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平成20年 マンション管理士 試験問題 及び 解説

ページ1(問1より問25まで)

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  謝辞:問題文の作成には、taniyan120さまの協力を得ています。

ご質問は、 「マンション管理士 香川事務所」へ。


*注: マンション標準管理規約(単棟型、団地型、複合用途型)は、平成28年3月に改正があり、当解説においては、未対応ですから、注意してください。
また、マンションの管理の適正化に関する指針も、平成28年3月に改正があり、当解説においては、未対応ですから、注意してください。

※ 出題当時以後の法令等の改正には、一部は対応していません。

*試験に臨んで、お節介なアドバイス
  1.設問にあわせて、問題用紙に ○(まる)、X(ばつ)をつける。
    殆どの設問が、「正しい」か「間違い」かを訊いてきますので、設問により、問題の頭に、○かXをつけます。
    そして、各選択肢を読み、○かXをつけます。
    問題の○なりXと、選択肢の○かXが一致したものを、マークシートに記入してください。

  2.疑問な問題は、飛ばす。
    回答の時間は限られています。
    そこで、回答として、○かXかはっきりしないものがでたら、「?」マークをつけて、次の問題に移ります。
    全部の回答が終わってから、再度戻って決定してください。

  3.複雑な問は、図を描く。
    甲、乙、A、B、Cなど対象が多い問題もでます。
    この場合、問題用紙の空いているところに、図を描いてください。
    重要な点が分かってきます。

※  マンション標準管理規約は、平成16年に改正があった。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。
   マンション標準管理委託契約書は、平成15年に改正があった。また、平成22年5月にも改正があった。

問1

〔問 1〕 マンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律第2条第1号イのマンションをいう。以下同じ。)の各共有者の持分に関する次の記述のうち、建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、分譲契約、共有者間及び規約に別段の定めはないものとする。

1 専有部分が共有である場合の各共有者の持分は、相等しい。

○ 正しい。平成22年 管理業務主任者試験 「問1」 など 多数出題あり。
   まず、区分所有法では、マンションという法律上の用語は用いられていません。そこで、マンションとは何かを、設問のように「マンションの管理の適正化の推進に関する法律 第2条第1号イのマンションをいう」と定義します。 「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」によると マンションとは、(定義) 
 「第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号の定めるところによる。
    一  マンション 次に掲げるものをいう。
       イ 二以上の区分所有者(建物の区分所有等に関する法律 (昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第二項 に規定する区分所有者をいう。以下同じ。)が存する建物で人の居住の用に供する専有部分(区分所有法第二条第三項 に規定する専有部分をいう。以下同じ。)のあるもの並びにその敷地及び附属施設」 です。
  マンションの要件としては、@2人以上の区分所有者がいて、A居住用の専有部分が1つでもあればいい です。これにより、マンションが区分所有法と関連付けられます。
  そして、次は、民法と民法の特別法として制定された区分所有法での「共有関係」をきいています。区分所有法では建物の「共用部分」の持分の割合は規定がありますが、「専有部分(建物の室)」が共有である場合の規定はありません。そこで、基本法である民法の適用となります。各共有者間で持分について別段の定めをしていれば、それに従った持分となりますが、設問では「分譲契約、共有者間及び規約に別段の定めはないものとする」とあります。その場合には、民法第250条の規定が適用されます。
 民法第250条 (共有持分の割合の推定)
  「第二百五十条  
各共有者の持分は、相等しいものと推定する。 」よって、正しい。 (専有部分での共有と共用部分の共有は、民法と区分所有法の違いを明確にしておいてください。)
 

2 共用部分の各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。

○ 正しい。
   今度は、「共用部分(建物の専有部分以外の部分)の各共有者の持分」をきいています。これは、区分所有法に規定があります。
   区分所有法第14条 (共用部分の持分の割合)
  「第十四条  
各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による
     2  前項の場合において、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有するものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれその区分所有者の専有部分の床面積に算入するものとする。
     3  前二項の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による。
     4  前三項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。」とあり、4項の規約で別段の定めをしていませんから、1項に該当し、正しい。

3 建物の敷地の各共有者の持分は、相等しい。

○ 正しい。これは、平成17年 マンション管理士 試験 「問2」 選択肢4 のまま。
  区分所有法で定めているのは、建物の共用部分の持分の割合だけです。選択肢2参照。敷地(土地)や選択肢4で出てくる「共用部分以外の附属施設」となると、これも民法に戻ります。
  設問では「分譲契約、共有者間及び規約に別段の定めはないものとする」とあります。その場合には、選択肢1のように
民法第250条の規定が適用され「相等しい」と推定されます。よって、正しい。

4 共用部分以外の附属施設の各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。

X 誤っている。
  少しばかり、引っかけ的な設問に注意してください。「共用部分以外の附属施設」とあります。
  マンションでの「共用部分」であれば、選択肢2のように、区分所有法第14条の適用がありますが、「共用部分以外」となれば、これも民法の適用となり、「分譲契約、共有者間及び規約に別段の定めはないものとする」ため、選択肢1のように
民法第250条の規定が適用され「相等しい」と推定されます。「有する専有部分の床面積の割合」にはなりません。間違いです。

答え:4 (引っかけ的な出題は、適切でない。この辺りの出題は、過去にも出ています。) なお、区分所有法の解説は、別途「超解説 区分所有法」がありますので、こちらも参考にしてください。

問2

〔問 2〕 区分所有法第8条の特定承継人に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、誤っているのはどれか。

1  担保権の実行による売却を原因として区分所有権を取得した者は、特定承継人である。

○ 正しい。特定承継人は、滞納管理費との請求とも絡めた出題は多い。参考:平成20年 管理業務主任者 試験 「問10」 選択肢3、平成21年マンション管理士試験 「問3」 など。
   まず、民法上、他人の権利を取得する承継には、@包括承継(相続などで権利義務を特定しないで一括して承継する)と A特定承継(売買・交換・贈与などで、該当する権利義務だけを個別に承継する)があります。
  通常、合意による取り決めは、その当事者を拘束することは当然ですが、相続人などの包括承継人に対しても効力が及びます。しかし、売買などの特定承継人には及びません。
   そこで、区分所有法では、特に第46条で区分所有者の特定承継人に対しても前からある規約を守り、集会の決議は有効としています。さらに、区分所有者が管理費などを滞納していれば、同法第7条と第8条により、特定承継人にも請求が可能です。
   設問は、区分所有法第8条と限定しています。そこで、区分所有法第8条 は (特定承継人の責任)
  「第八条  前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。 」とあり、前条1項とは第7条1項を指します。
  区分所有法第7条1項 (先取特権)
  「第七条  区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権についても、同様とする。」とあり、 債務者の区分所有権を取得した特定承継人がこれに該当します。
  担保権の実行による売却を原因として区分所有権を取得した者は、区分所有法第8条に規定される区分所有権を取得しますから、特定承継人に該当します。

2  債務者である区分所有者から賃借人として、専有部分に賃借権の設定を受けた者は、特定承継人ではない。

○ 正しい。
   賃借権を設定されても、
区分所有権は、移動していませんから、賃借人は区分所有法第8条に規定される特定承継人ではありません。

3  債務者である区分所有者の死亡によって効力を生じる贈与により区分所有権を取得した者は、特定承継人である。

○ 正しい。
  単純に相続なら、包括承継ですが、贈与により区分所有権を取得した場合は、特定承継人に該当します。

4  強制執行による売却を原因として区分所有権を取得した者は、特定承継人ではない。

X 誤っている。
  もう一度解説に戻りますが、包括承継人とは、他人の権利義務を一括して承継する者で、特定承継人とは、他人の権利義務を個別的に取得する者ですから、強制執行による売却を原因として区分所有権を取得した者は、特定承継人に該当します。

答え:4

問3

〔問 3〕  敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合における当該敷地利用権に関する次の記述のうち、区分所有法、民法、不動産登記法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。

1  マンションの敷地の空き地部分について借地権を設定することはできない。

X 誤っている。これも、平成17年 マンション管理士 試験 「問2」を参照。
  「敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合」には、区分所有法第22条1項が適用されます。(分離処分の禁止)
  「第二十二条  敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。 」。
  この区分所有法第22条の規定は、特に「マンションの敷地の空き地部分について借地権を設定すること」を禁止したものではありません。専有部分とその専有部分に係る敷地の利用権に対して別々に担保権を設定したり、別々に譲渡できないとしているだけです。専有部分とその敷地利用権は一体として扱うことです。マンションの空地部分は、規約がなければ、民法での共有物の処分行為(譲渡・抵当権の設定など)として、民法第251条
  「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。 」の規定により、他の区分所有者全員の同意(承諾)により、空地に借地権や駐車場としての賃借権の設定もすることができます。

2  専有部分を単独で所有する者が相続人なくして死亡した場合、敷地利用権の共有持分は、他の区分所有者に帰属する。

X 誤っている。ここは、平成19年 マンション管理士 試験 「問6」 も参照。
  専有部分を単独で所有する者が相続人なくして死亡した場合、民法では、第255条により、(持分の放棄及び共有者の死亡)
  「第二百五十五条  共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。」の規定により、土地の敷地利用権が共有(準共有も含めて)関係にあれば、所有者が相続人がいなくて死亡すると敷地利用権は、
マンションの他の共有者に帰属します。
  一方、建物の専有部分(室)は、持ち主がいない無主物となり、民法第239条2項 (無主物の帰属)
  「第二百三十九条  所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する。
   2  
所有者のない不動産は、国庫に帰属する。」の規定により、国のものとなります。
  これでは、折角、区分所有法で土地と建物の分離処分を禁止した意味がなくなります。そこで、区分所有法では敷地利用権のときには、第24条において、民法第255条を適用せず、建物の専有部分と土地の敷地利用権は、共に国(特別縁故者がいれば分与されます)に帰属するように変更しています。
 区分所有法第24条 (民法第二百五十五条 の適用除外)
  「第二十四条  第二十二条第一項本文の場合には、民法第二百五十五条 (同法第二百六十四条 において準用する場合を含む。)の規定は、敷地利用権には適用しない。 」

 この規定により、専有部分を単独で所有する者が相続人なくして死亡した場合には、専有部分と敷地利用権は、家庭裁判所により特別縁故者に与えられるか、または国のものになるかです。
 他の区分所有者に帰属しません。

3  分離して処分することができない専有部分及び敷地利用権であることを登記する前に区分所有者が両者を分離して処分した場合、その無効を善意の相手方に主張することができない。

○ 正しい。
  マンションでは、区分所有法第22条により、土地(敷地利用権)と建物(専有部分)が原則分離処分ができませんが、不動産取引の安全確保の面から、日本では「登記制度」があります。登記簿に記載されていれば、他の人(第三者)も閲覧して、このマンションでは、土地と建物が分離処分できないと確認されますが、登記の前では他の人は実体が分かりませんので、区分所有法第23条で、この人(相手方)は保護されています。
 区分所有法第23条 (分離処分の無効の主張の制限)
  「第二十三条  前条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反する専有部分又は敷地利用権の処分については、その無効を善意の相手方に主張することができない。ただし、不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)の定めるところにより分離して処分することができない専有部分及び敷地利用権であることを登記した後に、その処分がされたときは、この限りでない。 」とあり、登記がされる前にした専有部分と敷地利用権の分離処分は、相手が善意(知らない場合)なら、無効であると主張ができません。(しかし、この規定は、区分所有法の制定当時の第三者保護の内容です。区分所有法が浸透した現在では、この規定により保護されるケースは少ないでしょう。)

