マンション生活での相談は、「マンション管理士 香川事務所」へ。

平成19年 管理業務主任者 試験問題 及び 解説


ページ1(問1より問25まで)

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ご質問は、 「マンション管理士 香川事務所」へ。


*注: マンション標準管理規約(単棟型、団地型、複合用途型)は、平成28年3月に改正があり、当解説においては、未対応ですから、注意してください。
また、マンションの管理の適正化に関する指針も、平成28年3月に改正があり、当解説においては、未対応ですから、注意してください。

※ 出題当時以後の法令等の改正には、一部は対応していません。

*試験に臨んで、お節介なアドバイス
  1.設問にあわせて、問題用紙に ○(まる)、X(ばつ)をつける。
    殆どの設問が、「正しい」か「間違い」かを訊いてきますので、設問により、問題の頭に、○かXをつけます。
    そして、各選択肢を読み、○かXをつけます。
    問題の○なりXと、選択肢の○かXが一致したものを、マークシートに記入してください。

  2.疑問な問題は、飛ばす。
    回答の時間は限られています。
    そこで、回答として、○かXかはっきりしないものがでたら、「?」マークをつけて、次の問題に移ります。
    全部の回答が終わってから、再度戻って決定してください。

  3.複雑な問は、図を描く。
    甲、乙、A、B、Cなど対象が多い問題もでます。
    この場合、問題用紙の空いているところに、図を描いてください。
    重要な点が分かってきます。

※  マンション標準管理規約は、平成16年に改正があった。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。
   マンション標準管理委託契約書は、平成15年に改正があった。また、平成22年5月にも改正があった。

問1

【問 1】契約に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 双務契約の当事者の一方は、相手方の債務が弁済期にあるときは、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。

→○ 正。 まず、管理業務主任者試験では、契約の分類(典型・非典型、有償・無償、諾成・要物など)の出題が多いので注意のこと。 平成22年 管理業務主任者試験 「問2」 も。
    双務契約に対応するものとしては、片務契約があり、概要は以下のようになる。
     *双務契約...契約の各当事者が互いに対価的な意義を有する債務を負担する契約。
            有償契約に類似するが、有償契約よりもやや狭い概念。
            これには、売買・交換・賃貸借・雇用・請負・有償委任・有償寄託・組合・和解が入る。
    *片務契約...当事者の双方が相互に対価の意味を持つ債務を負担しない契約。
           無償契約は全て片務契約である。
           これには、贈与・消費貸借・使用貸借・無償委任・無償寄託が入る。
  そして、民法第533条(同時履行の抗弁
 「双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。 」
  とあり、これは、一般に「同時履行の抗弁権」とよばれ、正しい。 

2 一定の役務の提供に対して報酬が与えられることが約された契約において、当事者双方の責めに帰することができない事由によって役務の提供ができなくなったときでも、報酬債権は消滅しない。

→X 誤。 一定の役務の提供に対して報酬が与えられることが約された契約は、選択肢1で述べた、双務契約に該当する。そして、どちらかが実行できないときないには、民法第536条1項(債務者の危険負担等)
 「前二条に規定する場合を除き、当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を有しない。 」
  とあり、 「当事者双方の責めに帰することができない事由」があるときは、反対給付(報酬債権)も消滅する。

3 当事者の一方がその債務を履行期に履行しない場合において、相手方は、履行の催告をすることなしに直ちに契約の解除をすることができる。

→X 誤。 ここは、平成20年 管理業務主任者 試験 「問2」 選択肢3 、や 平成16年 管理業務主任者 試験 「問5」 選択肢2 でも出ている。 
  当事者の一方がその債務を履行期に履行しない場合は、履行遅滞に該当し、民法第541条(履行遅滞等による解除権)
 「当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。 」
  とあり、「相当の期間を定めてその履行の催告」をしてからの解除となる。直ちに契約の解除はできない。

4 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が解除権を行使したときには、損害賠償の請求をすることができない。

→X 誤。 当事者の一方がその債務を履行しない場合には、選択肢3で述べたように、民法第541条により、相手方は契約を解除できる。そして、契約を解除すると、民法第545条(解除の効果)
 「当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。
  2  前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。
  3  解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。 」
  とあり、3項により、「損害賠償の請求」も可能である。

答え:1

問2

【問 2】次のアからエの各事項について、下記のAからDの契約から該当するものを選択した場合に、民法の規定によれば、最も適切な組合せはどれか。

ア 区分所有者が、自己が区分所有する専有部分を担保に供して、金融機関から融資を受けること。

→X 誤。 解説として、下の組み合わせを元にします。
   A:寄託 ではない。
  まず、寄託とは、民法第657条(寄託)
 「寄託は、当事者の一方が相手方のために保管をすることを約してある物を受け取ることによって、その効力を生ずる。 」
  であり、「区分所有者が、自己が区分所有する専有部分を担保に供して、金融機関から融資を受けること」は、該当しない。これは、担保権設定契約と金銭消費貸借(民法第587条)。 

イ 弁護士が、管理組合から共用部分の瑕疵に対する責任迫及についての相談に応じること。

→X 誤。 B:請負 ではない。請負とは、民法第632条 (請負)
 「請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。」
  であり、「仕事の完成」が目的になっている。
  「責任迫及についての相談に応じること」は該当しない。これは、「法律行為ではない事務処理の委託(準委任)(民法第656条)」に該当する。

ウ マンション管理業者が、管理組合から委託を受けて管理規約の原本等の図書を保管すること。

→X 誤。 C:委任 ではない。委任とは、民法第643条 (委任)
 「委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。 」
  とあり、委任するのは「法律行為」が本来の目的である。
  「管理規約の原本等の図書を保管すること」は、迷うかもしれないが、
寄託である。
  なお、管理組合とマンション管理業者が締結する「管理委託契約」全体は委任契約である。設問は「管理規約等の図書の保管」と一部だけを取り出していることに注意。

エ 数人の区分所有者が、各自資金を拠出して自然保護のための啓蒙活動を行うことを約すること。

→○ 正。 D:組合 である。組合とは、民法第667条(組合契約)
 「組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる。
  2  出資は、労務をその目的とすることができる。 」
  である。組合は、いく人かの人が集まって、それぞれ出資し、共同で仕事をやろうと約束することであり、 該当する。特に、出資者が区分所有者に限ることではない。

A 寄託
B 請負
C 委任
D 組合

1 アとA
2 イとB
3 ウとC
4 エとD

答え:4 (適切なのは、エとD)

問3

【問 3】Aが区分所有しているマンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成12年法律第149号。以下「マンション管理適正化法」という。)第2条第1号に規定するものをいう。以下同じ。)の専有部分(以下本問において「本件専有部分」という。)をBに無償で貸した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 Bが死亡したときは、Bの相続人は、本件専有部分を明け渡さなければならない。

→○ 正。 管理業務主任者試験では、このただで物を使う、使用貸借は出題傾向が高いので注意のこと。平成21年管理業務主任者試験 「問2」 、平成23年 管理業務主任者試験 「問4」 、平成16年 管理業務主任者試験 「問3」 などでも出た。
  まず、区分所有法ではマンションという言葉は出てきません。そこで、マンション管理士・管理業務主任者を定めた「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」で定義される、マンションを使用します。
  それは、  (定義) 
 「第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号の定めるところによる。
   一  マンション 次に掲げるものをいう。 
    イ 二以上の区分所有者(建物の区分所有等に関する法律 (昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第二項 に規定する区分所有者をいう。以下同じ。)が存する建物で人の居住の用に供する専有部分(区分所有法第二条第三項 に規定する専有部分をいう。以下同じ。)のあるもの並びにその敷地及び附属施設
     ロ 一団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)が当該団地内にあるイに掲げる建物を含む数棟の建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の共有に属する場合における当該土地及び附属施設」です。

 つまり、マンションとは、(イ)によれば、 @2人以上の区分所有者がいて、 A居住用の専有部分が1つでもあればいい です。 (ロ)はそれを団地関係にも認めたものです。

 そして、設問の専有部分を、無償で貸す行為は、民法第593条(使用貸借)
 「使用貸借は、当事者の一方が無償で使用及び収益をした後に返還をすることを約して相手方からある物を受け取ることによって、その効力を生ずる。 」
  に該当する。
 そして、使用貸借では、借主Bが死亡すると、民法第 599条(借主の死亡による使用貸借の終了)
 「使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失う。
  とあり、借主の相続人は使用貸借の権利を承継できないので、借りていた専有部分明渡すことになる。

2 本件専有部分についての通常の必要費は、Aが負担する。

→X 誤。 使用貸借では、民法第595条(借用物の費用の負担)
 「借主は、借用物の通常の必要費を負担する
  2  第五百八十三条第二項の規定は、前項の通常の必要費以外の費用について準用する。 」
  とあり、貸主Aの負担ではなく、借主Bの負担となる。無料で借りているから当然。(ついでに、賃貸借契約での必要費(通常かかる費用)、有益費(家の塗装など)も纏めておくこと。)

3 本件専有部分の瑕疵について、Aは、賃貸人と同じく担保責任を負う。

→X 誤。 使用貸借での貸主の担保責任は、民法第596条(貸主の担保責任)
 「第五百五十一条の規定は、使用貸借について準用する。」とあり、
  準用の第551条(贈与者の担保責任)
 「贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在について、その責任を負わない。ただし、贈与者がその瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかったときは、この限りでない。
  2  負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任を負う。 」
  とある。したがって原則、贈与者と同じように軽い責任をおう。賃貸人と同じ担保責任はない。

4 契約で返還の時期を定めた場合でも、Aは、Bに対し、自己が使用する必要があるときには、いつでも本件専有部分の明渡しを請求することができる。

→X 誤。  民法第597条(借用物の返還の時期)
 「借主は、契約に定めた時期に、借用物の返還をしなければならない。
  2  当事者が返還の時期を定めなかったときは、借主は、契約に定めた目的に従い使用及び収益を終わった時に、返還をしなければならない。ただし、その使用及び収益を終わる前であっても、使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は、直ちに返還を請求することができる。
  3  当事者が返還の時期並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも返還を請求することができる。」
  とあり、返還の時期を定めていないときは「いつでも専有部分の明け渡し」ができるが、返還の時期を定めると「いつでも」は請求できない。

答え:1 (選択肢4がすこし、迷うかも。)

問4

【問 4】Aが区分所有しているマンションの専有部分(以下本問において「本件専有部分」という。)をBに賃貸している場合におけるAの賃料債権の先取特権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 Aの賃料についての先取特権は、Bが本件専有部分に備え付けた動産について存在する。

→○ 正。 先取特権についても、過去に出題されているので注意。平成18年 管理業務主任者試験 「問4」 、平成23年 マンション管理士試験 「問16」 も。
  また、区分所有法での扱いと、民法での扱いも纏めておくこと。ここは、単純に「民法」だけを訊いている。
  奇しくも、マンション管理士試験(平成19年 問4)で、同様な問がある。参考のこと。
   まず、先取特権とは、民法第303条(先取特権の内容)
「先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。」とあり、法定担保物権の一種であって、一定の類型に属する債権を有する者に付与される、債務者の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利をいう。民事執行法上、先取特権者は担保権の存在を証する文書を裁判所に提出することにより、債務者の債権・不動産について執行ができる。訴訟等によって債務名義を取得する必要がない等の利点があるので、債務者の有する売上債権、預金債権等を差し押さえて未払給与・未払管理費などを迅速に回収するためにしばしば活用される。
 そして、民法第312条(不動産賃貸の先取特権)
「不動産の賃貸の先取特権は、その不動産の賃料その他の賃貸借関係から生じた賃借人の債務に関し、賃借人の動産について存在する。」
  とあり、
 また、民法第313条 (不動産賃貸の先取特権の目的物の範囲)
「土地の賃貸人の先取特権は、その土地又はその利用のための建物に備え付けられた動産、その土地の利用に供された動産及び賃借人が占有するその土地の果実について存在する。
  2  建物の賃貸人の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する。」
  とあり、2項により、 専有部分は建物であり、正しい。

2 Bが本件専有部分をAの承諾を得てCに転貸した場合に、Aの賃料についての先取特権は、Cの動産にも及ぶ。

→○ 正。 賃借権が正当(貸主Aの承諾をえて)に転貸された場合には、民法第314条
 「賃借権の譲渡又は転貸の場合には、賃貸人の先取特権は、譲受人又は転借人の動産にも及ぶ。譲渡人又は転貸人が受けるべき金銭についても、同様とする。」
  とあり、転借人Cの動産にも及ぶ。正しい。

3 Aの賃料についての先取特権は、Bが本件専有部分に備え付けた動産をDに売却して引き渡した後は、その動産について行使することができない。

→○ 正。 賃借人Bの動産が、関係のない第三者Dに引き渡たされると、民法第333条(先取特権と第三取得者)
「先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。
  とあり、もう先取特権は関係のない第三者Dに行使出来なくなる。正しい。

4 Aの賃料についての先取特権は、Bが本件専有部分に備え付けた動産をEに売却した場合に、BがEから受けるべき金銭に対して行使することはできない。

→X 誤。  これは、第三者に債務者Bが、動産を売った場合でも、債権者Aがその金銭に対して先取特権を行使できるか(物上代位性を有するか)、どうかを訊いている。
  それについては、民法第304条 (物上代位)
「先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。
  2  債務者が先取特権の目的物につき設定した物権の対価についても、前項と同様とする。」
  とあり、行使は可能である。よって、間違いである。

答え:4 (設問が入り組んでいるので、難しい。)

問5

【問 5】あるマンションの専有部分である301号室をA、B、Cの3人が共有し、302号室をDが占有している場合に関する次の記述のうち、民法及び建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。以下「区分所有法」という。)の規定によれば、正しいもののみの組合せはどれか。

