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平成13年 マンション管理士 試験問題 及び 解説

ページ2(問26より問50まで)

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ご質問は、 「マンション管理士 香川事務所」へ。


*注: マンション標準管理規約(単棟型、団地型、複合用途型)は、平成28年3月に改正があり、当解説においては、未対応ですから、注意してください。
また、マンションの管理の適正化に関する指針も、平成28年3月に改正があり、当解説においては、未対応ですから、注意してください。

※ 出題当時以後の法令等の改正には、一部対応していません。

*全体の注意:区分所有法は、平成14年に改正があった。また、マンション標準管理規約は、平成16年に改正があった。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。マンション標準管理委託契約書は、平成15年に改正があった。また、平成22年5月にも改正があった。
  過去の問題を解くときには、最新の法令にあっているかどうか、注意してください。

第26問

〔問 26] マンションの大規模の修繕を行う場合に、建築基準法第86条の7の規定に基づき、既存の建築物に対する制限が緩和されるものは、次のうちどれか。

1  建ぺい率に関する規制

緩和されない。 建築基準法(以下「法」という。)に違反する建築物でありながら、法施行日前から存在する等の理由により、違反建築物と扱われないものを既存不適格建物という。法第3条第3項よると、この既存不適格建築物を増改築等する場合は、法に適合するように作り直すのが原則である。しかし、法第86条の7は、一定地の既存不適格建築物については、政令で定める範囲内で増築等が行われる場合は、例外が認められ、必ずしも現行法令に適合しなくてもよいとした。しかし、建ぺい率に関する規定(法第53条)は、法第86条の7に挙げられていない。したがって、本肢の場合は、増改築する場合の制限緩和はされない。

2  容積率に関する規制

緩和される。 容積率に関する規定(法第52条)は、法第86条の7に挙げられており、大規模の修繕をする場合、法第52条の規定による規制は適用されない。

3 日影による中高層の建築物の高さに関する規制

緩和されない。 日影による中高層の建築物の高さに関する規制(法第56条の2)は、法第86条の7に挙げられていない。したがって、本肢の場合は、増改築する場合の制限緩和はされない。

4  低層住居専用地域内における建築物の絶対高さに関する規制

緩和されない。 低層住居専用地域内における建築物の絶対高さに関する規制(法第55条)は、法第86条の7に挙げられていない。したがって、本肢の場合は、増改築される場合の制限緩和はされない。

正解 2 (出題の意図が不明確で、適切でない。)

第27問

〔問 27〕 都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(注:都市計画法は、良く改正されている。ここは、新として対応すみ。)


1 高度利用地区は、市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため、建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度などを定める地区である。

→○  正。 似たような出題は、平成19年 マンション管理士 試験 「問22」、 平成20年 マンション管理士 試験 「問22」にもある。
  都市計画法(以下「法」という。)第9条第17項(新->18項)は、「高度利用地区は、用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限を定める地区とする。 」と定める。したがって、本肢は正しい。

2 高層住居誘導地区は、住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、建築物の容積率の最高限度、建築物の建ぺい率の最高限度及び建築物の敷地面積の最低限度を定める地区である。

→○  正。 法第9条第15項(新->16項)は、「高層住居誘導地区は、住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域又は準工業地域でこれらの地域に関する都市計画において建築基準法第五十二条第一項第二号 に規定する建築物の容積率が十分の四十又は十分の五十と定められたものの内において、建築物の容積率の最高限度、建築物の建ぺい率の最高限度及び建築物の敷地面積の最低限度を定める地区とする。 」と定める。したがって、本肢は正しい。

3 特定街区は、市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率、建築物の高さの最高限度などを定める街区である。

→○  正。 法第9条第18項(新->19項)は、「特定街区は、市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定める街区とする。 」と定める。したがって、本肢は正しい。

4 高度地区は、市街地の環境を維持し、又は土地の利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度、建築物の容積率の最高限度又は最低限度などを定める地区である。

→X  誤。 法第9条第16項(新->17項)は、「高度地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区とする。」と定める。建築物の容積率の最高限度または最低限度等は定めない。したがって、本肢は誤りであり、問の正解肢となる。

正解 4

第28問

*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。
    該当の条文は、必ず改正された標準管理規約で確認のこと。

〔問 28〕 管理組合の運営に関する次の記述のうち、区分所有法の規定及び中高層共同住宅標準管理規約(団地型)によれば、適切なものはどれか。


(注:団地型も含めて、標準管理規約は平成16年に大幅に改正されている。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。原則は同じだが。ここは、旧のまま。)


1 団地の管理組合が行った団地の共用部分に関する集会の決議は、団地内の各棟の管理組合のこれに関する集会の決議に優先する。

→X  不適切。中高層共同住宅標準管理規約〔団地型〕(以下「団地型」という。)第68条関係コメント1は、「棟総会の決議事項については、団地総会の議決事項とすることができない。」と定める。団地の管理組合の行った団地の共用部分に関する集会の決議は、各棟の管理組合のこれに関する集会の決議に優先しないことになる。したがって、本肢は不適切である。

2 管理組合の集会は、最高の意思決定機関であり、理事会は、集会の決議に反する決議及び業務執行をすることができない。

→○  適切。管理組合の最高の意思決定機関は集会である。したがって、理事会は、最高意思決定機関である集会の決議に反する決議及び業務執行をすることができない。したがって、本肢は適切であり、問の正解肢となる。

3 管理者である理事長は、管理組合の業務執行機関の代表者として、理事会の決議に拘束されずに業務を執行することができる。

→X  不適切。団地型第37条第1項は、役員は、法令、規約及び使用細則並びに団地総会及び理事会の決議に従い、組合員のため、誠実にその職務を行うものとする。」と定める。本肢は、理事会の決議に拘束されずに、とする点で誤りである。したがって、本肢は不適切である。

4 管理組合が法人格を取得しても団体としての同一性は維持されるので、法人格取得前と同様、管理者である理事長が業務執行機関である。

→X  不適切。建物の区分所有等に関する法律第49条第1項は、「管理組合法人には、理事を置かなければならない。」と定める。すなわち、法人格を取得した場合、当該管理組合法人には、理事を置かなければならず、この理事が業務執行機関となる。これにより、管理者は退任することになり、管理者である理事長が業務執行機関となるのではない。したがって、本肢は不適切である。

正解 2

第29問

*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。
    該当の条文は、必ず改正された標準管理規約で確認のこと。

〔問 29〕 管理組合の総会の運営に関する次の記述のうち、中高層共同住宅標準管理規約(単棟型)によれば、適切でないものはどれか。


(注:標準管理規約は平成16年に大幅に改正されている。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。原則は同じだが。ここは、旧のまま。ここは、過ちになるので、やらないほうがいい。)


1 理事長が病気なので、その同居の配偶者が議長を務めた。

→X  不適切。 中高層共同住宅標準管理規約〔単棟型〕(以下「単棟型」という。)第37条は、「副理事長は、理事長を補佐し、理事長に事故があるときは、その職務を代理し、理事長が欠けたときは、その職務を行う。」と定める。したがって、理事長が病気のときは、副理事長が議長を務めるべきであり、理事長の配偶者が議長を務めるのは妥当ではない。したがって、本肢は不適切であり、問の正解肢となる。