4  敷地利用権が賃借権である場合、敷地利用権の譲渡につき借地権設定者の承諾もこれに代わる裁判所の許可も必要でない。

X 誤っている。ここは、平成20年 管理業務主任者 試験「問5」と同じ。
  マンションの敷地利用権には、土地の所有権が、マンションの各オーナー(区分所有者)が所有者(共有)になっている場合の他に、地主から借りてマンションを建てる時に賃借権を結んだ準共有の場合もあります。そして、敷地利用権が賃借権で、これを譲渡する場合、区分所有者(賃借人)と土地の持ち主(借地権設定者=賃貸人)との関係は、民法第612条1項、(賃借権の譲渡及び転貸の制限)
  「第六百十二条  賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
   2  賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。 」とあり、
賃貸人である借地権設定者の承諾が必要となります。
  次に、借地権設定者が承諾しない場合には、借地借家法第19条1項、(土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可)
  「第十九条  借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、賃借権の譲渡若しくは転貸を条件とする借地条件の変更を命じ、又はその許可を財産上の給付に係らしめることができる。」 により裁判所が借地権設定者に代わって許可を与えることもできます。
 借地権設定者の承諾またはそれに代わる裁判所の許可が必要です。(しかし、現実には、敷地利用権が賃借権である場合でも、マンションの専有部分の譲渡にあたっては、地主の承諾が無くても、敷地利用権と共に譲渡されているケースもあり、裁判でもめています。)

答え:3 

問4

〔問 4〕  マンション業者AがBに設計・工事監理を委託し、Cに施工を請け負わせて建築した甲マンションは、B及びCが必要な注意義務を怠ったため、共用部分に建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵があることが分譲直後に判明した。その瑕疵のため甲マンションの区分所有者の生命、身体又は財産が侵害された場合における、管理者が区分所有者を代理して行う共用部分の損害賠償請求に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。ただし、分譲契約に特約はないものとし、分譲時から区分所有者に変更はないものとする。

1  管理者は、Aに対して、分譲契約上の瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求することができる。

○ 正しい。似たような問題は、平成18年 マンション管理士 試験 「問13」 にある。マンション管理士試験ではよく出題される、民法での不法行為(民法第709条〜)と売主の瑕疵担保責任(民法第570条〜)をきいている。
  まず、マンション業者Aは売主として、「共用部分に建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵があることが分譲直後に判明した」ことに対して、民法第570条 (売主の瑕疵担保責任)
  「第五百七十条  売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。 」の規定により準用される 
  民法第566条 (地上権等がある場合等における売主の担保責任)
  「第五百六十六条  売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
   2  前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。
   3  前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。 」の責任を負い、買主から損害賠償の請求を受けることになる。
  では、次に、
買主でないマンションの管理者が、分譲会社に対して、分譲契約上の瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求することができるかどうかの検討となる。
  区分所有法の改正前には、瑕疵担保責任や下の侵害賠償での請求ができるのは、管理者か区分所有者かで争いがあり、平成14年の改正で、これらは、管理者ができるとしたので、この設問となっている。
 鍵は、「共用部分」である。マンションの管理者の権限としては、区分所有法第26条(権限)
  「第二十六条  管理者は、共用部分並びに第二十一条に規定する場合における当該建物の敷地及び附属施設(次項及び第四十七条第六項において「共用部分等」という。)を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。
  2  
管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする
  3  管理者の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
  4  管理者は、規約又は集会の決議により、その職務(第二項後段に規定する事項を含む。)に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる。
  5  管理者は、前項の規約により原告又は被告となつたときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。この場合には、第三十五条第二項から第四項までの規定を準用する。 」とあり、
  管理者は、2項により共用部分に生じた損害賠償請求を買主である区分所有者を代理してできる。

2  管理者は、Bに対して、不法行為に基づく賠償責任を請求することができない。

X 誤っている。
  売主の次に、設計・工事監理をしたBに対して不法行為が成立するかどうかをきいている。
  設計・工事監理をしたBと施工を請け負ったCは、「必要な注意義務を怠った」とある。これは、民法第709条 (不法行為による損害賠償)
  「第七百九条  故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」 の要件の過失(不注意で認識しなかったこと)に該当するため、損害賠償責任を負う。
  第三者である管理者であっても、マンションの管理者は選択肢1で述べたように、区分所有法第26条により、管理者は買主である区分所有者を代理して損害賠償請求ができる。

3  管理者は、Cに対して、不法行為に基づく賠償責任を請求することができる。

○ 正しい。
  次は、施工を受け負ったCに対して不法行為が成立するかである。
  Cは「必要な注意義務を怠った」とある。これは、選択肢2で述べたように、民法第709条で規定する「過失」に該当するため、損害賠償責任を負う。
  また、マンションの管理者は、選択肢1で述べたように、区分所有法第26条により買主である区分所有者を代理して損害賠償請求ができる。

4  Aが建物の基本的な安全性を損なう瑕疵があることを知って分譲した場合は、管理者は、Aに対して不法行為に基づく賠償責任を請求することができる。

○ 正しい。
  今度は、マンション業者Aにも、不法行為が成立するかどうかである。
  「Aが建物の基本的な安全性を損なう瑕疵があることを知って分譲した場合」は明らかに、故意という観念(自分の行為が他人に損害を及ぼすことを知っていながら、なおあえてこれをやるという心理状態)による行為である。これは、選択肢2で引用した、民法第709条での不法行為の成立要件の「故意又は過失」の故意に該当するため、マンション業者Aにも、不法行為が成立し損害賠償責任がある。
  また、マンションの管理者は、選択肢1で述べたように、区分所有法第26条により買主である区分所有者を代理して損害賠償請求ができる。

答え:2 (過去問題をやった人には、簡単な問題か。設問の「分譲時から区分所有者に変更はないものとする」は管理者への代理権の授与の面倒な論争を避けたためか。)

問5

〔問 5〕 規約の特別な定めにより共用部分を所有する管理者(以下この問において「管理所有者」という。)に関する次の記述のうち、区分所有法によれば、誤っているのはどれか。

1 管理所有者は、区分所有者以外の第三者であってもなることができる。

○ 正しい。 区分所有法での特異な存在「管理所有」からの出題傾向は高い。平成21年マンション管理士試験 「問5」 選択肢3 など。
   まず、マンションの建物の共用部分は、区分所有者全員の共有であり、共用部分は個人では所有できないことが区分所有法の原則ですが、これの例外規定が区分所有法第11条2項にあります。
   区分所有法第11条 (共用部分の共有関係)
   「第十一条  共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。
     
2  前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。ただし、第二十七条第一項の場合を除いて、区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることはできない。
     3  民法第百七十七条(注:登記) の規定は、共用部分には適用しない。」とあり、
  そして、同法第27条(管理所有)
   「第二十七条  管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
     2  第六条第二項及び第二十条の規定は、前項の場合に準用する。」とあり、
  規約で定めれば、権利の登記ができない共用部分に所有者を認めるという、おかしな構成となっています。
   これが、区分所有法でいう「管理所有者」です。
   管理所有者の資格として、区分所有法第11条2項で、@区分所有者 が上げられ、その他の人として、同法第27条で A管理者にも管理所有を認めています。
   区分所有法では、管理者についての資格を特に区分所有者に限定した規定はありませんから、区分所有者以外の第三者でもなれます。また管理者には法人でも、二人以上でもなれます。

2 管理所有者は、規約に定めがあるときは、当該共用部分の形状又は効用の著しい変更をすることができる。

X 誤っている。 これは、平成15年 マンション管理士 試験 「問4」 選択肢3 と同じ。
  管理所有者ができることは、区分所有法第20条 (管理所有者の権限)
  「第二十条  第十一条第二項の規定により規約で共用部分の所有者と定められた区分所有者は、区分所有者全員(一部共用部分については、これを共用すべき区分所有者)のためにその共用部分を管理する義務を負う。この場合には、それらの区分所有者に対し、相当な管理費用を請求することができる。
   2  前項の共用部分の所有者は、
第十七条第一項に規定する共用部分の変更をすることができない。」と定められています。この2項に該当する同法第17条1項とは、(共用部分の変更)
   「第十七条  共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。」とあり、「その形状又は効用の著しい変更(重大変更とよばれます)」は規約で定めても、管理所有者はできず、必ず、集会の決議によると解されています。例外的な管理所有者が、勝手に変更したら大変です。

3 管理所有者は、当該共用部分に係る損害保険契約の締結について、集会の決議を得る必要がない。

○ 正しい? 損害保険契約の締結行為が、管理所有者に許されている、「共用部分の保存・管理」の中に含まれているかどうかである。(調査中です。)
   通常の「共用部分につき損害保険契約を締結をすること」は、区分所有法第18条4項により、共用部分の管理に関する事項とみなされ、同第18条1項により、集会の決議が必要となります。
   この規定との関係があやふやです。
   調べました。管理所有者の権限としては、@
狭義の管理行為、 A保存行為、 B軽微の変更 はできるようです。そして、その共用部分に損害保険契約を締結する行為は、@狭義の管理行為に含まれるため、集会の決議は不要のようです。ここは、区分所有法第18条1項と関係を考えなくてもいい主旨の出題のようです。(私としては、少しばかり疑問の残る設問です。)

4 管理所有者は、当該共用部分に係る修繕のための請負契約の締結をする場合、自己の名においてすることができる。

○ 正しい。 修繕は保存行為に該当しますから、選択肢2で引用した、区分所有法第20条1項の規定により、保存行為は管理所有者の義務に入ります。そこで、管理所有者は自己の名において、当該共用部分に係る修繕のための請負契約の締結ができます。また、区分所有法第18条1項も参照のこと。(共用部分の管理)
   「第十八条  共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。
     2  前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。
     3  前条第二項の規定は、第一項本文の場合に準用する。
     4  共用部分につき損害保険契約をすることは、共用部分の管理に関する事項とみなす。」

答え:2

問6

〔問 6〕  集会の目的たる事項が次の決議である場合、議案についてその要領の通知を義務づけられていないものは、区分所有法の規定によれば、どれか。ただし、招集手続きの省略について、区分所有者全員の同意を得ていないものとする。