ア 301号室の管理に関する事項は、A、B、Cの頭数及び各持分の価格の各過半数をもって決する。

→X 誤。  設問で「頭数」の表現は、珍しい?
    それは、さておき、このABC、3人の関係は、民法で定める「共有」であり、その管理については、民法第252条(共有物の管理)
「共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。 」
  とあり、各持分の価格に従い、その過半数で決める。「頭数=人数」は入っていない。間違いである。(なお、前条とは、民法第251条(共有物の変更) 「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。 」
  である。(区分所有法での決議における区分所有者の数との違いを明確に把握しておくこと。)

イ A、B、Cは、一定期間内は分割をしない旨の契約がない限りは、いつでも301号室の分割を請求することができる。

→○ 正。 共有物の分割は、民法第256条(共有物の分割請求)
各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。
  2  前項ただし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五年を超えることができない。 」
  とあり、特約がないかぎり、いつでも分割請求ができる。
  また、共有物の現物が分割できない性格のときは、民法第258条(裁判による共有物の分割)
「共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる。
  2  前項の場合において、共有物の現物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。 」
  となり金銭で分割分を受け取ることになる。

ウ 302号室について、Dは、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をなしているものと推定される。

→○ 正。 設問の意図が、前の問いとは急に変わっていることに注意。これは、次の選択肢4の時効ともからめて訊いている。
    占有は、民法第186条(占有の態様等に関する推定)
占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する
  2  前後の両時点において占有をした証拠があるときは、占有は、その間継続したものと推定する。」
  とあり、正しい。

エ Dは、302号室については時効によって取得することができるが、共用部分の持分については、それと共に時効により取得することはできない。

→X 誤。 占有者の時効は、民法第162条(所有権の取得時効)
「二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
  2  十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。 」により、所有権を取得できる。前半は正しい。
 そして、マンションでは共用部分は区分所有法第11条「(共用部分の共有関係)
共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。
  2  前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。ただし、第二十七条第一項の場合を除いて、区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることはできない。
  3  民法第百七十七条 の規定は、共用部分には適用しない。」
  とあり、原則、区分所有者全員の共有となっている。
 さらに、共用部分の持分については、区分所有法第15条(共用部分の持分の処分)
「  共有者の持分は、その有する専有部分の処分に従う。
  2  共有者は、この法律に別段の定めがある場合を除いて、その有する専有部分と分離して持分を処分することができない。」
  とあり、専有部分である302号室を時効により取得すると、共用部分の持分も取得することになる。

1 アとイ
2 アとウ
3 イとウ
4 イとエ

答え:3 (正しいものは、イとウ)  (選択肢3が少し引っ掛け。賃貸の場合には、時効にならないと知っていると、迷う。) 
なお、区分所有法の解説は、別途「超解説 区分所有法」がありますので、こちらも参考にしてください。

問6

【問 6】Aは、Bが区分所有している専有部分(以下本問において「本件専有部分」という。)を賃借していたが、Bに無断で本件専有部分をCに転貸した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 AC間の転貸借契約は、Bの承諾がない場合でも有効であり、Aは、Cに対して、賃料の支払いを請求することができる。

→○ 正。 民法第612条関係では、平成20年 管理業務主任者 試験 「問5」 、や 平成18年 マンション管理士 試験 「問5」 、平成16年 マンション管理士試験 「問1」 、平成23年 管理業務主任者試験 「問3」 、平成20年 マンション管理士試験 「問3」 など出題が多い。
  無断転貸借の問題である。設問の賃借人Aが、賃貸人(大家)Bの承諾なしにCに、また貸し(転借)させた場合には、民法第612条(賃借権の譲渡及び転貸の制限)
「賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
  2  賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。」
  の規定があるが、
 解釈上、賃貸人の承諾を得ない賃借権の譲渡、または転貸借は、全然無効ではなく、賃借人と譲渡人または転借人との間では有効であり、ただ、賃貸人に対抗できないとされている。賃借人Aと転借人Cの転貸借契約は有効で、Aは、Cに対して、賃料の支払いを請求することができる。(大審院 明治40・5・27)

2 AC間の転貸借契約についてBの承諾が得られない場合には、Cは、Aに対して、AC間の契約を解除することができる。

→○ 正。 選択肢1で述べたように、賃貸人Bが承諾していない場合には、民法第612条2項「賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる」
  ため、無断転借人となるCは、
  賃貸借契約の履行不能:民法第543条(履行不能による解除権)
「履行の全部又は一部が不能となったときは、債権者は、契約の解除をすることができる。ただし、その債務の不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。」
  により、転貸借契約を解除できる。



3 Aが本件専有部分を、AC間の転貸借契約に基づきCに使用させたときは、Bは、AB間の賃貸借契約を解除することができる。

→○ 正。 選択肢1で述べた、民法第612条2項「賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる」
  により、第三者Cの使用開始(使用開始が条件に注意)により、賃貸人Bは、AB間の賃貸借契約を解除できる。


  2019年 3月31日 追記:ここは、民法第612条2項の判例を考えると、適切でない設問だ。
 例えば、昭和28年 9月25日の最高裁判所の判決
   裁判趣旨:賃借人が賃貸人の承諾なく第三者に賃借物を使用させたときは賃貸人は常に契約を解除しうるか
        賃借人が賃貸人の承諾なく第三者をして賃借物の使用または収益をなさしめた場合でも、賃借人の当該行為を賃貸人に対する背信的行為と認めるにたらない本件の如き特段の事情があるときは、賃貸人は民法第六一二条第二項により契約を解除することはできない。(少数意見および補足意見がある。)
 とあり、
 この判例によれば、民法第612条の根本には、賃貸人と賃借人、当事者間の個人的な信頼関係がある。そこで、単に無断転貸であっても、直ちに契約の解除はできず、賃借人に「背信的行為」がないと賃貸人の解除権は発生しないというものです。

 参考: 平成29年 マンション管理士試験 「問13」 、 平成27年 管理業務主任者試験 「問6」



4 Bは、Aとの賃貸借契約を解除しない限り、Cに対して、所有権に基づいて本件専有部分の明渡しを請求することはできない。

→X 誤。 選択肢1で述べたように、Cの無断転貸は、所有者Bに対しては対抗できない。また、賃借人が賃貸人の承諾を得ないで転借をしたときは、賃貸人Bは賃貸借契約を解除でき、このときには、原賃借人Aとの賃貸借契約はそのままにして、賃借人・譲受人・転借人に対して、明渡し請求ができる。よって、所有者Bは無断転借人であるCに対して、賃借人Aとの賃貸借契約を解除しないでも、所有権に基づいて本件専有部分の明渡しを請求することはできる。(最高裁 S26・5・31)

答え:4  (少し、難しい。選択肢1で悩む。)

問7

【問 7】宅地建物取引業者(宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第2条第3号に規定する者をいう。以下同じ。)から、その行う業務の用に供する目的でマンションに関する情報の提供を要求された場合のマンション管理業者(マンション管理適正化法第2条第8号に規定する者をいう。以下同じ。)の対応に関する次の記述のうち、マンション標準管理委託契約書(平成15年4月9目国総動第1号〜第4号。国土交通省総合政策局長通達。以下同じ。)の定めによれば、最も適切なものはどれか。


(注)マンション標準委託契約書は、平成22年(2010年)5月1日施行で、改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


1 マンション(専有部分を含む。)の修繕の実施状況については、書面をもって開示するものとする。

→X 誤。 設問をよく読むこと。「マンション(専有部分を含む。)の修繕の実施状況」と(専有部分を含む)と余分なのが入っている。
  宅地建物取引業者から、マンションに関する情報の提供を要求されると、標準管理委託契約書14条(管理規約の提供等)
「乙は、宅地建物取引業者が、甲の組合員から、当該組合員が所有する専有部分の売却等の依頼を受け、その媒介等の業務のために管理規約の提供及び次の各号に掲げる事項の開示を求めてきたときは、甲に代わって、当該宅地建物取引業者に対し、管理規約の写しを提供し、及び各号に掲げる事項を
書面をもって開示するものとする。
    一 当該組合員の負担に係る管理費及び修繕積立金等の月額並びに滞納額があると きはその金額
    二 甲の修繕積立金積立総額
    三 本マンション(専有部分を除く。)の修繕の実施状況
  2 前項の場合において、乙は、当該組合員が管理費及び修繕積立金等を滞納しているときは、甲に代わって、当該宅地建物取引業者に対し、その清算に関する必要な措置を求めることができるものとする。 」
  とあるが、3号により、修繕の実施状況には、「専有部分」は入っていない。
  当然のことながら、マンション管理業者や管理組合が管理できるのは、共用部分であり、個人が所有している「専有部分」には、及ばない。

2 管理規約の写しを提供するときは、当該書面に管理業務主任者をして記名押印させ、提供しなければならない。

→X 誤。 選択肢1で述べたように、「管理規約の提供」は行うが、そこに「管理業務主任者をして記名押印させ、提供しなければならない。」の規定はない。

3 管理規約が電磁的記録により作成されている場合には、記録された情報内容を画面に表示して開示するものとする。

→X 誤。 標準管理委託契約書 第十四条関係のコメント
 @ 本条は、宅地建物取引業者が、媒介等の業務のために、宅地建物取引業法施行規則第十六条の二に定める事項について、マンション管理業者に当該事項の確認を求めてきた場合の対応を定めたものである。
本来宅地建物取引業者への管理規約等の提供・開示は管理組合又は売主たる組合員が行うべきものであるため、これらの事務をマンション管理業者が行う場合には、管理規約等においてその根拠が明確に規定されていることが望ましい。
 A 管理規約が電磁的記録により作成されている場合には、記録された情報の内容を書面に表示して開示することとする。
 B 開示する情報としては、管理費等の改定の予定及び修繕一時金の徴収の予定並びに大規模修繕の実施予定(理事会で改定等が決議されたものを含む。)がある場合にはこれを含むものとする。
 C マンション管理業者が受託した管理事務の実施を通じて知ることができない過去の修繕の実施状況等がある場合には、マンション管理業者は管理組合から情報の提供を受けた範囲でこれらの事項を開示することとなる。
 D 管理規約の提供等に係る費用については、誰が負担するのか(宅地建物取引業者等)、その金額、負担方法等について、別途、明かにしておくことが望ましい。 」とあり、
  Aによると、「管理規約が電磁的記録により作成されている場合には、記録された情報の内容を書面に表示して開示すること」
  である。画面ではいけない。(特にコピーをとれと言っていないなら書面にこだわる理由が分からないけど。)

4 管理組合の修繕積立金積立総額については、書面をもって開示するものとする。

→○ 正。 選択肢1で述べたように、管理組合の修繕積立金積立総額については、書面をもって開示するものとする。

答え:4 (標準管理委託契約書のコメントにも、眼を通しておくこと。)

問8

【問 8】管理事務に要する費用の負担及び支払方法に関する次のアからエまでの記述のうち、マンション標準管理委託契約書の定めによれば、適切なものはいくつあるか。


(注)マンション標準委託契約書は、平成22年(2010年)5月1日施行で、改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


ア 管理事務を行う上で必要な管理員室、管理用倉庫、清掃員控室、器具、備品等は、管理組合がマンション管理業者に無償で使用させるものとする。

→○ 正。 費用の負担については、平成23年 管理業務主任者試験 「問8」 平成20年 マンション管理士試験 「問33」 平成20年 管理業務主任者試験 「問13」 、平成16年 管理業務主任者試験 「問13」 。
   最近の出題傾向として、このような組合せが増えている。1つ1つの正確な理解が必要とされている。
   マンション標準管理委託契約書7条 (管理員室等の使用)
「甲は、乙に管理事務を行わせるために不可欠な管理員室、管理用倉庫、清掃員控室、器具、備品等(次項において「管理員室等」という。)を無償で使用させるものとする。
  2 乙の管理員室等の使用に係る費用の負担は、次のとおりとする。
    一  ○○○○費 甲(又は乙)の負担とする。
    二  ○○○○費 甲(又は乙)の負担とする。
    三  ○○○○費 甲(又は乙)の負担とする。
    四  ○○○○費 甲(又は乙)の負担とする。 」
  とある。1項により適切である。
  

イ 定額委託業務費以外の業務費については、管理組合は、各業務終了後に、管理組合及びマンション管理業者が別に定める方法により精算の上、マンション管理業者が指定する口座に振り込む方法により支払う。

→○ 正。 マンション標準管理委託契約書6条(管理事務に要する費用の負担及び支払方法)
「甲は、管理事務として乙に委託する事務(別表第一から別表第四までに定める事務)のため、乙に委託業務費を支払うものとする。
  2 甲は、前項の委託業務費のうち、その負担方法が定額でかつ精算を要しない費用(以下「定額委託業務費」という。)を、乙に対し、毎月、次のとおり支払うものとする。
   一 定額委託業務費の額
     月額○○円(消費税額及び地方消費税額(以下、本契約において「消費税額等」という。)を含む。) 内訳は、別紙一のとおりとする。
   二 支払期日及び支払方法
    毎月○日までにその○月分を、乙が指定する口座に振り込む方法により支払う。
   三 日割計算
    期間が一月に満たない場合は一月を○日として日割計算を行う。
  3 第一項の委託業務費のうち、定額委託業務費以外の費用の額(消費税額等を含む。)は別紙二のとおりとし、甲は、各業務終了後に、甲及び乙が別に定める方法により精算の上、乙が指定する口座に振り込む方法により支払うものとする。
  
4 甲は、第一項の委託業務費のほか、乙が管理事務を実施するのに伴い必要となる水道光熱費、通信費、消耗品費等の諸費用を負担するものとする。」
  とあり、3項により、適切である。