2 議事に法律上の利害関係を有する組合員以外の者の傍聴を認めた。

→○  適切。 単棟型第43条第1項は、「組合員のほか、理事会が必要と認めた者は、総会に出席することができる。」と定める。したがって、議事につき法律上の利害関係を有する組合員以外の者が、傍聴することも許される。したがって、本肢は適切である。

3 議事の採決の結果が可否同数になったので、議長が可否を決定した。

→○  適切。 単棟型第45条第2項は、「総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決し、可否同数の場合には、議長の決するところによる。」と定める。本肢は、このとおりであり適切である。(注:標準管理規約は大幅に改正されている。ここは、旧のまま。)*現在は、議長採決は許していない。同数は否決になる。(新47条のコメント参照)

4 議長が、欠席の組合員から自己に対する委任状を受け取った。

→○  適切。 単棟型第44条第4項は、「組合員は、書面又は代理人により議決権を行使することができる。」と定め、同条第5項は、「組合員が代理人により議決権を行使する場合において、その代理人は、その組合員と同居する者、他の組合員若しくはその組合員と同居する者又はその組合員の住戸を借り受けた者でなければならない。」と定める。そして、同条第6項は、「代理人は、代理権を証する書面を理事長に提出しなければならない。」と定める。以上より、議長が、欠席の組合員から自己に対する委任状を受け取ることも許されるので、本肢は適切である。

正解 1

第30問

*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。
    該当の条文は、必ず改正された標準管理規約で確認のこと。

〔問 30〕 管理組合の業務に関する次の記述のうち、区分所有法の規定及び中高層共同住宅標準管理規約(単棟型)によれば、適切でないものはどれか。


(注:標準管理規約は平成16年に大幅に改正されている。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。原則は同じだが。ここは、旧のまま。)

1 規約により駐車が禁止されている敷地内に駐車がなされている場合に、その自動車をレッカー車で移動すること。

→X  不適切。建物の区分所有等に関する法律及び中高層共同住宅標準管理規約にこのような定めはない。また、規約に敷地内の駐車を禁止する旨の規定がなされていても、敷地内に現実に駐車されている自動車をレッカー移動する行為は管理組合の業務に含まれない。そもそも、駐車違反の車を、法令等で定められた手続に則らないで、移動させる等の行為を自力救済というが、これは原則として禁止される。したがって、本肢は不適切であり、問の正解肢となる。

2 管理費に不足を生じた場合に、組合員に対して、その都度必要な金額の負担を求めること。

→○  適切。 中高層共同住宅標準管理規約〔単棟型〕(以下「単棟型」という。)第58条第2項は、「管理費等に不足を生じた場合、管理組合は組合員に対して、第24条第2項に定める管理費等の負担割合により、その都度必要な金額の負担を求めることができる。」と定める。したがって、本肢は適切である。

3 漏水事故があった場合に、事故の原因箇所と思われる専有部分への立入りを求めること。

→○  適切。 単棟型第22条第1項は、「前条により管理を行う者は、管理を行うために必要な範囲内において、他の者が管理する専有部分又は専用使用部分への立入りを請求することができる。」と定める。単棟型第21条第2項は、「専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる。」と定める。漏水事故の原因箇所と思われる場所への立ち入りは、管理のため必要な範囲であるといえる。したがって、専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理を行うため必要な範囲内において、他の者が管理する専有部分又は専用使用部分への立入りを請求することができる。したがって、本肢は適切である。

4 専有部分の賃借人に対して、規約を遵守するよう申し入れること。

→○  適切。 単棟型第5条第2項によると、「占有者は、対象物件の使用方法につき、区分所有者がこの規約に基づいて負う義務と同一の義務を負う。」と定める。専有部分の賃借人という占有者も規約の遵守義務を負うのであって、管理組合がこれを申し入れることも管理組合の業務として正しい。したがって、本肢は適切である。

正解 1

第31問

*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。
    該当の条文は、必ず改正された標準管理規約で確認のこと。

〔問 31〕 管理委託契約に関する次の記述のうち、中高層共同住宅標準管理委託契約書及びマンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「マンション管理適正化法」という。)の規定によれば、適切でないものはどれか。


(注:中高層共同住宅標準管理委託契約書も改正されている。ここは、旧のまま。ここの、主旨は変更が無い。さらに、平成22年5月1日施行で改正があったので注意のこと。)


1 区分所有者が共同生活の秩序に反する行為をした場合に、マンション管理業者が行為の中止を求めることができるとすること。

→○  適切。 中高層共同住宅標準管理委託契約書(以下「契約書」という。)第12条は、マンション管理業者は、委託業務を行うため必要なときは、管理組合の組合員及びその所有する専有部分の占有者に対し、管理組合に代わって、各号に列挙する行為の中止を求めることができる、と定める。そしてその第5号において、組合員の共同の利益に反する行為を挙げる。したがって、組合員が共同の利益に反する行為をしたときは、管理会社がその行為の中止を求めることができる、とする本肢は適切である。

2 マンション管理業者は、事業年度終了後6ヵ月以内に委託業務に係る収支決算書を作成し、管理組合に報告しなければならないとすること。

→X  不適切。 建物の区分所有等に関する法律施行規則第88条は、「マンション管理業者は、法第77条第1項の規定により管理事務に関する報告を行うときは、管理事務を委託した管理組合の事業年度終了後、遅滞なく、当該期間における管理受託契約に係るマンションの管理の状況について次に掲げる事項を記載した管理事務報告書を作成し、これを管理者等に交付しなければならない。」と定める。事業年度終了後遅滞なく報告することを要するのであり、事業年度終了後6ヶ月以内にすればよいのではない。したがって、本肢は不適切であり、問の正解肢となる。

3 マンション管理業者は、必要があるときは、専有部分に立ち入ることができるとすること。

→○  適切。 契約書第14条第1項によると、マンション管理業者は、委託業務を行うため必要があるときは、組合員の専有部分に立ち入ることができることになる。したがって、本肢は適切である。

4 マンション管理業者は、善良なる管理者の注意義務をもって委託業務を行うが、自らの申し出にかかわらず、管理組合が承認しなかった事項に関しては、責任を負わないとすること。

→○  適切。 契約書第5条第1項によると、マンション管理業者は、善良なる管理者の注意をもって委託業務を行わなければならない。しかし、同条第2項によると、マンション管理業者が申し出にかかわらず、管理組合が承認しなかった事項に関しては責任を負わないことになる。したがって、本肢は適切である。

正解 2

第32問

〔問 32〕 マンションの管理をめぐる訴訟に関する次の記述のうち、区分所有法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 管理組合は、管理組合法人であるか否かにかかわらず、民事訴訟において、原告又は被告となることができる。

→○  正。 法人化されていない管理組合においても、管理規約が定められ、理事長等の代表者が選出され、その運営方法等が明確になっており、構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続する場合にはいわゆる「権利能力なき社団」として民事訴訟法上当事者能力が認められる(民事訴訟法29条、判例)。したがって、本肢は正しい。

2 管理者に不正な行為があったときは、各区分所有者は、その解任を求める訴訟を提起することができる。

→○  正。 建物の区分所有等に関する法律(以下「法」という。)第25条第2項は、「管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者は、その解任を裁判所に請求することができる。」と定める。本肢は、このとおりで正しい。ここは、「問8」も参照のこと。