1 管理組合法人の解散

X 義務づけられていない。
  まず、区分所有法では、多くの場合、区分所有者の団体(管理組合)での最高意思決定機関である「集会(=総会)」を開いて、物事を決めなさいと定めています。そして、集会を招集する通知には、区分所有者及び議決権の過半数で決することのできる事項(
普通決議)であれば、「会議の目的(議題)」を示して通知すればいいのですが、重要な事項(これは、区分所有法で議題が、原則として区分所有者及び議決権の各3/4以上または4/5以上(建替え)の賛成を必要とする特別決議事項)では、「会議の目的」のほかに「その議案の要領」も通知が義務づけられています。
 具体的には、区分所有法第35条5項 (集会の通知)
  「5  第一項の通知をする場合において、会議の目的たる事項が第十七条第一項、第三十一条第一項、第六十一条第五項、第六十二条第一項、第六十八条第一項又は第六十九条第七項に規定する決議事項であるときは、その議案の要領をも通知しなければならない。」の規定です。 なお、「議案の要領」とは、決議内容についての要約です。
  設問は、単純に、区分所有法第35条5項が規定している各条文の内容を知っているかどうかです。各条文は、
  @第十七条第一項...共用部分の形状または効用の著しい変更(重大変更)
  A第三十一条第一項...規約の設定、変更又は廃止
  B第六十一条第五項...建物の大規模滅失(建物の価格の1/2超の滅失)の場合における復旧
  C第六十二条第一項...建替え
  D第六十八条第一項...団地管理組合の規約の設定の特例
  E第六十九条第七項...団地内の2以上の区分所有建物の建替えについて一括建替え承認決議に付する旨
  です。区分所有法で特別決議事項とされている内の
、@管理組合法人となること(区分所有法第47条1項)と管理組合法人の解散(同法第55条2項)、A使用禁止、競売、占有者に対する室の引渡しの訴えの提起 が入っていないことに注意が必要です。
  「管理組合法人の解散」は「管理組合法人の設立」と同様に、区分所有法第35条5項には該当しないため、「その議案の要領の通知」は義務づけられていません。法律作成者は、これらの事項については、会議の目的自体が、議案であるから、対象にしなかったとの事です。

2 共用部分の形状又は効用の著しい変更

○ 義務づけられている。 これは、区分所有法第35条5項で規定する、第17条1項に該当し、選択肢1で述べたように、議案についてその要領の通知を義務づけられています。

3 規約の変更

○ 義務づけられている。 これは、区分所有法第35条5項で規定する、第31条1項に該当し、選択肢1で述べたように、議案についてその要領の通知を義務づけられています。

4 建物の価格の1/2を超える部分が滅失した場合における共用部分の復旧

○ 義務づけられている。 これは、区分所有法第35条5項で規定する、第61条5項(大規模滅失)に該当し、選択肢1で述べたように、議案についてその要領の通知を義務づけられています。

答え:1

問7

〔問 7〕  議決権の行使に関する次の記述のうち、区分所有法、民法及び民事執行法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。

1 専有部分が数人の共有に属しその中に未成年がいる場合、当該未成年者を議決権を行使すべき者と定めることができない。

X 誤っている。 よく、他の資格試験でも出題される「未成年者の行為能力」です。
  まず、区分所有法では、専有部分が数人の共有関係にある場合には、同法第40条 (議決権行使者の指定)
  「第四十条  専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない。」により、共有者の中から、誰か一人を議決権行使者として定めることが求められています。
  次に、議決権行使者の資格として、未成年者がなれるかの問題です。これについては、区分所有法では規定がありませんから、民法に戻ることになります。
  共有者間で、議決権行使者を定める行為は、代理行為に該当すると考えられます。すると、民法第102条 (代理人の行為能力)
  「第百二条  
代理人は、行為能力者であることを要しない。 」により、未成年者であっても議決権行使者と定めることも可能です。

2 専有部分が民事執行法の規定により差し押さえられて強制執行が開始された場合、当該専有部分の所有者は議決権を行使することができる。

○ 正しい。 差し押さえについては、平成16年 マンション管理士 試験 「問9」 、 平成20年 管理業務主任者 試験 「問33」 もある。
  区分所有法で定める議決権は、同法第38条 (議決権)
  「第三十八条  各区分所有者の議決権は、規約に別段の定めがない限り、第十四条に定める割合による。」により、区分所有者であれば議決権をもっています。例え、差し押さえを受けても、専有部分の所有者(=区分所有者)としての地位に変動はありませんから、当該専有部分の所有者は議決権を行使することができます。

3 各区分所有者の議決権の割合を、住戸一戸につき各一個の議決権とすることについて、集会において区分所有者及び議決権の各過半数で決議することができる。

X 誤っている。 議決権の割合は、選択肢2で引用した区分所有法第38条により、原則として、持っている専有部分の床面積の割合(同第14条)となりますが、規約で別段の定めも可能です。(第38条参照)
  設問の、既存の規約で議決権について別段の定めがなく、新しい議決権の割合を集会で決めようとすることは、区分所有法第38条の原則から外れ、新しく規約の設定が必要な行為に該当します。規約の設定は、区分所有法第31条 (規約の設定、変更及び廃止)
  「第三十一条  
規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
   2  前条第二項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の四分の一を超える者又はその議決権の四分の一を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。 」の1項の規定により、
 「区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議」が必要となります。区分所有者及び議決権の各過半数で決議することはできません。

4 専有部分が持分割合の異なる2人の共有に属している場合、持分割合の大きい者を議決権を行使すべき者と定めなければならない。

X 誤っている。 よくでる問題。 たとえば、平成15年 マンション管理士 試験 「問27」
  選択肢1で述べたように、区分所有法第40条により、専有部分が数人の共有関係にある場合には、だれか一人を議決権行使者として定めることが要求されていますが、その一人については持分の大小についての規定は区分所有法にはありませんから、持分割合の大きい者を議決権を行使すべき者と定めなくてもかまいません。持分の小さい者でも、議決権行使者とすることもできます。

答え:2

問8

〔問 8〕  管理組合法人に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。


 (注:区分所有法での法人については、平成20年12月の「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」の施行に伴い改正がありました。そこで、区分所有法第47条と第49条等は注意が必要です。法の改正があると、平成21年度には出題されやすいですよ。なお、ここ問8の出題は、改正に左右されません。)


1 管理組合法人の成立前の集会の決議、規約及び管理者の職務の範囲内の行為は、管理組合法人につき効力を生じる。

○ 正しい。 これは、平成14年 管理業務主任者 試験 「問36」 でも出ている。
   区分所有法第47条5項 
   「5  管理組合法人の成立前の集会の決議、規約及び管理者の職務の範囲内の行為は、管理組合法人につき効力を生ずる。 」とある。

2 管理組合法人は、その事務に関し、区分所有者を代理し、理事は、管理組合法人を代表する。

○ 正しい。 区分所有法第47条6項 
   「6  管理組合法人は、その事務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。」とあり、前半は正しい。後半は、同法第49条2項  
   「2  理事は、管理組合法人を代表する。」とあり、後半も正しい。よって全部正しい。(注:区分所有者を代理しているのは、管理組合法人です。理事ではありません。過去に出てます。)

3 管理組合法人は、その行為に基づいて成立する法律関係に係る訴訟について、法人自身がその名において追行することができる。

○ 正しい。 区分所有法第47条8項
   「8  管理組合法人は、規約又は集会の決議により、その事務(第六項後段に規定する事項を含む。)に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる。」とあり、可能である。

4 管理組合法人は、規約に別段の定めがあるときは、共用部分について、区分所有法第27条の管理所有をすることができる。

X 誤っている。 管理組合が法人化されても、多くの規定が準用されているが、区分所有法第47条11項
  「11  第四節及び第三十三条第一項ただし書(第四十二条第五項及び第四十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定は、管理組合法人には、適用しない。」とあり、第4節とは管理者についての規定部分で第25条から第29条までを指す。
第27条の管理所有は、この第4節にあるため、適用の除外となり、管理組合法人は、規約に別段の定めがあっても、共用部分について、区分所有法第27条の管理所有をすることはできない。

答え:4

問9

〔問 9〕  ア〜エの記述のうち、集会において区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数で決議しなければならないものの組合せは、区分所有法の規定によれば、次のうちどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。

ア 建物の滅失した共用部分の復旧決議の後になされる買取指定者の指定

X 該当しない。 この買取指定者については、次の「問10」でも出ている。
  建物の共用部分が滅失すると区分所有法第61条3項
  「3  第一項本文に規定する場合には、集会において、滅失した共用部分を復旧する旨の決議をすることができる。」と、同じく同法第61条5項
  「5  第一項本文に規定する場合を除いて、建物の一部が滅失したときは、集会において、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数で、滅失した共用部分を復旧する旨の決議をすることができる。 」により、共用部分の復旧の決議ができます。
  そして、買取指定者は同法第61条8項
  「8  第五項の決議の日から二週間以内に、決議賛成者がその全員の合意により建物及びその敷地に関する権利を買い取ることができる者を指定し、かつ、その指定された者(以下この条において「買取指定者」という。)がその旨を決議賛成者以外の区分所有者に対して書面で通知したときは、その通知を受けた区分所有者は、買取指定者に対してのみ、前項前段に規定する請求をすることができる。 」とあるように、
買取指定者は、集会での議決ではなく、決議に賛成した人達だけの全員の合意で指定されます。買取指定者がどのタイミングで現れるか整理しておいてください。

イ 専有部分の使用の禁止を請求する訴訟の提起

○ 該当する。 区分所有法では、マンションという特殊な共同生活の場であることから、共同の利益に反する区分所有者には訴えをもって、共同生活から排除することができます。専有部分の使用の禁止を請求する訴訟の提起も区分所有法第58条1項によって集会の決議があれば認められています。この場合には、区分所有法第58条2項
  「2  
前項の決議は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数でする。」とあり、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による決議が必要です。

ウ 管理組合法人の解散

○ 該当する。 管理組合法人は、区分所有法第55条1項3号の規定により、集会の決議により解散ができます。この場合 同法第55条2項
  「2  
前項第三号の決議は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数でする。」により、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による決議が必要です。なお、管理組合法人の成立も、解散と同様に区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議が必要です。

エ 管理者の解任

X 該当しない。 管理者の解任は、区分所有法第25条1項
  「第二十五条  区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によつて、管理者を選任し、又は解任することができる。」とあり、集会の決議は、同法第39条1項
  「第三十九条  集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数で決する。」とありますから、区分所有者及び議決権の各過半数でなされます。

1 アとイ
2 イとウ
3 ウとエ
4 エとア

答え:2 (イとウ。集会において区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数で決議しなければならないもの。)

問10

〔問 10〕  次の記述の下線の期間のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。 (注:試験の本文では□(四角の中)となっていますが、WEB上では、文章を四角で囲む表現ができないので下線に変更しています。)

1 マンションの建物価格の1/2を超える部分が滅失したために復旧決議がなされた場合において、買取指定者が指定されるときには、その指定は、復旧決議の日から 2月 以内になされる必要がある。

X 誤っている。  期日での出題パターンとしては、新しいけど、この辺りは、過去にもよく出ている。
  この設問は、前の「問9 選択肢ア」の続き?
  区分所有法第61条5項により、建物価格の1/2を超える部分が滅失(大規模滅失といいます)した時には復旧決議ができます。そして、買取指定者は、同第61条8項
  「8  第五項の
決議の日から二週間以内に、決議賛成者がその全員の合意により建物及びその敷地に関する権利を買い取ることができる者を指定し、かつ、その指定された者(以下この条において「買取指定者」という。)がその旨を決議賛成者以外の区分所有者に対して書面で通知したときは、その通知を受けた区分所有者は、買取指定者に対してのみ、前項前段に規定する請求をすることができる。」の規定により復旧の決議があった日から2週間以内に指定することになっています。2ヶ月以内ではありません。