ウ 定額委託業務費とは、委託業務費のうち、その負担方法が定額でかつ精算を要しない費用をいう。

→○ 正。 選択肢イで述べた、マンション標準管理委託契約書6条2項により、適切である。

エ マンション管理業者が管理事務を実施するのに伴い必要となる水道光熱費等の諸費用の負担については、管理組合及びマンション管理業者が協議して決定する。

→X 誤。 選択肢イで述べた、マンション標準管理委託契約書6条4項により、「マンション管理業者が管理事務を実施するのに伴い必要となる水道光熱費等の諸費用の負担については、管理組合が負担する」。協議して決めない。(管理員室の使用でかかる電気代などは、管理組合と管理業者の協議で決めるのと混同しないように。)

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

答え:3 (3つ。 適切は、ア、イ、ウ)

問9

【問 9】マンション管理業者が行わなければならない事務管理業務に関する次の記述のうち、マンション標準管理委託契約書の定めによれば、最も不適切なものはどれか。


(注)マンション標準委託契約書は、平成22年(2010年)5月1日施行で、改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


1 管理組合の管理規約等の定め若しくは総会決議、組合員名簿若しくは組合員異動届又は専用使用契約書に基づき、毎月、組合員別管理費等負担額一覧表を管理組合に提出するものとする。

→X 適切でない。 平成27年 管理業務主任者試験 「問9」 
 マンション管理業者が行わなければならない事務管理業務は、マンション標準管理委託契約書の別表に規定されている。
  マンション管理委託契約書 別表第一 事務管理業務 1 基幹事務 (2) 出納(原則方式による場合)
  @ 甲の組合員が甲に納入する管理費、修繕積立金、専用使用料その他の金銭(以下「管理費等」という。)の収納
   一 甲の管理規約等の定め若しくは総会決議、組合員名簿若しくは組合員異動届又は専用使用契約書に基づき、組合員別の1月当たりの管理費等の負担額の一覧表(以下「組合員別管理費等負担額一覧表」という。)を甲に提出する。
   二 組合員別管理費等負担額一覧表に基づき、毎月次号に定める預金口座振替日の○営業日前までに、預金口座振替請求金額通知書を、○○銀行に提出する。
   三 甲の組合員の管理費等の収納は、甲の管理規約第○条に定める預金口座振替の方法によるものとし、毎月○日(当該日が金融機関の休業日に当たる場合はその翌営業日)に、甲の組合員の口座から甲の口座(以下「収納口座」という。)に振り替える。
   四 毎月、甲の組合員の管理費等の収納状況を、甲に報告する。」
  とある。
  設問は、まぎわらしい内容であるが、「毎月」の提出となっているのは4号の管理費等の収納状況報告で、1号によると、「甲の管理規約等の定め若しくは総会決議、組合員名簿若しくは組合員異動届又は専用使用契約書に基づき、組合員別の1月当たりの管理費等の負担額の一覧表(以下「組合員別管理費等負担額一覧表」という。)を甲に提出する。」とあり、「毎月」の提出は求められていない。

2 管理組合がマンションの維持又は修繕(大規模修繕を除く修繕又は保守点検等。)を第三者に外注する場合の企画又は実施の調整を行うものとする。

→○ 適切である。 マンション標準管理委託契約書の 別表第一 事務管理業務 1 基幹事務 (3) 本マンション(専有部分を除く。以下同じ。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整
   一 乙は、甲の大規模修繕の修繕周期、実施予定時期、工事概算費用、収支予想等を記載した長期修繕計画案を作成し、甲に提出する。当該長期修繕計画案は、○年ごとに見直し、甲に提出するものとする。
   二 乙は、甲が本マンションの維持又は修繕(大規模修繕を除く修繕又は保守点検等。)を外注により乙以外の業者に行わせる場合の企画又は実施の調整を行う。
  とあり、2号により適切である。
(注:ここは、平成22年の改正に該当している。) 

3 管理組合の組合員等異動届に基づき、組合員及び賃借人等の氏名、連絡先(緊急連絡先を含む。)を記載した名簿を整備するものとする。

→○ 適切である。 マンション標準管理委託契約書の 別表第一 事務管理業務 2 基幹事務以外の事務管理業務
  (1) 理事会支援業務
    @ 組合員等の名簿の整備
      甲の組合員等異動届に基づき、組合員及び賃借人等の氏名、連絡先(緊急連絡先を含む。)を記載した名簿を整備する。」
  とあり、適切である。

4 管理対象部分に係る各種の点検、検査等の結果を管理組合に報告すると共に、改善等の必要がある事項については、文書をもって、具体的な方策を管理組合に助言するものとする。

→○ 適切である。 マンション標準管理委託契約書の 別表第一 事務管理業務 2 基幹事務以外の事務管理業務
  (3) その他
   @ 各種点検、検査等に基づく助言等
     管理対象部分に係る各種の点検、検査等の結果を甲に報告すると共に、改善等の必要がある事項については、文書をもって、具体的な方策を甲に助言する。 」
  とあり、適切である。

答え:1 (少し、難問か? 選択肢1は、引っかけ的な出題ではある。)

問10

【問 10】マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 管理規約に管理費についての遅延損害金の定めがない場合には、管理組合は管理費の滞納者に対して、滞納額のみ請求することができ、遅延損害金の請求をすることはできない。

→X 誤。 管理費の滞納、時効、相続、特定承継人の義務は毎年出題されている。平成21年管理業務主任者試験 「問11」 や、平成20年管理業務主任者試験 「問11」 、平成19年 マンション管理士試験 「問15」 、 平成16年 マンション管理士試験 「問15」 、平成16年 管理業務主任者試験 「問11」 、 平成22年 マンション管理士試験 「問13」 、など。
   管理費の滞納は、金銭債務の不履行に該当し、民法第415条(債務不履行による損害賠償)
「債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。」
  とあり、特に管理規約に管理費についての遅延損害金の定めがなくても遅延金の損害賠償請求が可能である。なお、民法第419条1項(金銭債務の特則)
「金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。 」とあり、 法定利率は、民法第404条(法定利率)
「利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、年五分とする。 」
  とあり、年5%である。

2 管理費の滞納者が、管理組合あてに滞納の事実を認め、滞納管理費の一部であることを明示して支払った場合、全額について消滅時効が中断する。

→○ 正。 時効の中断を訊いている。時効の中断事由は、民法第147条(時効の中断事由)
「時効は、次に掲げる事由によって中断する。
   一  請求
   二  差押え、仮差押え又は仮処分
   三  承認
  とあり、管理費の滞納者が、管理組合あてに滞納の事実を認め、滞納管理費の一部であることを明示して支払った場合には、3号の「承認」となり、一部の支払でも、全額に付き消滅時効が中断する。なお、承認と解されるのは、一部弁済、分割払い、利息の支払い、代金減額の交渉、支払延期の懇願など。また、代理人が承認しても中断となる。

3 管理費の滞納者が、滞納したまま死亡した場合、その相続人が相続放棄をしたときでも、管理組合は、管理費について請求することができる。

→X 誤。 今度は、相続放棄での債務の承継を訊いている。一般に相続では、単純承認により、相続人は、死亡した滞納者(被相続人)の債権債務を引き継ぐ(包括承継する)が、相続は放棄も可能である。民法第938条(相続の放棄の方式)
「相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。」
  とある。
 そして、相続を放棄すると、民法第939条(相続の放棄の効力)
「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。 」
  となり、相続人でなくなり、被相続人の管理費の滞納金支払義務もなくなる。管理組合は、管理費について請求することができない。

4 管理費の滞納者が、マンションの区分所有権を売却した場合、その買主が、買い受け当時、前区分所有者の滞納の事実及びその額について知らず、かつ過失もないときは、管理組合に対して、その支払義務を負わない。

→X 誤。 これは、マンション売買での買主(特定承継人)の責任を訊いている。通常の売買では、滞納は元の売主(区分所有者)と管理組合との関係であり、新しく買った人(特定承継人)には請求ができないが、
  区分所有法第7条「1項 区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権についても、同様とする。」
  とあり、
  これを受け、区分所有法第8条(特定承継人の責任) 「前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。」
  とあり、滞納は マンション売買での買主(特定承継人)にも請求ができる。
この場合、買主が前区分所有者の滞納の事実及びその額について知らず、かつ過失がなくても、支払義務がある。(無過失責任)

答え:2

問11

【問 11】管理費の滞納に対する対策及び法的手続について管理業務主任者(マンション管理適正化法第2条第9号に規定する者をいう。以下同じ。)が管理者等に対して説明した次のアからオの記述のうち、正しいもののみの組合せはどれか。

ア 滞納者が、そのマンションを売却し、区分所有者でなくなれば、その者には滞納管理費を請求することはできなくなります。

→X 誤。 この辺りは、平成21年管理業務主任者試験 「問10」 、と 「問11」 など、多く出ている。
    この問も組合せである。
     これは、前問10をやってくると、すぐに間違いと分かる。元々の債務者(滞納者)は、マンションを売却しても支払などをしなければ、支払の義務から逃れなれない。区分所有法第8条(特定承継人の責任) 「前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる」は、例外として、管理費の滞納は マンション売買での買主(特定承継人)にも請求ができるとしているだけで、以前の区分所有者に対しても請求することができる。

イ 滞納額が、140万円以下であれば、少額訴訟制度(民事訴訟法(平成8年法律第109号)の「少額訴訟に関する特則」)を利用することができます。

→X 誤。 少額訴訟に関する特則は、民事訴訟法第368条(少額訴訟の要件等)
「簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が六十万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる。ただし、同一の簡易裁判所において同一の年に最高裁判所規則で定める回数(注:10回)を超えてこれを求めることができない。
  2  少額訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、訴えの提起の際にしなければならない。
  3  前項の申述をするには、当該訴えを提起する簡易裁判所においてその年に少額訴訟による審理及び裁判を求めた回数を届け出なければならない。」
  とあり、140万円以下ではなく、
60万円以下である。
  なお、普通の訴訟での滞納額が140万円までは、簡易裁判所の管轄、140万円を超えると地方裁判所となる。

ウ 管理費の滞納者が行方不明になったとしても、その者に対して訴えを提起することはできます。

→○ 正。 可能である。滞納者が行方不明の時には、公示送達の制度がある。民事訴訟法第110条(公示送達の要件)
「次に掲げる場合には、裁判所書記官は、申立てにより、公示送達をすることができる。
   一  当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合
   二  第百七条第一項の規定により送達をすることができない場合
   三  外国においてすべき送達について、第百八条の規定によることができず、又はこれによっても送達をすることができないと認めるべき場合
   四  第百八条の規定により外国の管轄官庁に嘱託を発した後六月を経過してもその送達を証する書面の送付がない場合 」
  とあり、1号により、訴えの提起ができる。

エ 滞納者に対して内容証明郵便による督促をしたとしても、その後6箇月以内に訴えの提起等の所定の法的手続をとらないと時効中断の効力は生じません。

→○ 正。 時効の中断事由は、民法第147条(時効の中断事由)
「時効は、次に掲げる事由によって中断する。
   一  請求
   二  差押え、仮差押え又は仮処分
   三  承認 」
  とあり、
 このほか、内容証明とか書留郵便や単なる口上などで相手方に対して義務の履行を請求する「催告」にも時効の中断を認めているが、その要件として、民法第153条(催告)
「催告は、六箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民事調停法 若しくは家事審判法 による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない。」
  とあり、6ヶ月以内に所定の法的手続きをとらないと、時効中断にならない。

オ 滞納者が破産手続開始の決定を受けたときは、その日の翌日以降の管理費の支払義務を負わなくなります。

→X 誤 (1) ここは、平成21年管理業務主任者試験 「問11」 選択肢 ウ でもでた。平成21年管理業務主任者試験 「問11」 で明確に答えましたので、参考にしてください。
    2004年(平成16年)の破産法(新破産法)の制定により、従来の破産宣告から破産手続開始決定に改められた。
      これは、破産手続きの効果を訊いている。破産法第30条(破産手続開始の決定)
「裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、破産手続開始の決定をする。
   一  破産手続の費用の予納がないとき(第二十三条第一項前段の規定によりその費用を仮に国庫から支弁する場合を除く。)。
   二  不当な目的で破産手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。
  2  前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。
  とある。
  2項により、「破産手続開始の決定」は、その日の翌日以降からでなく、その時から効力を生じる。

→X 誤 (2)? 破産により、管理される債務(破産債権)は、破産手続き開始前の原因に基づく債務であり、破産手続開始の決定を受けても、その日の翌日以降の管理費の支払義務は新しく発生する。 「決定」を受けた前に滞納していた管理費だけが、支払義務を負わない。 破産法第253条1項
 「  免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。
   一  租税等の請求権
   二  破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
   三  破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)
   四  次に掲げる義務に係る請求権
     イ 民法第七百五十二条 の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
     ロ 民法第七百六十条 の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
     ハ 民法第七百六十六条 (同法第七百四十九条 、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
     ニ 民法第八百七十七条 から第八百八十条 までの規定による扶養の義務
     ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの
   五  雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権
   六  破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)
   七  罰金等の請求権 」


  結論としては、共に間違いであるが、この設問については、解説が分かれる。他に、破産財団から弁済されるなどの解説もある。私も、破産法はよく知らない。

1 ア、ウ
2 イ、オ
3 ウ、エ
4 エ、オ

答え:3 (ウとエ)  (選択肢4は、少し難。ここまで、知っている人は多くはない。でも他に自信があれば、Xにできる?)