3 区分所有者が各区分所有者の共同の利益に反する行為をした場合には、その利益侵害の程度によって、行為の停止、専有部分の使用禁止、区分所有権の競売を請求する訴訟を提起することができるが、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による決議が必要である。

→X  誤。 法第58条第2項と、法第59条第2項によると、専有部分の使用禁止を求める訴訟提起と区分所有権の競売を請求する訴訟提起をする際の議決要件は、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数で行う。しかし、行為停止の請求の訴訟を提起する際の議決は「集会の決議によらなければならない。」と定めるので、法第39条第1項により、区分所有者および議決権の各過半数で決するとされる。行為停止の請求の訴訟を提起する際の議決も、区分所有者及び議決権の各4分の3とする本肢は誤りであり、問の正解肢となる。

4 管理組合法人とその理事との間の民事訴訟については、監事が、当該法人を代表して原告又は被告となる。

→○  正。 法第51条は、「管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、監事が管理組合法人を代表する。」と定める。管理組合法人とその理事との間の民事訴訟は、管理組合法人と理事との利益が相反するといえる。よって、その訴訟については、監事が当該管理組合を代表して、原告または被告となる。したがって、本肢は正しい。

正解 3

第33問

〔問 33〕 甲マンション管埋組合(管理組合法人でないものとする。)に係るマンションの管理に関する訴訟について、区分所有法の規定によれば、当事者適格を持つことがないものは、次のうちどれか。

1 管理組合の理事会

→X  なし。 当事者適格とは、個々の訴訟において、当事者として訴訟を追行し、判決の名宛人となることにより、有効な紛争解決をもたらすことができる地位をいう。当事者適格を欠く者の訴えは、有効な紛争解決をもたらさないので、却下される。建物の区分所有等に関する法律(以下「法」という。)においては、管理組合の理事会に対し、マンションの管理に関する訴訟につき当事者適格を認める規定はない。したがって問の正解肢である。 管理組合法人においては、集会の決議に基づき法人がその名に「おいて(理事が法人を代表して)提起し、追行する。理事会ではない。(参考:平成23年 マンション管理士試験 「問8」

2 個々の区分所有者

→○  あり。 法第25条第2項は、「管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者は、その解任を裁判所に請求することができる。」と定める。この規定にあるように、個々の区分所有者は当事者適格を持つといえる。

3 集会で指定された区分所有者

→○  あり。 法第57条第3項は、共同の利益に反する行為の停止等の請求につき、「管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、第1項の他の区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる。」と定める。この規定にあるように、集会で指定された区分所有者は当事者適格を持つ。

4 管理者であるマンション管理業者

→○  あり。 法第26条第4項は、「管理者は、規約又は集会の決議により、その職務(第2項後段に規定する事項を含む。)に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる。」と定める。これらの規定にあるように、管理者であるマンション管理業者は、当事者適格を持つといえる。

正解 1

第34問

〔問 34〕 マンション(管理組合法人が設立されているものとする。)の専有部分内で犬が飼育されている場合に関する次の記述のうち、区分所有法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 区分所有者は、集会を開き、犬を飼育している区分所有者の承諾を得ることなく、犬の飼育を禁止する内容に規約を改正することができる。

→○  正。 この設問は、建物の区分所有等に関する法律(以下「法」という。)第30条4項で定める、規約の改正が一部の区分所有者の権利にどの程度の影響があるかを問題にしている。当初、動物の飼育を禁止する規約は定められていなかったマンションにおいて、後に規約を改正し、犬、猫、小鳥等のペットを飼うことを禁止したマンション管理組合の管理者が、規約改正前から犬を飼育していた区分所有者に対し、犬の飼育禁止を求めた事例において、東京高裁平成6年8月4日は次のように判示した。すなわち、「区分所有者は管理規約で共同の利益に反する行為の具体的内容、範囲を定めることができる。よって、マンション内で動物の飼育を一律に禁止することもできる。本件規約については、その規約が買主の権利に特別の影響を与えるものでない。」として、管理者の請求を認めた。区分所有者は、集会を開き、犬を飼育している区分所有者の承諾を得ることなく、犬の飼育を禁止する内容に規約を改正することも可能である。したがって本肢は正しい。

2 犬の飼育を禁止する規約が設定されている場合、管理組合法人は、犬を飼育する区分所有者に対して犬の飼育を禁止することのほか、必要があれば、犬の引渡し又は売却を請求することができる。

→X  誤。 犬の引渡しまたは売却を請求することを認める規定は存在しない。法第59条が定めるのは、区分所有者に対する区分所有権や敷地所有権の競売請求であり、第60条第1項が定めるのは占有者に対する引渡請求であるので、犬の引渡しや売却の請求とは性質を異にする。したがって本肢は誤りで、問の正解肢となる。

3 犬の飼育に関する規約が定められていない場合であっても、犬の糞尿によるマンションの汚損や臭気が著しいときは、管理組合法人は、必要があれば、犬を飼育する区分所有者に対して飼育の禁止を請求することができる。

→○  正。 法第57条第1項は、「区分所有者が第6条第1項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。」と定める。犬の糞尿によるマンションの汚損や臭気が著しいときは、犬の飼育も共同の利益に反する行為と認められる。したがって、犬の飼育に関する規約が定められていない場合であっても、管理組合法人は、必要があれば、犬を飼育する区分所有者に対して飼育の禁止を請求することができる。したがって本肢は正しい。

4 専有部分の賃借人が規約に反して犬を飼育していた場合、管理組合法人は、当該専有部分の区分所有者に請求することなく、直接、賃借人に対して犬の飼育の禁止を請求することができる。

→○  正。 賃借人は占有者である。すると法第46条第2項は、「占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。」と定める。したがって、犬の飼育禁止を定める本件規約の効力は、賃借人にも及ぶ。よって、専有部分の賃借人が規約に反して犬を飼育していた場合、管理組合法人は、当該専有部分の区分所有者に請求することなく、直接、賃借人に対し犬の飼育の禁止を請求できる。したがって本肢は正しい。

正解 2

第35問

〔問 35〕 A管理組合(決算月を3月とする。)の決算に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとする。

1  3月に保険期間2年の掛捨型保険を契約し、全保険期間分に係る保険料全額を支払ったが、決算上は、当該年度分のみを費用として処理し、残りは資産として計上した。

→○  適切。  ★発生主義ということ

  全ての費用・収益は、その支出・収入に基づいて計上し、その発生した期間
     *収入については、請求権が生じた月、
     *支出については、支出が労役などの提供又は工事などである場合は、その労役などの提供又は工事等が完了した月、物品の購入なら、その物品が納入された月
    に正しく割り当てるように処理すること。

 これにより、管理費や修繕積立金は該当月に徴収することになっているなら、未収入金(滞納)があっても、全額計上されている

 本問において、発生主義の原則によるとされている。したがって、取引の発生事実を根拠として、費用及び収益を認識して計上することになる。本肢において、2年分の掛捨保険料のうち、当該年度分は年度内に計上すべき事実が発生しているので費用として計上すべきことになる。残りは、当該年度内に計上すべき事実が発生していないので前払費用として資産となる。したがって、本肢は適切である。

