内建物の建築に要する費用の概算額
    四  前号に規定する費用の分担に関する事項
    五  再建団地内建物の区分所有権の帰属に関する事項

 
4  第六十二条第三項から第八項まで、第六十三条及び第六十四条の規定は、団地内建物の一括建替え決議について準用する。この場合において、第六十二条第三項中「前項第三号及び第四号」とあるのは「第七十条第三項第四号及び第五号」と、同条第四項中「第一項に規定する」とあるのは「第七十条第一項に規定する」と、「第三十五条第一項」とあるのは「第六十六条において準用する第三十五条第一項」と、「規約」とあるのは「第六十六条において準用する第三十条第一項の規約」と、同条第五項中「第三十五条第一項」とあるのは「第六十六条において準用する第三十五条第一項」と、同条第七項中「第三十五条第一項から第四項まで及び第三十六条」とあるのは「第六十六条において準用する第三十五条第一項から第四項まで及び第三十六条」と、「第三十五条第一項ただし書」とあるのは「第六十六条において準用する第三十五条第一項ただし書」と、同条第八項中「前条第六項」とあるのは「第六十一条第六項」と読み替えるものとする。 」 とあります。

 そこで、設問の「団地内の建物の一括建替え決議において示さなければならない事項」としては、区分所有法第70条4項により準用されています、「第六十二条第三項から第八項まで、第六十三条及び第六十四条の規定は、団地内建物の一括建替え決議について準用する」により、準用されています同第62条は、

 「(建替え決議)
 第六十二条  集会においては、区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」という。)をすることができる。
 2  建替え決議においては、次の事項を定めなければならない。
    一  新たに建築する建物(以下この項において「再建建物」という。)の設計の概要
    二  建物の取壊し及び再建建物の建築に要する費用の概算額
    三  前号に規定する費用の分担に関する事項
    四  再建建物の区分所有権の帰属に関する事項
 3  前項第三号及び第四号の事項は、各区分所有者の衡平を害しないように定めなければならない。
 4  第一項に規定する決議事項を会議の目的とする集会を招集するときは、第三十五条第一項の通知は、同項の規定にかかわらず、当該集会の会日より少なくとも二月前に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。
 
5  前項に規定する場合において、第三十五条第一項の通知をするときは、同条第五項に規定する議案の要領のほか、次の事項をも通知しなければならない。
    一  建替えを必要とする理由
    二  建物の建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持又は回復(建物が通常有すべき効用の確保を含む。)をするのに要する費用の額及びその内訳
    三  建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容
    四  建物につき修繕積立金として積み立てられている金額

 6  第四項の集会を招集した者は、当該集会の会日より少なくとも一月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について区分所有者に対し説明を行うための説明会を開催しなければならない。
 7  第三十五条第一項から第四項まで及び第三十六条の規定は、前項の説明会の開催について準用する。この場合において、第三十五条第一項ただし書中「伸縮する」とあるのは、「伸長する」と読み替えるものとする。
 8  前条第六項の規定は、建替え決議をした集会の議事録について準用する。 」 
です。
 区分所有法第62条5項が、設問に該当します。
 「  5  前項に規定する場合において、第三十五条第一項の通知をするときは、同条第五項に規定する議案の要領のほか、次の事項をも通知しなければならない。
    一  建替えを必要とする理由
    
二  建物の建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持又は回復(建物が通常有すべき効用の確保を含む。)をするのに要する費用の額及びその内訳
    三  建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容
    四  建物につき修繕積立金として積み立てられている金額 」 


 そこで、設問の「建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持又は回復をするのに要する費用の額及びその内訳」は、区分所有法第62条5項2号に該当し、団地内の建物の一括建替え決議において示さなければならない事項として、区分所有法において規定されています。


2 再建団地内敷地の一体的な利用についての計画の概要

○ 規定されている。

 再建団地内敷地の一体的な利用についての計画の概要は、選択肢1で引用しました、区分所有法第70条3項1号
 「3  団地内建物の一括建替え決議においては、次の事項を定めなければならない。
    
一  再建団地内敷地の一体的な利用についての計画の概要」 
とあり、
 区分所有法において規定されています。
 各棟の配置、空地、駐車場、集会所、倉庫など附属施設の配置などが計画されます。
 なお、この条項は、団地であることを考慮して、団地の一括建替えにおいて追加されています。



3 団地内建物の全部の取壊し及び再建団地内建物の建築に要する費用の分担割合

○ 規定されている。
 団地内建物の全部の取壊し及び再建団地内建物の建築に要する費用の分担割合は、選択肢1で引用しました、区分所有法第70条3項3号及び4号
 「3  団地内建物の一括建替え決議においては、次の事項を定めなければならない。
    
三  団地内建物の全部の取壊し及び再建団地内建物の建築に要する費用の概算額
    四  前号に規定する費用の分担に関する事項
」 とあり
  団地内の建物の一括建替え決議において示さなければならない事項として、区分所有法において規定されています。
  費用は決議時点での概算で可能です。実際にかかった費用と差異が生じても、決議は無効とならないと解されます。



4 施工業者に関する事項

X 規定されていない。

 
選択肢1で引用しました、区分所有法第70条には、施工業者に関する事項は、規定されていません。
 団地内の建物の一括建替え決議の段階では、まだ、施工業者に関する事項までは、必要ないと、法律の草案者は考えたようです。



答え:

 
比較的易しい出題です。

《タグ》
区分所有法。 団地の一括建替え決議、必要事項。

問37

【問 37】 計画修繕を怠っていたために、マンションの外壁が老朽化により落下して通行人に大けがをさせた場合の損害賠償責任について、当該マンションの理事会における各理事の意見のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 理事A「当組合は管理組合法人なので、まずは、管理組合法人の財産によって損害賠償をしなければなりません。」

○ 正しい。
  平成25年管理業務主任者試験 〔問6」 、平成24年マンション管理士試験 「問16」 、 平成23年マンション管理士試験 「問2」 

 まず、計画修繕を怠っていたために、マンションの外壁が老朽化により落下して通行人に大けがをさせた場合となると、区分所有法第9条
 「(建物の設置又は保存の瑕疵に関する推定)
 第九条  
建物の設置又は保存に瑕疵があることにより他人に損害を生じたときは、その瑕疵は、共用部分の設置又は保存にあるものと推定する。」 
とあります。
 ここでの、
  *設置の瑕疵...建設当時から存在している瑕疵
  *保存の瑕疵...建設後の維持管理により生じた瑕疵 です。
 この区分所有法第9条により、計画修繕を怠っていたために、マンションの外壁が老朽化により落下して通行人に大けがをさせた場合の責任は、民法第717条

 「(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
 第七百十七条  
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
 2  前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
 3  前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。 」 
とあり 、
 民法第717条1項では、建物の設置や保存に瑕疵があり、他人に損害を与えたときは、第一次としてその建物の占有者が、占有者が必要な注意をしていれば第二次として所有者が、損害賠償責任を負うことになっています。

 これらを前提にして、区分所有建物では、規約で共用部分とされた専有部分に近い建物の部分があったり、配管に至っては、どこまでが共用部分でどこからが専有部分に属するのか争いもあり、多くの場合、損害発生の原因が専有部分にあるのか、共用部分か判断が容易ではありません。
そこで、区分所有法では、民法の特則として、一応共用部分が損害発生の原因として、共用部分の占有者と所有者は同じであり、共有者である区分所有者全員の責任としました。これが、「推定する」の意味です。
 そこで、管理組合法人は、第一次的に損害賠償の責任を負うことになります。
 すると、区分所有法第53条

 「(区分所有者の責任)
 第五十三条  
管理組合法人の財産をもつてその債務を完済することができないときは、区分所有者は、第十四条に定める割合と同一の割合で、その債務の弁済の責めに任ずる。ただし、第二十九条第一項ただし書に規定する負担の割合が定められているときは、その割合による
 2  管理組合法人の財産に対する強制執行がその効を奏しなかつたときも、前項と同様とする。
 3  前項の規定は、区分所有者が管理組合法人に資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、適用しない。 」 
とあり、
 区分所有法第53条1項によれば、「まずは、管理組合法人の財産によって損害賠償をしなければなりません」、は正しい。



2 理事B「管理組合法人の財産には、各区分所有者の共有に属する建物の共用部分、附属施設、付属建物、敷地等の他、管理組合法人名義で有する不動産、動産、金銭、権利一切が含まれることになります。」

X 誤っている。 各区分所有者の共有に属する建物の共用部分、附属施設、付属建物、敷地等は、区分所有者の共有財産で、管理組合法人の財産には含まれない。

  設問をよく読んでください。
  管理組合法人名義で有する不動産、動産、金銭(管理費・修繕積立金)などは、管理組合法人の財産に含まれますが、各区分所有者の共有に属する建物の共用部分、附属施設、付属建物、敷地等は、各区分所有者の共有ですから、誤りです。



3 理事C「もし、管理組合法人の財産でまかなえない場合、その残債務については、全区分所有者で負うことになります。」

○ 正しい。
  管理組合法人の財産でまかなえない場合は、選択肢1でも引用しました、区分所有法第53条1項
 「(区分所有者の責任)
 第五十三条  
管理組合法人の財産をもつてその債務を完済することができないときは、区分所有者は、第十四条に定める割合と同一の割合で、その債務の弁済の責めに任ずる。ただし、第二十九条第一項ただし書に規定する負担の割合が定められているときは、その割合による。 」 とあり、
  管理組合法人の財産でまかなえない場合、その残債務については、全区分所有者で負うことになりますから、正しい。



4 理事D「ただし、C理事の言われる残債務は金銭債務であるため、原則として、各区分所有者の共用部分の持分の割合に応じて、分割された債務となり、各区分所有者はその分割された範囲で無限責任を負うことになります。」

○ 正しい。
 選択肢3の続きです。
 区分所有法第53条1項

 「(区分所有者の責任)
 第五十三条  管理組合法人の財産をもつてその債務を完済することができないときは、
区分所有者は、第十四条に定める割合と同一の割合で、その債務の弁済の責めに任ずる。ただし、第二十九条第一項ただし書に規定する負担の割合が定められているときは、その割合による。 」 
 とありますから、
 引用されています、区分所有法第14条

 「(共用部分の持分の割合)
 第十四条  
各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による
 2  前項の場合において、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有するものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれその区分所有者の専有部分の床面積に算入するものとする。
 3  前二項の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による。
 4  前三項の規定は、
規約で別段の定めをすることを妨げない。」 
により、
  残債務は金銭債務であるため、原則として、各区分所有者の共用部分の持分の割合に応じて、分割された債務となり、各区分所有者はその分割された範囲で無限責任を負うことになりますから、正しい。 


答え:2

 少し、選択肢2が悩むか。 区分所有法第9条の「建物の設置又は保存の瑕疵に関する推定」の詳細は、「マンション管理士 香川事務所」が提供しています、 「超解説 区分所有法」 をよく読んでください。
 民法第717条と区分所有法で定める区分所有者の団体の争いから、設問は、管理組合を法人としたのは、賢明です。


《タグ》区分所有法 +民法 。 マンションの管理組合の責任、法人の財産の範囲、

問38

【問 38】 区分所有者間に生じる債権に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 区分所有者は、規約又は集会の決議により他の区分所有者に対して有する債権について、その債務者の区分所有権及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。

○ 正しい。 
  先取特権は、平成27年 管理業務主任者試験 「問2」 でも出ている。 詳細は、「問2」を参考にしてください。
 
  先取特権なら、区分所有法第7条

 「(先取特権)
 第七条  
区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権についても、同様とする。
 2  前項の先取特権は、優先権の順位及び効力については、共益費用の先取特権とみなす。
 3  民法 (明治二十九年法律第八十九号)第三百十九条 の規定は、第一項の先取特権に準用する。」 
とあり、
 区分所有法第7条1項によれば、区分所有者は、規約又は集会の決議により他の区分所有者に対して有する債権について、その債務者の区分所有権及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有しますから、正しい。



2 区分所有者は、共用部分、建物の敷地又は共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権について、その債務者の区分所有権及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。

○ 正しい。
 選択肢1で引用しました、区分所有法第7条
 「(先取特権)
 第七条  
区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権についても、同様とする。 」 により、
  区分所有者は、共用部分、建物の敷地又は共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権について、その債務者の区分所有権及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有しますから、正しい。



3 区分所有者が、規約又は総会の決議により他の区分所有者に対して有する債権について、その債務者の区分所有権の上に有する先取特権は、規約又は集会の決議で承継する旨を定めた場合にのみ、特定承継人にもその効力が及ぶ。

X 誤っている。 特定承継人が承継する債権は、規約又は集会の決議で承継する旨を定めた場合にのみに限定されない。
   平成27年マンション管理士試験 「問26」も、 平成27年マンション管理士試験 「問2」 、平成26年管理業務主任者試験 「問10」 、平成25年マンション管理士試験 「問4」 