問12

*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。
    該当の条文は、必ず改正された標準管理規約で確認のこと。

【問 12】マンション標準管理規約及びマンション標準管理規約コメント(単棟型)(平成16年1月23日国総動第232号・国住マ第37号。国土交通省総合政策局長・同住宅局長通知。以下「マンション標準管理規約」という。)によれば、管理組合の会計と承認に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。


 注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。


1 収支決算の結果、管理費等に不足が生じた場合には、管理組合は各区分所有者に対して、共用部分の共有持分に応じて、その都度必要な金額の負担を求めることができるが、それには理事会の決議を経なければならない。

→X 適切でない。  ここは、理事会で決定できる事項と総会での決議が必要な事項を訊いている。
    標準管理規約(単棟型)61条 (管理費等の過不足)
「収支決算の結果、管理費に余剰を生じた場合には、その余剰は翌年度における管理費に充当する。
  2 管理費等に不足を生じた場合には、管理組合は組合員に対して第25条第2項に定める管理費等の負担割合により、その都度必要な金額の負担を求めることができる。」とあり、2項により、前半は正しいが、「それには理事会の決議を経なければならない。」の規定はない。
  これは、同48条(議決事項)
「次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。
  一 収支決算及び事業報告
  二 収支予算及び事業計画
  三 管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法
  四 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止
  五 長期修繕計画の作成又は変更
  六 第28条 第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し
  七 第28条 第2項に定める建物の建替えに係る計画又は設計等の経費のための修繕積立金の取崩し
  八 修繕積立金の保管及び運用方法
  九 第21条 第2項に定める管理の実施
  十 区分所有法第57条 第2項及び前条 第3項第三号の訴えの提起並びにこれらの訴えを提起すべき者の選任
  十一 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
  十二 区分所有法第62条 第1項の場合の建替え
  十三 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法
  十四 組合管理部分に関する管理委託契約の締結
  十五 その他管理組合の業務に関する重要事項」
  の3号に該当し、総会での決議事項となる。
  設問は理事会の決議が負担の最終決議かはっきりしない表現ではあるが、理事会の決議だけではできない。



2 収支予算を変更しようとするときは、理事長は、その案を臨時総会に提出し、その承認を得なければならない。

→○ 適切である。 標準管理規約(単棟型)58条 (収支予算の作成及び変更)
「理事長は、毎会計年度の収支予算案を通常総会に提出し、その承認を得なければならない。
  2 収支予算を変更しようとするときは、理事長は、その案を臨時総会に提出し、その承認を得なければならない。」
  とあり、2項により正しい。

3 管理組合は、特別の管理に要する経費に充当するため、必要な範囲内において、借り入れをすることができるが、それには総会の決議を経なければならない。

→○ 適切である。 標準管理規約(単棟型)63条(借入れ)
「管理組合は、第28条 第1項に定める業務を行うため必要な範囲内において、借入れをすることができる。」により、特別の管理に要する経費に充当するために借り入れができる。そして、その借り入れは、選択肢1で述べた、「六 第28条 第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し」
  により、総会の決議事項である。

4 修繕積立金の保管及び運用方法を決めるには、総会の決議を経なければならない。

→○ 適切である。 これも、選択肢1で述べた、総会の決議事項「八 修繕積立金の保管及び運用方法」に該当する。

答え:1

問13

【問 13】管理組合会計の処理方法の一つである企業会計原則に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 企業会計原則の一般原則である正規の簿記の原則は、整然、明瞭な会計帳簿を作成することを要求しており、必ずしも複式簿記によることを要求してないが、管理組合の会計においては、複式簿記による会計帳簿を作成することが好ましく、また、適している。

→○ 適切である。 まず、会計には、企業のように営利を目的とした@営利会計と、官庁や学校など非営利団体のA非営利会計がある。
 そして、マンションの管理組合の会計は、法律上の規制も基準もなく、管理を委託された管理会社が独自に処理している。

  処理の現状はともかく、一般の会計では、設問のような各種の原則がある。

  「正規の簿記の原則」とは、整然、明瞭な記録としての会計帳簿を作成することを要求しており、正確な会計帳簿であれば、必ずしも複式簿記によることを要求してない。しかし、管理組合の会計においては、複式簿記による会計帳簿を作成することが好ましいといわれる。適切である。

2 企業会計原則の一般原則である明瞭性の原則は、財務諸表が明瞭に表示されており、利害関係者に財務諸表に関する判断を誤らせないよう要求したものである。

→○ 適切である。 「明瞭性の原則」とは、財務諸表が明瞭に表示されており、利害関係者に財務諸表に関する判断を誤らせないよう要求したものである。適切である。

3 企業会計原則の一般原則である単一性の原則は、財務諸表の形式は各種利害関係者への報告目的によって異なることを容認しているが、一つの正確な会計帳簿から作成されたものでなければならず、いわゆる二重帳簿を禁止しているものである。

→○ 適切である。 「単一性の原則」とは、会計報告の内容は、会計帳簿に基づいて作成され、財務諸表の形式は各種利害関係者への報告目的によって異なることを容認している。そして、いわゆる二重帳簿を禁止しているものである。適切である。

4 企業会計原則の一般原則である継続性の原則は、財務諸表の複数年度にわたる期間比較を可能とさせるため、会計処理の原則や手続を厳格に継続して適用することを要求しており、いかなる場合でも変更を認めていない。

→X 適切でない。 継続性の原則」とは、処理の原則や手続きの適用には継続性が必要ということ。これは、会計の動きを数年度にわたって調査するときに、途中で変更があると比較できないためである。しかし、「みだり」に正当な理由がなく変更してはいけないということであり、「いかなる場合でも変更できない」ものではない。正当な理由があれば、変更も可能。

答え:4 (会計の原則まで出題されるとは! でも選択肢4の「いかなる場合でも変更を認めていない」にひっかリを感じた人は多いのでは。)

問14

【問 14】管理組合の活動における以下の取引に関し、平成19年3月分の仕訳として正しいものは次のうちどれか。ただし、この管理組合の会計年度は、4月1日から翌年3月31日までとし、期中の取引において、企業会計原則に基づき厳格な発生主義によって経理しているものとする。

★発生主義ということ(この「発生主義」という言葉の意味するところは、会計上重要です。読み流さないように!)

  全ての費用・収益は、その支出・収入に基づいて計上し、その発生した期間
     *収入については、請求権が生じた月、
     *支出については、支出が労役などの提供又は工事などである場合は、その労役などの提供又は工事等が完了した月、物品の購入なら、その物品が納入された月
    に正しく割り当てるように処理すること。

 これにより、管理費や修繕積立金は該当月に徴収することになっているなら、未収入金(滞納)があっても、全額計上されている。

 ★駐車場敷金の扱い方については、平成21年管理業務主任者試験 「問15」 や、 平成15年管理業務主任者試験 「問14」 にもある。
 
 これを踏まえ、 会計の処理の月が重要なポイントとなる。

 3月分で、翌月の4月分の仕訳は、

   入金の¥180,000 は、「現金勘定」と処理する。

   使用料 ¥90,000 ----> これは、来月分につき、「前受金勘定」となる。

   敷金  ¥90,000 ----> これは、解約時には返金の性格のため「預り金」 となる。

(借方) (貸方)
現金  ¥180,000 前受金  ¥90,000
  預り金   ¥90,000

答え:3

問15

【問 15】管理組合の活動における以下の取引に関し、平成19年3月分の仕訳として正しいものは次のうちどれか。ただし、この管理組合の会計年度は、4月1日から翌年3月31日までとし、期中の取引において、企業会計原則に基づき厳格な発生主義によって経理しているものとする。

★発生主義ということ

  全ての費用・収益は、その支出・収入に基づいて計上し、その発生した期間
     *収入については、請求権が生じた月、
     *支出については、支出が労役などの提供又は工事などである場合は、その労役などの提供又は工事等が完了した月、物品の購入なら、その物品が納入された月
    に正しく割り当てるように処理すること。

 これにより、管理費や修繕積立金は該当月に徴収することになっているなら、未収入金(滞納)があっても、全額計上されている。

 これを踏まえ、また、処理の月が3月度であることに注意してみる。設問では4月度の請求などとまぎわらしいが。

 1.管理委託費 ¥1,200,000 ---> 請求があっても、まだ発生していない5月分に付き、3月では処理されていない。

 2.水道光熱費 ¥113,000  ----> 3月度の使用料で、未払金として処理してある。

 3.修繕費    ¥85,000  ---->  これも、3月分に付き、3月に未払金として処理されたもの。

 4.損害保険料 ¥980,000 ----> これは、請求があっても、5月分からのまだ発生していないものにつき処理されていない。

  よって、平成19年3月に仕訳をするのは、水道光熱費と修繕費だけである。

(借方) (貸方)
水道光熱費  ¥113,000 未払金  ¥198,000
修繕費      ¥85,000  

答え: 3 (しかし、酷い引っ掛け問題だ。3月の処理を、発生していない5月分まで持ち出すとは!)

問16

【問 16】管理組合の税務に関する次の記述のうち、消費税法(昭和63年法律第108号)の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 管理組合が支払う管理報酬、修繕費、備品の購入代、エレベーターの管理保守料は、消費税の課税対象となる。

→○ 正。 消費税など、税法と管理組合も必ず出題されるので、注意のこと。平成21年管理業務主任者試験 「問16」 や 平成17年管理業務主任者試験 「問16」 、平成23年 管理業務主任者試験 「問16」 など。
    消費税の課税対象は、同法第4条1項(課税の対象)
「国内において事業者が行つた資産の譲渡等には、この法律により、消費税を課する。 」
  とあり、「資産の譲渡等」とは、同法第2条「八  資産の譲渡等 事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供(代物弁済による資産の譲渡その他対価を得て行われる資産の譲渡若しくは貸付け又は役務の提供に類する行為として政令で定めるものを含む。)をいう。」
  とある。 管理組合が支払う管理報酬、修繕費、備品の購入代、エレベーターの管理保守料は、国内で事業者が行つた資産の譲渡等であり、消費税の課税対象となる

2 消費税法上、管理組合の基準期間における課税売上高が、1,050万円の場合であっても、当該期間に臨時収入である備品の譲渡による課税売上高が80万円あったときは、それを差し引くと1,000万円を下回るので、消費税の納税義務は生じない。

→X 誤。 まず、管理組合は、管理組合法人でないときは「人格のない社団」であるので、消費税法では、同法第3条(人格のない社団等に対するこの法律の適用)
「  人格のない社団等は、法人とみなして、この法律(第十二条の二及び別表第三を除く。)の規定を適用する。」
  により、消費税法の適用を法人として受ける。
  そして、消費税での納税義務は、同法第5条(納税義務者)
「事業者は、国内において行つた課税資産の譲渡等につき、この法律により、消費税を納める義務がある。」
  により、事業者になると、納税の義務がある。
  しかし、同法第9条1項で、(小規模事業者に係る納税義務の免除)
「  事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における
課税売上高が千万円以下である者については、第五条第一項の規定にかかわらず、その課税期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等につき、消費税を納める義務を免除する。ただし、この法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。 」
  と、課税売上高が 1、000万円以下なら免除となるが、設問の場合、臨時収入の80万円を差し引くことは、適切ではない方法である。加えることが正しい。よって、課税売上高が1,050万円と1,000万円を超えるので消費税の納税義務がある。

3 消費税の納税義務者は事業者とされ、また、法人格のない社団は消費税法上、法人とみなされ、非法人管理組合及び管理組合法人は、事業者として消費税の納税義務者となる。

→○ 正。 選択肢2で述べたように、正しい。

4 管理組合の支出のうち、管理組合が雇用している従業員の人件費は不課税取引であるので、消費税の課税対象とはならない。

→○ 正 管理業者の雇用している従業員ではなく、管理組合が雇用している従業員であることに注意。
    管理組合が雇用している従業員の人件費は、事業者でもなく、また、同法第2条「八  資産の譲渡等 事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供(代物弁済による資産の譲渡その他対価を得て行われる資産の譲渡若しくは貸付け又は役務の提供に類する行為として政令で定めるものを含む。)をいう。」
  に、該当していないため、人件費は不課税取引であるので、消費税の課税対象とはならない。

答え:2

問17

【問 17】建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条の用語の定義に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 耐火性能とは、通常の火災が終了するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。

→○ 正。 この建築基準法第2条の定義は、良く出題されている。そこで、「建築基準法」の解説を作りました。詳細は、「建築基準法」を参照。
    建築基準法第2条「七  耐火構造 壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、耐火性能(通常の火災が終了するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄筋コンクリート造、れんが造その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。」
  とある。正しい。

2 準耐火性能とは、通常の火災による延焼を抑制するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。

→○ 正。 建築基準法第2条「七の二  準耐火構造 壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、準耐火性能(通常の火災による延焼を抑制するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。第九号の三ロ及び第二十七条第一項において同じ。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。」
  とある。正しい。

3 防火性能とは、当該建築物で発生した通常の火災が、周囲建築物に延焼することを抑制するために当該建築物の内壁又は天井に必要とされる性能をいう。

→X 誤。 建築基準法第2条「八  防火構造 建築物の外壁又は軒裏の構造のうち、防火性能(建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼を抑制するために当該外壁又は軒裏に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄網モルタル塗、しつくい塗その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。」とあり、「当該建築物で発生した」ではなく、「建築物の周囲において発生する」いわゆる「もらい火」を防ぐ性能である。また、防火性能が求められているのは、外からの火を防ぐため「内壁又は天井」でなく「外壁又は軒裏」でもある。間違いである。

4 遮炎性能とは、通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。

→○ 正。 建築基準法第2条「九の二  耐火建築物 次に掲げる基準に適合する建築物をいう。
   イ その主要構造部が(1)又は(2)のいずれかに該当すること。
   (1) 耐火構造であること。
   (2) 次に掲げる性能(外壁以外の主要構造部にあつては、(i)に掲げる性能に限る。)に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。
     (i) 当該建築物の構造、建築設備及び用途に応じて屋内において発生が予測される火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
     (ii) 当該建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
  ロ その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が遮炎性能(通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を有すること。」
  とあり、ロにより正しい。

答え:3 (耐火とは、防火とは、が理解していれば、できる?) 
★なお、建築基準法、都市計画法、水道法、消防法からの出題も多いので、これらだけをまとめた解説を、私の「目指せ! マンション管理士・管理業務主任者」の「過去問題の下」に作りましたから、これも、ご利用ください。