2  3月に大規模修繕工事が完成したので、4月に支払い予定の費用を3月の未払費用として計上した。

→○  適切。   3月までに大規模修繕工事が終了しており、その費用につき当該年度内に計上すべき事実が発生していると考えられる。よって、当該年度内に未払金として計上しなければならない。したがって、本肢は適切である。

3  実施を予定していた修繕工事が延期されたが、予算上は、当該年度の工事であったので、未払費用として計上した。

→X  不適切。 発生主義であることに注意のこと。3月までに修繕工事が終了しておらず、その費用につき当該年度内に計上すべき事実が発生していない。よって、予算化していても、当該年度内に未払金として計上してはならない。したがって、本肢は不適切であり、問の正解肢となる。

4  3月に4月分の管理費等が入金されたため、会計上、前受金として計上し、次の4月に収入として振替え処理した。

→○  適切。   翌年度の管理費等は、翌年度の収入として計上すべきものである。この場合当該年度においては、前受金として負債を計上する。そして、4月に収入として振替え処理することになる。したがって、本肢は適切である。

正解 3

第36問

*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。
    該当の条文は、必ず改正された標準管理規約で確認のこと。

〔問 36〕 管理費等の滞納防止を図るための規約の定めに関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 管理費等の徴収方法として、各区分所有者が開設する預金口座から、自動振替により管理組合口座へ引き落とすこととする。

→○  適切。   中高層共同住宅標準管理規約(注:改正されている。ここは、旧のまま。)〔単棟型〕(以下「単棟型」という。)第57条第1項本文は、「管理組合は、第24条に定める管理費等及び第28条に定める使用料について、組合員が各自開設する預金口座から自動振替の方法により第59条に定める口座に受け入れることとし、当月分は前月の○日までに一括して徴収する。」と定める。したがって、管理費等の徴収方法として、各区分所有者が開設する預金口座から、自動振替により管理組合口座へ引き落とすこととするとする本肢は適切である。自動振替による方法は、区分所有者の都合による滞納を防ぐ効果があるとともに、一定期日に引き落とされるため滞納者の把握が容易であるというメリットがある。

2 区分所有者が規約に定められた期日までに納付すべき管理費等を納付しない場合、その未払金額について遅延損害金を加算して請求することができることとする。

→○  適切。   単棟型(注:改正されている。ここは、旧のまま。)第57条第2項は、「組合員が前項の期日までに納付すべき金額を納付しない場合には、管理組合は、その未払金額について年利→○  %の遅延損害金を加算して、その組合員に対して請求する。」と定める。管理費等を期日まで納付しない区分所有者に対して、遅延損害金を加算して請求することができる、という本肢は適切である。

3 多額の管理費等を滞納した場合には、滞納者に係る駐車場使用契約を解除することができることとする。

→○  適切。   一定限度以上の滞納者に対しては、駐車場使用契約を解除することができる旨を定めておくのも、滞納防止には有効である。したがって、本肢は適切である。なお、中高層共同住宅使用細則モデル「駐車場細則」第11条に同様の規定がある。

4 専有部分が賃貸されている場合、当該専有部分に係る区分所有者が管理費等を長期間納付しないときは、賃借人が管理費等を負担することとする。

→X  不適切。 建物の区分所有等に関する法律第19条は、「各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。」と定める。このように管理に要する費用負担の義務者は区分所有者であると明確に定められ、専有部分を賃借している賃借人の負担とすることはできず、これに反する規約も定めることもできない。したがって、本肢は不適切であり、問の正解肢となる。

正解 4

第37問

〔問 37〕 マンションに用いられる構造方式とその特徴に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 壁式構造は、壁や床等の面的な構造部材により荷重や外力に対応する構造方式で、中低層の建物に多く用いられる。

→○  正。 マンションでの構造で、この「壁式構造」と下の「ラーメン構造」は基本で、今後も繰り返し出題されますから、おさえておくこと。平成23年 マンション管理士試験 「問41」 など。
   壁式構造とは、壁や床等の面的な構造部材により荷重や外力に対応する構造方式である。この壁式構造では、柱や梁ではなく、耐震壁と耐震壁に準ずる壁で構造体を構成する。したがって、梁や柱形による凸凹がないため、空間利用効率がよくなり、住宅や共同住宅など間仕切壁の多い中低層のマンションに多く用いられる。したがって、本肢は正しい。

2 ラーメン構造は、チューブ状の鋼管にコンクリートを充填(じゅうてん)したものを主要な構造部材とする構造方式で、中高層の建物に多く用いられる。

→X  誤。 ラーメン構造とは、柱・梁・床・壁で構成され、接点は剛に接合されていて、柱・梁は主として曲げで外力に抵抗する構造方式である。したがって、本肢は誤りであり、問の正解肢となる。階を重ねる建物に適し、一般的には、耐震壁をラーメンフレームに包含した耐震壁付きラーメン構造が最も多く見られる。なお、チューブ状の鋼管にコンクリートを充填したものを主要な構造部材とする構造方式とは、鋼管コンクリート構造(CFT造)のものである。

3 鉄骨鉄筋コンクリート構造は、鉄骨の骨組みを鉄筋コンクリートで覆ったものを主要な構造部材とする構造方式で、高層の建物に多く用いられる。

→○  正。 鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC構造)とは、鉄骨構造を鉄筋コンクリートで被覆したもので、鉄筋コンクリート構造(RC構造)よりさらに強さとねばりを持つ。そのため、鉄筋コンクリート構造より、さらに耐震性と耐火性に優れた構造であり、大規模な建築や高層建築に適している。したがって、本肢は正しい。

4 免震構造は、積層ゴム等の装置を設けて地盤から建物に伝わる地震の振動を軽減しようとする構造方式である。

→○  正。 免震構造は、建物の基礎と上部構造の間に、積層ゴムや滑り機能をもつ免震装置を設けて、地震力に対して建物をゆっくりと水平移動させ、地盤から建物に伝わる地震の振動を軽減することにより、建物の曲げや変形を少なくする構造である。したがって、本肢は正しい。建物の耐震性能が高まるだけでなく、家具の転倒や非構造部材の破壊が少なくなる等の従来の耐震構造にはない利点があるとされ、マンションでの採用が増えている。ただし、免震装置の維持管理が必要となる。
 なお、地震力に対する建築構造としては、@耐震、A制震、B免震の構造がある。

正解 2

第38問

〔問 38〕 排水設備に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 ゴミの排水立て管への流出を防ぐ措置として、衛生設備と排水枝管の接続部に加えて、その排水枝管の途中にもトラップを設けた二重トラップが採用される。

→X  誤。 平成27年 マンション管理士試験 「問44」 。
一つの排水系統に2個以上のトラップを直列に設置することを二重とラップという。この二重トラップは、排水管内に圧力変動をもたらし、排水障害を起こすため、設けてはならない。したがって、本肢は誤りであり、問の正解肢となる。

2 トラップの主な機能は、排水管内の臭気や害虫が室内に侵入することを防ぐことである。

→○  正。 トラップは、内部に一定の水を溜め、配水管から臭気や害虫が室内に侵入するのを防ぐ機能を有する。したがって、本肢は正しい。

3 通気管の主な機能は、トラップの封水を保持したり、排水の流れが円滑に行われるようにすることである。

→○  正。 通気管は、トラップ内の封水を維持し、配水管内の気圧と外気との気圧差を解消させるようにして、封水切れを防いだり、排水をスムーズにする目的で設置される。したがって、本肢は正しい。