2 マンションの建物価格の1/2を超える部分が滅失した場合において、建物の一部が滅失した日から 6月 以内に、復旧又は建替えの決議がないときは、各区分所有者は、他の区分所有者に対し、建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。

○ 正しい。 参照:平成14年 マンション管理士 試験 「問10」 選択肢4。
  建物価格の1/2を超える部分が滅失した場合(大規模滅失)には、区分所有法第61条12項 
  「12  第五項(注:復旧の決議)に規定する場合において、
建物の一部が滅失した日から六月以内に同項、次条第一項(注:建替え決議)又は第七十条第一項(注:団地の一括建替え決議)の決議がないときは、各区分所有者は、他の区分所有者に対し、建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。」により、6ヶ月以内です。

3  マンションの建替え決議を会議の目的とする集会を招集するときは、その招集通知は、当該集会の会日より少なくとも 2月 前に発しなければならない。

○ 正しい。 参照:平成15年 管理業務主任者 試験 「問38」 選択肢4。
   建替えの決議は区分所有法第62条1項により可能で、建替えを目的とする集会の招集は、同法第62条4項
  「4  第一項に規定する決議事項を会議の目的とする集会を招集するときは、第三十五条第一項の通知は、同項の規定にかかわらず、
当該集会の会日より少なくとも二月前に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。」とあり、建替えは重要な事項ですから、区分所有者に十分な検討時間を与えるために、2ヶ月前に発します。(注:通常の集会であれば、会日より、少なくとも1週間前で構いません。また、通常の集会なら1週間前が、伸縮 (プラス、マイナス) できますが、建替えの集会と、その説明会では、プラスだけしかできませんよ。)


4 マンションの建替え決議を会議の目的とする集会を招集した者は、当該集会の会日より少なくとも 1月 前までに、当該招集の際に通知すべき事項について区分所有者に対して説明を行うための説明会を開催しなければならない。

○ 正しい。 区分所有法第62条6項 
  「6  第四項(注:建替え)の集会を招集した者は、
当該集会の会日より少なくとも一月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について区分所有者に対し説明を行うための説明会を開催しなければならない。 」のとおり、建替えの説明会は、建替えの集会の会日より、少なくとも1ヶ月前に開催して、区分所有者に検討させることが必要です。

答え:1

問11

〔問 11〕  一団地内の数棟の建物の全部を所有する者が、当該団地内のア〜エについて、公正証書により規約を設定し団地共用部分とすることができるものの組合せは、区分所有法の規定によれば、次のうちどれか。

ア 附属施設たる建物

○ できる。 過去問では「団地」は面倒な一括建替えなどがでていたが、今年の団地は、平易な設問になった。参照:平成14年 管理業務主任者 試験 「問31」
  一棟のマンションでも、最初に建物の全部を所有する分譲業者などは、公正証書によって、分譲前に、集会所や管理人室を規約によって共用部分とできます。(区分所有法第32条)。これと同じように、一団地内の数棟の建物の全部を所有する者は、公正証書により、団地共用部分を定める規約を、区分所有法第67条 (団地共用部分)
  「第六十七条  一団地内の附属施設たる建物(第一条に規定する建物の部分を含む。)は、前条において準用する第三十条第一項の規約により団地共用部分とすることができる。この場合においては、その旨の登記をしなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
   2  一団地内の数棟の建物の全部を所有する者は、公正証書により、前項の規約を設定することができる。
   3  第十一条第一項本文及び第三項並びに第十三条から第十五条までの規定は、団地共用部分に準用する。この場合において、第十一条第一項本文中「区分所有者」とあるのは「第六十五条に規定する団地建物所有者」と、第十四条第一項及び第十五条中「専有部分」とあるのは「建物又は専有部分」と読み替えるものとする。」の2項により設定できます。
  それでは、団地共用部分とできるのは、同条1項で定められた、 
@一団地内の附属施設たる建物(集会所、管理人室など) と A第一条に規定する建物の部分(=区分所有建物の専有部分)です
  これにより、附属施設たる建物は団地共用部分にできます。

イ 建物の共用部分

X できない。 選択肢1で述べたように、建物の共用部分は区分所有法第67条に入っていません。(注:この設問は、少し問題がある。専有部分と共用部分の区分(さかいめ)は解釈上も曖昧であるため、共用部分として、明確でない場合には、トラブルを回避するために、規約で共用部分と設定するこは可能ではないか。)

ウ 建物の敷地

X できない。 区分所有法で定めている「共用部分」とは、建物での専有部分以外を指しています。(区分所有法第4条)。 敷地(土地)は、団地でも一棟のマンションでも、共用部分には、規約をもってしてもできません。

エ 建物の専有部分

○ できる。 選択肢1で述べたように、建物の所有権の目的たる部分は、専有部分であり、これを、規約で団地共用部分とすることができます。

1 アとイ
2 イとウ
3 ウとエ
4 エとア

答え:4 (アとエ=エとア)

問12

〔問 12〕  管理組合(区分所有法第3条に規定する区分所有者の団体をいう。以下同じ。)の集会における、滞納管理費等の遅延損害金の利率に関する規約の定めについての区分所有者A〜Dの次の発言のうち、民法、利息制限法及び消費者契約法の規定によれば、正しいものはどれか。

1  A ---- 利息制限法が改定され、同法第7条第1項で年20%を越える利率は無効とされることになりましたね。現在の規約の利率は無効となりますので、至急に改正しなくてはなりません。

X 誤っている。 新しい設問。
  まず、「管理組合」という言葉は、区分所有法では定義されていませんので注意してください。そこで、区分所有法第3条で規定される「区分所有者の団体」をいうと注釈がついています。なお、この区分所有者の団体も法人として登記すれば、「管理組合法人」とこれは、区分所有法でも認められています。(参照:区分所有法第47条)
  利息制限法なんて、マンション管理センターの「想定されるマンション管理士試験の内容」には入っていない。当然「マンション管理の知識(平成20年版)」にも解説がない。で、過去問題を調べたら、平成13年 管理業務主任者 試験 「問9」 選択肢3 にあった。
   では、利息制限法の勉強。同法は平成18年に改正があった。(法令データ提供システムでは、まだ未施行(2008年12月7日現在)となっているが。)
  利息制限法 第一条第一項を次のように改める。
  「1 
金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
    一  元本の額が十万円未満の場合 年二割
    二  元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分
    三  元本の額が百万円以上の場合 年一割五分」
  そして、設問の同法7条は、(賠償額の予定の特則)
   「第七条  第四条第一項の規定にかかわらず、営業的金銭消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が年二割を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
    2  第四条第二項の規定は、前項の賠償額の予定について準用する。」とある。
  これによると、利息制限法の対象とするのは、金銭消費貸借上での利息についてであるため、管理組合の滞納管理費等の遅延損害金の利率については適用がない。

2  B ---- 原始規約は分譲業者が作成したわけですから、消費者契約法第9条第2号の適用があると思いますよ。したがって、利率は年14.6%以下に変更すべきではないでしょうか。

X 誤っている。 こんどは、消費者契約法の勉強。消費者契約法は、平成18年 管理業務主任者 試験 「問43」 と 平成17年 管理業務主任者 試験 「問44」 で出ている。
  消費者契約法の対象としているのは、同法第2条 (定義) 
   「第二条  この法律において「消費者」とは、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいう。
    2  この法律において「事業者」とは、法人その他の団体及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいう。
    3  この法律において「消費者契約」とは、消費者と事業者との間で締結される契約をいう。」である。
 また、同法第9条は (消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効)
   「第九条  次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
      一  当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分
      二  当該消費者契約に基づき支払うべき金銭の全部又は一部を消費者が支払期日(支払回数が二以上である場合には、それぞれの支払期日。以下この号において同じ。)までに支払わない場合における損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、支払期日の翌日からその支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該支払期日に支払うべき額から当該支払期日に支払うべき額のうち既に支払われた額を控除した額に年十四・六パーセントの割合を乗じて計算した額を超えるもの 当該超える部分」である。
  原始規約は分譲業者が作成しても、区分所有者が自己の意思により承認した以上、規約は管理組合の規約である。管理組合と組合員(各区分所有者)との滞納管理費等の遅延損害金の利率については、消費者契約法の適用がない。

3  C ---- 消費者契約法というより、むしろ、対等の個人間の契約として利息制限法第4条第1項が適用され、同法第1条の利率の1.46倍まで許されるので年29.2%以下の利率にしておけば問題ないはずですよ。

X 誤っている。 マンションの管理規約は共同でマンションの管理を行う区分所有者の団体(管理組合)と組合員(区分所有者)との契約であり、対等の個人間の契約には該当しない。また、選択肢1ででも述べたように、利息制限法の対象とするのは、金銭消費貸借上での利息についてであるため、管理組合の滞納管理費等の遅延損害金の利率については適用がない。なお、利息制限法第4条は (賠償額予定の制限)
   「第四条  金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が第一条第一項に規定する率の一・四六倍を超えるときは、その超過部分につき無効とする。」です。


4  D ---- 利息制限法も消費者契約法も適用されませんよ。滞納管理費等の遅延損害金について、仮に規約で何も定めなければ、遅延損害金の利率は、民法の年5%が適用されます。

○ 正しい。 上の各選択肢で述べたように、管理組合の規約の滞納管理費等の遅延損害金の利率については、利息制限法も消費者契約法も適用されません。そして、規約で遅延損害金の利率を定めていないときは、民法第404条 (法定利率)
   「第四百四条  利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その
利率は、年五分とする。」が適用され、年5%となります。

答え:4 (設問としては、新しいが、利息制限法や消費者契約法を知らなくても、正解は4と分かった人は多い? でも、解説には、時間がかかった!)