問18

【問 18】建築基準法における容積率算定において、延べ面積にすべてを算入しなければならないものは、次のうちどれか。

1 建築基準法施行令第2条第1項第8号により、階数に算入しない昇降機塔の屋上部分の床面積

→○ 正。 ここらは、平成23年 管理業務主任者試験 「問17」 や 平成21年 管理業務主任者試験 「問17」 も参考に。
   すべてを算入する。設問が細かい。しかし、施行令からも良く出題されている。
    建築基準法での容積率とは、同法第52条1項(容積率)
「  建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(以下「容積率」という。)は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数値以下でなければならない。ただし、当該建築物が第五号に掲げる建築物である場合において、第三項の規定により建築物の延べ面積の算定に当たりその床面積が当該建築物の延べ面積に算入されない部分を有するときは、当該部分の床面積を含む当該建築物の容積率は、当該建築物がある第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域又は準工業地域に関する都市計画において定められた第二号に定める数値の一・五倍以下でなければならない。」
  とあり、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合であり、建ぺい率(建築物の建築面積の敷地面積に対する割合。同法第53条)と共に建築では、重要な要素である。
 そして、建築物の延べ面積とは、建築基準法施行令2条
  「四  延べ面積 建築物の各階の床面積の合計による。ただし、法第五十二条第一項 に規定する延べ面積(建築物の容積率の最低限度に関する規制に係る当該容積率の算定の基礎となる延べ面積を除く。)には、自動車車庫その他の専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設(誘導車路、操車場所及び乗降場を含む。)の用途に供する部分の床面積を算入しない。」
  とあり、算入する建築物や床面積が規定されている。

 これらを踏まえ、 階数に算入しない昇降機塔の屋上部分とは、建築基準法施行令2条1項
  「八  階数  昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これらに類する建築物の屋上部分又は地階の倉庫、機械室その他これらに類する建築物の部分で、水平投影面積の合計がそれぞれ当該建築物の建築面積の八分の一以下のものは、当該建築物の階数に算入しない。また、建築物の一部が吹抜きとなつている場合、建築物の敷地が斜面又は段地である場合その他建築物の部分によつて階数を異にする場合においては、これらの階数のうち最大なものによる。」
  とあり、
 階数には、水平投影面積の合計がそれぞれ当該建築物の建築面積の八分の一以下のものは、当該建築物の階数に算入しない、が容積率の算定においては、同施行令4項
  「第一項第六号ロ又は第八号の場合における水平投影面積の算定方法は、同項第二号の建築面積の算定方法によるものとする。 」
  とあり、同項第二号は、
「建築面積 建築物(地階で地盤面上一メートル以下にある部分を除く。以下この号において同じ。)の外壁又はこれに代わる柱の中心線(軒、ひさし、はね出し縁その他これらに類するもので当該中心線から水平距離一メートル以上突き出たものがある場合においては、その端から水平距離一メートル後退した線)で囲まれた部分の水平投影面積による。ただし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の建築物又はその部分については、その端から水平距離一メートル以内の部分の水平投影面積は、当該建築物の建築面積に算入しない。」
  とあり、 除外の規定がないので算入となる。

2 自動車車庫の用途に供する部分の床面積

→X 誤。 一部は算入しない。選択肢1で述べたように、建築基準法施行令2条1項4号
  「四  延べ面積 建築物の各階の床面積の合計による。ただし、法第五十二条第一項 に規定する延べ面積(建築物の容積率の最低限度に関する規制に係る当該容積率の算定の基礎となる延べ面積を除く。)には、自動車車庫その他の専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設(誘導車路、操車場所及び乗降場を含む。)の用途に供する部分の床面積を算入しない。
  とあり、
  全部が算入されないかと思うが、さらに、建築基準法施行令2条3項
  「  第一項第四号ただし書の規定は、同項に規定する専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設の用途に供する部分の床面積については、当該敷地内の建築物の各階の床面積の合計(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、それらの建築物の各階の床面積の合計の和)の五分の一を限度として適用するものとする。」
  とあり、自動車または自転車の車庫部分の床面積は、延べ面積の1/5を限度として延べ面積に算入されない。

3 地階でその天井が地盤面からの高さ1m以下にあるものの住宅の用途に供する部分の床面積

→X 誤。 一部は算入しない。建築基準法第52条3項
 「第一項(ただし書を除く。)、前項、第七項、第十二項及び第十四項、第五十七条の二第三項第二号、第五十七条の三第二項、第五十九条第一項及び第三項、第五十九条の二第一項、第六十条第一項、第六十条の二第一項及び第四項、第六十八条の三第一項、第六十八条の四、第六十八条の五(第二号イを除く。第六項において同じ。)、第六十八条の五の二(第二号イを除く。第六項において同じ。)、第六十八条の五の三第一項(第一号ロを除く。第六項において同じ。)、第六十八条の五の四(ただし書及び第一号ロを除く。)、第六十八条の五の五第一項第一号ロ、第六十八条の八、第六十八条の九第一項、第八十六条第三項及び第四項、第八十六条の二第二項及び第三項、第八十六条の五第三項並びに第八十六条の六第一項に規定する建築物の容積率(第五十九条第一項、第六十条の二第一項及び第六十八条の九第一項に規定するものについては、建築物の容積率の最高限度に係る場合に限る。第六項において同じ。)の算定の基礎となる延べ面積には、建築物の地階でその天井が地盤面からの高さ一メートル以下にあるものの住宅の用途に供する部分(共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分を除く。以下この項において同じ。)の床面積(当該床面積が当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の三分の一を超える場合においては、当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の三分の一)は、算入しないものとする。」
  とあり、容積率の算定において、地階でその天井が地盤面から高さ1m以下にあるものの住宅の用途に供する部分の床面積は、この建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の1/3を限度として延べ面積に算入されない。

4 共同住宅の共用の廊下と階段の用に供する部分の床面積

→X 誤。 全部を算入しない。 建築基準法第52条6項
 「  第一項、第二項、次項、第十二項及び第十四項、第五十七条の二第三項第二号、第五十七条の三第二項、第五十九条第一項及び第三項、第五十九条の二第一項、第六十条第一項、第六十条の二第一項及び第四項、第六十八条の三第一項、第六十八条の四、第六十八条の五、第六十八条の五の二、第六十八条の五の三第一項、第六十八条の五の四(第一号ロを除く。)、第六十八条の五の五第一項第一号ロ、第六十八条の八、第六十八条の九第一項、第八十六条第三項及び第四項、第八十六条の二第二項及び第三項、第八十六条の五第三項並びに第八十六条の六第一項に規定する建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積には、共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積は、算入しないものとする。」
  とあり、マンションの共用の廊下又は階段は、道と考えて算入なし。

答え:1 (選択肢1は、引っ掛け問題だ。良くない。この容積率の緩和と延べ面積の関係は、チャンと理解しておくこと。)

問19

【問 19】昇降機についての定期検査をすることができる者が有しなければならない資格として、建築基準法第12条第3項の定める内容に適合しないものは、次のうちどれか。


注:建築基準法第12条は、平成28年6月施行で、改正があった。ここは、未対応。


1 一級建築士

→○ 正。適合する。 定期検査をすることのできる資格も良く出題される。 平成25年 管理業務主任者試験 「問21」 。
    昇降機の扱いは、他の建築設備と異なっていることに注意。
    建築基準法第12条3項
  「  昇降機及び第六条第一項第一号に掲げる建築物その他第一項の政令で定める建築物の昇降機以外の建築設備(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物に設けるものを除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者は、当該建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者に検査(当該建築設備についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含む。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。」
 これを受けた国土交通大臣が定める資格を有する者は、建築基準法施行規則第四条の二十 2項
  「法第十二条第三項 の規定に基づき昇降機(法第八十八条第一項 に規定する昇降機等を含む。以下この条及び第六条において同じ。)について検査を行う国土交通大臣の定める資格を有する者(以下「昇降機検査資格者」という。)は、国土交通大臣が定める要件を満たし、かつ、次のいずれかに該当する者とする。
   一  建築基準適合判定資格者
   二  昇降機検査資格者として必要な知識及び技能を修得させるための講習であつて、第四条の三十六及び第四条の三十七において準用する次条(第一項を除く。)から第四条の二十三までの規定により国土交通大臣の登録を受けたもの(以下「登録昇降機検査資格者講習」という。)を修了した者
   三  前二号に掲げる者のほか国土交通大臣の定める資格を有する者 。」
  とあり、一級建築士は可能。(大体1級建築士は、何でもできるようだ。)

2 二級建築士

→○ 正。適合する。 二級建築士も選択肢1で述べた、資格に該当している。

3 国土交通大臣が定める要件を満たし、かつ、国土交通大臣の登録を受けた建築設備検査資格者講習の修了者に該当する者

→X 誤。 選択肢1で述べたように、昇降機の検査は特別扱いで、建築基準適合判定資格者と昇降機検査資格者は出来るが、「建築設備検査資格者」は入っていない。
  なお、建築設備検査資格者とは、建築基準法第12条第2項の規定に基づき、定期的に建築設備(換気設備、排煙設備、非常用の照明装置、給水設備及び排水設備)の安全確保のための検査を行い、その結果を特定行政庁へ報告する制度の定期検査を行うことのできる資格。

4 国土交通大臣が定める要件を満たし、かつ、建築基準適合判定資格者に該当する者

→○ 正。適合する。 選択肢1で述べたように、 建築基準適合判定資格者は入っている。
  なお、建築基準適合判定資格者とは、建築物の構造、面積、敷地、設備等が建築基準法に違反していないかどうかの確認を行ったり、建築物が完成した際に、工事が確認どおりに行われたかどうかの最終的な検査も行ったりする。
従来の建築主事資格にかわり、建築確認業務の民間開放に伴って制定された資格。
 また、受験資格が厳しい。一級建築士に合格したもので、建築行政又は、建築基準法第77条の18第1項の確認検査の業務その他これに類する業務で政令に定めるものに関して2年以上の実務の経験を有するものが受験できる。

答え:3  (しかし、国土交通省は様々な資格を設定して、天下り機関に講習会や試験をやらせているものだ。)

問20

【問 20】昇降機に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 乗用エレベーターのかごの積載荷重の最小値は、単位床面積当たりでは、床面積が小さいものほど大きくしなければならない。

→X 誤。 これも、また細かな設問だ。根拠を探すだけでも時間がかかる。ここまで知る必要性を疑う。だけど、過去にもこのあたりから「非常用の照明装置」など出題されている。
 乗用エレベーターの積載荷重については、建築基準法施行令129条の5(エレベーターの荷重)
「エレベーターの各部の固定荷重は、当該エレベーターの実況に応じて計算しなければならない。
  2  エレベーターのかごの積載荷重は、当該エレベーターの実況に応じて定めなければならない。ただし、かごの種類に応じて、次の表に定める数値(用途が特殊なエレベーターで国土交通大臣が定めるものにあつては、当該用途に応じて国土交通大臣が定める数値)を下回つてはならない。
 ● 乗用エレベーター(人荷共用エレベーターを含み、寝台用エレベーターを除く。以下この節において同じ。)のかご
  * 床面積が一・五平方メートル以下のもの...床面積一平方メートルにつき三、六〇〇として計算した数値
  * 床面積が一・五平方メートルを超え三平方メートル以下のもの...床面積の一・五平方メートルを超える面積に対して一平方メートルにつき四、九〇〇として計算した数値に五、四〇〇を加えた数値 
  * 床面積が三平方メートルを超えるもの...床面積の三平方メートルを超える面積に対して一平方メートルにつき五、九〇〇として計算した数値に一三、〇〇〇を加えた数値」
  とある。
 これによると、床面積が小さいほど、積載荷重も小さくていい。間違いである。
  ところで、積載荷重とは、構造物に乗せる可動の物体の重さによる力。鉛直方向に加わる力。具体的には、建築では人や家具など、土木では車や電車などの重さのことを示す。積載荷重は、常に変動する。そのため、最小の場合と最大の場合、もしくは、標準的に定められた値について計算する。

2 乗用エレベーターの最大定員の算定においては、1人当たりの体重を60sとして計算しなければならない。

→X 誤。 これは、過去(平成16年 管理業務主任者試験 「問20」)にも出ている。細かいけど、65kg/一人を知っていた人もいるかも。
  建築基準法施行令129条の6 (エレベーターのかごの構造)
「エレベーターのかごは、次に定める構造としなければならない。
   一  各部は、かご内の人又は物による衝撃に対して安全なものとすること。
   二  構造上軽微な部分を除き、難燃材料で造り、又は覆うこと。ただし、地階又は三階以上の階に居室を有さない建築物に設けるエレベーターのかごその他防火上支障のないものとして国土交通大臣が定めるエレベーターのかごにあつては、この限りでない。
   三  かご内の人又は物がつり合おもり、昇降路の壁等かご外の物に触れるおそれのない構造とした壁又は囲い及び出入口の戸を設けること。
   四  非常の場合においてかご内の人を安全にかご外に救出することができる開口部をかごの天井部に設けること。
   五  用途及び積載量(キログラムで表した重量とする。以下同じ。)並びに乗用エレベーター及び寝台用エレベーターにあつては最大定員(積載荷重を第百二十九条の五第二項の表に定める数値とし、重力加速度を九・八メートル毎秒毎秒と、一人当たりの体重を六十五キログラムとして計算した定員をいう。以下この節において同じ。)を明示した標識をかご内の見やすい場所に掲示すること。 」
  とあり、5号により、60kg/一人は間違い。65kgが一人の平均体重ってことか。

3 エレベーターの出入口の床先とかごの床先の水平距離は、6cm以下としなければならない。

→X 誤。 これは、建築基準法施行令129条の7(エレベーターの昇降路の構造)
「エレベーターの昇降路は、次に定める構造としなければならない。
   一  昇降路外の人又は物がかご又はつり合おもりに触れるおそれのない構造とした丈夫な壁又は囲い及び出入口(非常口を含む。以下この節において同じ。)の戸を設けること。
   二  構造上軽微な部分を除き、昇降路の壁又は囲い及び出入口の戸は、難燃材料で造り、又は覆うこと。ただし、地階又は三階以上の階に居室を有さない建築物に設けるエレベーターの昇降路その他防火上支障のないものとして国土交通大臣が定めるエレベーターの昇降路にあつては、この限りでない。
   三  出入口の床先とかごの床先との水平距離は、四センチメートル以下とし、乗用エレベーター及び寝台用エレベーターにあつては、かごの床先と昇降路壁との水平距離は、十二・五センチメートル以下とすること。
   四  昇降路内には、次のいずれかに該当するものを除き、突出物を設けないこと。
     イ レールブラケットその他のエレベーターの構造上昇降路内に設けることがやむを得ないもの(ロに掲げる配管設備を除く。)であつて、地震時においても鋼索、電線その他のものの機能に支障が生じないように必要な措置が講じられたもの
     ロ 第百二十九条の二の五第一項第三号ただし書の配管設備で同条の規定に適合するもの」
  とあり、6cm以下でなく4cm以下で、設問は間違い。(しかし、4cmでも6cmでもここまで憶える必要性があるのか? 管理業務主任者が定規をもって現場で計るのか?)