4 マンションの排水には、汚水、雑排水、雨水の3系統があるが、汚水と雑排水は、同一の排水立て管を用いることがある。

→○  正。 マンションの排水には、汚水(トイレ汚水)、雑排水(台所、風呂、洗面所)、雨水の3系統に分けられる。排水方式のうち、汚水と雑排水を同一系統で排出させる方式を合流式という。したがって、汚水と雑排水は、同一の排水立て管を用いることがあるという本肢は正しい。ただし、雨水と他の排水との立て管は一緒にできない。これは、大雨の時など、他の排水管への逆流を防ぐためである。
 また、参考までに、マンション内での、排水で汚水と雑排水を別々の系統で排水する方式を分流式という。一方、マンション(家庭)からの排水を受ける公共下水道での分流式とは、家庭からの汚水と雑排水を汚水管に受け、雨水を雨水管に受ける方式で、下水道の合流式とは、マンション(家庭)からの汚水も雑排水も雨水もすべてを1つの管で受ける方式です。区別しておいてください。

正解 1

第39問

〔問 39〕 マンション(5階建て壁式構造)の4階における居室のダイニング・キッチンのリフォームに係る増築が、下図のとおり、計画されている。この場合に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 Aを避難上有効なバルコニーとするために、避難ハッチ等の設置が必要である。

→○  適切。   本問増築により、右側のベランダ隔板が使えなくなり、隣の住戸への避難ができなくなったので、避難ハッチ等の設置により下の階への避難路を確保することが必要である。したがって、本肢は適切である。

2 Bの外壁は主要な構造部であるので、補強がなされなければ、耐震性が低下する。

→○  適切。   この建物は、壁により荷重や外力に抵抗している壁式構造と出題されている。壁式構造では外壁が一定の耐震性を保つために設計されているため、既存の壁を取り除くと耐震性を損なうおそれがある。とくにBのような開口部のある外壁については補強をして耐震性低下を防止する必要がある。したがって、本肢は適切である。

3 既存バルコニー内の増築であるので、容積率は変わらない。

→X  不適切。 バルコニーは容積率計算における延べ床面積に含まれないが、バルコニーの一部が専有部分になった場合は当然、延べ床面積に含まれるので、容積率が増加している。したがって、容積率は変わらないという本肢は不適切であり、問の正解肢となる。

4 この増築を実施するためには、規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による議決が必要である。

→○  適切?    本問においては、バルコニー部分に部屋が増床され、バルコニー部分に重要な変更が生じていることになる。バルコニー部分は共用部分であると解される。共用部分の重大な変更に当たるので、建物の区分所有等に関する法律第17条第1項により、規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による議決が必要となる。したがって、本肢は適切である。
→X  不適切? 注:なお、この増築が区分所有法第17条1項で定める共用部分の重大な変更行為に該当し、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による議決で可能な範囲か、それとも、民法第251条による「全員の合意」が必要な共有物の変更(処分行為)に該当するのではとの指摘がある。
  この増築を実施すると共用部分の面積が減少し、専有部分の床面積が増加する。これは、区分所有建物(マンション)内での専有部分の持分の変更も伴い不動産登記も変更になる。区分所有法での、特別決議(区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による議決)だけでは、増築できず、民法での「全員の合意が必要」と考えるのが妥当であろう。(平成20年11月追記。) 参考:平成16年 マンション管理士 試験 「問1」 選択肢4。

正解 3

第40問

〔問 40〕 マンションの設備に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 エレベーターのいわゆるPOG契約は、消耗品の交換だけではなく、部品の取替えや修理を状況にあわせて行うことを含む保守契約のことである。

→X  誤。 エレベーターの保守契約には、POG契約とメンテナンス契約に分けられる。このうち、POG契約(Parts Oil and Grease)は、消耗部品付契約のことで、定期的点検、管理仕様範囲内の消耗品の交換は含まれるが、それ以外の部品の取替え、修理は別途料金となる契約方式である。したがって、本肢は誤りである。なお、消耗品の交換だけではなく、部品の取替えや修理を状況にあわせて行うことを含む保守契約は、フルメンテナンス契約である。

2 油圧式エレベーターの場合、一般に最上階に機械室を設置することが多い。

→X  誤。 エレベーターはロープ式と油圧式に大別される。一般に最上階に機械室を設置することが多いのは、ロープ式エレベーターであり、油圧式エレベーターではない。したがって、本肢は誤りである。

3 屋内消火栓は、消防隊が放水のために使用することを主目的として設けられた消防用設備である。

→X  誤。 屋内消火栓とは、建築物内に水源をもち、加圧送水装置(消火ポンプ)、配管、ホース、ノズルなどで構成される消防設備であり、居住者などが初期段階の火災を消火することを目的とする。その操作については消火栓箱内の起動スイッチで消火ポンプを起動し、消火栓弁を手動で開いて放水し、消火することになる。したがって、屋内消火栓を、消防隊が放水のために使用することを主目的として設けられた消防用設備である、とする本肢は誤りである。

4 借室電気室は、建物内に電気を供給するための変電設備を設置したスペースで、電力会社が借り受け、設備の維持管理はすべて電力会杜が行う。

→○  正。 マンションの規模が一定程度以上で、住戸ごとの契約電力と共用部分の契約電力の総量が50kw以上のとき、電力会社の要望により借室電気室を設けて、高圧で敷地内に引き込まれた電力を、低圧で各住戸に引き込むことになる。そのため、建物内に電気を供給するための変電設備を設置した借室電気室が必要になり、そのためのスペースをマンション管理組合から電力会社が借り受け、設備の維持管理はすべて電力会社が行うことになる。その部分は管理組合は管理しない。したがって、本肢は正しく、問の正解肢となる。

正解 4

第41問   

〔問 41〕 マンションの維持保全に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 竣工が昭和56年以前のマンションは、一般的に旧耐震基準で設計されているため、適切な時期に耐震診断を行うことが望ましい。

→○  適切。   昭和53年(1978年)6月に起きた宮城県沖地震の被害をうけ、昭和56年に現行の新耐震基準に改正されている。そこで竣工が昭和56年以前のマンションは、一般的に旧耐震基準で設計されているため、適切な時期に耐震診断を行うことが望ましい。したがって、本肢は適切である。(参考:平成18年 マンション管理士 試験 「問40」

2 階段室をエレベーター室に改造する工事費に充てるため借入れをした場合、その利息の支払いには、管理費を充当する。

→X  不適切。 マンションの会計においては目的別会計を採用しており、マンションの管理に関する費用は、一般的に管理費と特別修繕費に区分される。階段室をエレベーター室に改造する費用については特別修繕費を充当する。さらに発生した利息についても元本と同じく特別修繕費を充当する。よって「管理費を充当する」とする本肢は不適切であり、問の正解肢となる。