問13

〔問 13〕  甲マンションの一室に1人で住んでいる区分所有者Aは、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあり、管理費を滞納している。この場合において、家庭裁判所にAの後見開始の審判を請求することができない者は、民法の規定によれば、次のうちどれか。

1 甲マンションの管理組合

X できない 平成26年マンション管理士試験 「問13」
  これは、単純に「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況」とあれば、民法第7条 (後見開始の審判)
  「第七条  精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。 」の適用となり、ここに、マンションの管理組合は入っていない。(個人の財産を管理する後見制度の趣旨から、全く赤の他人の管理組合が出てくるのは、おかしいと思えれば、解答は楽。)

2 A本人

○ できる。 選択肢1で引用した、民法第7条に該当する。

3 Aの4親等の親族

○ できる。 選択肢1で引用した、民法第7条に該当する。

4 検察官

○ できる。 選択肢1で引用した、民法第7条に該当する。

答え:1 (出題が簡単で、裏を考えた人がいるかも? 4の検察官とした人もかなりいるようだ。)

問14

〔問 14〕  Aが甲マンションの101号室を購入するに際してB銀行から融資を受け、AがBのために同室に抵当権を設定しその登記がなされていた場合に関する次の記述のうち、民法及び不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 Aが101号室をCに売却する場合、Cは,Bの承諾を得ることなく同室の所有権を取得することができる。

○ 正しい。 抵当権についても、パターンは違うが出題は多い。参照:平成18年 マンション管理士 試験 「問12」
  所有権者Aは、民法第206条 (所有権の内容)
  「第二百六条  所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。」により、たとえ抵当権を設定していても、目的物を自由に処分でき、譲受人であるCも、抵当権者Bの承諾は不要です。ただし、抵当権が実行されると、後から所有権を取得したCの地位は覆されるおそれはあります。

 

2 AのBに対する債務が消滅した場合、Bの抵当権の登記が抹消されていないときでも、Aは、当該抵当権の消滅を第三者に対抗することができる。

○ 正しい。 抵当権が弁済や免除などで消滅したときには、抵当権の附従性(肝心の債権がなければ抵当権は成立しない)により、その登記が残っていても、実体の無い無効の登記となり、第三者に対抗できます。これは、法律が、登記制度を認めていながら、登記簿に公信力を認めていないためです。
 参考:民法第177条(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
  「第百七十七条  不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。 」

3 AのBに対する債務について連帯保証をしたDの保証債務は、Bから、AのBに対する債務が消滅した旨の通知がDに到着したときに消滅する。

X 誤っている。 連帯保証では、誰かが弁済・代物弁済などをして債務を消滅させれば、その時点で他の連帯保証人にも債務は消滅します。これも、抵当権や質権と同じように、主たる債務に対する附従性です。B銀行からの債務消滅の通知が連帯保証人Dに到着したときではありません。


4 Aが101号室を第三者に賃貸する場合、Bの承諾がなくてもその賃借権の登記をすることができる。

○ 正しい。 選択肢1で述べたように、民法第206条により、所有権者Aは、抵当権者Bの承諾なく、第三者に賃貸でき、賃借権は不動産登記法第3条 (登記することができる権利等)
   「第三条  登記は、不動産の表示又は不動産についての次に掲げる権利の保存等(保存、設定、移転、変更、処分の制限又は消滅をいう。次条第二項及び第百五条第一号において同じ。)についてする。
    一  所有権
    二  地上権
    三  永小作権
    四  地役権
    五  先取特権
    六  質権
    七  抵当権
    
八  賃借権
    九  採石権(採石法 (昭和二十五年法律第二百九十一号)に規定する採石権をいう。第五十条及び第八十二条において同じ。)」の8号により登記することができる権利です。
  ただし、登記された賃借権でも、その前に登記された抵当権があれば、その抵当権を持っているすべての人の同意と同意の登記がなければ、抵当権者に対抗できませんので、注意してください。(民法第387条:(抵当権者の同意の登記がある場合の賃貸借の対抗力)
   「第三百八十七条  登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。
   2  抵当権者が前項の同意をするには、その抵当権を目的とする権利を有する者その他抵当権者の同意によって不利益を受けるべき者の承諾を得なければならない。 」

答え:3 

問15

〔問 15〕  A及びその弟Bが、甲マンションの301号室の区分所有権を各1/2の割合で共有している場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。ただし、共有者間及び賃貸借契約において別段の定めはないものとする。

1 301号室に水漏れによる被害が発生し、その原因者に対して損害賠償を請求する場合、Aは、その損害賠償金の全額を請求することができない。

○ 正しい。 共有関係で、共有物の変更と管理については、、民法第251条(共有物の変更)
  「第二百五十一条  各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。 」そして、同法第252条は (共有物の管理)
  「第二百五十二条  共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。 」と定めています。
  そこで、何が@全員の同意が必要な変更行為か、A持分の過半数を必要とする管理行為か、またB単独でできる保存行為かの議論となりますが、設問の「301号室に水漏れによる被害が発生し、その原因者に対して損害賠償を請求する場合」には特別で、「共有物に対する不法行為から生ずる損害賠償請求権は、各共有者が自己の持分についてのみ行使することができる」(最高裁;昭和41年3月3日)により、Aは自分の持分を超えた全額を請求できません。
  この場合、損害賠償債権は分割債権となり、各共有者は、それぞれの共有持分の割合に応じて請求すべきです。

2 甲マンションの管理者は、A又はBのいずれに対しても、301号室の管理費の全額を請求することができる。

○ 正しい。
  まず、第三者である、マンションの管理者が管理費を区分所有者に代わって請求できるかの検討です。これについては、「問4」 の説明も参考にしてください。
  マンションの管理者は、区分所有法第26条(権限)
  「第二十六条  管理者は、共用部分並びに第二十一条に規定する場合における当該建物の敷地及び附属施設(次項及び第四十七条第六項において「共用部分等」という。)を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。
   2  管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。」とあり、管理費の請求は「その職務」に該当しますから、区分所有者の代理人として各区分所有者に請求できます。
  次に、マンションの管理費はその目的上、一部だけの入金では目的を達しないため、分割できない債権(不可分債権)であると考えられます。支払う方からは、不可分債務となります。すると、民法第428条 (不可分債権)
  「第四百二十八条  債権の目的がその性質上又は当事者の意思表示によって不可分である場合において、数人の債権者があるときは、各債権者はすべての債権者のために履行を請求し、債務者はすべての債権者のために各債権者に対して履行をすることができる。」が適用されます。
 そして、区分所有者が共有関係にあれば、各共有者は連帯債務者となり(民法第430条の連帯債務の準用による)、民法第432条 (履行の請求)
  「第四百三十二条  数人が連帯債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次にすべての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。」により、 管理者は、連帯保証人であるA又はBのどちらに対しても、管理費の全額を請求できます。

  参照:不可分債務・債権は、平成20年 管理業務主任者 試験 「問1」 でも出た。不可分債務の絡みで、平成21年マンション管理士試験 「問16」 選択肢2 も参考にすると、理解しやすいかも。

3 301号室をA及びBからC及びDが共同で購入した場合、Dは、単独では同室の引渡しを請求することができない。

X 誤っている。 これは、共同で購入した一人が単独で、不可分債権の全体を請求できるかです。明渡しの請求は保存行為に該当し、各共有者は単独でできます。(大審院;大正10年7月18日。妨害の排除も保存行為として、単独でできます。)

4 301号室を共同賃借人であるE及びFに貸した場合、A及びBは共同で、Eに対し、賃料の全額を請求することができる。

○ 正しい。賃貸借での賃料請求は管理行為であるため、持分の過半数で行わなければいけない。(最高裁;昭和39年2月25日。これは、貸借契約の解除だけど。)
   また、共同賃借人の一人であるEは、選択肢2で述べたように、賃料の全額について不可分債務を負うため、請求を受けます。

答え:3 (かなりの難問。共有関係の変更、管理、保存は分かるが、選択肢1の判例は知らなかった。調べるのに、時間がかった!)

問16

〔問 16〕  マンションの取得者の担保責任の追及に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 負担の付かない贈与による501号室の取得者は、同室に権利の瑕疵があった場合において、贈与者がその権利の瑕疵を知らなかったときは、贈与者に対し、担保責任を追及することができない。

○ 正しい。 担保責任とは、契約の当事者が給付した目的物またはその権利に欠陥(瑕疵)がある場合に負担する損害賠償その他の責任です。
   負担の付かない贈与での瑕疵担保責任は、民法第551条 (贈与者の担保責任)
  「第五百五十一条  贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在について、その責任を負わない。ただし、贈与者がその瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかったときは、この限りでない。
   2  負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任を負う。」とあり、贈与者が権利の瑕疵を知らない時には、担保責任がない。

2 担保権の実行として競売による502号室の取得者は、同室に権利の瑕疵があった場合でも、債務者である同室の前所有者に対し、担保責任を追及することができない。

X 誤っている。 ここの設問は、実に難しい。
  まず、競売には @担保権の実行として行う競売と下の選択肢3の A強制競売があります。
  @担保権の実行としての競売とは、債権者が、抵当権や根抵当権に基づき債務者の担保不動産の競売を申し立てて、行われる競売です。
 一方、A強制競売は、抵当権などと関係なく、債務不履行などがあった場合に、債権者が裁判で債務者の財産を競売にかけるものです。
  設問の場合、民法第567条 (抵当権等がある場合における売主の担保責任)
  「第五百六十七条  売買の目的である不動産について存した先取特権又は抵当権の行使により買主がその所有権を失ったときは、買主は、契約の解除をすることができる。
   2  買主は、費用を支出してその所有権を保存したときは、売主に対し、その費用の償還を請求することができる。
   3  前二項の場合において、買主は、損害を受けたときは、その賠償を請求することができる。 」とあり、この場合、取得者は、前の所有者に対して、担保責任を追及できます。
 (2014年 5月27日、解説文削除)
 *別の解説:そこで、@担保権の実行としての競売でも、A強制競売の規定が準用され(民事執行法第1条、及び第181条〜)、民法第568条1項
 「(強制競売における担保責任)
  第五百六十八条  強制競売における買受人は、第五百六十一条から前条までの規定により、債務者に対し、契約の解除をし、又は代金の減額を請求することができる。 」により、債務者である前の所有者に対して、担保責任を追及できる。(2011年 2月 8日:追記)
 なお、強制競売の場合には、物の瑕疵については、担保責任の追求ができない(民法第570条ただし書き参照)ので注意のこと。
 

3 強制競売による503号室の取得者は、同室に隠れた瑕疵があった場合でも、同室の前所有者に対し、担保責任を追及することができない。

○ 正しい。 設問が強制競売での権利の瑕疵となると、民法第570条の類推適用が可能かどうかの論争がありますが、ここでは、単純に「同室に隠れた瑕疵」となっています。これは、民法第570条 (売主の瑕疵担保責任)
  「第五百七十条  売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。
ただし、強制競売の場合は、この限りでない。」に該当し、正しい。

4 遺産分割による504号室の取得者は、同室に隠れた瑕疵があった場合、他の共同相続人に対し、その相続分に応じて、売主と同様の担保責任を追及することができる。

○ 正しい。 これも難しい。この場合には、民法第911条 (共同相続人間の担保責任)
  「第九百十一条  各共同相続人は、他の共同相続人に対して、売主と同じく、その相続分に応じて担保の責任を負う。」に該当し、正しい。

答え:2 (何となく、正解は2と分かったが、根拠を探すのに、これも時間がかかった!) 