  特定承継人は、区分所有法第8条
 「(特定承継人の責任)
 第八条
 前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。」 
とあり、
 選択肢1で引用しています、前条の区分所有法第7条1項では、特に、 規約又は集会の決議で承継する旨を定めた場合に”のみ”、と債権を限定していませんから、規約又は集会の決議で承継する旨を定めた場合にのみ、特定承継人にもその効力が及ぶは、誤りです。
 限定されません。

  


4 区分所有者が、共用部分、建物の敷地又は共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権の上に有する先取特権は、その順位と効力については、共益費用の先取特権として扱われる。

○ 正しい。
 選択肢1でも引用しました、区分所有法第7条2項
 「(先取特権)
 第七条  
   
2  前項の先取特権は、優先権の順位及び効力については、共益費用の先取特権とみなす。」 

とありますから、正しい。

 参考;先取特権の順位と効力については、
 民法第329条
 「(一般の先取特権の順位)
 第三百二十九条  一般の先取特権が互いに競合する場合には、その
優先権の順位は、第三百六条各号に掲げる順序に従う。
 2  一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する。 」 とあり、
 引用されています、民法306条は、
 「 (一般の先取特権)
 第三百六条  次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。
    一  
共益の費用
    二  雇用関係
    三  葬式の費用
    四  日用品の供給
 
 (共益費用の先取特権)
 第三百七条  
共益の費用の先取特権は、各債権者の共同の利益のためにされた債務者の財産の保存、清算又は配当に関する費用について存在する
 2  前項の費用のうちすべての債権者に有益でなかったものについては、先取特権は、その費用によって利益を受けた債権者に対してのみ存在する。



答え3

 易しい出題です。


《タグ》区分所有法 +民法 。 先取特権、共益費用の先取特権、 特定承継人

問39

【問 39】 次の記述のうち、判例によれば、正しいものの組合せはどれか。

ア 甲マンションにおいて、これまでにペットの飼育に関する規約がなかった場合に、盲導犬等を除いて犬や猫などのペットの飼育を禁止する旨の規約を設定することは、その飼育による実害の発生又はその発生の蓋然性がないときでも許される。

○ 正しい。
 例年、管理業務主任者試験の「問39」は、判例からの出題となっている。

  これは、ペットの飼育に関する規約がなかった場合に、ペットを一律に禁止する規約の改正が区分所有法第31条での、一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすかどうかで争われた事件です。
 具体的には、最高裁:平成10年 3月26日 の判決。元は、東京高裁;平成6年 8月4日の判決
 判決の一部:「被告は、ペットの飼育の重要性を強調するが、ペットの飼育は、飼い主の生活を豊かにし、ペットが飼い主やその家族にとって、かけがえのない存在となる場合のあることは否定できないとしても、被告の主張するペット飼育の重要性を肯定するか否かは、多分に個人の主観にかかわるものであって、そのような認識を他人に強要することはできないところ、前述のとおり、本件規定は本件マンション内における犬猫の飼育を一律に禁止しており、このような禁止も合理性がある以上、実害の有無を問わず、飼育は禁じられるというべきである。」
 としていますから、正しい。



イ 乙マンションの区分所有者が、業務執行に当たっている管理組合の役員らをひぼう中傷等することによって管理組合の業務の遂行や運営に支障を生じさせた場合には、区分所有法に定める「区分所有者の共同の利益に反する行為」に該当する余地がある。

○ 正しい。
  
 平成24年 管理業務主任者試験 「問39」 、 平成24年 マンション管理士試験 「問3」 

  この事件は、最高裁:平成24年 1月17日 の判決
 判決の趣旨;「マンションの区分所有者が、業務執行に当たっている管理組合の役員らをひぼう中傷する内容の文書を配布し、マンションの防音工事等を受注した業者の業務を妨害するなどする行為は、それが単なる特定の個人に対するひぼう中傷等の域を超えるもので、それにより管理組合の業務の遂行や運営に支障が生ずるなどしてマンションの正常な管理又は使用が阻害される場合には、建物の区分所有等に関する法律6条1項所定の「区分所有者の共同の利益に反する行為」に当たるとみる余地がある」 
 としていますから、正しい。



ウ 丙マンションの建物内の倉庫部分について、構造上及び利用上の独立性があっても、当該倉庫部分の一部に他の区分所有者のための共用設備が設置されている場合には、当該倉庫部分が専有部分となる余地はない。

X 誤っている。 共用設備が設置されている倉庫が建物の区分所有等に関する法律にいう専有部分にあたらないとは断じられないとされた。
    平成22年 管理業務主任者試験 「39
 
  マンションにおいて、何が専有部分か何が共用部分にあたるかは、重要な問題で、過去から裁判でも争いがある区分けの設問です。
 
 専有部分と共用部分の区別は、最高裁:昭和56年 6月18日 判決。
 共用設備が設置されている倉庫が建物の区分所有等に関する法律にいう専有部分にあたらないとは断じられないとされた事例 で
 判決の趣旨;「構造上他の建物部分と区分され、それ自体として独立の建物としての用途に供することができる外形を有する倉庫内の床から約二・〇五メートルの高さの部分に共用設備として大小の電気、水道等のパイプが通つている場合において、右共用設備の利用管理によつて右倉庫の排他的使用に格別の制限ないし障害を生じないときは、右倉庫は建物の区分所有等に関する法律にいう専有部分にあたる。」
 としていますから、誤りです。


エ 丁建物について、区分所有建物である旨の登記が可能であるにもかかわらず、区分所有建物ではない1棟の建物としての登記がなされた場合には、丁建物は「区分所有建物ではない建物」とみなされるので、その後、これにつき区分所有建物である旨の登記をすることはできない。

X 誤っている? 変更の登記が出来るのでは?

  随分と時間をかけて、設問の「判例によれば」ってことで、図書館に行って、改正後は当然ながら、改正前の不動産登記法の詳細を読んだり、ネットの 「判例検索」 も調べ、他の検索でもキーワードを入れなおすなどして、探したが、見つからない。

 単純に、不動産登記法第51条
 「 (建物の表題部の変更の登記)
 第五十一条  第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、当該変更があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
 2  前項の登記事項について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
 3  第一項の登記事項について変更があった後に共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記があったときは、所有者(前二項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がされた日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
 4  共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について、第一項の登記事項について変更があった後に所有権を取得した者(前項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、その所有権の取得の日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
 5  建物が区分建物である場合において、第四十四条第一項第一号(区分建物である建物に係るものに限る。)又は第七号から第九号までに掲げる登記事項(同号に掲げる登記事項にあっては、法務省令で定めるものに限る。次項及び第五十三条第二項において同じ。)に関する変更の登記は、当該登記に係る区分建物と同じ一棟の建物に属する他の区分建物についてされた変更の登記としての効力を有する。
 6  前項の場合において、同項に規定する登記事項に関する変更の登記がされたときは、登記官は、職権で、当該一棟の建物に属する他の区分建物について、当該登記事項に関する変更の登記をしなければならない。」 
 この不動産登記法第51条で、区分所有建物として、表題部の変更が可能ではないのか?

 設問としては、
 区分所有建物であるためには、区分所有法第1条での、要件
 @構造上の独立性 と 
 A利用上の独立性 の 2つの面で独立していることが必要 が争われた事件を調べろといっているようだけど、見つからない。
 
 参考:区分所有建物の登記
 不動産登記法
 「(建物の表題登記の申請)
 第四十七条  新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。
 2  区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。


1 ア・イ
2 ア・ウ
3 イ・エ
4 ウ・エ

答え:1?  正しいのは、ア と イ

 
まったく、選択肢エの判例を探すのに時間がかかる。大体、8時間程度をさいたが、判例が見つからない。
 分かる方は、「マンション管理士 香川事務所」 まで、メール ください。
 酷い出題だ。


《タグ》 判例。規約、ペットの飼育の禁止、、 共同の利益違反(中傷)、専有部分と共用部分の区分け、不動産登記法での区分所有建物。



*2016年 1月20日: 選択肢エ の判例が探しきれない。
               答えとしては、正しいのは、解答では、2つ あるとのことで、消去法から ア と イ になると思えるが、解説に時間がかかるので、飛ばして、次の「問40」を先にやります。

問40

【問40】 マンションの分譲業者が買主に対して特約として行うアフターサービスと、売主の瑕疵担保責任についての民法及び宅地建物取引業法の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 宅地建物取引業者である売主が、宅地建物取引業者でない買主に新築マンションの住戸を売却する場合において、アフターサービスの期間を引渡しの日から3年間と定めた場合は、売主は瑕疵担保責任を負わない旨の特約をすることができる。

X 適切でない。 民法の売主の瑕疵担保責任と業者が任意で行うアフターサービスとは、性格が異なる。特約はできない。
 平成27年 マンション管理士試験 「問17」、  平成26年 管理業務主任者試験 「問40」 、 平成26年マンション管理士試験 「問17」平成25年マンション管理士試験 「問17」 、平成25年管理業務主任者試験 「問40」、 平成24年マンション管理士試験 「問14」 、平成24年管理業務主任者試験 「問40」、 平成23年 マンション管理士試験 「問12」 、 平成23年 管理業務主任者試験 「問41」 、 平成22年 マンション管理士試験 「問13」 、 平成22年 管理業務主任者試験 「問42」 、 平成21年 マンション管理士試験 「問4」 、 平成21年 管理業務主任者試験 「問41」 「問42」 、平成20年 マンション管理士試験 「問16」 、平成20年 管理業務主任者試験 「問41」 など。
 売主の瑕疵担保責任も例年必ず出題されます。そこで。別サイト 「瑕疵担保責任のまとめ」 も作成していますから、利用してください。

 売買の対象物に通常の注意を払っても発見できない品質や性能の不備があれば、買主が支払った金額は公平でありません。そこで、民法では売主に対して、故意や過失がなくても、契約の解除や損害賠償などの責任を負わせることにしています。
 それが、民法で定める売主の瑕疵担保責任といわれています。
 具体的には、民法第570条 → 第566条

  「(売主の瑕疵担保責任)
 第五百七十条  
売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。 」 
とあり、
 準用されています、民法第566条は、

 「(地上権等がある場合等における売主の担保責任)
 第五百六十六条  売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、
買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる
 2  前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。
 3  前二項の場合において、
契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。 」 です。
 
 そこで、売主の瑕疵担保責任では、買主は事実を知った時(瑕疵を発見した時)から一年以内(除斥期間)に、
  @契約の解除
  A解約ができないときには、損害賠償請求   そして、
  B解除により損害が発生していれば、その損害賠償請求 ができます。
 しかし、民法では、修補の請求は認めていません。ここが、民法での注意点です。
 また、任意の特約もできます。

 
 一方、土地・建物の売買を扱う宅地建物取引業者(マンションの分譲会社)は、民法に従っているのですが、買主の無知に付け込み、民法で許されている、売買の際に自分たち宅地建物取引業者に都合のいい特約を結んでいて、買主とトラブルが多く発生していました。
 そこで、宅地建物取引業者の特約を規制するため、 宅地建物取引業法第40条

 「(瑕疵担保責任についての特約の制限)
 第四十条  
宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物の瑕疵を担保すべき責任に関し、民法 (明治二十九年法律第八十九号)第五百七十条 において準用する同法第五百六十六条第三項 に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から二年以上となる特約をする場合を除き、同条 に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない
 2  
前項の規定に反する特約は、無効とする。」 として、
  宅地建物取引業者であれば、瑕疵担保責任を負う期間を「
目的物の引渡しの日から二年以上となる特約をする場合」なら、有効ですが、その他の買主にとって不利となる特約は無効としています。
 つまり、
 *引渡しから2年以上の特約なら有効。
   他は無効。無効の場合は、民法の適用となる。
 *無効の例:
  引渡しの日から1年に限り瑕疵担保責任を負う。
  ”売買契約締結の日”から2年間は瑕疵担保責任を負う。


 そこで、設問に戻りますが、ここでいう「アフターサービス」とは、設問でも「マンションの分譲業者が買主に対して特約として行う」と述べていますように、売主や請負人が営業政策としてあくまでもサービスとして買主や注文主と結ぶ任意の契約ですから、契約自由の原則により、公序良俗に反しないことなどの制限はありますが、その内容は、自由です。
 基本的に民法で定める「売主の瑕疵担保責任」(法定責任)と当事者間の契約である「アフターサービス」はその性格が異なっていますから、アフターサービスの期間を引渡しの日から3年間と定めた場合であっても、宅地建物取引業者である売主が法定責任である「売主の瑕疵担保責任」を負わない旨の特約は、買主にとって不利な特約となり、このような特約は無効で、適切ではありません。


 なお、アフターサービス基準は、 
 http://legend-home.co.jp/img/process/after__standard_2.pdf
 にあります。