3 建設省が実施した「平成11年度マンション総合調査」によれば、長期修繕計画を作成していると回答した管理組合は、全体の80パーセントを超えている。

→○  適切。   平成11年度に建設省(現、国土交通省)が実施した「マンション総合調査」の調査結果によると、長期修繕計画を作成しているマンションは80.5%となっている。よって、本肢は適切である。(なお、マンション総合調査は、5年ごとに実施され、平成15年度の調査では、長期修繕計画を作成しているは、78.1%である。また、平成20年度では、89.0%となっている。)(2010年2月10日:訂正と追記)

4 修繕積立金の目的は、将来の修繕実施時の一時金徴収をなるべく避け、修繕を円滑に実施することにある。

→○  適切。   修繕工事時に一時金を徴収することは、区分所有者に対する負担が重く、応えられない区分所有者も出てくる。また、区分所有者の合意も得にくい。そのため、一時金徴収を避け、修繕を円滑に実施するため、修繕積立金を積立てておく必要がある。したがって、本肢は適切である。

正解 2

第42問

〔問 42〕 マンションの維持保全に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 マンションを良好に維持保全することは、区分所有者等の居住者、管理組合にとってのみならず、周辺地区や都市環境にも重要であるので、国及び地方公共団体は、必要な情報及び資料の提供等の措置を講ずるよう努めなければならない。

→○  適切。   マンションの管理の適正化の推進に関する法律第5条は、「国及び地方公共団体は、マンションの管理の適正化に資するため、管理組合又はマンションの区分所有者等の求めに応じ、必要な情報及び資料の提供その他の措置を講ずるよう努めなければならない。」と定める。したがって、本肢は適切である。

2 中高層共同住宅標準管理規約(団地型)においては、特別修繕費の徴収は、団地の管理組合で一括して行うこととされている。

→○  適切。   中高層共同住宅標準管理規約(団地型)第24条第1号(旧のまま)は、「団地建物所有者は、土地及び共用部分等の管理に要する経費に充てるため、次の費用(以下「管理費等」という。)を管理組合に納入しなければならない。」と定め、その第2号において、「団地特別修繕費」を、第3号において、「各棟特別修繕費」を挙げる。したがって、標準管理規約(団地型)においては、特別修繕費の徴収は、団地の管理組合で一括して行うことになる、とする本肢は適切である。

3 マンションの維持保全が最適な時期に行われるよう、建物診断、長期修繕計画の作成及び修繕積立金の確保について、規約に定められていることが望ましい。

→○  適切。   マンションの維持保全のための修繕は、適切な時期に適切に行わなければならない。建築の調査診断には費用が必要である。そして、この費用は長期修繕計画を作成して、修繕積立金を確保すべきであるから、これらが規約に定められることが望ましい。したがって、本肢は適切である。

4 マンションの維持保全には、耐用年数を考慮する必要があるが、鉄筋コンクリート造のマンションに関する税法上の固定資産減価償却耐用年数は、平成10年の改正時に60年に延長されている。

→X  不適切。   マンションの維持保全には、耐用年数を考慮する必要があるとする本肢前段は正しい。しかし、鉄筋コンクリート造建物の耐用年数について、平成10年4月1日以前は、固定資産の減価償却費を算出するために定められた大蔵省(現・財務省)令第16号「原価償却資産の耐用年数」によると60年であるとされていたが、同年の改正により、マンションの耐用年数は、47年であるとされた。したがって、本肢は不適切であり、問の正解肢となる。

正解 4 

第43問

〔問 43〕 マンションの長期修繕計画と特別修繕費に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 長期修繕計画は、どの部分を、いつ頃、どの位の費用で修繕すべきかを計画するもので、特別修繕費の算定根拠としても重要である。

→○  適切。   修繕計画には、作成の目的や主旨または計画期間によって、3種.類にわけられる。すなわち、長期修繕計画、中期修繕計画、短期修繕計画である。このうち、長期修繕計画とは、長期的展望に立ち、建物全体の修繕時期と費用を表示し、必要とされる修繕積立金の概算数字の根拠とするものである。したがって、長期修繕計画は、どの部分を、いつ頃、どの位の費用で修繕すべきかを計画するもので、特別修繕費の算定根拠としても重要であるから、本肢は適切である。

2 長期修繕計画の計画期間は、あまり長すぎても現実的ではないので、10年程度が一般的である。

→X  不適切。 長期修繕計画とは、長期的展望に立ち、建物全体の修繕時期と費用を表示し、必要とされる修繕積立金の概算数字の根拠とするものである。そして、20年から30年程度改正あり。現在は、新築時には、30年程度、経年時は、25年程度を標準的な計画期間となっている。)までの将来範囲を考慮するものである。したがって、本肢は不適切であり、問の正解肢となる。

3 長期修繕計画で対象となる主要な工事項目には、屋上防水、外壁補修、給排水管取替等がある。

→○  適切。   長期修繕計画の対象となる主要な工事項目には、屋上工事、外壁・バルコニー工事、外廊下・外階段工事、給水設備工事、排水設備工事、電気設備工事等がある。したがって、本肢は適切である。

4 長期修繕計画では、修繕工事費だけでなく、調査診断、修繕設計、工事監理、長期修繕計画の見直しなどのコンサルタント費用も計上しておくことが重要である。

→○  適切。   長期修繕計画には、修繕工事費、調査診断費、修繕設計費、工事監理費のみならず、長期修繕計画の見直しのためのコンサルタント費用も計上しておくことが実際的である。したがって、本肢は適切である。

正解 2

第44問

〔問 44〕 マンションの調査診断及び改修設計に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 鉄筋コンクリートの中性化が進むと、コンクリート強度の低下により躯体の耐久性の低下につながる。

→X  不適切。   鉄筋コンクリートの中性化が進行すると、コンクリート内の鉄筋に錆が生じ、柱、梁などの強度が低下する。しかし、コンクリートそのものの強度が低下するのではない。したがって、本肢は不適切であり、問の正解肢となる。(参考:平成19年 管理業務主任者 試験 「問26」)

2 コンクリートのひび割れは、漏水につながるだけでなく、コンクリートの中性化、鉄筋腐食をももたらす劣化現象であるので、注意が必要である。

→○  適切。   コンクリートのひび割れは、漏水の原因になるだけでなく、コンクリート内に酸性雨等を浸透させ、これによりコンクリートの中性化を促進させ、それにより、コンクリート内の鉄筋を腐食させることになる。したがって、本肢は適切である。

3 調査診断における予備調査は、目視等簡便な方法で行い、通常は、診断機器の使用や破壊試験は行わない。

→○  適切。   調査診断における予備調査は、本格的な診断に入る前に、最適の診断方法を決めるための調査であるから、目視等の簡単な方法で行われる。通常、診断機器の使用や引き抜き法等の破壊試験までは行わない。したがって、本肢は適切である。

4 排水管の更新改修は専有部分内については困難であるので、エポキシ樹脂ライニング工法による更生工法があるが、現段階では主流ではない。

→○  適切。   配水管の更新改修工事は、専有部分内において行うことはなかなか困難である。そこで配水管内の錆を落とし、管の内面にエポキシ樹脂液を塗布する、エポキシ樹脂ライニング工法による更生工法があるが、現段階では主流とはいえない。したがって、本肢は適切である。

正解 1

第45問

〔問 45〕 マンションの大規模修繕工事の請負及び工事監理に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

