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*マンション管理士/管理業務主任者を目指す人のために、「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」の概要を纏めました。

★★  マンションの建替えの円滑化等に関する法律 の 概要  ★★


(この解説においては、略称:マンション建替え法 と言う)

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区分所有法解説へ区分所有法 解説へ

凡例:各条文は、黒字にて表示。解説は緑字にて表示

最終改正:平成28年2月版

平成26年12月24日施行の改正に、対応
注意:平成23年(2011年)3月:国土交通省は、マンション建替え円滑化法施行規則を一部改正し、住戸規模の制限を緩和する。小規模住戸マンションの建て替えにも円滑化法を適用できるようにし、マンション建て替えを支援する。

 現行の施行規則では、建て替え後のマンションの住戸の規模を「居室数5以上、住戸の最低面積原則50平方メートル以上(単身者用住戸25平方メートル以上)と定めている。改正案では、居室数要件を撤廃するとともに、面積用件については50平方メートル以上の原則は残すものの、マンション建替組合設立の認可権者(都道府県知事など)が地域の実情に応じて緩和する仕組みを導入する。

 施行は、平成24年(2012年)4月1日を予定しているので、平成24年の受験生は、改正の動向に注意の事。

◎「マンションの建替えの円滑化等に関する法律  (マンション建替え法)」の概要
過去出題 マンション管理士 H28年、H27年、H26年、H25年、H24年、H23年、H22年、H19年、H18年、H17年、H16年、H15年、
管理業務主任者 H27年、H24年、H19年、H17年、H16年、H15年、

マンション建替え法制定の背景と改正の記録

 建物の区分所有等に関する法律(以下、本解説では「区分所有法」といいます)で建替え決議(区分所有法第62条参照)が成立しても
、区分所有法ではその後、どうするのかの規定がありません。
 そこで、区分所有法での建替え決議をうけて、建替え事業を推進する団体は、法人なのか組合なのか、その団体ではどのようなルールによって建物を建てていくのかなど法的な規定の不備、そして区分所有権や借地権さらに抵当権などの権利関係が、建替え事業でどうなるのかなど明確でないために、建替え事業はスムーズに行えていませんでした。
 特に、平成7年(1995年)に起きた「阪神・淡路大震災」後の建替えで、これら多くの不備が明らかになり、法の制定が要望されました。

 これを受け、マンションの建替えの円滑化等に関する法律(以下、本解説では「マンション建替え法」といいます)が平成14年(2002年)6月に成立し、平成14年12月から施行されました。
 また、一部の改正が、平成15年6月に施行されています。

 また、平成23年には、地域の自主性及び自立性を高める目的で、都道府県の権限を市町村に委譲する法律(「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(平成23年法律第105号。第2次一括法)」)の制定により、マンション建替組合の認可権等が、従来の都道府県知事から市の区域内にあっては、その市の長に委譲するなどの一部改正も行われています。

 しかし、平成25年4月での国土交通省の推計では、マンション総数 590万戸の内、昭和56年(1981年)に改正された建築基準法施行令の耐震基準(旧耐震基準)で建設されたものが約106万戸も存在していますが、マンションの建替えは進んでいません。

 そこで、、今後発生が想定されている南海トラフ沖の巨大地震や、首都直下型地震に備えた対策として、耐震性が不足している老朽化したマンションの建替えなどを早急に行うために、平成26年(2014年)12月24日施行で、
 @マンション敷地売却制度の創設 と
 A容積率の緩和の特例を認める の大幅な改正がありました。

 平成26年の改正での、
 @マンション敷地売却制度とは、”耐震性不足の認定を受けたマンション”については、区分所有者、議決権及び当該敷地利用権の持分の価格の各五分の四以上の多数での賛成(4/5以上は、区分所有法での建替え要件とほぼ同じです。)で、マンションおよびその敷地(借地権も)の売却を行う旨を決議できるというものです。改正前は、民法の共有での全員の合意(一致)が重視されていたため、多数決で敷地を売却することは、できませんでした。
  この改正は、画期的な内容です。

 Aもう一つの容積率の緩和は、耐震性不足の認定を受けたマンションの建替えにより新たに建築されるマンションで、一定の敷地面積を有し、市街地環境の整備・改善に資するものについては、特定行政庁(建築確認や完了検査などを自ら行う都道府県・市・特別区)の許可により容積率制限が緩和されるというものです。


 