2 アフターサービスの対象となる部位は、住戸内の内装や各種の設備に限られ、構造耐力上主要な部分及び雨水の侵入を防止する部分は含まれないことが多い。

X 適切でない。 アフターサービスの対象となる部位には、構造耐力上主要な部分及び雨水の侵入を防止する部分も含む。
 選択肢1で挙げています、アフターサービス基準をみればわかりますように、アフターサービス基準の保証部分には、共用部分である構造耐力上主要な部分、雨水の侵入を防止する部分も、専有部分の内装、設備機器も含まれていますから、適切ではありません。
 なお、保証期間は、隠れた瑕疵に限らない、無料での補修で、部位や欠陥の種類で異なっています(1年〜10年間)



3 宅地建物取引業者である売主が、宅地建物取引業者でない買主に新築マンションの住戸を売却する場合において、「売主は、当該住戸を引き渡した日から1年間瑕疵担保責任を負う」旨の特約をしても、当該契約は無効である。

○ 適切である。 宅地建物取引業者である売主に許される特約は、”引渡しの日から二年以上”となる特約をする場合である。

 宅地建物取引業者である売主が、宅地建物取引業者でない買主に新築マンションの住戸を売却する場合なら、選択肢1で説明しましたように、宅地建物取引業法第40条1項及び2項
 「 (瑕疵担保責任についての特約の制限)
 第四十条  宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物の瑕疵を担保すべき責任に関し、民法 (明治二十九年法律第八十九号)第五百七十条 において準用する同法第五百六十六条第三項 に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から二年以上となる特約をする場合を除き、同条 に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。
 2  前項の規定に反する特約は、無効とする。」 
とあり、
 設問の「売主は、当該住戸を”引き渡した日から1年間”瑕疵担保責任を負う」旨の特約は、「その目的物の”引渡しの日から二年以上”となる特約をする場合」よりも、買主に不利なため、無効ですから、適切です。 



4 民法では、売主の瑕疵担保責任の内容として、修補が可能な場合には修補、修補ができない場合には当該瑕疵に対する損害賠償、瑕疵のために契約目的を達成することができないときには契約の解除が定められている。

X 適切でない。 民法では、補修請求は、規定されていない。
 選択肢1で説明しましたように、民法では売主の瑕疵担保責任の内容として認められているのは、
  @契約の解除
  A解約ができないときには、損害賠償請求   そして、
  B解除により損害が発生していれば、その損害賠償請求 ができます。
 しかし、
民法では、修補の請求は認めていませんから、適切ではありません。
 多くの場合、売主が修補をしていますが、これは、アフターサービスなどによるものです。間違えないように。
  ただし、住宅の品質確保の促進等に関する法律では、新築住宅なら、特例として、瑕疵による修補の請求を認めていますから、注意してください。



答え:3

 売主の瑕疵担保責任は、例年出題されますので、かなり、時間をかけて解説しました。  そこで、「マンション管理士 香川事務所」 は、受験生のために、売主の瑕疵担保責任 の別サイト も作っていますから、利用ください。
 また、売主の瑕疵担保責任は、次の 「問41」 でも 出ていますから、これも参考にしてください。

《タグ》民法 + 宅地建物取引業法 。 瑕疵担保責任、特約の有効性、宅地建物取引業者、知ってから1年以内、 引き渡してから2年以上の特約、

問41

【問 41】 Aが、Bからマンションの住戸を購入した場合、その住戸の瑕疵に関する次の入力のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、AとBは、ともに宅地建物取引業者ではない個人とする。

1 AB間の売買契約書に、「Bは瑕疵担保責任を負わない」旨の特約が設けられていた場合であっても、Bがその存在を知りながらAに告げなかった瑕疵については、その責任を免れることができない。

○ 正しい。 個人間の取引なら特約ができるが、知りながら告げなかった事実(瑕疵)があれば、責任がある。
  平成26年マンション管理士試験 「問17」 、 平成24年マンション管理士試験 「問14」 、 平成23年管理業務主任者試験 「問42」 など。

  売主の瑕疵担保責任については、上の 「問40」 での選択肢1の解説を参照してください。
  この設問のポイントは、売主は宅地建物取引業者でないことです。 
  すると、民法だけの適用となり、担保責任を負わない旨の特約が許されます。
  そこで、民法第572条

 「(担保責任を負わない旨の特約)
 第五百七十二条  売主は、第五百六十条から前条までの規定による
担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。 」 とあり、
 民法第572条により、売主Bは、担保の責任を負わない旨の特約ができますが、知りながら告げなかった事実(瑕疵)なら、その責任を逃れられませんから、正しい。



2 Aが通常の注意をすれば知ることのできた瑕疵については、AはBに対し瑕疵担保責任を追求することができない。

○ 正しい。 買主に過失があれば、売主の瑕疵担保責任は追求できない。

 上の「問40」でも説明しましたが、売主の瑕疵担保責任は、民法第570条
 「(売主の瑕疵担保責任)
 第五百七十条  
売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。」 
とあり、
 準用されています、民法第566条

 「(地上権等がある場合等における売主の担保責任)
 第五百六十六条  売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、
契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる
 2  前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。
 3  前二項の場合において、
契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。 」 です。

 民法第570条によれば、売主の瑕疵担保責任が発生するのは、「売買の目的物に隠れた瑕疵があったとき」とされています。
 ここで隠れたる瑕疵とは、買主が取引上必要な普通の注意をしても発見できない瑕疵(傷)と解釈されていますから、買主Aが通常の注意をすれば知ることのできた瑕疵については、買主Aは売主Bに対し瑕疵担保責任を追求することができず、正しい。



3 AB間の売買契約書に、瑕疵担保に関する規定が設けられていなかったときは、AはBに対し瑕疵担保責任を追及することができない。

X 誤っている。 特約がなければ、民法の売主の瑕疵担保責任が適用される。
 AB間の売買契約書に、瑕疵担保に関する規定が設けられていなかったときとは、契約書に、瑕疵担保に関する”特約がない”ということです。
 すると、当然に民法で規定する「売主の瑕疵担保責任」の規定が適用されますから、買主Aは売主Bに対し瑕疵担保責任を追及することができ、誤りです。
 売主の瑕疵担保責任は、特約によって発生するものではありません。



4 AB間の売買契約書に、「瑕疵の修補請求のみでき、損害賠償請求はできない」旨の特約が設けられていたときは、AはBに対し損害賠償請求ができない。

○ 正しい。 個人間の特約は有効である。
 ここが、売主が宅地建物取引業者と、そうでない個人間との違いです。
 特約は、第572条
 「(担保責任を負わない旨の特約)
 第五百七十二条  売主は、第五百六十条から前条までの規定による
担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。 」 
とあり、
 担保の責任を負わないという特約ができますから、AB間の売買契約書に、「瑕疵の修補請求のみでき、損害賠償請求はできない」旨の特約が設けられていたときは、買主Aは売主Bに対し損害賠償請求ができず、正しい。



答え:3

 
ここは、特約についての基本を理解していれば、正解は速い。 易しい。

《タグ》
民法。 売主の瑕疵担保責任、宅地建物取引業者でない場合、特約

問42

【問 42】 マンション建替組合(以下、本問において「組合」という。)に関する次の記述のうち、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成14年法律第78号)の規定によれば、正しいものはどれか。

1 マンション建替事業を施行することができるのは、組合のみである。

X 誤っている。 組合だけでなく、一人でもまた数人でも、マンション建替事業を施行することができる。
  
平成27年 マンション管理士試験 「問19」  平成24年 管理業務主任者試験 「問42」 平成21年 マンション管理士試験 「問19」 平成19年 管理業務主任者試験 「問44」 、
 
  マンション建替事業を施行するのは、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第5条

 「第五条  マンション建替組合(以下この章において「組合」という。)は、マンション建替事業を施行することができる
 
2  マンションの区分所有者又はその同意を得た者は、一人で、又は数人共同して、当該マンションについてマンション建替事業を施行することができる。」 
とあり、
 マンションの建替え等の円滑化に関する法律第5条2項によれば、マンション建替事業を施行することができるのは組合だけでなく、マンションの区分所有者又はその同意を得た者は、一人で、又は数人共同して、マンション建替事業を施行することができますから、誤りです。



2 組合の組合員となることができる者は、そのマンションの区分所有者又はその包括承継人に限られる。

X 誤っている。 包括承継人に限っていない。 また、参加組合員もいる。
 組合の組合員は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第16条
 「(組合員)
 第十六条  
施行マンションの建替え合意者等(その承継人(組合を除く。)を含む。)は、すべて組合の組合員とする
 2  マンションの一の専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を一人の組合員とみなす。 」 
とあり、
 そのマンションの区分所有者(合意者)又はその承継人であれば可能で、特に”包括承継人”に限らず、”特定承継人”も組合員になりますから、誤りです。
 また、同第17条

 「(参加組合員)
 第十七条  
前条に規定する者のほか、組合が施行するマンション建替事業に参加することを希望し、かつ、それに必要な資力及び信用を有する者であって、定款で定められたものは、参加組合員として、組合の組合員となる。」 とあり、
 マンションの建替え等の円滑化に関する法律第17条によれば、 組合が施行するマンション建替事業に参加することを希望し、かつ、それに必要な資力及び信用を有する者であって、定款で定められたものは、参加組合員として、組合の組合員となれますから、ここも誤りです。
 そこで、選択肢2は、全体として、誤りです。


 なお、参加組合員とは、資金のあるデベロッパー等を想定しています。


3 組合は、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者(その承継人を含み、その後に建替え合意者等となったものを除く。)に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。

○ 正しい。
 時価による区分所有権等の売渡請求権は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第15条
 「(区分所有権及び敷地利用権の売渡し請求)
 第十五条  組合は、前条第一項の公告の日(その日が区分所有法第六十三条第二項(区分所有法第七十条第四項において準用する場合を含む。)の期間の満了の日前であるときは、当該期間の満了の日)から二月以内に、区分所有法第六十三条第四項(区分所有法第七十条第四項において準用する場合を含む。)に規定する
建替えに参加しない旨を回答した区分所有者(その承継人を含み、その後に建替え合意者等となったものを除く。)に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。建替え決議等があった後に当該区分所有者から敷地利用権のみを取得した者(その承継人を含み、その後に建替え合意者等となったものを除く。)の敷地利用権についても、同様とする。
 2 前項の規定による請求は、建替え決議等の日から一年以内にしなければならない。ただし、この期間内に請求することができなかったことに正当な理由があるときは、この限りでない。
 3 区分所有法第六十三条第五項から第七項まで(区分所有法第七十条第四項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定は、第一項の規定による請求があった場合について準用する。この場合において、区分所有法第六十三条第六項中「第四項」とあるのは、「マンションの建替え等の円滑化に関する法律第十五条第一項」と読み替えるものとする。」 
とあり、
 マンションの建替え等の円滑化に関する法律第15条1項によれば、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者(その承継人を含み、その後に建替え合意者等となったものを除く。)に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができますから、正しい。


 この時価による区分所有権等の売渡請求権の規定は、区分所有法第63条でも同じです。


4 組合において権利変換計画及びその変更を行うときは、組合員の議決権及び持分割合の各4分の3以上の総会決議で決する。

X 誤っている。 権利変換計画及びその変更は重要なので、組合員の議決権及び持分割合の各5分の4以上が必要。

 権利変換計画及びその変更を行うときは、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第30条

 「(特別の議決)
 第三十条  第二十七条第一号及び第二号に掲げる事項のうち政令で定める重要な事項並びに同条第八号及び第九号に掲げる事項は、組合員の議決権及び持分割合(組合の専有部分が存しないものとして算定した施行マンションについての区分所有法第十四条に定める割合(一括建替え合意者のみにより設立された組合にあっては、組合の持分が存しないものとして算定した施行マンションの敷地(これに関する権利を含む。)の持分の割合)をいう。第三項において同じ。)の各四分の三以上で決する。
 2  権利変換期日以後における前項の規定の適用については、同項中「組合の」とあるのは「組合及び参加組合員の」と、「施行マンション」とあるのは「施行再建マンション」とする。
 
3  第二十七条第七号に掲げる事項は、組合員の議決権及び持分割合の各五分の四以上で決する。 」 とあり、
 マンションの建替え等の円滑化に関する法律第30条では、通常、組合員の議決権及び持分割合の各四分の三以上で決しますが、同条3項に「第二十七条第七号に掲げる事項は、組合員の議決権及び持分割合の各五分の四以上で決する」とあるのに注意が必要です。
 そこで、第27条とは、

 「(総会の決議事項)
 第二十七条  次に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない。
    一  定款の変更
    二  事業計画の変更
    三  借入金の借入れ及びその方法並びに借入金の利率及び償還方法
    四  経費の収支予算
    五  予算をもって定めるものを除くほか、組合の負担となるべき契約
    六  賦課金の額及び賦課徴収の方法
    