4 光ファイバー又は光ファイバーケーブル(電気導体を組み込んだものを除く。)は、昇降機に必要な配管設備でなくても昇降路内に設けることができる場合がある。

→○ 正。 今度は、昇降機での配管である。これは、建築基準法施行令129条の2の5(給水、排水その他の配管設備の設置及び構造)
「建築物に設ける給水、排水その他の配管設備の設置及び構造は、次に定めるところによらなければならない。
   一  コンクリートへの埋設等により腐食するおそれのある部分には、その材質に応じ有効な腐食防止のための措置を講ずること。
   二  構造耐力上主要な部分を貫通して配管する場合においては、建築物の構造耐力上支障を生じないようにすること。
   三  第百二十九条の三第一項第一号又は第三号に掲げる昇降機の昇降路内に設けないこと。ただし、地震時においても昇降機のかご(人又は物を乗せ昇降する部分をいう。以下同じ。)の昇降、かご及び出入口の戸の開閉その他の昇降機の機能並びに配管設備の機能に支障が生じないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの及び国土交通大臣の認定を受けたものは、この限りでない。」
  とあり、3号の例外を受けた
  平成17年6月1日 国土交通省告示第570号(平成17年6月1日施行) 「昇降機の昇降路内に設けることができる配管設備の構造方法を定める件」
  建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第129条の2の5第1項第三号ただし書の規定に基づき、昇降機の昇降路内に設けることができる配管設備で、地震時においても昇降機のかごの昇降、かご及び出入口の戸の開閉その他の昇降機の機能並びに配管設備の機能に支障がないものの構造方法を次のように定める。

  建築基準法施行令第129条の2の5第1項第三号ただし書に規定する昇降機の昇降路内に設けることができる配管設備で、地震時においても昇降機のかごの昇降、かご及び出入口の戸の開閉その他の昇降機の機能並びに配管設備の機能に支障がないものの構造方法は、次の各号に適合するものでなければならない。
   一 次のいずれかに該当するものであること。
      イ 昇降機に必要な配管設備
      ロ 光ファイバー又は光ファイバーケーブル(電気導体を組み込んだものを除く。)でイに掲げるもの以外のもの
      ハ ロに掲げる配管設備のみを通すための配管設備
   二 地震時においても昇降機のかご又はつり合おもりに触れるおそれのないものであること。
   三 第一号ロ又はハに掲げるものにあっては、次に適合するものであること。
      イ 地震時においても鋼索、電線その他のものの機能に支障が生じない構造のものであること。
      ロ 昇降機の点検を行う者の見やすい場所に当該配管設備の種類が表示されているものであること。
   四 第一号ハに掲げるものにあっては、前号に規定するほか、難燃材料で造り、又は覆ったものであること。」
   とあり、ロにより正しい。

答え:4

問21

【問 21】共同住宅の非常用の照明装置に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 住戸内には非常用の照明装置を設けない設計とすることができる。

→○ 正。 上の{問20}で説明したが、共同住宅の非常用の照明装置は過去にも出題されている。参考:平成15年 マンション管理士 試験 「問20」平成20年 マンション管理士 「問20」でも出た。また、平成21年管理業務主任者試験 「問24」 は、ここに近い。
    非常用の照明装置については、建築基準法施行令126条の4(設置)
「法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物の居室、階数が三以上で延べ面積が五百平方メートルを超える建築物の居室、第百十六条の二第一項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室又は延べ面積が千平方メートルを超える建築物の居室及びこれらの居室から地上に通ずる廊下、階段その他の通路(採光上有効に直接外気に開放された通路を除く。)並びにこれらに類する建築物の部分で照明装置の設置を通常要する部分には、非常用の照明装置を設けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物又は建築物の部分については、この限りでない
  一  一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸
  二  病院の病室、下宿の宿泊室又は寄宿舎の寝室その他これらに類する居室
  三  学校等
  四  避難階又は避難階の直上階若しくは直下階の居室で避難上支障がないものその他これらに類するものとして国土交通大臣が定めるもの 」
  とあり、1号により、「一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸」は設置しなくてもいい。マンションで非常用の照明装置があるのは高級マンションです。

2 非常用の照明装置が必要な部分は、蛍光灯の間接照明とし、床面から1mの高さにおいて2ルクス以上の照度を確保しなければならない。

→X 誤。 非常用の照明装置の構造は、建築基準法施行令126条の5(構造)
「前条の非常用の照明装置は、次の各号のいずれかに定める構造としなければならない。
   一  次に定める構造とすること。
     イ 照明は、直接照明とし、床面において一ルクス以上の照度を確保することができるものとすること
     ロ 照明器具の構造は、火災時において温度が上昇した場合であつても著しく光度が低下しないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとすること。
     ハ 予備電源を設けること。
     ニ イからハまでに定めるもののほか、非常の場合の照明を確保するために必要があるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとすること。」
  とあり、「蛍光灯の間接照明」ではなく、「直接照明」であり、また、「床面から1mの高さにおいて2ルクス以上の照度」でもなく、「床面において、1ルクス以上の照度」である。
 なお、蛍光灯を非常照明に使うときは、 (昭和45年12月28日建設省告示第1830号) 最終改正。平成12年5月30日建設省告示第1405号
「 非常用の照明装置の構造方法を定める件」
  第4 その他
    一 非常用の照明装置は、常温下で床面において水平面照度で1ルクス(蛍光灯を用いる場合にあつては、2ルクス)以上を確保することができるものとしなればならない。
    二 前号の水平面照度は、十分に補正された低照度測定用照度計を用いた物理測定方法によつて測定されたものとする。」
  の規定もある。

3 予備電源は、常用の電源が断たれた場合に自動的に切り替えられて接続され、かつ、常用の電源が復旧した場合に自動的に切り替えられて復帰するものとしなければならない。

→○ 正。 選択肢2で述べた建築基準法施行令126条の5(ハ)により、非常用の照明装置には、予備電源を設けることになり、これをうけ、同じ選択肢2の
 (昭和45年12月28日建設省告示第1830号) 最終改正。平成12年5月30日建設省告示第1405号
 「非常用の照明装置の構造方法を定める件」
 第3 電源
   一 常用の電源は、蓄電池又は交流低圧屋内幹線によるものとし、その開閉器には非常用の照明装置用である旨を表示しなければならない。
   二 予備電源は、常用の電源が断たれた場合に自動的に切り替えられて接続され、かつ、常用の電源が復旧した場合に自動的に切り替えられて復帰するものとしなければならない。
   三 予備電源は、自動充電装置又は時限充電装置を有する蓄電池(開放型のものにあつては、予備電源室その他これに類する場所に定置されたもので、かつ、減液警報装置を有するものに限る。以下この号において同じ。)又は蓄電池と自家用発電装置を組み合わせたもの(常用の電源が断たれた場合に直ちに蓄電池により非常用の照明装置を点灯させるものに限る。)で充電を行うことなく30分間継続して非常用の照明装置を点灯させることができるものその他これに類するものによるものとし、その開閉器には非常用の照明装置用である旨を表示しなければならない。」
  とあり、2号により、正しい。

4 非常用の照明装置の水平面の照度測定は、十分に補正された低照度測定用照度計を用いた物理測定方法によって行わなければならない。

→○ 正。 選択肢2で引用した、(昭和45年12月28日建設省告示第1830号) 最終改正。平成12年5月30日建設省告示第1405号
「 非常用の照明装置の構造方法を定める件」
  第4 その他
   二 前号の水平面照度は、十分に補正された低照度測定用照度計を用いた物理測定方法によつて測定されたものとする。
  の規定により、正しい。
   でも、文章が正しいと分かっても、照度計や物理測定方法に関心のある人は、NETで調べてください。JIS C1609、1993 の規格がありますよ。
   *精密級... 研究室レベルで要求される高精度の照度測定
   *一般型AA級... 基準・規定の適合性評価などにおける、信頼される照度値が必要とされる場での照度測定
   *一般型A級... 実用的な照度値が要求される照度測定
   *一般型B級... 照度の目安が要求される照度測定
 

答え:2 (実に細かいところまで出題される!)

問22

【問 22】共同住宅に設置する共同住宅用スプリンクラー設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 スプリンクラーの制御弁は、パイプシャフト、パイプダクトその他これらに類するものの中に設ける。

→○ 適切である。 とうとう、スプリンクラーの構造まで勉強するのか。スプリンクラー設備は、平成20年 マンション管理士 試験 「問44」 でも出た。
    まず、スプリンクラー設備とは、固定式の自動火災消火設備で、天井に取り付けたスプリンクラーヘッドから出火箇所に散水消火を行う。そして、ヘッドの放水口が常時閉じている閉鎖型と常時開放している解放型とに大別される。水源、加圧送水装置、非常電源、感知部(熱、煙等のセンサー)、警報部、制御部、送水口などから構成される。管内に常に水が充満している「湿式タイプ」、凍結防止のため管内に空気又はガスが充満している「乾式タイプ」がある。11階以上のマンションに設置が義務付けられているが、一部のマンションでは免除もある。