 なお、”耐震性不足の認定”は、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」(耐震改修促進法)の場合と同様に耐震診断を受け、耐震性能(Is値)が0.6未満(鉄筋コンクリート造の場合)と危険なため除却(取り壊し)が必要といったように、特定行政庁から耐震性不足が客観的に認定される必要があります。


マンション建替え法の目的

 このマンション建替え法の目的は、同法第1条によると、

(目的)
第一条  この法律は、マンション建替事業、除却する必要のあるマンションに係る特別の措置及びマンション敷地売却事業について定めることにより、マンションにおける良好な居住環境の確保並びに地震によるマンションの倒壊その他の被害からの国民の生命、身体及び財産の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

*単に区分所有法第62条1項の建替え決議の後を行うだけでなく、危険・有害な状況にあるマンションであれば、該当する。

マンション建替え法により、
 @建替事業の主体、運営ルールおよび意思決定の手続きの明確化、
 A区分所有権および抵当権、賃借権などの権利関係が再建マンションに円滑に移行されるための手続き
 が定められています。

この法律の概要は以下のとおりです。 (平成23年の改正で、認可権者が都道府県知事から市長にも拡大された)


 また、平成26年12月24日施行で、以下の4/5以上の同意で敷地売却制度が追加されました。

 


★マンション建替え法の適用がある「マンション」 とは、

<参照> マンション建替え法 第2条
 (定義等)
第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一  マンション 二以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分のあるものをいう。

    要件として以下の2つが挙げられています。
  @2人以上の区分所有者がいる建物 で、
  Aかつ人の居住に用いられる専有部分(平たくいうと室)があるマンション です。

 ここマンション建替え法でいう「マンション」の定義で注意しなければいけないのは 区分所有法の規定では、店舗や事務所だけの区分所有建物も該当していますが、マンション建替え法の適用があるマンションとは、居住用(住戸)のあることが対象ですから注意してください。
なお、下が店舗、上が居住用のいわゆる「下駄ばきマンション」は、この法の対象です。

    建物が一人の所有者に属する賃貸マンションは該当しません。区分所有法の規定と異なり、住居と限定されていますので注意してください。

    なお、この定義は「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」で規定する「マンション」とは、同じです。

<参考> 区分所有法第1条:(建物の区分所有)
 一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。

(注意:区分所有法では、マンションという言葉は使用されていません。
また、区分所有法では、
@構造上の独立性と 
A利用上の独立性 
があれば、住居以外の店舗、事務所があってもかまいません。)

<参考>マンションの管理の適正化の推進に関する法律 第2条 :
  一  マンション 次に掲げるものをいう。
   イ 二以上の区分所有者(建物の区分所有等に関する法律 (昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第二項 に規定する区分所有者をいう。以下同じ。)が存する建物で人の居住の用に供する専有部分(区分所有法第二条第三項 に規定する専有部分をいう。以下同じ。)のあるもの並びにその敷地及び附属施設

   ロ 一団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)が当該団地内にあるイに掲げる建物を含む数棟の建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の共有に 属する場合における当該土地及び附属施設

 

★また、団地内に住戸マンション以外の商業棟やオフイス棟などの建物が混在する場合も、区分所有法70条1項の規定による「一括建替え決議」があれば、このマンション建替え法が適用されます。

<参照> マンション建替え法 第2条
2  区分所有法第七十条第一項 に規定する一括建替え決議(以下単に「一括建替え決議」という。)の内容により、区分所有法第六十九条第一項 に規定する団地内建物(その全部又は一部がマンションであるものに限る。以下「団地内建物」という。)の全部を除却するとともに、区分所有法第七十条第一項 に規定する再建団地内敷地に同条第三項第二号 に規定する再建団地内建物(その全部又は一部がマンションであるものに限る。以下この項において「再建団地内建物」という。)を新たに建築する場合には、現に存する団地内建物(マンションを除く。)及び新たに建築された再建団地内建物(マンションを除く。)については、マンションとみなして、この法律を適用する。

★建替となる敷地と建物の関係は以下のとおりです。

建替えの敷地

★マンション建替え事業の主体 -その1-

1.マンション建替組合

  区分所有法第62条の「建替え決議」がなされた場合には、建替え合意者は、建替え合意者の4分の3以上の同意により、5人以上の参加者があれば、定款・事業計画を定めて、都道府県知事等の”認可(にんか)”により建替組合を設立できます。(注:認可=にんか です。許可=きょか ではありません。)