七  権利変換計画及びその変更
    八  第九十四条第一項又は第三項の管理規約
    九  組合の解散
    十  その他定款で定める事項 」 
です。
 マンションの建替え等の円滑化に関する法律第27条7号は、「七  権利変換計画及びその変更」ですから、ここだけは、組合員の議決権及び持分割合の各五分の四以上で決しますから、組合員の議決権及び持分割合の各4分の3以上の総会決議で決するは、誤りです。
 これは、権利変換計画及びその変更は重要な事項ですから、特に、5分の4以上としたものです。



答え:3

 過去問題をやっていれば、選択肢3は、かなり易しく選べたようです。区分所有法からも、推定できます。


 マンションの建替え等の円滑化に関する法律 の概要のサイトもあります。

《タグ》マンションの建替え等の円滑化に関する法律。 組合員、売渡請求権、

問43

【問 43】 次の記述のうち、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)によれば、正しいものはどれか。

1 個人情報取扱事業者であるマンション管理業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合であっても、必ず、速やかに、その利用目的を、本人に通知しなければならない。

X 誤っている。 あらかじめその利用目的を公表している場合なら、本人に通知はいらない。
  
 平成25年 管理業務主任者試験 「問41」 、平成22年 管理業務主任者試験 「問45」 、 平成20年 管理業務主任者試験 「問44」 や、 平成17年 管理業務主任者試験 「問45」 。 
 
  まず、個人情報の保護に関する法律なんて法律は馴染みがないでしょうから、個人情報の保護に関する法律第2条
 「(定義)
 第二条  この法律において「
個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。
 2 この法律において「
個人情報データベース等」とは、個人情報を含む情報の集合物であって、次に掲げるものをいう。
     一 特定の個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの
     二 前号に掲げるもののほか、特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したものとして政令で定めるもの
 3 この法律において「
個人情報取扱事業者」とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者をいう。ただし、次に掲げる者を除く。
    一 国の機関
    二 地方公共団体
    三 独立行政法人等(独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十九号)第二条第一項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)
    四 地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)
    五 その取り扱う個人情報の量及び利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定める者
 4 この法律において「
個人データ」とは、個人情報データベース等を構成する個人情報をいう。
 5 この法律において「保有個人データ」とは、個人情報取扱事業者が、開示、内容の訂正、追加又は削除、利用の停止、消去及び第三者への提供の停止を行うことのできる権限を有する個人データであって、その存否が明らかになることにより公益その他の利益が害されるものとして政令で定めるもの又は一年以内の政令で定める期間以内に消去することとなるもの以外のものをいう。
 6 この法律において個人情報について「本人」とは、個人情報によって識別される特定の個人をいう。」 
とあり、
 個人情報の保護に関する法律第2条3項に該当すれば、マンションの管理業者であっても、個人情報取扱事業者になります。

 通常、個人情報の保護に関する法律の適用対象として、特定の個人の数が過去6ヶ月以内のいずれの日においても、5,000を超えない場合には、個人情報取扱事業者には該当しませんから、多くの管理組合には、適用がないと考えられますが、マンション管理業者の中には、複数の管理組合の区分所有者のデータを扱う場合もあり、設問は、もう既に、個人情報取扱事業者であるマンション管理業者としています。
 そこで、個人情報取扱事業者が利用目的を公表している場合となると、個人情報の保護に関する法律第18条

 「(取得に際しての利用目的の通知等)
 第十八条 
個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない
 2 個人情報取扱事業者は、前項の規定にかかわらず、本人との間で契約を締結することに伴って契約書その他の書面(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録を含む。以下この項において同じ。)に記載された当該本人の個人情報を取得する場合その他本人から直接書面に記載された当該本人の個人情報を取得する場合は、あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならない。ただし、人の生命、身体又は財産の保護のために緊急に必要がある場合は、この限りでない。
 3 個人情報取扱事業者は、利用目的を変更した場合は、変更された利用目的について、本人に通知し、又は公表しなければならない。
 4 前三項の規定は、次に掲げる場合については、適用しない。
    一 利用目的を本人に通知し、又は公表することにより本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合
    二 利用目的を本人に通知し、又は公表することにより当該個人情報取扱事業者の権利又は正当な利益を害するおそれがある場合
    三 国の機関又は地方公共団体が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、利用目的を本人に通知し、又は公表することにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。
    四 取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合」 
とあり、
 個人情報の保護に関する法律第18条1項によれば、個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、
あらかじめその利用目的を公表している場合を除いて、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならないのですから、公表している場合であれば、必ず、速やかに、その利用目的を、本人に通知しなければならないは、誤りです。


2 マンションの防犯カメラに映る映像は、特定の個人が識別できるものであっても、「個人情報」には該当しない。
 
X 誤っている。 マンションの防犯カメラに映る映像は、特定の個人が識別できるものなら、「個人情報」に該当する。
 まず、個人情報とは、選択肢1で引用しました、個人情報の保護に関する法律第2条1項
 「(定義)
 第二条  この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。
」 です。

 設問の「マンションの防犯カメラに映る映像で、特定の個人が判別できるもの」ならば、これは、個人情報の保護に関する法律における”それにより特定の個人を識別することができる”「個人情報」に該当しますから、誤りです。


 なお、これだけでは、防犯カメラに映る映像が、「個人情報」に該当するかどうか、判断基準として曖昧です。
 そこで、関係の省庁からガイドラインがでています。 平成26年12月12日 厚生労働省・経済産業省告示第4号 です。
 それによると、
 「個人情報」とは、生存する「個人に関する情報」であって、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができるものを含む。)をいう。「個人に関する情報」は、氏名、性別、生年月日等個人を識別する情報に限られず、個人の身体、財産、職種、肩書等の属性に関して、事実、判断、評価を表すすべての情報であり、評価情報、公刊物等によって公にされている情報や、映像、音声による情報も含まれ、暗号化等によって秘匿化されているかどうかを問わない。 とあり、
 
【個人情報に該当する事例】として、
 事例3) 防犯カメラに記録された情報等本人が判別できる映像情報
 ともあります。


3 個人情報取扱事業者であるマンション管理業者が、管理組合と締結した管理受託契約に基づいて保有している組合員の個人情報は、個人情報取扱事業者としての義務の対象とはならない。

X 誤っている。 個人情報取扱事業者の個人情報なら、個人情報取扱事業者としての義務の対象となる。
 マンション管理業者が選択肢1で引用しました、個人情報の保護に関する法律第2条3項での「個人情報取扱事業者」に該当するなら、マンション管理業者が保有する組合員の個人情報は、個人情報の保護に関する法律 第四章 個人情報取扱事業者の義務等 (第15条以下) に定める対象となりますから、誤りです


4 管理組合の組合員の指名が記載されている組合員名簿が、コンピュータに入力されておらず、紙面で作成されているような場合であっても、五十音順など一定の規則に従って整理・分類され、容易に検索できるような場合には、その名簿は「個人情報データベース」に該当する。

○ 正しい。 個人情報データ・ベースは、コンピューターの使用だけに限らず、紙ベースでも該当する。

 まず、個人情報データベースとは、選択肢1で引用しました、個人情報の保護に関する法律第2条2項
 「(定義)
 第二条
 2 この法律において「個人情報データベース等」とは、個人情報を含む情報の集合物であって、次に掲げるものをいう。
    一 特定の個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの
    二 前号に掲げるもののほか、特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したものとして政令で定めるもの」
 
とあり、
 政令は、個人情報の保護に関する法律施行令第1条

 「(個人情報データベース等)
 第一条  個人情報の保護に関する法律 (以下「法」という。)第二条第二項第二号 の政令で定めるものは、これに含まれる個人情報を一定の規則に従って整理することにより特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成した情報の集合物であって、目次、索引その他検索を容易にするためのものを有するものをいう。 」 
です。
 
 そこで、選択肢2で引用しました、平成26年12月12日 厚生労働省・経済産業省告示第4号 によりますと、
 「個人情報データベース等」とは、特定の個人情報をコンピュータを用いて検索することができるように体系的に構成した、個人情報を含む情報の集合物、又は
コンピュータを用いていない場合であっても、カルテや指導要録等、紙面で処理した個人情報を一定の規則(例えば、五十音順等)に従って整理・分類し、特定の個人情報を容易に検索することができるよう、目次、索引、符号等を付し、他人によっても容易に検索可能な状態に置いているものをいう。」 とあり、
 管理組合の組合員の指名が記載されている組合員名簿が、コンピュータに入力されておらず、紙面で作成されているような場合であっても、五十音順など一定の規則に従って整理・分類され、容易に検索できるような場合には、その名簿は「個人情報データベース」に該当しますから、正しい。


答え:4

 ここも、過去問題をやっていれば、かなり易しい出題でした。

   国土交通所管分野における個人情報保護に関するガイドライン(平成24年3月30日国土交通省告示第363号) もあります。 


《タグ》個人情報の保護に関する法律。 個人情報取扱事業者、公表、防犯カメラ、個人情報、紙面の個人情報データベース


*2017年 4月14日 追記:
 個人情報保護法は、平成27年9月に改正があり、平成29年 5月30日施行で、
 適用対象となる「個人情報取扱事業者」の定義から、過去6ヶ月以内のいずれの時点でも取り扱う個人情報が5,000件以下である小規模取扱事業者が除外されていました。(5,000件ルール、旧施行令2条)
これにより、小規模取扱事業者には、これまで個人情報保護法が適用されていませんでした。

 しかし、今回の改正では、小規模取扱事業者への適用除外規定が削除されたため、これまで適用を受けなかった小規模取扱事業者も(マンションの管理組合も)改正後は個人情報保護法の適用を受けることになりますので、注意してください。
 組合員名簿の取り扱い、管理委託業者の監督責任、また、「個人識別符号」の定義も新しくありますから、出題の可能性が大ですので、勉強しておいてください。

問44

【問 44】 区分所有者であるAが、自己所有のマンションの専有部分を、居住目的で、借主であるBと期間3年の定期建物賃貸借(以下、本問において「本件契約」という。)を締結した場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 賃貸借は諾成契約であるので、本件契約の締結には、当事者の口頭による合意があれば足り、書面の作成は不要である。

X 誤っている。 定期建物賃貸借契約なら、公正証書等の書面が必要。

 通常の契約は、確かに、当事者の口頭による合意があれば成立しますが、これが、定期建物賃貸借となると、話は別です。
 それは、借地借家法第38条
 「(定期建物賃貸借)
 第三十八条  
期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。
 2  前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
 3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。
 4  第一項の規定による建物の賃貸借において、期間が一年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の一年前から六月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、この限りでない。
 5  第一項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が二百平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から一月を経過することによって終了する。
 6  前二項の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。
 7  第三十二条の規定は、第一項の規定による建物の賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しない。 」 
とあり
 期間の定めがある建物の賃貸借をする場合なら、借地借家法第38条1項により、公正証書による等書面によって契約をするときに限り成立しますから、書面の作成は不要であるは、誤りです。

 なお、公正証書は例示ですから、何らかの書面であれば可能です。



2 Aは、本件契約の締結に先立って、Bに対し、当該賃貸借は契約の更新がなく、契約期間の満了により終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

○ 正しい。

 設問は、選択肢1で引用しました、借地借家法第38条2項
 「(定期建物賃貸借)
 第三十八条
   2  
前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。」 
とありますから、
 正しい。



3 Aは、本件契約の期間が満了する1年前から6月前までの間に、Bに対し、本件契約が終了する旨の通知をしなければならず、この通知は書面でしなければ効力を生じない。

X 誤っている。 通知は書面でなくてもいい。
 期間3年の定期建物賃貸借での設問は、選択肢1で引用しました、借地借家法第38条4項
 「(定期建物賃貸借)
 第三十八条
  4  第一項の規定による建物の賃貸借において、
期間が一年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の一年前から六月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、この限りでない。」 
とあり、
 本件契約の期間が満了する1年前から6月前までの間に、借主Bに対し、本件契約が終了する旨の通知をしなければなりませんが、通知は、特に”書面でしなければ効力を生じない”との規定ではないため、誤りです。
 口頭でも可能です。



4 本件契約の期間が満了する前に、Bが死亡した場合、Bに相続人がいる場合でも、本件契約は終了する。

X 誤っている。 相続で契約は承継される。
 賃貸借契約では、賃借人の死亡により、契約が終了する規定はありませんから、Bに相続人がいる場合なら、相続で契約は承継され、終了しませんから、誤りです。
 
 参考:民法第896条
 (相続の一般的効力)
 第八百九十六条  相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。



答え:2


 ここも、過去問題をやっていれば、易しい問題でした。

《タグ》借地借家法。 定期建物賃貸借、書面ですること、契約の終了、賃借人の死亡

問45

注:宅地建物取引業法第35条の重要事項説明について、これまでは相手方等が宅地建物取引業者であっても「宅地建物取引士による説明」が必要とされていましたが、平成29年4月1日施行の改正により、宅地建物取引業者が宅地又は建物の取得者又は借主となる場合における重要事項説明については、説明は不要で書面交付のみで足りるものとされました(第35条第6項・第7項の新設)。ここの設問は、改正前のままです。