  そして、平成十八年五月三十日 消防庁告示第十七号
  「共同住宅用スプリンクラー設備の設置及び維持に関する技術上の基準を定める件」
  特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令(平成十七年総務省令第四十号)第三条第二項第二号チの規定に基づき、共同住宅用スプリンクラー設備の設置及び維持に関する技術上の基準を次のとおり定める。
  共同住宅用スプリンクラー設備の設置及び維持に関する技術上の基準
   第一 趣旨
    この告示は、特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令(平成十七年総務省令第四十号。以下「省令」という。)第三条第二項第二号チに規定する共同住宅用スプリンクラー設備の設置及び維持に関する技術上の基準を定めるものとする。
   第二 設置及び維持に関する技術上の基準
    共同住宅用スプリンクラー設備は、次の各号に定めるところにより設置し、及び維持するものとする。
     一 スプリンクラーヘッドは、次に定めるところによること。
      (一) スプリンクラーヘッドは、閉鎖型スプリンクラーヘッドの技術上の規格を定める省令(昭和四十年自治省令第二号)第二条第一号の二に規定する小区画型ヘッドのうち、感度種別が一種であるものに限ること。
      (二) スプリンクラーヘッドのデフレクターから下方〇・四五メートル以内で、かつ、水平方向の壁面までの範囲には、著しく散水を妨げるものが設けられ、又は置かれていないこと。
      (三) スプリンクラーヘッドは、天井の各部分から一のスプリンクラーヘッドまでの水平距離が二・六メートル以下で、かつ、一のスプリンクラーヘッドにより防護される部分の面積が十三平方メートル以下となるように設けること。
    二 制御弁は、次に定めるところによること。
      (一) 制御弁は、住戸、共用室(省令第二条第三号に規定する共用室をいう。以下同じ。)又は管理人室ごとに、床面からの高さが〇・八メートル以上一・五メートル以下の箇所に設けること。
      (二) 制御弁は、パイプシャフト、パイプダクトその他これらに類するものの中に設けるとともに、その外部から容易に操作でき、かつ、みだりに閉止できない措置が講じられていること。
      (三) 制御弁には、その直近の見やすい箇所に共同住宅用スプリンクラー設備の制御弁である旨を表示し、及びいずれの住戸、共用室又は管理人室のものであるかを識別できる標識を設けること。
   三 自動警報装置は、次に定めるところによること。ただし、省令第二条第十四号に規定する共同住宅用自動火災報知設備により音声警報が発せられる場合は、(六)に規定する音声警報装置(流水検知装置又は圧力検知装置から発せられたスプリンクラーヘッドが開放した旨の信号を受信し、音声により火災の発生を報知するものをいう。以下同じ。)を設けないことができる。
    (一) スプリンクラーヘッドの開放により音声警報を発するものとすること。
    (二) 発信部は、住戸、共用室又は管理人室ごとに設けるものとし、当該発信部には、流水検知装置又は圧力検知装置を用いること。
    (三) (二)の流水検知装置又は圧力検知装置にかかる圧力は、当該流水検知装置又は圧力検知装置の最高使用圧力以下とすること。
    (四) (受信部には、次に定めるところにより、表示装置を設けること。ただし、第十四号において準用する消防法施行規則(昭和三十六年自治省令第六号。以下「規則」という。)第十四条第一項第十二号において準用することとされる規則第十二条第一項第八号に規定する総合操作盤が設けられている場合又は共同住宅用自動火災報知設備の設置及び維持に関する技術上の基準(平成十八年消防庁告示第   号。第十三号において単に「告示」という。)第二第二号に規定する住棟受信機(スプリンクラーヘッドが開放した旨を火災が発生した旨と区別して表示することができる措置が講じられているものに限る。)が設けられている場合にあっては、この限りでない。
      イ 表示装置は、スプリンクラーヘッドが開放した階又は放水区域を覚知できるものであること。
      ロ 表示装置の設置場所は、次に定めるところによること。
       (イ) 規則第十二条第一項第八号に規定する防災センター等を有する場合は、当該防災センター等に設けること。
       (ロ) (イ)以外の場合は、管理人室に設けること。ただし、当該管理人室に常時人がいない場合は、スプリンクラーヘッドが開放した旨の表示を容易に確認できる場所に設けることができる。
    (五) 一の特定共同住宅等(省令第二条第一号に規定する特定共同住宅等をいう。)に二以上の受信部が設けられているときは、これらの受信部のある場所相互間で同時に通話することができる設備を設けること。
    (六) 音声警報装置は、次に定めるところによること。
      イ 音声警報装置(補助音響装置(住戸、共用室又は管理人室にいる者に対し、有効に音声警報を伝達するために、流水検知装置又は圧力検知装置からスプリンクラーヘッドが開放した旨の信号を受信し、補助的に音声警報を発する装置をいう。以下同じ。)の音声警報装置を含む。以下このイ及びハにおいて同じ。)の音圧は、次に定めるところによること。
       (イ) 住戸、共用室及び管理人室に設ける音声警報装置の音圧は、取り付けられた音声警報装置から一メートル離れた位置で七十デシベル以上であること。
       (ロ) (イ)に掲げる部分以外の部分に設ける音声警報装置の音圧は、規則第二十五条の二第二項第三号イの規定の例によること。
      ロ 音声警報装置の設置は、次の(イ)及び(ロ)に掲げる区分に従い、当該(イ)及び(ロ)に定めるところによること。
       (イ) 住戸、共用室及び管理人室に設ける場合 当該住戸、共用室又は管理人室ごとに、音声警報装置を一個以上設けること。ただし、有効に音声警報が伝わらないおそれがある部分については、当該部分に音声警報を有効に伝達することができるように補助音響装置を設けることとする。
       (ロ) 住戸、共用室及び管理人室以外の部分(直接外気に開放された共用部分(省令第二条第四号に規定する共用部分をいう。)を除く。)に設ける場合 規則第二十五条の二第二項第三号ロの規定の例によること。
       ハ 音声警報装置の音声警報音は、次に定めるところによること。
        (イ) 音声警報音は、シグナル及びメッセージにより構成するものであること。
        (ロ) シグナルは、非常警報設備の基準(昭和四十八年消防庁告示第六号)第四第三号(二)に定めるところによること。
        (ハ) メッセージは、男声によるものとし、火災が発生した場所、避難誘導及び火災である旨の情報又はこれに関連する内容であること。
        (二) 音声警報音は、サンプリング周波数八キロヘルツ以上及び再生周波数帯域三キロヘルツ以上のAD−PCM符号化方式による音声合成音又はこれと同等以上の音質を有するものであること。
      二 音声警報を発する区域は、スプリンクラーヘッドが開放した住戸、共用室及び管理人室のほか、次の(イ)及び(ロ)に掲げる区分に従い、当該(イ)及び(ロ)に定めるところによること。
       (イ) 特定共同住宅等の構造類型を定める件(平成十七年消防庁告示第三号。(ロ)において「構造類型告示」という。)第二第四号に規定する階段室型特定共同住宅等 当該住戸、共用室及び管理人室の主たる出入口が面する階段室等(省令第二条第五号に規定する階段室等(省令第二条第七号に規定する開放型階段を除く。)をいう。)のうち、六以上の階にわたらない部分を一の区域として当該区域及びその直上の区域並びに当該区域に主たる出入口が面する住戸、共用室及び管理人室並びにエレベーターの昇降路
       (ロ) 構造類型告示第二第五号に規定する廊下型特定共同住宅等 当該住戸、共用室及び管理人室の存する階が二階以上の階に存する場合にあっては当該階及びその直上階、一階に存する場合にあっては当該階、その直上階及び地階、地階に存する場合にあっては当該階、その直上階及びその他の地階
     ホ 音声警報の構成は、第一シグナル、メッセージ、一秒間の無音状態、第一シグナル、メッセージ、一秒間の無音状態、第二シグナルの順に連続する警報を一単位として、これを十分間以上連続して繰り返すものであること。
    へ 住戸、共用室又は管理人室ごとに、当該住戸、共用室又は管理人室の音声警報を停止できる機能を設けることができること。
  四 流水検知装置は、湿式のものとすること。
  五 流水検知装置の一次側には、圧力計を設けること。
  六 呼水装置は、規則第十四条第一項第五号の規定の例により設けること。
  七 流水検知装置又は圧力検知装置の二次側の配管には、流水検知装置又は圧力検知装置の作動を試験するための弁(以下「試験弁」という。)を次に定めるところにより設けること。
   (一) 試験弁の一次側には圧力計が、二次側にはスプリンクラーヘッドと同等の放水性能を有するオリフィス等の試験用放水口が取り付けられるものであること。
   (二) 試験弁にはその直近の見やすい箇所に試験弁である旨を表示した標識を設けること。
   (三) 試験弁を開放した場合に、住戸、共用室及び管理人室の音声警報装置が音声警報(戸外表示器の警報を除く。)を発しない措置を講じることができるものであること。
  八 非常電源の容量は、規則第十四条第一項第六号の二においてその例によることとされる規則第十二条第一項第四号ロ(イ)の規定の例によるほか、警報及び表示に要する容量にあっては、次の(一)から(三)までに定める容量以上であること。
   (一) 五の住戸、共用室又は管理人室に設置されている音声警報装置が十分間以上連続して鳴動することができる容量
   (二) 五の作動表示灯(表示器に設けられ、当該表示器が設置された住戸、共用室及び管理人室の感知器が作動した旨を表示する表示灯をいう。以下同じ。)が十分間以上連続して点滅することができる容量
   (三) 五の制御弁表示灯(表示器に設けられ、当該表示器が設置された住戸、共用室及び管理人室の制御弁を閉止した旨を表示する表示灯をいう。以下同じ。)が十分間以上連続して点滅することができる容量
  九 起動装置は、規則第十四条第一項第八号イ(ロ)の規定の例によること。
  十 操作回路の配線、表示装置から流水検知装置又は圧力検知装置までの配線並びに流水検知装置又は圧力検知装置から表示器、音声警報装置及び補助音響装置までの配線は、規則第十四条第一項第九号の規定の例によること。
  十一 配管は、規則第十四条第一項第十号(各号列記以外の部分に限る。)の規定の例によること。
  十二 加圧送水装置は、規則第十四条第一項第十一号(ハ(イ)を除く。)の規定の例によるほか、次に定めるところによること。
    (一) 点検に便利で、かつ、火災等の災害による被害を受けるおそれが少ない箇所に設けること。
    (二) ポンプを用いる加圧送水装置のポンプの吐出量は、二百四十リットル毎分以上の量とすること。
  十三 表示器は、告示第三第十号に規定する戸外表示器の規定の例によるほか、次に定めるところによること。ただし、告示第三第十号に規定する戸外表示器のうち、次の(一)及び(二)に掲げる機能を有するものが設けられている場合には、当該戸外表示器によることができる。
   (一) スプリンクラーヘッドが開放した場合に当該スプリンクラーヘッドが開放した住戸、共用室及び管理人室の作動表示灯が点滅すること。
   (二) 制御弁を閉止した場合に当該制御弁に係る住戸、共用室及び管理人室の制御弁表示灯が点滅すること。
   (三) 作動表示灯及び制御弁表示灯は、相互に兼用することができること。
  十四 規則第十四条第一項第十二号の規定は、共同住宅用スプリンクラー設備について準用する。
  十五 貯水槽、加圧送水装置、非常電源、配管等には、規則第十四条第一項第十三号において適用される規則第十二条第一項第九号に規定する措置を講ずること。
   附 則
  この告示は、平成十九年四月一日から施行する。」
  とある。

   第二 二 (二)により正しい。

2 スプリンクラーヘッドは、自治省令に規定する小区画型ヘッドのうち、感度種別が一種であるものに限る。

→○ 適切である。 選択肢1で引用した、第二 一 (一)「スプリンクラーヘッドは、閉鎖型スプリンクラーヘッドの技術上の規格を定める省令(昭和四十年自治省令第二号)第二条第一号の二に規定する小区画型ヘッドのうち、感度種別が一種であるものに限ること。」とある。

3 4個のスプリンクラーヘッドを同時に使用した場合の放水量は、それぞれの先端において、50L/min以上である。

→○ 適切である。 今度は、スプリンクラーの放水量である。これは、特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令
(平成十七年三月二十五日総務省令第四十号)
  二  共同住宅用スプリンクラー設備は、次のイからチまでに定めるところによること。
   イ 特定共同住宅等の十一階以上の階に設置すること。
   ロ スプリンクラーヘッドは、住戸、共用室及び管理人室の居室(建築基準法第二条第四号に規定するものをいう。以下同じ。)及び収納室(室の面積が四平方メートル以上のものをいう。以下同じ。)の天井の室内に面する部分に設けること。
   ハ スプリンクラーヘッドは、規則第十三条の二第四項第一号(イただし書、ホ及びトを除く。)及び第十四条第一項第七号の規定の例により設けること。
   ニ 水源の水量は、四立方メートル以上となるように設けること。
   ホ 共同住宅用スプリンクラー設備は、四個のスプリンクラーヘッドを同時に使用した場合に、それぞれの先端において、放水圧力が〇・一メガパスカル以上で、かつ、放水量が五十リットル毎分以上で放水することができる性能のものとすること。
   ヘ 非常電源は、規則第十四条第一項第六号の二の規定の例により設けること。
   ト 送水口は、規則第十四条第一項第六号の規定の例によるほか、消防ポンプ自動車が容易に接近することができる位置に単口形又は双口形の送水口を設けること。
   チ イからトまでに規定するもののほか、共同住宅用スプリンクラー設備は、消防庁長官が定める設置及び維持に関する技術上の基準に適合するものであること。」
   とある。
  (ホ)により正しい。
  それでは、メガパスカルの説明です。まず、パスカルとは、単位面積あたりにかかる圧力の単位で、気圧ともいいます。簡単にいうと、ぎゅーっと押し付ける力。単位面積あたりに加わる力です。力学エネルギーと関係します。測定は圧力センサーで行います。剛体の圧力には向きがありますが、流体の内部の圧力は、面の方向によらず同じ強さです。すうぅーっと吸い込む力はマイナスの圧力です。加圧して体積を小さくして密度を高めることを圧縮といいます。流体は加圧や減圧で圧縮や膨張をします。以前はバールと言っていましたが、現在はPa(パスカル)を基本としたいいかたに変更しています。天気予報でおなじみのhPa(ヘクトパスカル=100パスカル=1ミリバール)、kPa(キロパスカル=1,000パスカル)又はMPa(メガパスカル=1,000,000パスカル)などを使うことになっています。

4 スプリンクラーの水源の水量は、2m3以上でなければならない。

→X 適切でない。 選択肢3で引用した、特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令
(平成十七年三月二十五日総務省令第四十号)
 ニ 水源の水量は、四立方メートル以上となるように設けること。」
  によると、4m3以上である。2m3以上ではない。

答え:4 (こんな、細かい設問がされるとは! ここまでくると、管理業務主任者に必要な知識ではなく、雑学をひけらかしているようだ。)

問23

【問 23】給排水衛生設備に関する次の事項のうち、建築基準法、同法施行令、同法施行規則及び関係告示において数値が明示されているものはどれか。

1 飲料水の配管設備において、水の逆流防止のために必要な水槽、流しなどのあふれ縁と水栓の垂直距離

→ 数値は明示されていない? しかし、これもあちらこちらの該当の規定を探すのに時間がかかる。また、過去に出題した問題の総まとめのような出題だ。
  この設問とピッタリの文章はないが、建築基準法施行令129条の2の5「二  水槽、流しその他水を入れ、又は受ける設備に給水する飲料水の配管設備の水栓の開口部にあつては、これらの設備のあふれ面と水栓の開口部との垂直距離を適当に保つ等有効な水の逆流防止のための措置を講ずること。 」とあり、具体的な数値はないようだ。

2 給水タンクに設置する通気管の有効断面積

→ 数値は明示されていない?
   設問に近い告示は、昭和50年12月20日建告第1597号(最終改正:平成12年建設省告示第1406号)
「建築物に設ける飲料水の配管設備及び排水のための配管設備の構造方法を定める件」
  二  給水タンク及び貯水タンク
   イ  建築物の内部、屋上又は最下階の床下に設ける場合においては、次に定めるところによること。
     (1)  外部から給水タンク又は貯水タンク(以下「給水タンク等」という。)の天井、底又は周壁の保守点検を容易かつ安全に行うことができるように設けること。
     (2)  給水タンク等の天井、底又は周壁は、建築物の他の部分と兼用しないこと。
     (3)  内部には、飲料水の配管設備以外の配管設備を設けないこと。
     (4)  内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる位置に、次に定める構造としたマンホールを設けること。ただし、給水タンク等の天井がふたを兼ねる場合においては、この限りでない。
       (い)  内部が常時加圧される構造の給水タンク等(以下「圧力タンク等」という。)に設lける場合を除き、ほこりその他衛生上有害なものが入らないように有効に立ち上げること。
       (ろ)  直径60cm以上の円が内接することができるものとすること。ただし、外部から内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる小規模な給水タンク等にあつては、この限りでない。
     (5)  (4)のほか、水抜管を設ける等内部の保守点検を容易に行うことができる構造とすること。
     (6)  圧力タンク等を除き、ほこりその他衛生上有害なものが入らない構造のオーバーフロー管を有効に設けること。
     (7)  最下階の床下その他浸水によりオーバーフロー管から水が逆流するおそれのある場所に給水タンク等を設置する場合にあつては、浸水を容易に覚知することができるよう浸水を検知し警報する装置の設置その他の措置を講じること。
     (8)  圧力タンク等を除き、ほこりその他衛生上有害なものが入らない構造の通気のための装置を有効に設けること。ただし、有効容量が2m3未満の給水タンク等については、この限りでない。
    (9)  給水タンク等の上にポンプ、ボイラー、空気調和機等の機器を設ける場合においては、飲料水を汚染することのないように衛生上必要な措置を講ずること。 」とある。
  設問の「給水タンクに設置する通気管の有効断面積」に近いのは、「(8) 圧力タンク等を除き、ほこりその他衛生上有害なものが入らない構造の通気のための装置を有効に設けること」とあるだけで、具体的な数字はないようだ。