★ついでに
  *許可(きょか)とは...法令により一般的に禁止されている行為を、行政機関(お役所)が特定の場合に解除し、適法に行えるようにすることを言います。
            基準条件を満たしていれば禁止が解除されます。
           <これに当てはまる業種>飲食店、建設業、運送業、個人タクシー、リサイクルショップ、一般廃棄物の収集運搬業、喫茶店、菓子製造業など

  *認可(にんか)とは...行政機関(お役所)が第3者の行為を補充し、法的効力を完全にすることを言います。
            そのままでは法的に弱い立場を、お役所に認めてもらう事で、他よりも良い立場に立てるということを言います。
            <これに当てはまる業種>社会福祉法人、学校法人
            上記の許可と合わせて、許認可なんて言うことが多いですね。

    「許可」と「認可」の大きな違いは、「許可(きょか)」は、申請を受けた行政官庁の判断により「許可」がされたり、「不許可」だったりしますが、「認可(にんか)」は、必要な要件(書類)を満たしてさえいれば、必ず認可がされる点です。

  *届出とは...これは、字の通り、届け出ればそれで営業を認められるようなものを言います。
           <これに当てはまる業種>クリーニング業など

  *免許とは...一般的に禁止されている行為を、行政が特定の場合に特定の人だけに許すことで、許可とほぼ同じと考えても良いでしょう。
           一定の資格条件を備えた者のみに与えられます。
            これは、多くの方がお持ちの自動車運転免許が当てはまりますね。試験に合格し運転する資格を与えられた者だけ、自動車を運転できますね。

           <これに当てはまる業種>酒類販売業、宅地建物取引業など

 認可(にんか)するのは、原則:都道府県知事ですが、市の区域内であれば、その市長に認可権があります。
 認可(にんか)するのは、都道府県知事等ですが、申請は、該当の町村長を経由して行います(法第9条7項)。これは、地元の町村が、建替の動きを把握し、また都道府県知事又は市町村長は組合に対して円滑な施行などを図るために必要な勧告、助言などができるためです。(法第97条1項)

<参照>マンション建替え法: 第9条: 
(設立の認可)
第九条  区分所有法第六十四条 の規定により区分所有法第六十二条第一項 に規定する建替え決議(以下単に「建替え決議」という。)の内容によりマンションの建替えを行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該建替え決議の内容により当該マンションの建替えを行う旨の同意をしたものを含む。以下「建替え合意者」という。)は、
五人以上共同して、定款及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長。以下「都道府県知事等」という。)の認可を受けて組合を設立することができる。

2  前項の規定による認可を申請しようとする建替え合意者は、組合の設立について、
建替え合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第三十八条 の議決権の合計が、建替え合意者の同条 の議決権の合計の四分の三以上となる場合に限る。)を得なければならない。


7  第一項の規定による認可の申請は、施行マンションとなるべきマンションの所在地が町村の区域内にあるときは、当該町村の長を経由して行わなければならない。

<参照>マンション建替え法: 第97条:
(報告、勧告等)
第九十七条  都道府県知事又は市町村長は、組合又は個人施行者に対し、その施行するマンション建替事業に関し、この法律(次章を除く。以下この節において同じ。)の施行のため必要な限度において、報告若しくは資料の提出を求め、又はその施行するマンション建替事業の円滑な施行を図るため必要な勧告、助言若しくは援助をすることができる。

2  都道府県知事等は、組合又は個人施行者に対し、マンション建替事業の施行の促進を図るため必要な措置を命ずることができる。

★法人の重要性
  民法上、各種契約の主体が、個人の集団(共有関係)となると、全員の合意を必要としているため(民法第251条)、一人でも反対すると、先に進むことができませんが、このマンション建替え法により、法人格を持った組合ができます(法第6条)ので、多くの事項が組合員の多数決で決定ができるようになり、また組合として組織の整備も必要とされますから、金融機関からの融資や工事請負契約などの締結がスムーズにできます。

<参考>民法第251条:(共有物の変更)

第二百五十一条  各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない

 そこで、組合としての組織の規定として、
 ・組合員名簿の作成(法第18条)、
 ・役員(理事3名以上、監事2名以上、理事長の選任の設置(法第20条))や、
 ・総会(法第26条〜)、
 ・経費の賦課徴収(法第35条〜)、
 ・解散(法第38条〜) 
 などの規定が適用されます。