【問 45】 宅地建物取引業者であるAが自ら売主として、宅地建物取引業者ではないB、又は宅地建物取引業者であるCとの間で、A所有のマンションの住戸の売買を行う場合に、宅地建物取引業法第35条の規定により行う重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 Aは、当該マンションが昭和56年5月31日以前に新築の工事に着手したものであるときは、自らその耐震診断を実施した上で、その報告書を重要事項説明書に添付しなければならない。

X 誤っている。 宅地建物取引業者が”自ら”耐震診断を実施しなくてもいい。
 まず、設問の宅地建物取引業法第35条
 「(重要事項の説明等)
 第三十五条  宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。
    一  当該宅地又は建物の上に存する登記された権利の種類及び内容並びに登記名義人又は登記簿の表題部に記録された所有者の氏名(法人にあつては、その名称)
    二  都市計画法 、建築基準法 その他の法令に基づく制限で契約内容の別(当該契約の目的物が宅地であるか又は建物であるかの別及び当該契約が売買若しくは交換の契約であるか又は貸借の契約であるかの別をいう。以下この条において同じ。)に応じて政令で定めるものに関する事項の概要
    三  当該契約が建物の貸借の契約以外のものであるときは、私道に関する負担に関する事項
    四  飲用水、電気及びガスの供給並びに排水のための施設の整備の状況(これらの施設が整備されていない場合においては、その整備の見通し及びその整備についての特別の負担に関する事項)
    五  当該宅地又は建物が宅地の造成又は建築に関する工事の完了前のものであるときは、その完了時における形状、構造その他国土交通省令・内閣府令で定める事項
    六  当該建物が建物の区分所有等に関する法律 (昭和三十七年法律第六十九号)第二条第一項 に規定する区分所有権の目的であるものであるときは、当該建物を所有するための一棟の建物の敷地に関する権利の種類及び内容、同条第四項 に規定する共用部分に関する規約の定めその他の一棟の建物又はその敷地(一団地内に数棟の建物があつて、その団地内の土地又はこれに関する権利がそれらの建物の所有者の共有に属する場合には、その土地を含む。)に関する権利及びこれらの管理又は使用に関する事項で契約内容の別に応じて国土交通省令・内閣府令で定めるもの
    七  代金、交換差金及び借賃以外に授受される金銭の額及び当該金銭の授受の目的
    八  契約の解除に関する事項
    九  損害賠償額の予定又は違約金に関する事項
    十  第四十一条第一項に規定する手付金等を受領しようとする場合における同条又は第四十一条の二の規定による措置の概要
    十一  支払金又は預り金(宅地建物取引業者の相手方等からその取引の対象となる宅地又は建物に関し受領する代金、交換差金、借賃その他の金銭(第四十一条第一項又は第四十一条の二第一項の規定により保全の措置が講ぜられている手付金等を除く。)であつて国土交通省令・内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)を受領しようとする場合において、第六十四条の三第二項の規定による保証の措置その他国土交通省令・内閣府令で定める保全措置を講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要
    十二  代金又は交換差金に関する金銭の貸借のあつせんの内容及び当該あつせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置
    十三  当該宅地又は建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結その他の措置で国土交通省令・内閣府令で定めるものを講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要
    
十四  その他宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護の必要性及び契約内容の別を勘案して、次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める命令で定める事項
      イ 事業を営む場合以外の場合において宅地又は建物を買い、又は借りようとする個人である宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に資する事項を定める場合 国土交通省令・内閣府令
      ロ イに規定する事項以外の事項を定める場合 国土交通省令

 2  宅地建物取引業者は、宅地又は建物の割賦販売(代金の全部又は一部について、目的物の引渡し後一年以上の期間にわたり、かつ、二回以上に分割して受領することを条件として販売することをいう。以下同じ。)の相手方に対して、その者が取得しようとする宅地又は建物に関し、その割賦販売の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面を交付して説明をさせなければならない。
    一  現金販売価格(宅地又は建物の引渡しまでにその代金の全額を受領する場合の価格をいう。)
    二  割賦販売価格(割賦販売の方法により販売する場合の価格をいう。)
    三  宅地又は建物の引渡しまでに支払う金銭の額及び賦払金(割賦販売の契約に基づく各回ごとの代金の支払分で目的物の引渡し後のものをいう。第四十二条第一項において同じ。)の額並びにその支払の時期及び方法
 3  宅地建物取引業者は、宅地又は建物に係る信託(当該宅地建物取引業者を委託者とするものに限る。)の受益権の売主となる場合における売買の相手方に対して、その者が取得しようとしている信託の受益権に係る信託財産である宅地又は建物に関し、その売買の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。ただし、その売買の相手方の利益の保護のため支障を生ずることがない場合として国土交通省令で定める場合は、この限りでない。
    一  当該信託財産である宅地又は建物の上に存する登記された権利の種類及び内容並びに登記名義人又は登記簿の表題部に記録された所有者の氏名(法人にあつては、その名称)
    二  当該信託財産である宅地又は建物に係る都市計画法 、建築基準法 その他の法令に基づく制限で政令で定めるものに関する事項の概要
    三  当該信託財産である宅地又は建物に係る私道に関する負担に関する事項
    四  当該信託財産である宅地又は建物に係る飲用水、電気及びガスの供給並びに排水のための施設の整備の状況(これらの施設が整備されていない場合においては、その整備の見通し及びその整備についての特別の負担に関する事項)
    五  当該信託財産である宅地又は建物が宅地の造成又は建築に関する工事の完了前のものであるときは、その完了時における形状、構造その他国土交通省令で定める事項
    六  当該信託財産である建物が建物の区分所有等に関する法律第二条第一項 に規定する区分所有権の目的であるものであるときは、当該建物を所有するための一棟の建物の敷地に関する権利の種類及び内容、同条第四項 に規定する共用部分に関する規約の定めその他の一棟の建物又はその敷地(一団地内に数棟の建物があつて、その団地内の土地又はこれに関する権利がそれらの建物の所有者の共有に属する場合には、その土地を含む。)に関する権利及びこれらの管理又は使用に関する事項で国土交通省令で定めるもの
    七  その他当該信託の受益権の売買の相手方の利益の保護の必要性を勘案して国土交通省令で定める事項
 4  宅地建物取引士は、前三項の説明をするときは、説明の相手方に対し、宅地建物取引士証を提示しなければならない。
 5  第一項から第三項までの書面の交付に当たつては、宅地建物取引士は、当該書面に記名押印しなければならない。 」 
です。

 この宅地建物取引業法第35条に関係するのは、宅地建物取引業法施行規則第16条の4の3 

 「(法第三十五条第一項第十四号 イの国土交通省令・内閣府令及び同号 ロの国土交通省令で定める事項)
 第十六条の四の三  法第三十五条第一項第十四号 イの国土交通省令・内閣府令及び同号 ロの国土交通省令で定める事項は、宅地の売買又は交換の契約にあつては第一号から第三号までに掲げるもの、建物の売買又は交換の契約にあつては第一号から第六号までに掲げるもの、宅地の貸借の契約にあつては第一号から第三号まで及び第八号から第十三号までに掲げるもの、建物の貸借の契約にあつては第一号から第五号まで及び第七号から第十二号までに掲げるものとする。
    一  当該宅地又は建物が宅地造成等規制法 (昭和三十六年法律第百九十一号)第二十条第一項 により指定された造成宅地防災区域内にあるときは、その旨
    二  当該宅地又は建物が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律 (平成十二年法律第五十七号)第七条第一項 により指定された土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨
    三  当該宅地又は建物が津波防災地域づくりに関する法律 (平成二十三年法律第百二十三号)第五十三条第一項 により指定された津波災害警戒区域内にあるときは、その旨
    四  当該建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その内容
    
五  当該建物(昭和五十六年六月一日以降に新築の工事に着手したものを除く。)が建築物の耐震改修の促進に関する法律 (平成七年法律第百二十三号)第四条第一項 に規定する基本方針のうち同条第二項第三号 の技術上の指針となるべき事項に基づいて次に掲げる者が行う耐震診断を受けたものであるときは、その内容
      イ 建築基準法 (昭和二十五年法律第二百一号)第七十七条の二十一第一項 に規定する指定確認検査機関
      ロ 建築士法 (昭和二十五年法律第二百二号)第二条第一項 に規定する建築士
      ハ 住宅の品質確保の促進等に関する法律 (平成十一年法律第八十一号)第五条第一項 に規定する登録住宅性能評価機関
      ニ 地方公共団体
    六  当該建物が住宅の品質確保の促進等に関する法律第五条第一項 に規定する住宅性能評価を受けた新築住宅であるときは、その旨
    七  台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況
    八  契約期間及び契約の更新に関する事項
    九  借地借家法 (平成三年法律第九十号)第二条第一号 に規定する借地権で同法第二十二条 の規定の適用を受けるものを設定しようとするとき、又は建物の賃貸借で同法第三十八条第一項 若しくは高齢者の居住の安定確保に関する法律 (平成十三年法律第二十六号)第五十二条 の規定の適用を受けるものをしようとするときは、その旨
    十  当該宅地又は建物の用途その他の利用に係る制限に関する事項(当該建物が区分所有法第二条第一項 に規定する区分所有権の目的であるときにあつては、第十六条の二第三号に掲げる事項を除く。)
    十一  敷金その他いかなる名義をもつて授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項
    十二  当該宅地又は建物(当該建物が区分所有法第二条第一項 に規定する区分所有権の目的であるものを除く。)の管理が委託されているときは、その委託を受けている者の氏名(法人にあつては、その商号又は名称)及び住所(法人にあつては、その主たる事務所の所在地)
    十三  契約終了時における当該宅地の上の建物の取壊しに関する事項を定めようとするときは、その内容 」 
です。
 かなり長文を引用しましたが、この宅地建物取引業法第35条 重要事項の説明 関係は、例年出題されますから、よく読んでください。


 そこで、設問の「耐震診断」は、宅地建物取引業法施行規則第16条の4の3 5号
 「五  当該建物(昭和五十六年六月一日以降に新築の工事に着手したものを除く。)が建築物の耐震改修の促進に関する法律 (平成七年法律第百二十三号)第四条第一項 に規定する基本方針のうち同条第二項第三号 の技術上の指針となるべき事項に基づいて
次に掲げる者が行う耐震診断を受けたものであるときは、その内容
      イ 建築基準法 (昭和二十五年法律第二百一号)第七十七条の二十一第一項 に規定する指定確認検査機関
      ロ 建築士法 (昭和二十五年法律第二百二号)第二条第一項 に規定する建築士
      ハ 住宅の品質確保の促進等に関する法律 (平成十一年法律第八十一号)第五条第一項 に規定する登録住宅性能評価機関
      ニ 地方公共団体」 とあり、
 宅地建物取引業法施行規則第16条の4の3 5号によれば、次に掲げる者が行う耐震診断を受けたものとあり、宅地建物取引業者が”自ら”耐震診断を実施するまでは規定されていませんから、誤りです。



2 Aは、当該マンションが住宅性能評価を受けた新築マンションであるときは、その旨を説明する必要がある。

○ 正しい。
 住宅性能評価は、選択肢1で引用しました、宅地建物取引業法施行規則第16条の4の3 6号
 「
六  当該建物が住宅の品質確保の促進等に関する法律第五条第一項 に規定する住宅性能評価を受けた新築住宅であるときは、その旨」 とあり
 正しい。


3 Aは、Bの自宅においては、重要事項の説明を行うことができない。

X 誤っている。 重要事項の説明は、自宅でもできる。
 宅地建物取引業法では、重要事項の説明場所を制限する規定はありませんから、宅地建物取引業者Aは、買主Bの自宅においては、重要事項の説明を行うことができますから、誤りです。


4 Aは、Cに対しては、重要事項の説明を省略することができる。

X 誤っている。 重要事項の説明は、宅地建物取引業者同志なら省略できるとの規定はない。
 宅地建物取引業法第35条の重要事項の説明は、宅地建物取引業者相互間の取引については、適用しないとの規定はありませんから、誤りです。
 なお、参考:宅地建物取引業法第78条

 
「(適用の除外)
 第七十八条  この法律の規定は、国及び地方公共団体には、適用しない。
 
2  第三十三条の二及び第三十七条の二から第四十三条までの規定は、宅地建物取引業者相互間の取引については、適用しない。」 はあります。


答え:2

  宅地建物取引業法での重要事項の説明も、過去問題をやっていれば、難しくはありません。

《タグ》宅地建物取引業法。 重要事項の説明、
耐震診断、住宅性能評価、宅地建物取引業者相互間の取引

*2016年1月21日 19:40 ;管理業務主任者の合格発表日の1月22日を明日に控えてどうにか、建築基準法を除いて、解説を終えた。
  まったく、時間がかかって大変だった。
  まだ、解説の全体は終わっていませんが、ご利用ください。