問17

〔問 17〕  甲マンションの201号室の区分所有者Aは、甲マンション管理組合が規約でペットの飼育を禁止していたにもかかわらず、同室をBに賃貸するに際してペットの飼育もできると虚偽の説明をした。このため、賃借人Bは、当該規約でペットの飼育が禁止されていることを知らないまま同室で犬を飼うに至った。この場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1  Bは、ペットを飼ってもよい居室として201号室をAから賃借しており、また、甲マンションの区分所有者でもないから、犬の飼育を継続することができる。

X 誤っている。 規約でペットの飼育が禁止されていると、区分所有者と賃借人(占有者)は、区分所有法第46条 (規約及び集会の決議の効力)
  「第四十六条  規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しても、その効力を生ずる。
   2  
占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。」の2項 の規定により、規約で禁止されているペットの飼育は、共にできません。

2  B飼育の犬がエレベーターを汚したため清掃費用を要した場合、甲マンション管理組合の管理者は、Aに対し、そのことによる損害賠償を請求することができるが、Bに対してはできない。

X 誤っている。 管理者は区分所有法第26条(省略)により、規約で定めた行為として、規約違反者に損害賠償ができます。その相手方としては、民法第718条 (動物の占有者等の責任)
  「第七百十八条  動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。
   2  占有者に代わって動物を管理する者も、前項の責任を負う。 」とあり、請求の相手は区分所有者Aに対してもできますし、また、占有者である賃借人Bにもできます。

3  Aを除く甲マンションの区分所有者全員が、当該規約違反を理由に犬の飼育の停止の訴えを提起する場合、Aを被告とすることができるが、Bを被告とすることができない。

X 誤っている。 区分所有者または占有者が、共同の利益に反する行為をした時には、区分所有法第57条 (共同の利益に反する行為の停止等の請求)
  「第五十七条  区分所有者が第六条第一項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。
   2  前項の規定に基づき訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない。
   3  管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、第一項の他の区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる。
   4  前三項の規定は、占有者が第六条第三項において準用する同条第一項に規定する行為をした場合及びその行為をするおそれがある場合に準用する。」の規定により、区分所有者Aと賃借人(占有者)Bへ共に可能です。

4  Bが入居後規約に従って犬の飼育を止めざるを得なくなったことによって損害が発生した場合、Bは、Aに対し、Aが虚偽の説明をしたことを理由として損害賠償を請求することができる。

○ 正しい。 賃貸人であるAの行為は、民法第709条 (不法行為による損害賠償)
  「第七百九条  故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」に該当しますから、賃借人Bは、賃貸人Aに損害賠償を請求できます。

答え:4 (これも、動物の占有者等の責任は知らなくても正解はできる?)

問18

〔問 18〕  マンションの登記に関する次の記述のうち、不動産登記法及び区分所有法の規定によれば、正しいのはどれか。

1  規約により附属の建物を共用部分とする場合、その旨の登記がなければ、共用部分であることを第三者に対抗することができない。

○ 正しい。 区分所有法では、共用部分には、@法定共用部分(廊下、階段室など)と、A専有部分や附属の建物でも規約によって共用部分にすることができる規約共用部分があります。
  元々は専有部分であったものを規約で共用部分にしたことは、マンションの外の人には分からないため、区分所有法第4条2項 
  「2  第一条に規定する建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができる。この場合には、その旨の登記をしなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。 」と規定されています。

2  所有権の登記がある専有部分を規約共用部分とし、共用部分である旨の登記をする場合、当該専有部分に係る権利に関する登記は抹消されない。

X 誤っている。 マンションンの建物で規約共用部分として、登記をすると、不動産登記法第58条4項
  「4  登記官は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をするときは、職権で、当該建物について表題部所有者の登記又は権利に関する登記を抹消しなければならない。 」により、登記官の職権で、権利に関する登記は抹消されます。これにより、以後共用部分だけの権利の移動はできなくなります。

3  共用部分である旨の登記を申請する場合、共用部分である建物に所有権以外の権利に関する登記のあるときでも、当該権利の登記名義人の承諾は必要でない。

X 誤っている。 どんな法律でも既存の正当な権利を侵す行為は認めていません。不動産登記法でも、第58条3項
  「3  共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記は、当該共用部分又は団地共用部分である建物に所有権等の登記以外の権利に関する登記があるときは、当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)の承諾があるとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者の承諾を得たときに限る。)でなければ、申請することができない。 」とあり、他の権利者の承諾が必要です。

4  専有部分の譲渡に伴う共用部分の共有持分の移転は、その持分の移転の登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

X 誤っている。 マンションの建物の廊下や階段などの共用部分は、だれがみてもはっきりと共用部分と分かるため、区分所有法第11条3項
  「3  民法第百七十七条 の規定は、共用部分には適用しない。」とあり、
  その民法第177条  (不動産に関する物権の変動の対抗要件)
  「第百七十七条  不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。 」として
、共用部分については、移転の登記がなくても、第三者に対抗できます。専有部分の移転登記だけで、共用部分の持分についての物権変動を対抗できるようにしています。
  (選択肢1での、規約で共用部分としたものの、登記がないと第三者に対抗できないことと、専有部分の処分は別の行為です。)
  (注:共用部分には権利の移転は登記できません。)
  追記:区分所有法では、共用部分の持分は、原則、専有部分の床面積です。(区分所有法第14条1項 (共用部分の持分の割合)
  「第十四条  各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。」
  そして、この共用部分の持分は専有部分の処分に従い、専有部分とは分離して処分ができません。区分所有法第15条 (共用部分の持分の処分)
  「第十五条  共有者の持分は、その有する専有部分の処分に従う。
   2  共有者は、この法律に別段の定めがある場合を除いて、その有する専有部分と分離して持分を処分することができない。 」
  また、共用部分の権利に関する登記は抹消されています。(不動産登記法第58条4項。選択肢2参照)。

答え:1 (特に不動産登記法を知らなくても、選択肢1で解答はできる。)

問19

〔問 19〕  マンション建替組合(以下この問いにおいて「建替組合」という。)に関する次の記述のうち、マンションの建替え円滑化等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。

1  建替え決議に賛成しなかった区分所有者は、その後に当該建替え決議の内容により建替えを行う旨の同意をしたとしても、建替組合の組合員となることはない。

X 誤っている。 マンションの建替え円滑化等に関する法律(以下、円滑化法といいます。)も必ず、1問は出ますので、読んでおいてください。(参考:概説:マンションの建替え円滑化等に関する法律
  これは、平成18年 マンション管理士 試験 「問19」 でも出ている。
  円滑化法第9条1項
  「第九条  区分所有法第六十四条 の規定により区分所有法第六十二条第一項 に規定する建替え決議(以下単に「建替え決議」という。)の内容によりマンションの建替えを行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該建替え決議の内容により当該マンションの建替えを行う旨の同意をしたものを含む。以下「建替え合意者」という。)は、五人以上共同して、定款及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けて組合を設立することができる。」とあり、建替え決議では同意していなくても、後から同意すれば、建替組合の組合員となれます。

2  建替組合の認可を申請しようとする者は、建替組合の設立について、建替え合意者の2/3以上の同意を得なければならない。

X 誤っている。 ここも、平成15年 マンション管理士 試験 「問18」 選択肢1 で出ている。
  円滑化法第9条2項
  「2  前項の規定による認可を申請しようとする建替え合意者は、組合の設立について、
建替え合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第三十八条 の議決権の合計が、建替え合意者の同条 の議決権の合計の四分の三以上となる場合に限る。)を得なければならない。」により、建替組合の設立には、3/4 以上の同意(これは、マンションの管理組合法人の設立・解散条件と同じと覚えてください)が必要です。2/3以上では足りません

3  建替組合は、設立認可の公示があった場合、権利変換期日前でも、施工マンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)を占有している者に対し、期限を定めて、その明渡しを求めることができる。

X 誤っている。 このパターンは、新しい出題。
  円滑化法の概要ですが、マンション建替組合の設立の認可後、「権利変換計画」を作成・認可があり、このあとで、権利変換の作業にはいります。そこで、円滑化法第80条 (施行マンション等の明渡し)
  「第八十条  施行者は、
権利変換期日後マンション建替事業に係る工事のため必要があるときは、施行マンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)を占有している者に対し、期限を定めて、その明渡しを求めることができる。」の規定により、明け渡しなどができるのは、「権利変換期日後」でなければできません。「権利変換期日前」にはできません。

4  建替組合が施行するマンション建替事業に参加することを希望し、かつ、それに必要な資力及び信用を有する者であって、定款で定められたものは、参加組合員として、建替組合の組合員となる。

○ 正しい。 ここも、平成15年 マンション管理士 試験 「問18」 選択肢2 で出ている。
  円滑化法第17条 (参加組合員)
  「第十七条  前条に規定する者のほか、組合が施行するマンション建替事業に参加することを希望し、かつ、それに必要な資力及び信用を有する者であって、定款で定められたものは、参加組合員として、組合の組合員となる。」とあり、建替え事業には費用がかかり、また建築の専門的な知識が必要となりますので、ディベロッパー等の参加ができるようになっています。

答え:4

問20

〔問 20〕  各階における各居室の床面積の合計が150uの4階建て共同住宅(高さ15mで、主要構造物が耐火構造である耐火建築物)に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1  避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなければならない。

X 誤っている。 ここは、平成20年 管理業務主任者 試験 「問18」 の解説の方が詳しい。
  設問で数字が入り組んでいると分かり難い。4階建、床面積150u、耐火構造の共同住宅がカギ。
  避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなければならないのは、建築基準法施行令121条にあるが、同6号ロ及び2項
  「 ロ 
五階以下の階でその階における居室の床面積の合計が避難階の直上階にあつては二百平方メートルを、その他の階にあつては百平方メートルを超えるもの
  2  
主要構造部が準耐火構造であるか、又は不燃材料で造られている建築物について前項の規定を適用する場合には、同項中「五十平方メートル」とあるのは「百平方メートル」と、「百平方メートル」とあるのは「二百平方メートル」と、「二百平方メートル」とあるのは「四百平方メートル」とする。 」とあり、200uなら該当するが、150uは該当しない。

2  各居室の壁(床面からの高さが1.2m以下の部分を除く。)及び天井の室内に面する部分を難燃材料で仕上げなくてもよい。

○ 正しい? こんな規定は知らない。ここのカギは、「4階、150u、高さ15m」。調べると、建築基準法施行令129条が該当する。(特殊建築物等の内装)
  「第百二十九条  前条第一項第一号に掲げる特殊建築物は、当該各用途に供する居室(法別表第一(い)欄(二)項に掲げる用途に供する特殊建築物が耐火建築物又は法第二条第九号の三 イに該当する準耐火建築物である場合にあつては、当該用途に供する特殊建築物の部分で床面積の合計百平方メートル(共同住宅の住戸にあつては、二百平方メートル)以内ごとに準耐火構造の床若しくは壁又は法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備で区画されている部分の居室を除く。)の壁(床面からの高さが一・二メートル以下の部分を除く。第四項において同じ。)及び天井(天井のない場合においては、屋根。以下この条において同じ。)の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。以下この条において同じ。)の仕上げを第一号に掲げる仕上げと、当該各用途に供する居室から地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを第二号に掲げる仕上げとしなければならない。
   一  次のイ又はロに掲げる仕上げ
     イ 難燃材料(三階以上の階に居室を有する建築物の当該各用途に供する居室の天井の室内に面する部分にあつては、準不燃材料)でしたもの
     ロ イに掲げる仕上げに準ずるものとして国土交通大臣が定める方法により国土交通大臣が定める材料の組合せによつてしたもの
   二  次のイ又はロに掲げる仕上げ
     イ 準不燃材料でしたもの
     ロ イに掲げる仕上げに準ずるものとして国土交通大臣が定める方法により国土交通大臣が定める材料の組合せによつてしたもの」とあり、そして、同条4項
  「4  階数が三以上で延べ面積が五百平方メートルを超える建築物、階数が二で延べ面積が千平方メートルを超える建築物又は階数が一で延ベ面積が三千平方メートルを超える建築物(学校等の用途に供するものを除く。)は、居室(床面積の合計百平方メートル以内ごとに準耐火構造の床若しくは壁又は法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備で第百十二条第十四項第二号 に規定する構造であるもので区画され、かつ、法別表第一(い)欄に掲げる用途に供しない部分の居室で、耐火建築物又は法第二条第九号の三 イに該当する準耐火建築物の高さが三十一メートル以下の部分にあるものを除く。)の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを次の各号のいずれかに掲げる仕上げと、居室から地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを第一項第二号に掲げる仕上げとしなければならない。ただし、同表(い)欄(二)項に掲げる用途に供する特殊建築物の高さ三十一メートル以下の部分については、この限りでない。
   一  難燃材料でしたもの
   二  前号に掲げる仕上げに準ずるものとして国土交通大臣が定める方法により国土交通大臣が定める材料の組合せでしたもの」とあり、マンションは共同住宅で特殊建築物(同施行令2条2号参照)ですが、高さが31m以下の場合には、「各居室の壁及び天井の室内に面する部分を難燃材料で仕上げなくてもよさそうです。