1 マンションの全面的な排水管取替工事は、建築基準法で定める大規模の修繕に該当しない。

→○  適切。   建築基準法第2条第14号は、「大規模の修繕」の定義につき、「建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。」と定める。また、同条第5号は、「主要構造部」の定義につき、壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、附け柱、揚げ床、最下階の床、廻り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。)と定める。配水管は主要構造部には該当せず、それゆえ排水管取替工事は、大規模修繕に該当しない。したがって、本肢は適切であり、問の正解肢となる。

2 工事が設計図書のとおりに実施されているか否かを確認する工事監理に関しては、その工事費が1億円以上のものについては、一級建築士が当たることが義務付けられている。

→X  不適切。 建築士法第3条は、一定程度の規模の建築物の建築・工事監理をするには、一級建築士でないと行えない旨を規定する。しかし、一定以上の工事費を要する工事監理につき、一級建築士が工事監理に当たるとの義務付けはされていない。したがって、本肢は不適切である。

3 コンクリートのひび割れ長さやタイルの浮き枚数については、事前に数量を確定することが難しいので、実費清算方式を採用することがあるが、この方式は、清算後の増額高が予測できないので避けた方がよい。

→X  不適切。 マンションの大規模修繕工事の請負の際の業者見積りに際し、ひび割れの長さ、鉄筋露出の箇所数、タイルの浮きの枚数などは、設計時点では、調査や経験に基づいて仮定した数量で業者見積もりを行い、その数量で契約し、工事が始まり実施数量が確定した後清算する。この方式を実費清算方式という。この方式は業者の経験や見積もり能力が高ければ予想不可能な著しい高額になるとはいえず、避けたほうがよいとは断定できない。したがって、本肢は不適切である。

4 工事完成後のアフターケアを十分に行うため、請負業者が竣工図書を提出するとともに、施工後は有償で定期点検を行うのが通例である。

→X  不適切。 工事完成後のアフターケアを十分行うための定期点検は、無償で行われることも多い。アフターケア自体が無償で行われるものであるので、そのための点検も無償で行われるはずである。したがって、有償で定期点検を行うのが通例であるとの記述は適切ではない。したがって、本肢は不適切である。

正解 1

第46問

〔問 46〕 マンション管理士の義務等に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、誤っているものはどれか。


  *注:問46から問50までは、マンション管理士試験か管理業務主任者試験の合格者には免除される部分 です。また、この問46から問50は、「マンション管理適正化法」と同指針からの出題と決まっていますので、出題は似たような内容となります。過去問題は やっておくと楽です。


1 マンション管理士は、マンション管理士の信用を傷つけるような行為をした場合には、30万円以下の罰金に処される。

→X  誤。 マンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「法」という。)第40条は、「マンション管理士は、マンション管理士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。」と定める。しかし、これに違反した場合の罰則規定はなく、30万円以下の罰金に処せられることはない(なお、法第109条参照)。したがって本肢は誤りで、問の正解肢となる。

2 マンション管理士は、5年ごとに、国土交通大臣又はその指定する者が行う講習を受けなければならず、これに違反したときは、国土交通大臣は、その登録を取り消すことができる。

→○  正。 法第41条は、「マンション管理士は、国土交通省令で定める期間ごとに、国土交通大臣又はその指定する者が国土交通省令で定めるところにより行う講習を受けなければならない。」と定め、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則41条は、この期間を5年とする。そして、法第33条第2項は、「国土交通大臣は、マンション管理士が第40条、第41条第1項又は第42条の規定に違反したときは、その登録を取り消し、又は期間を定めてマンション管理士の名称の使用の停止を命ずることができる。」と定める。よって、国土交通大臣は、その登録を取り消すことができる、とする本肢は正しい。

3 マンション管理士は、正当な事由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らした場合、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処される。

→○  正。 法第42条前段は、「マンション管理士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。」と定める。また、法第107条第1項は、「次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。」とした上で、その第2号において、「第42条の規定に違反した者」を挙げる。したがって本肢は正しい。

4 マンション管理士でない者が、マンション管理士又はこれに紛らわしい名称を使用した場合には、30万円以下の罰金に処される。

→○  正。 法第43条は、「マンション管理士でない者は、マンション管理士又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。」と定める。そして、法第109条は、「次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。」とした上で、その第2号において、「第43条の規定に違反した者」を挙げる。したがって本肢は正しい。

正解 1

第47問

〔問 47〕 マンシヨン管理士及び管理業務主任者に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 マンション管理士は、管理組合の管理者等及び区分所有者等の相談に応じ、管理組合の運営を行うことを業務とする者であって、管理業務主任者と同様、マンション管理業者に置くことが義務付けられている。

→X  誤。 マンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「法」という。)第2条第5号によると、マンション管理士とは、「第30条第1項の登録を受け、マンション管理士の名称を用いて、専門的知識をもって、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務(他の法律においてその業務を行うことが制限されているものを除く。)とする者をいう。」とされる。管理組合の運営を行う義務はない。また、法第56条第1項は、マンション管理業者にマンション管理業務主任者を置くことを義務付けるが、マンション管理士をマンション管理業者に設置しなければならないという規定はない。したがって本肢は誤り。

2 マンション管理士は、管理組合の管理者等又は区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務とする者であって、マンション管理業者の事業の適切な実施の確保に資することが求められている。

→X  誤。 法第2条第5号によると、マンション管理士とは、専門的知識をもち管理組合の運営その他マンションの管理に関し、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うとされる。しかし、マンション管理士は、マンション管理業者の事業の適切な実施の確保に資するとはされていない。したがって本肢は誤り。

3 マンション管理士は、管理組合の管理者等又は区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務とする者であって、管理業務主任者と同様、マンションの管理の適正化に資することが求められている。

→○  正。 法第2条第5号は、マンション管理士の定義につき、「第30条第1項の登録を受け、マンション管理士の名称を用いて、専門的知識をもって、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務(他の法律においてその業務を行うことが制限されているものを除く。)とする者をいう。」とされる。管理業務主任者と同様に、法第1条が定める本法の目的、すなわち、マンション管理の適正化に資することが求められている。したがって本肢は正しく、問の正解肢となる。

4 マンション管理士は、管理組合の管理者等又は区分所有者等の相談に応じ、マンション管理業者の置く管理業務主任者に対して適切な指導を行うことを業務としている。

→X  誤。 法第2条第5号によると、マンション管理士とは、専門的知識をもち管理組合の運営その他マンションの管理に関し、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うとされる。マンション管理士が指導するのは管理組合であって、管理業務主任者に対してではない。したがって本肢は誤り。

正解 3

第48問

〔問 48〕 マンション管理業者の行う重要事項の説明に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 マンション管理業者は、新たに建設されたマンションについて管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結する場合は、説明会を開催して重要事項を説明する義務はない。

→X  誤。 マンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「法」という。)第72条第1項前段は、マンション管理業者は、新たに建設されたマンションにつき管理事務の委託を受ける契約を締結する場合、説明会を開催して重要事項を説明しなければならない、ことを規定する。したがって本肢は誤り。なお、この説明は、管理業務主任者が行う。

2 マンション管理業者は、従前の管理受託契約と同一の条件で管理受託契約の更新を行う場合は、管理組合に管理者等が置かれている場合であっても、重要事項を説明しなくてよい。