問46


 *注:問46から問50までは、マンション管理士試験か管理業務主任者試験の合格者には免除される部分です。また、この問46から問50は、「マンション管理適正化法」と同指針からの出題と決まっていますので、出題は似たような内容となります。過去問題はやっておくと楽です。


 *注:「マンションの管理の適正化に関する指針」も、標準管理規約と同様に平成28年3月に改正がありましたので、注意してください。

 ここの、解説は、平成28年3月の改正前のものです。


【問 46】 マンションの管理の適正化に関する指針(平成13年国土交通省告示第1288号)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1  マンションが団地を構成する場合には、棟ごとに管理組合が組織されるため、全棟の連携よりも各棟固有の事情を優先して、管理組合の運営をすることが重要である。

X 適切でない。 全棟の連携をとって、全体としての適切な管理がなされるように配慮することが重要である。 
 団地を構成している場合には、マンションの管理の適正化に関する指針では、
 「6 その他配慮すべき事項
  
マンションが団地を構成する場合には、各棟固有の事情を踏まえながら、全棟の連携をとって、全体としての適切な管理がなされるように配慮することが重要である
 また、複合用途型マンションにあっては、住宅部分と非住宅部分との利害の調整を図り、その管理、費用負担等について適切な配慮をすることが重要である。」  とあり、
 全棟の連携をとって、全体としての適切な管理がなされるように配慮することが重要であって、設問の「全棟の連携よりも各棟固有の事情を優先」は、適切ではありません。



2  マンションの区分所有者等は、マンションの居住形態が戸建てのものとは異なり、相隣関係等に配慮を要する住まい方であることを十分に認識し、その上で、マンションの快適かつ適正な利用と資産価値の維持を図るため、管理組合の一員として、進んで、集会その他の管理組合の管理運営に参加するとともに、定められた管理規約、集会の決議等を順守する必要がある。

○ 適切である。

 区分所有者としては、マンションの管理の適正化に関する指針では、
 「三 マンションの管理の適正化の推進のためにマンションの区分所有者等が留意すべき基本的事項等
  マンションを購入しようとする者は、マンションの管理の重要性を十分認識し、売買契約だけでなく、管理規約、使用細則、管理委託契約、長期修繕計画等管理に関する事項に十分に留意する必要がある。
  また、
マンションの区分所有者等は、マンションの居住形態が戸建てのものとは異なり、相隣関係等に配慮を要する住まい方であることを十分に認識し、その上で、マンションの快適かつ適正な利用と資産価値の維持を図るため、管理組合の一員として、進んで、集会その他の管理組合の管理運営に参加するとともに、定 められた管理規約、集会の決議等を遵守する必要がある。そのためにも、マンションの区分所有者等は、マンションの管理に関する法律等に関する理解を深める必要がある。」  とあり、
 適切です。



3  マンションの管理の主体は、マンションの区分所有者等で構成される管理組合であり、管理組合は、マンション区分所有者等の意見が十分に反映させるよう、また、長期的な見通しを持って、適正な運営を行うことが重要である。

○ 適切である。
 管理組合なら、マンションの管理の適正化に関する指針では、
 「一 マンションの管理の適正化の基本的方向
   1 
マンションの管理の主体は、マンションの区分所有者等で構成される管理組合であり、管理組合は、マンションの区分所有者等の意見が十分に反映されるよう、また、長期的な見通しを持って、適正な運営を行うことが重要である。特に、その経理は、健全な会計を確保するよう、十分な配慮がなされる必要がある。また、第三者に管理事務を委託する場合は、その内容を十分に検討して契約を締結する必要がある。」  とあり、
 適切です。



4 専有部分の賃借人等の占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、マンションの区分所有者等が管理規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負うことに十分に留意することが重要である。

○ 適切である。
  賃借人にも、マンションの管理の適正化に関する指針では、
  「三 
マンションの管理の適正化の推進のためにマンションの区分所有者等が留意すべき基本的事項等
    専有部分の賃借人等の占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、マンションの区分所有者等が管理規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負うことに十分に留意することが重要である。
」  とあり、
 適切です。



答え:1

  もう、この出題では、易しい。 これを取りこぼしては、ダメです。

《タグ》マンションの管理の適正化に関する指針

問47

【問 47】マンション管理業者が行う、マンション管理適正化法第73条の規定に基づく契約の成立時の書面の交付に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはどれか。

1  マンション管理業者は、マンション管理適正化法第73条の規定により、同条第1項各号に定める事項を記載した書面を作成するときは、専任の管理業務主任者をして、当該書面に記名押印させなければならない。

X 誤っている。 管理業務主任者であればよく、”専任”は不要。
   平成23年 管理業務主任者試験 「問48」 、平成20年 管理業務主任者試験 「問49」 、平成18年 管理業務主任者試験 「問49」 、平成16年 管理業務主任者試験 「問50」 、平成15年 管理業務主任者試験 「問48」 など。
 
  契約の成立時の書面の交付に関するマンション管理適正化法第73条は、

 「(契約の成立時の書面の交付)
 第七十三条  マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結したときは、当該管理組合の管理者等(当該マンション管理業者が当該管理組合の管理者等である場合又は当該管理組合に管理者等が置かれていない場合にあっては、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員)に対し、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
    一  管理事務の対象となるマンションの部分
    二  管理事務の内容及び実施方法(第七十六条の規定により管理する財産の管理の方法を含む。)
    三  管理事務に要する費用並びにその支払の時期及び方法
    四  管理事務の一部の再委託に関する定めがあるときは、その内容
    五  契約期間に関する事項
    六  契約の更新に関する定めがあるときは、その内容
    七  契約の解除に関する定めがあるときは、その内容
    八  その他国土交通省令で定める事項
 
2  マンション管理業者は、前項の規定により交付すべき書面を作成するときは、管理業務主任者をして、当該書面に記名押印させなければならない。」 です。
 第73条2項により、契約の成立時の書面を作成したら、管理業務主任者の責任において、記名押印しますが、この場合の管理業務主任者は、特に、”専任の”管理業務主任者でなくてもかまいませんから、誤りです。



2  マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結した場合において、当該管理組合に管理者等(マンション管理業者が当該管理組合の管理者等である場合を除く。)が置かれているときは、当該管理組合の管理者等に対して、遅滞なく、マンション管理適正化法第73条第1項各号に定める事項を記載した書面を交付すれば足り、当該管理組合を構成する区分所有者等全員に対し、当該書面を交付する義務はない。

○ 正しい。
 
 平成26年 管理業務主任者試験 「問50」 、 平成23年 管理業務主任者試験 「問47」 、 平成18年 管理業務主任者試験 「問49」 など。
 
  選択肢1で引用しました、マンション管理適正化法第73条1項本文

 「マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結したときは当該管理組合の管理者等(当該マンション管理業者が当該管理組合の管理者等である場合又は当該管理組合に管理者等が置かれていない場合にあっては、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員)に対し、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。」 とあり、
 契約の成立時の書面は、管理者等が置かれていれば、管理者等に対して、遅滞なく、書面を交付しますが、区分所有者全員への交付義務はありませんから、正しい。



3  マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結した場合において、自らが当該管理組合の管理者等であるときは、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、遅滞なく、マンション管理適正化法第73条第1項各号に定める事項を記載した書面を交付するとともに、当該書面を当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等の見やすい場所に掲示しなければならない。

X 誤っている。 交付だけでいい。 掲示までは求められていない。 
 選択肢1で引用しました、マンション管理適正化法第73条1項本文
 「マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結したときは、当該管理組合の管理者等(当該マンション管理業者が当該管理組合の管理者等である場合又は当該管理組合に管理者等が置かれていない場合にあっては、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員)に対し、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。」 とあり、
 契約の成立時の書面は、自らが当該管理組合の管理者等であるときは、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、遅滞なく、マンション管理適正化法第73条第1項各号に定める事項を記載した書面を交付しますが、当該書面を当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等の見やすい場所に掲示しなければならないまでは、規定されていませんから、誤りです。



4  マンション管理業者は、新たに建設されたマンションに関し、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約であって、当該マンションの建設工事の完了の日から1年を経過する日までの間に契約期間が満了するものを締結した場合には、管理組合の管理者等(マンション管理業者が当該管理組合の管理者等である場合を除く。)に対し、マンション管理適正化法第73条の規定に基づく契約の成立時の書面を交付する義務はない。

X 誤っている。 書面の交付を免除する、こんな規定はない。

 
選択肢1で引用しました、マンション管理適正化法第73条では、設問のような、契約の成立時の書面の交付を免除する規定はないため、誤りです。
 似たようなのは、マンション管理適正化法第72条の重要事項の説明等にありますが。



答え:2

  引っ掛け的な出題ですが、専任とか掲示までは、よく出ますから、必ず、条文を記憶しておいてください。 間違えた人もかなりいる?

《タグ》
マンション管理適正化法第73条。 契約の成立時の書面、管理者の有無、

問48

【問 48】 マンション管理業者が行う、マンション管理適正化法第77条の規定に基づく管理事務の報告に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば、正しいものはどれか。

1  マンション管理業者は、管理事務に関する報告を行うときは、報告の対象となる期間、管理組合の会計の収入及び支出の状況並びに管理受託契約の内容に関する事項を記載した管理事務報告書を管理業務主任者をして作成させ、当該書面に記名押印させなければならない。

X 誤っている。 管理業務主任者が報告をするが、作成と記名・押印までは求められていない。
 
 平成26年 管理業務主任者試験 「問50」 、 平成24年 マンション管理士試験 「問48」 平成23年 管理業務主任者試験 「問50」 、平成23年 マンション管理士試験 「問50」 
 
  まず、管理事務の報告のマンション管理適正化法第77条は

 「(管理事務の報告)
 第七十七条  マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれているときは、国土交通省令で定めるところにより、定期に、当該管理者等に対し、
管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない
 2  マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれていないときは、国土交通省令で定めるところにより、定期に、説明会を開催し、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等に対し、
管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない
 3  管理業務主任者は、前二項の説明をするときは、説明の相手方に対し、管理業務主任者証を提示しなければならない。 」 
です。
 国土交通省令で定めるところは、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第88条及び第89条

 「(管理事務の報告)
 第八十八条  マンション管理業者は、法第七十七条第一項 の規定により管理事務に関する報告を行うときは、
管理事務を委託した管理組合の事業年度終了後、遅滞なく、当該期間における管理受託契約に係るマンションの管理の状況について次に掲げる事項を記載した管理事務報告書を作成し、管理業務主任者をして、これを管理者等に交付して説明をさせなければならない。
    一  報告の対象となる期間
    二  管理組合の会計の収入及び支出の状況
    三  前二号に掲げるもののほか、管理受託契約の内容に関する事項 」 
 「第八十九条  マンション管理業者は、法第七十七条第二項 の規定により管理事務に関する報告を行うときは、
管理事務を委託した管理組合の事業年度の終了後、遅滞なく、当該期間における管理受託契約に係るマンションの管理の状況について前条各号に掲げる事項を記載した管理事務報告書を作成し、法第七十七条第二項 に規定する説明会を開催し、管理業務主任者をして、これを当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等に交付して説明をさせなければならない。
 2  前項の説明会は、できる限り説明会に参加する者の参集の便を考慮して開催の日時及び場所を定め、管理事務の委託を受けた管理組合ごとに開催するものとする。
 3  マンション管理業者は、前項の説明会の開催日の一週間前までに説明会の開催の日時及び場所について、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等の見やすい場所に掲示しなければならない。 」  
 とあり、

 管理者等の有無に係わらず、管理事務に関する管理事務報告書の説明内容としては、「報告の対象となる期間、管理組合の会計の収入及び支出の状況並びに管理受託契約の内容に関する事項」があり、この内容の報告を管理業務主任者がすることになっていますが、その作成や当該書面に記名押印までは、管理業務主任者には、求められていませんから、誤りです。


2  マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれているときは、マンション管理業者の事業年度終了後、遅滞なく、当該管理者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない。

X 誤っている。 管理者等が置かれているときは、 ”マンション管理業者”の事業年度終了後ではなく、”管理事務を委託した管理組合”の事業年度終了後である。
 選択肢1で引用しました、マンション管理適正化法第77条1項及びマンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第88条によれば、マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれているときは、管理事務を委託した管理組合の事業年度終了後、遅滞なく、管理事務報告書を作成し、管理業務主任者をして、これを管理者等に交付して説明をさせなければなりませんから、設問の「マンション管理業者の事業年度終了後」は、誤りです。


3  マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれていないときは、区分所有者等に対し当該管理事務に関する報告を行うための説明会を開催しなければならないが、この場合、当該説明会の開催日の1週間前までに、説明会の開催日時及び場所について、当該マンションの区分所有者等の見やすい場所に掲示しなければならない。