3  各住戸において非常用の照明装置を設けなくてもよい。

○ 正しい。 これは、過去もでている。平成19年管理業務主任者 試験 「問21」、 平成15年マンション管理士 試験 「問20」。また、平成21年管理業務主任者試験 「24」 でも出た。
   建築基準法施行令126条の4 第四節 非常用の照明装置 (設置)
  「第百二十六条の四  法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物の居室、階数が三以上で延べ面積が五百平方メートルを超える建築物の居室、第百十六条の二第一項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室又は延べ面積が千平方メートルを超える建築物の居室及びこれらの居室から地上に通ずる廊下、階段その他の通路(採光上有効に直接外気に開放された通路を除く。)並びにこれらに類する建築物の部分で照明装置の設置を通常要する部分には、非常用の照明装置を設けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物又は建築物の部分については、この限りでない。
   一  一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸
   二  病院の病室、下宿の宿泊室又は寄宿舎の寝室その他これらに類する居室
   三  学校等
   四  避難階又は避難階の直上階若しくは直下階の居室で避難上支障がないものその他これらに類するものとして国土交通大臣が定めるもの」とあり、共同住宅には適用されません。

4  敷地内には、屋外への出口から道又は公園、広場その他の空地に通ずる幅員が1.5m以上の通路を設けなければならない。

○ 正しい。 ここも、平成20年 管理業務主任者 試験 「問18」 選択肢4 のまま。
   建築基準法施行令128条 (敷地内の通路)
  「第百二十八条  敷地内には、第百二十三条第二項の屋外に設ける避難階段及び第百二十五条第一項の出口から道又は公園、広場その他の空地に通ずる
幅員が一・五メートル以上の通路を設けなければならない。」とあります。

答え:1 (選択肢2も候補にあがる。)

問21

〔問 21〕 共同住宅の界壁に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1  共同住宅の各戸の界壁は、準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達するものとしなければならない。

○ 正しい。 建築基準法施行令114条1項(建築物の界壁、間仕切壁及び隔壁)
  「第百十四条  長屋又は共同住宅の各戸の界壁は、準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。 」とある。

2  給水管、配電管その他の管が共同住宅の各戸の界壁を貫通する場合においては、当該管と界壁のすき間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。

○ 正しい。 建築基準法施行令114条5項
  「5  第百十二条第十五項の規定は給水管、配電管その他の管が第一項の界壁、第二項の間仕切壁又は前二項の隔壁を貫通する場合に、同条第十六項の規定は換気、暖房又は冷房の設備の風道がこれらの界壁、間仕切壁又は隔壁を貫通する場合に準用する。この場合において、同項中「特定防火設備」とあるのは、「第百九条に規定する防火設備であつて通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後四十五分間加熱面以外の面に火炎を出さないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの」と読み替えるものとする。」とあり、準用されている、建築基準法施行令112条15項とは、
  「15  給水管、配電管その他の管が第一項から第四項まで若しくは第十三項の規定による第百十五条の二の二第一項第一号に掲げる基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁、第五項若しくは第八項の規定による耐火構造の床若しくは壁、第九項本文、第十項本文若しくは第十二項の規定による準耐火構造の床若しくは壁又は第十項ただし書の場合における同項ただし書のひさし、床、そで壁その他これらに類するもの(以下この項及び次項において「準耐火構造の防火区画」という。)を貫通する場合においては、
当該管と準耐火構造の防火区画とのすき間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。」とある。

3  換気、暖房又は冷房の設備の風道が共同住宅の各戸の界壁を貫通する場合においては、当該管の貫通する部分及び当該貫通する部分からそれぞれ両側に1.5m以内の距離にある部分を不燃材料で造らなければならない。

X 誤っている? 選択肢2で引用した建築基準法施行令114条5項での、「同条第十六項の規定は換気、暖房又は冷房の設備の風道がこれらの界壁、間仕切壁又は隔壁を貫通する場合に準用するにより、準用される建築基準法施行令112条16項とは、
  「16  換気、暖房又は冷房の設備の風道が準耐火構造の防火区画を貫通する場合(国土交通大臣が防火上支障がないと認めて指定する場合を除く。)においては、当該風道の準耐火構造の防火区画を貫通する部分又はこれに近接する部分に、
特定防火設備(法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備によつて区画すべき準耐火構造の防火区画を貫通する場合にあつては、法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備)であつて、次に掲げる要件を満たすものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものを国土交通大臣が定める方法により設けなければならない。
   一  火災により煙が発生した場合又は火災により温度が急激に上昇した場合に自動的に閉鎖するものであること。
   二  閉鎖した場合に防火上支障のない遮煙性能を有するものであること。」とあり、「貫通する部分からそれぞれ両側に1.5m以内の距離にある部分を不燃材料で造らなければならない」の規定はなさそうである。

4  給水管、配電管その他の管が共同住宅の各戸の界壁を貫通する場合においては、当該管界壁の貫通する部分及び当該貫通する部分からそれぞれ両側に1m以内の距離にある部分を不燃材料で造らなければならない。

○ 正しい。 選択肢2で不燃材料で終わりかと思ったら、まだ、建築基準法施行令129条の2の5 1項7号に、この規定があった。
  「七  給水管、配電管その他の管が、第百十二条第十五項の準耐火構造の防火区画、第百十三条第一項の防火壁、第百十四条第一項の界壁、同条第二項の間仕切壁又は同条第三項若しくは第四項の隔壁(以下この号において「防火区画等」という。)を貫通する場合においては、これらの管の構造は、次のイからハまでのいずれかに適合するものとすること。ただし、第百十五条の二の二第一項第一号に掲げる基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で建築物の他の部分と区画されたパイプシャフト、パイプダクトその他これらに類するものの中にある部分については、この限りでない。
   イ 
給水管、配電管その他の管の貫通する部分及び当該貫通する部分からそれぞれ両側に一メートル以内の距離にある部分を不燃材料で造ること
   ロ 給水管、配電管その他の管の外径が、当該管の用途、材質その他の事項に応じて国土交通大臣が定める数値未満であること。
   ハ 防火区画等を貫通する管に通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後二十分間(第百十二条第一項から第四項まで、同条第五項(同条第六項の規定により床面積の合計二百平方メートル以内ごとに区画する場合又は同条第七項の規定により床面積の合計五百平方メートル以内ごとに区画する場合に限る。)、同条第八項(同条第六項の規定により床面積の合計二百平方メートル以内ごとに区画する場合又は同条第七項の規定により床面積の合計五百平方メートル以内ごとに区画する場合に限る。)若しくは同条第十三項の規定による準耐火構造の床若しくは壁又は第百十三条第一項の防火壁にあつては一時間、第百十四条第一項の界壁、同条第二項の間仕切壁又は同条第三項若しくは第四項の隔壁にあつては四十五分間)防火区画等の加熱側の反対側に火炎を出す原因となるき裂その他の損傷を生じないものとして、国土交通大臣の認定を受けたものであること。」

答え:3 (何と細かく、知らない問題。共同住宅の界壁には、遮音性能が求められのは知っていたが。まだマニアックな出題をする出題者が残っている?)

問22

〔問 22〕  地域地区に関する次の記述のうち、都市計画法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1  第一種中高層住居専用地域は、中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するための地域である。

○ 正しい。 都市計画法からは、地域地区に関する出題が多い。参考:平成19年 マンション管理士 試験 「問22」、 平成13年 マンション管理士 試験 「問27」など。なお、管理業務主任者 試験では都市計画法からは過去出題がありません。
  都市計画法第9条3項
  「3  第一種中高層住居専用地域は、中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする。 」とある。

2  第二種住居地域は、道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域である。

X 誤りである。 都市計画法第9条6項
  「6 第二種住居地域は、主として住居の環境を保護するため定める地域とする。」である。ちなみに、説明文は、「
準住居地域」に該当する。

3  高度地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るための地区である。

○ 正しい。 都市計画法第9条17項
  「17  高度地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区とする。 」とある。

4  高度利用地区は、用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るための地区である

○ 正しい。 都市計画法第9条18項
  「18  高度利用地区は、用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限を定める地区とする。」とある。

答え:2 

問23

〔問 23〕 貯水槽水道に関する次の記述のうち、水道法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1  貯水槽水道のうち、水槽の有効容量の合計が10m3を超えるものは、簡易専用水道に該当する。

○ 正しい。 平成19年には出題のなかった水道法からの出題。参考:平成17年 マンション管理士 試験 「問26」
   まず、貯水槽水道とは、水道事業から供給をうける、貯水槽から始まる建物内の水道を、規模を問わず、いいます。(水道法第14条2項5号参照)。そこで、規模により貯水槽水道を、@簡易専用水道と A小規模貯水槽水道に分けました。その内、
簡易専用水道とは、@水源を上水道とするものでかつ A水槽の有効容量が10m3超のものです。(詳細は、法律別 過去問題 平成18年 マンション管理士 試験 「問23」 にあります。)
  水道法第3条7項
  「7  この法律において「簡易専用水道」とは、水道事業の用に供する水道及び専用水道以外の水道であつて、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とするものをいう。ただし、その用に供する施設の規模が政令で定める基準以下のものを除く。 」。そして、その政令は、水道法施行令2条 (簡易専用水道の適用除外の基準)
  「第二条  法第三条第七項 ただし書に規定する政令で定める基準は、水道事業の用に供する水道から水の供給を受けるために設けられる水槽の有効容量の合計が十立方メートルであることとする。 」とあり、正しい。