3 給水タンクに設置する場合の点検用マンホールに内接する円の直径

→ 数値は明示されている。 ここは、過去平成16年 管理業務主任者試験 問20。にも出ている。また、平成21年マンション管理士試験 「問43」 でも出ている。
   選択肢2で引用した、昭和50年12月20日建告第1597号(最終改正:平成12年建設省告示第1406号)
「建築物に設ける飲料水の配管設備及び排水のための配管設備の構造方法を定める件」
(4)  内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる位置に、次に定める構造としたマンホールを設けること。ただし、給水タンク等の天井がふたを兼ねる場合においては、この限りでない。
       (い)  内部が常時加圧される構造の給水タンク等(以下「圧力タンク等」という。)に設lける場合を除き、ほこりその他衛生上有害なものが入らないように有効に立ち上げること。
       (ろ)  直径60cm以上の円が内接することができるものとすること。ただし、外部から内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる小規模な給水タンク等にあつては、この限りでない。 」
   とあり、点検用マンホールの内接の円の直径は60cm以上である。

因みに、給水タンク(受水槽)の構造も、吐水口空間や水抜管の位置など、よくでるので参考までに載せる。

4 屋外排水管の勾配と管径の関係

→ 数値は明示されていない? 屋外排水管の勾配と管径の関係は管径が太いものほど勾配を緩くし、細いものほど急勾配とするが、規定はないようだ。

答え:3 (過去問題から、選択肢3を知っていれば、迷わないが、選択肢3の60cm以上を知らない人は、全然分からない問題だ。) 社団法人高層住宅管理業協会の正解:3

問24

【問 24】火を使用する室に設けなければならない換気設備等に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 火を使用する設備又は器具の近くに排気フードを有する排気筒を設ける場合においては、排気フードは、不燃材料で造らなければならない。

→○ 正。 換気設備に関する出題もよくある。 平成25年 管理業務主任者試験 「問20」 。
    まず、換気は、建築基準法第28条2項及び3項
 「2項  居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。
  3項  別表第一(い)欄(一)項に掲げる用途に供する特殊建築物の居室又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたもの(政令で定めるものを除く。)には、政令で定める技術的基準に従つて、換気設備を設けなければならない。」
 とあり、原則換気設備の設置が義務付けられる。
  そして、設問は、建築基準法施行令20条の3 4項(火を使用する室に設けなければならない換気設備等)
 「火を使用する設備又は器具の近くに排気フードを有する排気筒を設ける場合においては、排気フードは、不燃材料で造ること。」
 とあり、正しい。 

2 換気上有効な排気のための換気扇を設けた場合には、給気口の設置高さに対する数値上の制限はない。

→○ 正。 選択肢1で述べたように、建築基準法第28条3項の規定をうけ、
建築基準法施行令20条の3 2項
  「  建築物の調理室、浴室、その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備又は器具を設けたもの(前項に規定するものを除く。以下この項及び第百二十九条の二の六において「換気設備を設けるべき調理室等」という。)に設ける換気設備は、次に定める構造としなければならない。
  一  換気設備の構造は、次のイ又はロのいずれかに適合するものとすること。
    イ 次に掲げる基準に適合すること。
     (1) 給気口は、換気設備を設けるべき調理室等の天井の高さの二分の一以下の高さの位置(煙突を設ける場合又は換気上有効な排気のための換気扇その他これに類するもの(以下この号において「換気扇等」という。)を設ける場合には、適当な位置)に設けること。
     (2) 排気口は、換気設備を設けるべき調理室等の天井又は天井から下方八十センチメートル以内の高さの位置(煙突又は排気フードを有する排気筒を設ける場合には、適当な位置)に設け、かつ、換気扇等を設けて、直接外気に開放し、若しくは排気筒に直結し、又は排気上有効な立上り部分を有する排気筒に直結すること。
    (3) 給気口の有効開口面積又は給気筒の有効断面積は、国土交通大臣が定める数値以上とすること。
    (4) 排気口又は排気筒に換気扇等を設ける場合にあつては、その有効換気量は国土交通大臣が定める数値以上とし、換気扇等を設けない場合にあつては、排気口の有効開口面積又は排気筒の有効断面積は国土交通大臣が定める数値以上とすること。
    (5) ふろがま又は発熱量が十二キロワットを超える火を使用する設備若しくは器具(密閉式燃焼器具等を除く。)を設けた換気設備を設けるべき調理室等には、当該ふろがま又は設備若しくは器具に接続して煙突を設けること。ただし、用途上、構造上その他の理由によりこれによることが著しく困難である場合において、排気フードを有する排気筒を設けたときは、この限りでない。
    (6) 火を使用する設備又は器具に煙突(第百十五条第一項第七号の規定が適用される煙突を除く。)を設ける場合において、煙突に換気扇等を設ける場合にあつてはその有効換気量は国土交通大臣が定める数値以上とし、換気扇等を設けない場合にあつては煙突の有効断面積は国土交通大臣が定める数値以上とすること。
    (7) 火を使用する設備又は器具の近くに排気フードを有する排気筒を設ける場合において、排気筒に換気扇等を設ける場合にあつてはその有効換気量は国土交通大臣が定める数値以上とし、換気扇等を設けない場合にあつては排気筒の有効断面積は国土交通大臣が定める数値以上とすること。
    (8) 直接外気に開放された排気口又は排気筒の頂部は、外気の流れによつて排気が妨げられない構造とすること。
   ロ 火を使用する設備又は器具の通常の使用状態において、異常な燃焼が生じないよう当該室内の酸素の含有率をおおむね二十・五パーセント以上に保つ換気ができるものとして、国土交通大臣の認定を受けたものとすること。」
  とあり、1号イ(1)が読み難いが、該当する。正しい。

3 煙突、排気フードなどを設けず、排気口又は排気筒に換気扇等を設けた場合に必要となる有効換気量は、(燃料の単位燃焼量当たりの理論廃ガス量)×(火を使用する設備又は器具の実況に応じた燃料消費量)の40倍以上である。

→○ 正。 選択肢2で述べたように、建築基準法施行令20条の3 2項 (4) 排気口又は排気筒に換気扇等を設ける場合にあつては、その有効換気量は国土交通大臣が定める数値以上とし、換気扇等を設けない場合にあつては、排気口の有効開口面積又は排気筒の有効断面積は国土交通大臣が定める数値以上とすること。」とあり、これをうけた、
昭和45年12月28日建告第1826号(最終改正。平成12年5月30日建告第1403号)
換気設備の構造方法を定める件
  第3 調理室等に設ける換気設備
     二  令第20条の3第2項第一号イ(4)の規定により建設大臣が定める数値は、次のイ又はロに掲げる場合に応じ、それぞれイ又はロに定める数値とすること。
       イ  排気口又は排気筒に換気扇等を設ける場合 次の式によつて計算した換気扇等の有効換気量の数値

       V=40KQ
  この式において、V、K及びQは、それぞれ次の数値を表すものとする。
    V  換気扇等の有効換気量(単位 m3/時間)
    K  燃料の単位燃焼量当たりの理論廃ガス量(別表(い)欄に掲げる燃料の種類については、同表(ろ)欄に掲げる数値によることができる。以下同じ。)(単位 m3)
    Q  火を使用する設備又は器具の実況に応じた燃料消費量(単位 kW又はkg/時間) 」
 とあり、正しい。

4 火を使用する設備又は器具の通常の使用状態において、当該室内の酸素の含有率をおおむね15%以上に保つ換気ができるものとして、国土交通大臣の認定を受けたものは、有効換気量についての規制は受けない。

→X 誤。 選択肢2で引用した、建築基準法施行令20条の3 2項「ロ 火を使用する設備又は器具の通常の使用状態において、異常な燃焼が生じないよう当該室内の酸素の含有率をおおむね二十・五パーセント以上に保つ換気ができるものとして、国土交通大臣の認定を受けたものとすること。」
  とあり、酸素の含有率は20.5%以上で、15%以上は間違い。

答え:4 (なんと細かい! 選択肢3の40倍や選択肢4の20.5%まで知っている人が何人いるやら。 また、根拠が告示では、設問が悪い!)

問25

【問 25】駐車場設備に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 平面自走式は、敷地を平面的に利用する方式であり、1台(普通自動車)当たりの利用面積は、2.0m×5.0mである。

→X 誤。 ここは、平成20年 マンション管理士 試験 「問41」 でも出た。
  駐車施設に関する出題は初めてである。
   根拠は、「マンション管理の知識」から。
   平面自走式とは、敷地を平面的に利用して、駐車する方式で、前半は正しい。しかし、普通自動車の利用面積は、およそ、幅2.5mx奥行き5.0mを想定する。後半の幅2.0mが間違い。(注:平成16年度版の「マンション管理の知識」では、幅は2.5mであったが、平成20年版 ページ675 では、およそ、
2.3mx5.0mと変更されている。どちらにせよ、幅が2.0mは狭すぎる。)

2 立体自走式は、駐車区画まで車が自走して出入りする2階建て以上の立体構造の駐車場であり、建築基準法の建築物に該当する。

→○ 正。 立体駐車場には、スロープ車路を使って自動車が駐車場所まで走っていく方式と、機械バレットを使った機械式がある。機械式には、タワー式、2段・多段式、地下式などがある。前半は正しい。

 

そして、後半の建築基準法の「建築物」に該当するのか「単なる工作物」なのかは、屋根及び柱があるかどうかで、争いがあった。
  それは、 建築基準法第2条(用語の定義)
「この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
   一  建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。」
 の「建築物」に該当するのか否かである。

  判例として、神戸地方裁判所 平成17年7月20日判決:裁判所の判断
 建築基準法の建築物とは、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの等をいうが、本件駐車場は工作物で、屋根及び柱もあるので、本件駐車場が上記建築物といえるか否かは「土地に定着する」といえるかによる。
「土地に定着する」の解釈にあたっては、建築物の利用者の生命、健康及び財産を守るにとどまらず、建築物が集団で存している都市の機能確保や市街地環境を確保するという建築基準法の目的を考慮しなければならない。
この観点からすると、「土地に定着する」工作物とは、必ずしも物理的に強固に土地に緊結された態様だけではなく、随時かつ任意に移動できる工作物ではない限り、工作物本来の用法上、定常的に土地に載置されている態様も含むものと認めるのが相当である。
本件駐車場は、確かに、鉄骨ユニットを組み合わせた「駐車場棚」を地平面上に載置しただけのものであり、製造メーカーパンフレットには、300坪あたりわずか6日間で設置でき、それを解体して別の場所に移動して同じ駐車場を組み立てることもできると謳われている。
しかし、本件駐車場は、組み立て及び解体が短時間ででき、設置や解体して移築することが容易なだけであって、その大きさ、自動車の格納能力、諸設備等に照らせば、解体せずにそのまま曵航移転することまでは予定しておらず、クレーンで吊り上げてそのまま移動させることも困難であるから、随時かつ任意に移動できる工作物とはいえない。
したがって、本件駐車場は、工作物本来の用法上、定常的に土地に載置されている場合にあたり、随時かつ任意に移動できる工作物とはいえないので、本件駐車場は「土地に定着する」工作物にあたり、建築基準法上の建築物といえるから、パチンコ店が同法に違反したものであるということを前提としてなした本件駐車場の使用禁止命令に違法はない。」
 と判断し、建築基準法で規定する「建築物」となり、それは、建築基準法第6条の(建築物の建築等に関する申請及び確認) も必要となる。正しい。

3 二段式・多段式は、駐車区画が上下二段以上の立体構造を有する機械式駐車場であり、屋根の有無を問わず建築基準法の建築物に該当する。

→X 誤。 選択肢2で述べたように、「建築物か」「工作物か」での争いの後、判定がでた。それは、

工作物として扱う範囲 3層(4段)以下かつ高さ8m以下のもの
屋根のないもの
建物として扱うもの 屋根付きのもの
または工作物として扱う範囲を超えるもの

 と「屋根がない」のは、建築基準法の建築物ではない。間違い。

4 すべての機械式駐車装置において、建築基準法により保守点検の基準が定められている。

→X 誤 。 選択肢2、及び3で述べたように、屋根がなければ「建築物」でない機械式駐車もあるわけで、そのときは建築基準法の適用もなく、「すべて」は間違い。また、機械式駐車装置の保守点検基準はあるのか? 法令検索で探したが、出てこなかった。

答え:2 (しかし、難問だ! 屋根があるかどうかの争いがあったとは。)

ここまで、問25


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最終更新日:
2018年 8月20日:リンク先を「higuchi」へ変更
2018年 3月17日:建築基準法第12条の改正を入れた。
2012年 5月 1日:正解肢をピンク・太字に統一。「問12」に平成23年の標準管理規約の改正入。
2011年 2月10日:標準管理委託契約の改正を「問7」、「問8」、「問9」に入。改正後の文章は入れていない。
2009年2月26日

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