○ 正しい。 管理者等が置かれていないときの説明会の案内は、1週間前までに、見やすい場所に掲示する。
  選択肢1で引用しました、マンション管理適正化法第77条2項及びマンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第89条によれば、管理者等が置かれていないときは、管理業務主任者が区分所有者に対して、説明をします。
 この場合は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第89条3項
 「 3  マンション管理業者は、前項の説明会の開催日の一週間前までに説明会の開催の日時及び場所について、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等の見やすい場所に掲示しなければならない。」 とあり、正しい。


4  マンション管理業者は、マンション管理適正化法施行規則第87条第5項に規定する月次の管理組合の会計の収入及び支出の状況に関する書面を、毎月、当該管理組合の管理者等に対して交付し、説明しているときは、管理事務に関する報告については、当該管理組合の会計の収入及び支出の状況以外の管理受託契約の内容等について行えば足りる。

X 誤っている。 必ず管理業務主任者が、会計の収入及び支出の状況を行うこと。

  平成24年 マンション管理士試験 「問48」 、 平成22年 管理業務主任者試験 「問49」 
 
 
  まず、マンション管理適正化法施行規則第87条は財産の分別管理を規定しています。そして、5項は、

 「(財産の分別管理)
 第八十七条
 5  マンション管理業者は、毎月、管理事務の委託を受けた管理組合のその月(以下この項において「対象月」という。)における会計の収入及び支出の状況に関する書面を作成し、翌月末日までに、
当該書面を当該管理組合の管理者等に交付しなければならない。この場合において、当該管理組合に管理者等が置かれていないときは、当該書面の交付に代えて、対象月の属する当該管理組合の事業年度の終了の日から二月を経過する日までの間、当該書面をその事務所ごとに備え置き、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等の求めに応じ、当該マンション管理業者の業務時間内において、これを閲覧させなければならない。 」 
です。
 マンション管理適正化法施行規則第87条5項では、単にマンション管理業者が、会計の収入及び支出の状況に関する書面を作成し、翌月末日までに、当該書面を当該管理組合の管理者等に交付することを規定しただけです。
 一方、管理事務の報告は、同法施行規則第88条

 「(管理事務の報告)
  第八十八条  マンション管理業者は、法第七十七条第一項 の規定により管理事務に関する報告を行うときは、管理事務を委託した管理組合の事業年度終了後、遅滞なく、当該期間における管理受託契約に係るマンションの管理の状況について次に掲げる事項を記載した管理事務報告書を作成し、
管理業務主任者をして、これを管理者等に交付して説明をさせなければならない
    一  報告の対象となる期間
    二  管理組合の会計の収入及び支出の状況
    三  前二号に掲げるもののほか、管理受託契約の内容に関する事項」 
とあり、
 マンション管理業者が、毎月、会計の収入及び支出の状況に関する書面を管理者等に交付し、説明していても、管理事務の報告では、同法施行規則第88条2号により、必ず「管理業務主任者」をして、これを管理者等に交付して説明をさせなければなりませんから、管理事務に関する報告については、当該管理組合の会計の収入及び支出の状況以外の管理受託契約の内容等について行えば足りるは、誤りです。


答え:3
 
  かなり、引っ掛け的でよくない出題ですが、規定の内容を充分に理解して記憶することが、肝心ということです。 このあたりは、過去からも出題があります。過去問題もしっかりとやっておいてください。

《タグ》マンション管理適正化法、マンション管理適正化法施行規則。 管理事務の報告、 管理業務主任者の役目、 管理者の有無、

問49

【問 49】 管理業務主任者に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば、正しいものはどれか。

1 管理業務主任者登録簿に、氏名、生年月日その他必要な事項を登載された者は、登録の更新申請を行わなければ、登録日以後5年をもってその登録の効力を失う。

X 誤っている。 管理業務主任者”登録簿”の登録更新で、5年のような規定はない。
 平成26年 管理業務主任者試験 「問48」 、 平成23年 マンション管理士試験 「問48」 、平成20年 管理業務主任者試験 「問48」 

 まず、管理業務主任者になるには、試験に合格して、国土交通大臣の登録を受けなければなりません。 その登録事項は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律第59条
 「(登録) 
 第五十九条  試験に合格した者で、管理事務に関し国土交通省令で定める期間以上の実務の経験を有するもの又は国土交通大臣がその実務の経験を有するものと同等以上の能力を有すると認めたものは、国土交通大臣の登録を受けることができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、この限りでない。
    一  成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
    二  禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
    三  この法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
    四  第三十三条第一項第二号又は第二項の規定によりマンション管理士の登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
    五  第六十五条第一項第二号から第四号まで又は同条第二項第二号若しくは第三号のいずれかに該当することにより登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
    六  第八十三条第二号又は第三号に該当することによりマンション管理業者の登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者(当該登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの日前三十日以内にその法人の役員であった者で当該取消しの日から二年を経過しないもの)
 2  前項の登録は、国土交通大臣が、
管理業務主任者登録簿に、氏名、生年月日その他国土交通省令で定める事項を登載してするものとする。 」 
とあります。
 国土交通大臣の登録を受けたら、次には、管理業務主任者証の交付が必要です。
 それが、マンションの管理の適正化の推進に関する法律第60条

 「(管理業務主任者証の交付等)
 第六十条  前条第一項の登録を受けている者は、国土交通大臣に対し、氏名、生年月日その他国土交通省令で定める事項を記載した管理業務主任者証の交付を申請することができる。
 2  管理業務主任者証の交付を受けようとする者は、第六十一条の二において準用する第四十一条の二から第四十一条の四までの規定により国土交通大臣の登録を受けた者(以下この節において「登録講習機関」という。)が国土交通省令で定めるところにより行う講習(以下この節において「講習」という。)で交付の申請の日前六月以内に行われるものを受けなければならない。ただし、試験に合格した日から一年以内に管理業務主任者証の交付を受けようとする者については、この限りでない。
 
3  管理業務主任者証の有効期間は、五年とする。
 4  管理業務主任者は、前条第一項の登録が消除されたとき、又は管理業務主任者証がその効力を失ったときは、速やかに、管理業務主任者証を国土交通大臣に返納しなければならない。
 5  管理業務主任者は、第六十四条第二項の規定による禁止の処分を受けたときは、速やかに、管理業務主任者証を国土交通大臣に提出しなければならない。
 6  国土交通大臣は、前項の禁止の期間が満了した場合において、同項の規定により管理業務主任者証を提出した者から返還の請求があったときは、直ちに、当該管理業務主任者証を返還しなければならない。」 
です。
 なお、国土交通省令で定める事項は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第72条

 「(管理業務主任者登録簿の登載事項)
 第七十二条  法第五十九条第二項 に規定する国土交通省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
    一  住所 
    二  本籍(日本の国籍を有しない者にあっては、その者の有する国籍)及び性別
    三  試験の合格年月日及び合格証書番号
    四  法第五十九条第一項 の実務の経験を有する者である場合においては、申請時現在の実務の経験の期間及びその内容並びに従事していたマンション管理業者の商号又は名称及び登録番号
    五  法第五十九条第一項 の規定により能力を有すると認められた者である場合においては、当該認定の内容及び年月日
    
六  マンション管理業者の業務に従事する者にあっては、当該マンション管理業者の商号又は名称及び登録番号
    七  登録番号及び登録年月日
 2  国土交通大臣は、次の各号に掲げる場合には、それぞれ当該各号に掲げる事項を管理業務主任者登録簿に記載するものとする。
    一  法第六十四条第一項 の規定による指示又は同条第二項 の規定による禁止の処分をした場合 当該指示又は処分をした年月日及びその内容
    二  管理業務主任者証を交付した場合 当該管理業務主任者証の交付年月日、有効期間の満了する日及び発行番号
    三  法第六十条第一項 の規定による管理業務主任者証の交付の申請に当たって、次条第二項の修了証明書又は同項の講習の課程を修了したことを証する書類が添付されている場合 当該修了証明書又は書類に係る講習の修了年月日及び講習を行った機関の氏名又は名称
 3  管理業務主任者登録簿の様式は、別記様式第二十号によるものとする。 」 
です。
  これらによれば、管理業務主任者登録簿には、設問の「氏名、生年月日その他」の事項が登載されますが、特に登録の更新申請をしなくても、「登録日以後5年をもってその登録の効力を失う」の規定はありませんから、誤りです。
 有効期間:5年の規定があるのは、あくまでも、管理業務主任者”証”の方だけです。 登録と管理業務主任者証の交付・更新は別です。
 こんな、規定はありません。



2 マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務について、管理業務主任者をして帳簿を作成させなければならない。

X 誤っている。 通常の事務は、特に管理業務主任者がやらなくてもいい。
 平成24年 管理業務主任者試験 「問49」 、 平成23年 管理業務主任者試験 「問48」 、 平成23年 マンション管理士試験 「問48」
 
   まず、マンション管理業者の帳簿の作成は、マンション管理適正化法第75条
  「(帳簿の作成等)
 第七十五条  
マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務について、国土交通省令で定めるところにより、帳簿を作成し、これを保存しなければならない。 」 
です。
 これを受けた、国土交通省令で定めるところは、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第86条

 「(帳簿の記載事項等)
 第八十六条  マンション管理業者は、管理受託契約を締結したつど、法第七十五条 の帳簿に次に掲げる事項を記載し、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備えなければならない。
    一  管理受託契約を締結した年月日
    二  管理受託契約を締結した管理組合の名称
    三  契約の対象となるマンションの所在地及び管理事務の対象となるマンションの部分に関する事項
    四  受託した管理事務の内容
    五  管理事務に係る受託料の額
    六  管理受託契約における特約その他参考となる事項
 2  前項各号に掲げる事項が、電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスク等に記録され、必要に応じ当該事務所において電子計算機その他の機器を用いて明確に紙面に表示されるときは、当該記録をもって法第七十五条 に規定する帳簿への記載に代えることができる。
 3  マンション管理業者は、法第七十五条 に規定する帳簿(前項の規定による記録が行われた同項のファイル又は磁気ディスク等を含む。)を各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、閉鎖後五年間当該帳簿を保存しなければならない。 」 
とあります。
 これらによれば、マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務について、帳簿を作成し、これを保存しますが、その帳簿を管理業務主任者が作成するまでは規定されていませんから、誤りです。
 だいたい、管理業務主任者という有資格者が、なんでもかんでもやっていたら、管理会社の事務員の職を奪います。



3  マンション管理業者AのB事務所は、人の居住の用に供する独立部分(区分所有法第1条に規定する建物の部分をいう。以下、本問において「独立部分」という。)が6以上である30の管理組合及び独立部分が5以下である30の管理組合の計60の管理組合から委託を受けて管理事務を行っているが、この場合において、当該B事務所には、成年者である専任の管理業務主任者を2名設置しなければならない。

X 誤っている。 この場合、専任の管理業務主任者は、1名でいい。 2名はいらない。
 
 平成27年 マンション管理士試験 「問48」 、 平成26年 管理業務主任者試験 「問48」 、平成24年 マンション管理士試験 「問48」 、 平成22年 マンション管理士試験 「問48」
  
  よく、マンション管理士試験でも出題がある規定です。
  マンション管理業者がその事務所ごとに置く専任の管理業務主任者の数の規定は、マンション管理適正化法第56条

 「(管理業務主任者の設置)
 第五十六条  マンション管理業者は、その事務所ごとに、
事務所の規模を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の管理業務主任者を置かなければならないただし、人の居住の用に供する独立部分(区分所有法第一条 に規定する建物の部分をいう。以下同じ。)が国土交通省令で定める数以上である第二条第一号イに掲げる建物の区分所有者を構成員に含む管理組合から委託を受けて行う管理事務を、その業務としない事務所については、この限りでない
 2  前項の場合において、マンション管理業者(法人である場合においては、その役員)が管理業務主任者であるときは、その者が自ら主として業務に従事する事務所については、その者は、その事務所に置かれる成年者である専任の管理業務主任者とみなす。
 3  マンション管理業者は、第一項の規定に抵触する事務所を開設してはならず、既存の事務所が同項の規定に抵触するに至ったときは、二週間以内に、同項の規定に適合させるため必要な措置をとらなければならない。 」 
とあり、
 国土交通省令で定める数とは、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第61条及び第62条

 「(法第五十六条第一項 の国土交通省令で定める管理業務主任者の数)
 第六十一条  法第五十六条第一項 の国土交通省令で定める
管理業務主任者の数は、マンション管理業者が管理事務の委託を受けた管理組合の数を三十で除したもの(一未満の端数は切り上げる。)以上とする。」
 「(法第五十六条第一項 の国土交通省令で定める人の居住の用に供する独立部分の数)
 第六十二条  法第五十六条第一項 の国土交通省令で定める
人の居住の用に供する独立部分の数は、六とする。 」 です。