2  水道事業者は、供給規程に基づき、貯水槽水道の設置者に対して指導、助言及び勧告をすることができる。

○ 正しい。 これは、平成15年 マンション管理士 試験 「問23」 選択肢4 。
   まず、供給規程ですが、これは、水道事業者は水道法第14条(供給規程)
  「第十四条  水道事業者は、料金、給水装置工事の費用の負担区分その他の供給条件について、供給規程を定めなければならない。
   2  前項の供給規程は、次の各号に掲げる要件に適合するものでなければならない。
    一  料金が、能率的な経営の下における適正な原価に照らし公正妥当なものであること。
    二  料金が、定率又は定額をもつて明確に定められていること。
    三  水道事業者及び水道の需要者の責任に関する事項並びに給水装置工事の費用の負担区分及びその額の算出方法が、適正かつ明確に定められていること。
    四  特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
    五  貯水槽水道(水道事業の用に供する水道及び専用水道以外の水道であつて、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とするものをいう。以下この号において同じ。)が設置される場合においては、貯水槽水道に関し、水道事業者及び当該貯水槽水道の設置者の責任に関する事項が、適正かつ明確に定められていること。
   3  前項各号に規定する基準を適用するについて必要な技術的細目は、厚生労働省令で定める。(以下省略)」に従って制定しなければいけません。その技術的な細目は、 水道法第14条3項 、「前項各号に規定する基準を適用するについて必要な技術的細目は、厚生労働省令で定める。」とあり、その水道法施行規則第12条の4、
  「第十二条の四  法第十四条第三項 に規定する技術的細目のうち、同条第二項第五号 に関するものは、次に掲げるものとする。
  一  水道事業者の責任に関する事項として、必要に応じて、次に掲げる事項が定められていること。
    イ 
貯水槽水道の設置者に対する指導、助言及び勧告
    ロ 貯水槽水道の利用者に対する情報提供
  二  貯水槽水道の設置者の責任に関する事項として、必要に応じて、次に掲げる事項が定められていること。
    イ 貯水槽水道の管理責任及び管理の基準
    ロ 貯水槽水道の管理の状況に関する検査」とあり、供給規程に基づき、貯水槽水道の設置者に対して指導、助言及び勧告をすることができます。

3  自家用の井戸のみを水源としている場合には、貯水槽水道に該当する。

X 誤っている。 これは、平成15年 マンション管理士 試験 「問23」 選択肢2 。
  選択肢1で述べたように、貯水槽水道は水源を上水道(水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とする)とする場合をいいます。井戸を水源とする場合は、該当しません。

4  水道事業者は、供給規程において、貯水槽水道の設置者の責任に関する事項として、必要に応じて、貯水槽水道の管理責任及び管理の基準を定めなければならない。

○ 正しい。 選択肢2で引用した水道法施行規則第12条の4 2号イに該当します。 

答え:3 (これは、過去問題をやっていれば、即答か。)

問24

〔問 24〕  マンションにおける防火管理者に関する次の記述のうち、消防法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1  居住者が40人のマンションは、防火管理者を選任しなければならない。

X 誤っている。 この辺りは、平成14年マンション管理士 試験 「問24」、 平成13年 管理業務主任者 試験 「問19」 と過去にもある。
  防火管理者は、消防法第8条1項 
  「第八条  学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店(これに準ずるものとして政令で定める大規模な小売店舗を含む。以下同じ。)、複合用途防火対象物(防火対象物で政令で定める二以上の用途に供されるものをいう。以下同じ。)その他多数の者が出入し、勤務し、又は居住する防火対象物で政令で定めるものの管理について権原を有する者は、政令で定める資格を有する者のうちから防火管理者を定め、当該防火対象物について消防計画の作成、当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督、避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理その他防火管理上必要な業務を行なわせなければならない。 」とあり、防火対象物に防火管理者の設置が必要ですが、政令 消防法施行令1条の2 3項
  「3  法第八条第一項 の政令で定める防火対象物は、次に掲げる防火対象物とする。
    一  別表第一に掲げる防火対象物(同表(十六の三)項及び(十八)項から(二十)項までに掲げるものを除く。次条において同じ。)で、当該防火対象物に出入し、勤務し、又は居住する者の数(以下「収容人員」という。)が、同表(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項、(九)項イ、(十六)項イ及び(十六の二)項に掲げる防火対象物にあつては三十人以上、その他の防火対象物にあつては五十人以上のもの
   二  新築の工事中の次に掲げる建築物で、
収容人員が五十人以上のもののうち、総務省令で定めるもの
     イ 地階を除く階数が十一以上で、かつ、延べ面積が一万平方メートル以上である建築物
     ロ 延べ面積が五万平方メートル以上である建築物
     ハ 地階の床面積の合計が五千平方メートル以上である建築物
   三  建造中の旅客船(船舶安全法 (昭和八年法律第十一号)第八条 に規定する旅客船をいう。)で、収容人員が五十人以上で、かつ、甲板数が十一以上のもののうち、総務省令で定めるもの」とあり、マンション(共同住宅)は、ここでの別表第一で、その収容人員が50人以上であれば選任が必要ですが、40人なら不要です。

2  延べ面積が5000uのマンションで防火管理者の選任義務がある場合の防火管理者の資格は、市町村の消防署員で管理的又は監督的な職に1年以上いた者その他政令で定める者であって一定の地位にあるものでなければならない。

○ 正しい。 収容人員が50人以上で、延べ面積が500u以上となると、甲種防火対象物となり防火管理者の資格も甲種防火管理講習を終了することが必要となり、また、市町村の消防職員で、管理的又は監督的な職に一年以上あつた者はもなれます。消防法施行令3条1項(防火管理者の資格)
  「第三条  法第八条第一項 の政令で定める資格を有する者は、次の各号に掲げる防火対象物の区分に応じ、当該各号に定める者で、当該防火対象物において防火管理上必要な業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的な地位にあるものとする。
   一  第一条の二第三項に規定する防火対象物で、次号に規定する防火対象物以外のもの(以下この条において「甲種防火対象物」という。) 次のいずれかに該当する者
    イ 都道府県知事、消防本部及び消防署を置く市町村の消防長又は法人であつて総務省令で定めるところにより総務大臣の登録を受けたものが行う甲種防火対象物の防火管理に関する講習(第四項において「甲種防火管理講習」という。)の課程を修了した者
    ロ 学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)による大学、短期大学又は高等専門学校において総務大臣の指定する防災に関する学科又は課程を修めて卒業した者で、一年以上防火管理の実務経験を有するもの
    
ハ 市町村の消防職員で、管理的又は監督的な職に一年以上あつた者
   ニ イからハまでに掲げる者に準ずる者で、総務省令で定めるところにより、防火管理者として必要な学識経験を有すると認められるもの
   二  第一条の二第三項に規定する防火対象物で、延べ面積が、別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項、(九)項イ、(十六)項イ及び(十六の二)項に掲げる防火対象物にあつては三百平方メートル未満、その他の防火対象物にあつては五百平方メートル未満のもの(以下この号において「乙種防火対象物」という。) 次のいずれかに該当する者
    イ 都道府県知事、消防本部及び消防署を置く市町村の消防長又は法人であつて総務省令で定めるところにより総務大臣の登録を受けたものが行う乙種防火対象物の防火管理に関する講習(第四項において「乙種防火管理講習」という。)の課程を修了した者
    ロ 前号イからニまでに掲げる者」

3  高さ31メートルを越えるマンションでその管理について権原が分かれているものの管理権原者は、防火管理上必要な業務に関する事項で一定のものを協議して定めなければならない。

○ 正しい。 この出題は、平成14年 マンション管理士 試験 「問24」 にもある。
  消防法第8条の2 1項 
  「第八条の二  高層建築物(高さ三十一メートルを超える建築物をいう。第八条の三第一項において同じ。)その他政令で定める防火対象物で、その管理について権原が分かれているもの又は地下街(地下の工作物内に設けられた店舗、事務所その他これらに類する施設で、連続して地下道に面して設けられたものと当該地下道とを合わせたものをいう。以下同じ。)でその管理について権原が分かれているもののうち消防長若しくは消防署長が指定するものの管理について権原を有する者は、これらの防火対象物について、消防計画の作成その他の防火管理上必要な業務に関する事項で総務省令で定めるものを、協議して、定めておかなければならない。」とあります。

4  消防法第8条の2に規定する共同防火管理が必要なマンションにおいて、管理権原者が協議して定めておかなければならない事項は、所轄消防長又は消防署長の許可がなくても定めることができる。

○ 正しい? ぴったりの条文を探したが、見つからない。
   多分、根拠は、消防法第8条の2 2項 に
  「2  前項の権原を有する者は、同項の総務省令で定める事項を定めたときは、遅滞なく、その旨を所轄消防長又は消防署長に届け出なければならない。当該事項を変更したときも、同様とする。」とあり、協議事項は、届け出制をとっているので、 所轄消防長又は消防署長の許可がなくても定めることができるのでしょう。

答え:1 (これも、過去問をやっていれば、すぐに解答ができ、次の問題に移れるが、解説は選択肢4で時間がかかった。)

問25

[問 25〕  甲管理組合では、集会の決議により修繕積立金を取り崩して各戸のバルコニー防水工事を実施した。しかし、801号室については、その部屋の区分所有者Aが故なく妨害したため、当該工事を実施できないままとなり、半年後、801号室は、AからBに譲渡された。この場合に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1  甲の発注した工事は終了したし、801号室を買ったのはBだから、Bは、自分の費用で個別に工事を実施する必要がある。

X 誤っている? 区分所有法では、バルコニー(ベランダ)は、専有部分か共用部分かの論争がある。
  しかし、設問では、集会の決議で修繕積立金から防水工事をするとあるので、一応、共用部分として扱うことで、話を進めると、共用部分の管理は区分所有法第18条1項 (共用部分の管理)
  「第十八条  共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。」により、集会で決めたのであれば、工事が終了していても、後から購入したBには、特定承継人として、同法第46条1項 (規約及び集会の決議の効力)
  「第四十六条  規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しても、その効力を生ずる。 」により、Bは個別では工事はできない。

2  甲が未了の工事を実施する場合、甲は、個別発注で割高になった金額について、区分所有者でないAに請求できない。

X 誤っている。 Aの故なく工事を妨害した行為は「故意」であるため、民法第709条 (不法行為による損害賠償)
  「第七百九条  故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」により、今は区分所有者でないAであっても請求できる。

3  甲は、予定していた工事費から、801号室に係る工事未了分相当額の支払いを免れたが、それを個別発注のため支出することはできない。

X 誤っている。 集会の決議により、一度、修繕積立金の取り崩しが許されたのであれば、工事未了分を再度、個別発注のため支出することは、管理組合として可能である。(出題の意図が分からない。集会の決議を再度求めるのか、甲でなく理事会だけで再度発注できるのか、なら議論できるけど。)

4  甲が未了の工事を実施した場合において、甲の請求により、Aの妨害で割高になった金額を甲に支払ったBは、当該金額をAに対して求償することができる。

○ 正しい。 売主であるAは、民法第570条 (売主の瑕疵担保責任)
  「第五百七十条  売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。」とあり、準用の民法第566条 (地上権等がある場合等における売主の担保責任)
  「第五百六十六条  売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
   2  前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。
   3  前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。」により、支払ったBは、売主Aに請求できる。

答え:4 (設問として、不適当。もっと条件が必要だ。)

ここまで、問25


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最終更新日:
2014年 5月27日:問16選択肢2 を変更。
2012年 6月22日:正解肢をピンク・太字で統一。
2011年 2月 7日:再度確認で、問16など、ちょろちょろと。
2010年 1月17日:ちょろちょろと。
2009年3月3日

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