→X  誤。 法第72条第2項は、「マンション管理業者は、従前の管理受託契約と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとするときは、あらかじめ、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付しなければならない。」とした上で、同条第3項は、「前項の場合において当該管理組合に管理者等が置かれているときは、マンション管理業者は、当該管理者等に対し、管理業務主任者をして、重要事項について、これを記載した書面を交付して説明をさせなければならない。」とする。したがって本肢は誤り。

3 マンション管理業者は、従前の管理受託契約を更新しようとする場合であれば、当該契約条件を変更するときであっても、説明会を開催して重要事項を説明する義務はない。

→X  誤。 法第72条第2項は、「従前の管理受託契約と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとするときは、あらかじめ、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付しなければならない。」として、説明会の開催を開催しての重要事項説明の義務はないとする。これに対し、従前の管理受託契約の条件を変更して更新する場合は、新たな管理契約の締結と同じである。ゆえに法第72条第2項は排除され、同条第1項後段が適用される。マンション管理業者は、説明会を開催して重要事項を説明しなければならないことになる。したがって本肢は誤り。

4 マンション管理業者は、説明会の1週間前までに、区分所有者等及び管理者等全員に対し、重要事項並びに説明会の日時及び場所を記載した書面を交付しなければならない。

→○  正。 法第72条第1項後段によると、重要事項の説明において、マンション管理業者は、当該説明会の日の1週間前までに、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等の全員に対し、重要事項並びに説明会の日時及び場所を記載した書面を交付しなければならない。したがって本肢は正しく、問は正解肢となる。

正解 4

第49問

〔問 49〕 マンション管理業に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 マンション管理業の登録要件として、基準資産額が300万円以上であることが必要であり、この基準資産額とは、貸借対照表又は資産に関する調書に計上された資産の総額である。

→X  誤。 資産の総額から負債を控除して、それが、300万円以上あること。 平成26年マンション管理士試験 「問49」 
  マンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「法」という。)第47条は、「国土交通大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。」とした上で、第10号は、「マンション管理業を遂行するために必要と認められる国土交通省令で定める基準に適合する財産的基礎を有しない者」を挙げる。そして、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第54条は、基準資産額を300万円以上とするので、本肢前段は正しい。しかし、同施行規則第55条第1項によると、基準資産額とは、貸借対照表または資産に関する調書に計上された資産の総額から、負債の総額に相当する金額を控除した額である。本肢後段は誤り。結局、本肢は誤りである。

2 マンション管理業者は、登録事項に変更があったときには、その日から30日以内に、その旨を指定登録機関に届け出なければならない。

→X  誤。 法第48条第1項は、「マンション管理業者は、第45条第1項各号に掲げる事項に変更があったときは、その日から30日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。」と定める。したがって、「指定登録機関に届け出なければならない」とする本肢は誤り。マンション管理業者の登録は国土交通大臣に行っている。

3 マンションの管理に関する事務のうち、基幹事務(管理組合の会計の収入及び支出の調定及び出納並びにマンションの維持又は修繕に関する企画又は実施の調整)については、管理組合の同意があっても、これを一括して他人に委託してはならない。

→○  正。 法第74条は、「マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務のうち基幹事務については、これを一括して他人に委託してはならない。」と定める。管理組合の同意があっても、これをすることはできない。したがって本肢は正しく、問の正解肢となる。なお、同条の趣旨は以下のとおりである。すなわち、マンション管理業務の適正化のために、本法はマンション管理業者の登録制と、受託契約手続への規制を定めている。このような本法の趣旨からすれば、マンション管理の基幹的な業務については、それを受託した業者が自らの責任と執行体制のもとで処理すべきである。また、基幹事務の一括した再委託が認められるとすれば、マンション管理業者の登録制を定めた趣旨が失われる。このことから基幹業務の一括再委託が禁止されるのである。

4 マンション管理業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、登録番号等を記載した業務状況調書を掲げなければならない。

→X  誤。 法第71条は、「マンション管理業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令で定める標識を掲げなければならない。」と定める。しかし、業務状況調書を掲げる義務はない。したがって本肢は誤り。

正解 3

第50問

〔問 50〕 「マンションの管理の適正化に関する指針」において定められている「マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項」に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 管理組合の運営は、情報の開示、運営の透明化等開かれた民主的なものとする必要があり、事前に十分な資料の準備等もなしに、集会で重要な意思決定が行われることがないように十分な配慮がなされるべきである。

→○  適切。   マンション管理適正化に関する指針(以下「指針」という。)の二「マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項」の1「管理組合の運営」の項において、「管理組合の自立的な運営は、マンションの区分所有者等の全員が参加し、その意見を反映することにより成り立つものである。そのため、管理組合の運営は、情報の開示、運営の透明化等、開かれた民主的なものとする必要がある。集会は、管理組合の最高意思決定機関である。したがって、管理組合また、その管理者等は、その意思決定にあたっては、事前に必要な資料を整備し、集会において適切な判断が行われるよう配慮する必要がある。」と指摘する。したがって、本肢は適切である。

2 規約等に違反する行為があった場合、管理組合の管理者等は、その是正のため、必要な勧告、指示等を行う必要があるが、法令等に則り、その是正又は排除を求める措置をとる際には、違反者には、必ず弁明の機会を与えるよう措置すべきである。

→X  不適切。   指針の二の2「管理規約」において、「管理規約又は使用細則等に違反する行為があった場合、管理組合の管理者等は、その是正のため、必要な勧告、指示等を行うとともに、法令等に則り、その是正又は排除を求める措置をとることが重要である。」と指摘している。しかし、違反者に弁明の機会を与える旨までは述べていない。したがって、本肢は不適切であり、問の正解肢となる。

3 管理組合は、専有部分と共用部分の範囲及び管理費用を明確にすることにより、トラブルの未然防止を図ることが重要であり、あわせて、これに対する区分所有者等の負担も明確に定めておくことが望ましい。

→○  適切。   指針の二の3「共用部分の範囲及び管理費用の明確化」において、「マンションの快適な居住環境を確保するため、あらかじめ、共用部分の範囲及び管理費用を明確にし、トラブルの未然防止を図ることが重要である。」と指摘されている。したがって、本肢は適切である。

4 建築後相当の年数を経たマンションにおいては、長期修繕計画の検討を行う際には、必要に応じ、建替えについても視野に入れて検討することが望ましく、各区分所有者の意向を十分に把握する等合意形成を図りながら進める必要がある。

→○  適切。   指針の二の5「長期修繕計画の策定及び見直し等」において、「建築後相当の年数を経たマンションにおいては、長期修繕計画の検討を行う際には、建替えについても視野に入れて検討することが望ましい。建替えの検討にあたっては、その過程をマンションの区分所有者等に周知させるなど透明性に配慮しつつ、各区分所有者等の意向を十分把握し、合意形成を図りながら進めることが必要である。」と指摘する。したがって、本肢は適切である。

正解 2

ここまで、問50


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最終更新日:
2012年 4月10日:体裁を統一した。また、標準管理規約の平成23年の改正を入れた。
2011年 5月 1日:再再確認した。
2011年 2月11日:「問31」に委託契約書の改正文入。
2010年2月10日:リンクなど、ちょこちょこと
2008年11月 7日

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