  これらによれば、人の居住の用に供する独立部分が 6以上 の管理組合の数が 30 につき 1名の専任の管理業務主任者が必要です。

 そこで、設問の「独立部分が6以上である30の管理組合及び独立部分が5以下である30の管理組合の計60の管理組合から委託を受けて管理事務を行っている」場合には、独立部分が5以下である30の管理組合には、専任の管理業務主任者は不要で、独立部分が6以上である30の管理組合には、専任の管理業務主任者が必要となります。

 30管理組合 ÷ 30 = 1人 ですから、 B事務所には、成年者である専任の管理業務主任者は1名でよく、2名の設置は誤りです。



4 管理業務主任者は、登録を受けている事項のうち、転職によりその業務に従事していたマンション管理業者に変更があったときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならないが、この場合において、管理業務主任者証を添えて提出し、その訂正を受ける必要はない。

○ 正しい。 マンション管理業者の変更は、登録事項だが、管理業務主任者証の記載事項ではない。
  平成20年 管理業務主任者試験 「問48」 、 平成15年 管理業務主任者試験 「問48」
 
  管理業務主任者の登録事項は、選択肢1で引用しました、マンション管理適正化法第59条2項

 「(登録) 
 第五十九条
 2  前項の登録は、国土交通大臣が、管理業務主任者登録簿に、氏名、生年月日その他国土交通省令で定める事項を登載してするものとする。 」 
とあり、
 氏名、生年月日その他国土交通省令で定める事項は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第72条 

 「(管理業務主任者登録簿の登載事項)
 第七十二条  法第五十九条第二項 に規定する国土交通省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
    一  住所 
    二  本籍(日本の国籍を有しない者にあっては、その者の有する国籍)及び性別
    三  試験の合格年月日及び合格証書番号
    四  法第五十九条第一項 の実務の経験を有する者である場合においては、申請時現在の実務の経験の期間及びその内容並びに従事していたマンション管理業者の商号又は名称及び登録番号
    五  法第五十九条第一項 の規定により能力を有すると認められた者である場合においては、当該認定の内容及び年月日
    
六  マンション管理業者の業務に従事する者にあっては、当該マンション管理業者の商号又は名称及び登録番号
    七  登録番号及び登録年月日
 2  国土交通大臣は、次の各号に掲げる場合には、それぞれ当該各号に掲げる事項を管理業務主任者登録簿に記載するものとする。
    一  法第六十四条第一項 の規定による指示又は同条第二項 の規定による禁止の処分をした場合 当該指示又は処分をした年月日及びその内容
    二  管理業務主任者証を交付した場合 当該管理業務主任者証の交付年月日、有効期間の満了する日及び発行番号
    三  法第六十条第一項 の規定による管理業務主任者証の交付の申請に当たって、次条第二項の修了証明書又は同項の講習の課程を修了したことを証する書類が添付されている場合 当該修了証明書又は書類に係る講習の修了年月日及び講習を行った機関の氏名又は名称
 3  管理業務主任者登録簿の様式は、別記様式第二十号によるものとする。 」 
とあり、
 一方、管理業務主任者証の記載事項は、これも選択肢1で引用しましたマンション管理適正化法第60条1項

 「(管理業務主任者証の交付等)
 第六十条  前条第一項の登録を受けている者は、国土交通大臣に対し、氏名、生年月日その他国土交通省令で定める事項を記載した管理業務主任者証の交付を申請することができる。 」 とあり、
 氏名、生年月日その他国土交通省令で定める事項を記載した管理業務主任者証は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第74条
 「(管理業務主任者証の記載事項)
 第七十四条  法第六十条第一項 の国土交通省令で定める事項は、次のとおりとする。
    一  登録番号及び登録年月日
    二  管理業務主任者証の交付年月日
    三  管理業務主任者証の有効期間の満了する日
 2  管理業務主任者証の様式は、別記様式第二十二号によるものとする。 」 
とあり、
 管理業務主任者証には、もともと、勤務している管理業者の商号は記載がなく、また平成27年4月からは、以前あった住所もプライバシー保護の関係から削除されています。

 
 

  そして、登録事項の変更届けは、マンション管理適正化法第62条
 「(登録事項の変更の届出等)
 第六十二条  第五十九条第一項の登録を受けた者は、登録を受けた事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
 2  管理業務主任者は、前項の規定による届出をする場合において、管理業務主任者証の記載事項に変更があったときは、当該届出に管理業務主任者証を添えて提出し、その訂正を受けなければならない。」 
とあり、
 第62条1項によれば、 転職によりその業務に従事していたマンション管理業者に変更があったときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならりませんが、マンション管理業者の商号は、管理業務主任者証の記載事項ではないため、管理業務主任者証に変更はないので、管理業務主任者証を添えて提出し、その訂正を受ける必要はなく、正しい。



答え:4

 このあたりは、基本です。 かなり易しい。

《タグ》
マンション管理適正化法 マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則。 管理業務主任者登録簿、管理業務主任者証、登録事項と証の記載事項の違い、 専任の管理業務主任者数

問50

【問 50】 マンション管理業者に課せられている義務に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば、誤っているのはどれか。

1 マンション管理業者は、マンション管理業者登録簿に登録を受けている事項のうち、登録年月日及び登録番号以外の事項について変更があった場合には、その日から30日以内に国土交通大臣に届け出なければならない。

○ 正しい。
  平成20年 マンション管理士試験 「問49」 、 平成18年 管理業務主任者試験 「問48」 
 
  マンション管理業者登録簿に変更があれば、マンション管理適正化法第48条

 「(登録事項の変更の届出)
 第四十八条  
マンション管理業者は、第四十五条第一項各号に掲げる事項に変更があったときは、その日から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
 2  国土交通大臣は、前項の規定による届出を受理したときは、当該届出に係る事項が前条第七号から第九号までのいずれかに該当する場合を除き、届出があった事項をマンション管理業者登録簿に登録しなければならない。
 3  第四十五条第二項の規定は、第一項の規定による届出について準用する。 」 
とあり、
 引用されています、第45条は、

 「(登録の申請)
 第四十五条  前条第一項又は第三項の規定により登録を受けようとする者(以下「登録申請者」という。)は、国土交通大臣に次に掲げる事項を記載した登録申請書を提出しなければならない。
    一  商号、名称又は氏名及び住所
    二  事務所(本店、支店その他の国土交通省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)の名称及び所在地並びに当該事務所が第五十六条第一項ただし書に規定する事務所であるかどうかの別
    三  法人である場合においては、その役員の氏名
    四  未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所(法定代理人が法人である場合においては、その商号又は名称及び住所並びにその役員の氏名)
    五  第五十六条第一項の規定により第二号の事務所ごとに置かれる成年者である専任の管理業務主任者(同条第二項の規定によりその者とみなされる者を含む。)の氏名
 2  前項の登録申請書には、登録申請者が第四十七条各号のいずれにも該当しない者であることを誓約する書面その他国土交通省令で定める書類を添付しなければならない。 」 
です。
 マンション管理適正化法第48条1項によれば、マンション管理業者は、マンション管理業者登録簿に登録を受けている事項のうち、登録年月日及び登録番号以外の事項について変更があった場合には、その日から30日以内に国土交通大臣に届け出なければなりませんから、正しい。



2 マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務のうち基幹事務については、その一部であっても他人に委託してはならない。

X 誤っている。 再委託では、基幹事務の”一括”委託が禁止されているだけ。”一部”の再委託はいい。
  平成24年 管理業務主任者試験 「問49」 平成23年 管理業務主任者試験 「問48」 、平成23年 マンション管理士試験 「問49」 
  ここも、よく出題される。
 
  再委託の禁止は、マンション管理適正化法第74条

 「(再委託の制限)
 第七十四条  
マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務のうち基幹事務については、これを一括して他人に委託してはならない。」 
とあり、
 基幹事務を”一括”して再委託することは禁止されていますが、その”一部”の再委託までは禁止されていませんから、誤りです。



3  マンション管理業者は、当該マンション管理業者の業務状況調書、貸借対照表及び損益計算書又はこれらに代わる書面をその事務所ごとに備え置き、その備え置かれた日から起算して3年を経過する日までの間、当該事務所の営業時間中、その業務に係る関係者の求めに応じ、これを閲覧させなければならない。

○ 正しい。
  
 平成24年 管理業務主任者試験 「問49」 、 平成23年 管理業務主任者試験 「問49」 、 平成23年 マンション管理士試験 「問49」 平成14年 管理業務主任者試験 「問48」 
 ここも、出題が多い規定。
 
  マンション管理業者は、業務内容や財産の状況を関係者に閲覧させなければなりません。それが、マンション管理適正化法第79条

 「(書類の閲覧)
 第七十九条  
マンション管理業者は、国土交通省令で定めるところにより、当該マンション管理業者の業務及び財産の状況を記載した書類をその事務所ごとに備え置き、その業務に係る関係者の求めに応じ、これを閲覧させなければならない。 」 とあり、
 国土交通省令で定めるところは、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第90条

 「(書類の閲覧)
 第九十条  法第七十九条 に規定するマンション管理業者の業務及び財産の状況を記載した書類は、別記様式第二十七号による業務状況調書、貸借対照表及び損益計算書又はこれらに代わる書面(以下この条において「業務状況調書等」という。)とする。
 2  業務状況調書等が、電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスク等に記録され、必要に応じ事務所ごとに電子計算機その他の機器を用いて明確に紙面に表示されるときは、当該記録をもって法第七十九条 に規定する書類への記載に代えることができる。この場合における法第七十九条 の規定による閲覧は、当該業務状況調書等を紙面又は当該事務所に設置された入出力装置の映像面に表示する方法で行うものとする。
 3  マンション管理業者は、第一項の書類(前項の規定による記録が行われた同項のファイル又は磁気ディスク等を含む。次項において同じ。)を事業年度ごとに当該事業年度経過後三月以内に作成し、遅滞なく事務所ごとに備え置くものとする。
 4  第一項の書類は、事務所に備え置かれた日から起算して三年を経過する日までの間、当該事務所に備え置くものとし、当該事務所の営業時間中、その業務に係る関係者の求めに応じて閲覧させるものとする。」 
です。
 これらによれば、マンション管理業者は、当該マンション管理業者の業務状況調書、貸借対照表及び損益計算書又はこれらに代わる書面をその事務所ごとに備え置き、その備え置かれた日から起算して3年を経過する日までの間、当該事務所の営業時間中、その業務に係る関係者の求めに応じ、これを閲覧させなければなりませんから、正しい。



4 マンション管理業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、「登録番号」、「登録の有効期間」、「商号、名称又は氏名」、「代表者氏名」、「この事務所に置かれている専任の管理業務主任者の氏名」、「主たる事務所の所在地(電話番号を含む。)」が記載された標識を掲げなければならない。

○ 正しい。
  
 平成23年 管理業務主任者試験 「問49」 、平成22年 管理業務主任者試験 「問50」 、 平成18年 マンション管理士試験 「問50」
 
  標識の掲示は、マンション管理適正化法第71条

 「(標識の掲示)
 第七十一条  マンション管理業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令で定める標識を掲げなければならない。 」 
とあり、
 国土交通省令で定めるとは、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第81条

 「(標識の掲示)
 第八十一条  法第七十一条 の規定によりマンション管理業者の掲げる標識の様式は、別記様式第二十六号によるものとする。」 
とあり、
  別記様式第二十六号は、


  です
 これらによれば、マンション管理業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、「登録番号」、「登録の有効期間」、「商号、名称又は氏名」、「代表者氏名」、「この事務所に置かれている専任の管理業務主任者の氏名」、「主たる事務所の所在地(電話番号を含む。)」が記載された標識を掲げなければなりませんから、正しい。


答え:2

 ここも、もう過去から出題の多い規定です。 かなり易しい問題でした。

《タグ》マンション管理適正化法 
マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則。 管理業者、基幹事務の再委託、業務内容の閲覧、管理業者の標識。

ここまで、問50。 出題・解説終わり。


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更新記録
2017年 4月14日:「問43」に個人情報保護法の改正を入れた。
2016年 8月29日:平成28年3月の標準管理規約及びマンションの管理の適正化に関する指針の改正に合わせて、問31、問32、問34、問35、問46を変更した。
2016年 3月15日:再度見直しをした。
2016年 3月 2日:文章の校正をした。
2016年 2月29日;民法の過去問題とのリンクを入れた。
2016年 2月26日;区分所有法の過去問題とのリンクを入れた。
2016年 2月 7日:第2稿終了。
2016年 1月24日:未解説だった「問26」と「問27」を解説した。
これで、一応このページ2の「問26」から「問50」までは終わったので、また、ページ1の建築基準法の「問17」以下に戻ります。
2016年 1月21日:管理業務主任者の合格発表まえまでに、全部の解説が終わらなかった。
建築基準法関係は、これから解説にはいります。
解説の一部開始:2015年12月27日〜
問題文Up:2015年12月16日

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