★マンション建替組合には登記は不要 〜認可により組合は成立する〜
 なお、組合の設立が都道府県知事等により認可されれば、その認可書の到着をもって、法人格を取得します(法第13条)。
 そして、都道府県知事等により、公告がなされ、これにより「登記」がなくても、「登記」と同様な第三者に対する対抗の機能を持ちます(法第14条2項)。組合は別に登記はいりません。

★組合員以外が参加できる
  建替事業は、大変に難しい事業で、実施にあたっては、法律上の権利関係の調整や資金の調達など、複雑で専門知識を必要としています。

 そこで、外部の民間業者(金融機関、建設業者、ディベロッバーなど)も、事業に参加する組合員となれます。
これらは、参加組合員と呼ばれます(法第17条)。

<参照>マンション建替え法:第17条:参加組合員;
(参加組合員)
第十七条  前条に規定する者のほか、組合が施行するマンション建替事業に参加することを希望し、かつ、それに必要な資力及び信用を有する者であって、定款で定められたものは、
参加組合員として、組合の組合員となる。

 ★<参考>東京都におけるマンション建替組合の認可例:諏訪2丁目住宅マンション建替組合

★マンション建替え事業の主体 -その2-

2.個人施行者もなれる

 しかし、建替組合の設立は、必ずしも義務付けられたものではありません。

 マンションの区分所有者またはその同意を得た人も、一人または数人が共同で、マンションの建替事業を施行できます。
 建替組合を設立するなら、建替えに合意した5人以上が必要(法第9条1項)ですが、4人以下の場合でも、建替事業ができます(法第5条2項)。

 この建替組合を設立しない方法は、マンションの区分所有者や抵当権者、借家人などの権利関係が少ない場合など、わざわざ組合を設立するまでもない場合である時には便利な制度です。 

また、区分所有者の同意を得れば、ディベロッパーが委任を受けて、建替事業を行うことができますので、ディベロッパーが資金の調達から最終の権利関係の調整(分譲後の所有権など)までをおこなうことも可能です。

<参照>マンション建替え法:第5条2項;
マンションの区分所有者又はその同意を得た者は、一人で、又は数人共同して、当該マンションについてマンション建替事業を施行することができる

個人施工者になる場合でも、施行マンションの名称や建替事業の範囲などを記載した規準(共同の場合は規約と事業計画)を作成して、都道府県知事等の認可が必要です(法第46条)。

<参照>マンション建替え法:第46条;
(規準又は規約)
第四十六条  前条第一項の規準又は規約には、次の各号(規準にあっては、第四号から第六号までを除く。)に掲げる事項を記載しなければならない。
一  
施行マンションの名称及びその所在地
二  マンション建替事業の範囲
三  事務所の所在地
四  事業に要する経費の分担に関する事項
五  業務を代表して行う者を定めるときは、その職名、定数、任期、職務の分担及び選任の方法に関する事項
六  会議に関する事項
七  事業年度
八  公告の方法
九  その他国土交通省令で定める事項

施行マンション...建替前のマンション

再建建物...建替え後のマンションなど。(建替え後の建物は建替え前の建物と、使用目的が異なってもいい。)

★権利変換手続きの必要性

 建替前のマンションの専有部分(区分所有権の対象部分)には、購入時に金融機関による抵当権が設定されていたり、また賃貸にだしていて、賃借人が入居しているのは一般的なことです。

 建替えを行う場合、いままでは、これら抵当権や賃借権等の権利の解除については、各人が個別に交渉し、また契約上の権利行使で、清算をしていましたが、例えば、どこかの部屋(専有部分)である金融機関が抵当権の抹消を拒否すると、そのマンションは全体として取り壊しができませんでした。
また、賃借人の立ち退きを求めることも、大変なことです。

そこで、マンション建替え法では、建替え前に存在しているこれらの抵当権や賃貸借の権利関係を再建建物に一気に移し変えるやり方を採用しました。
これが、「権利変換手続き」と呼ばれる手続きです。この手法は、市街地再開発事業で採用されていた方式を真似たものです

★権利変換手続きの方法

 @ 権利変換開始の登記

  建替え事業施工者は、まず施行マンションの区分所有権などについて、登記所へ「権利変換手続きの開始の登記」をします(法第55条1項)。
 これは、登記することにより、公正さを高めるためです。
この登記がなされた後に、該当のマンションの区分所有権などを変更する人は、施行者の承認が必要となり勝手に変更ができなくなります。

また、施行者の承認を得ないで、権利を処分(第三者に譲渡、担保権の設定、借地権の使用など)しても、施行者に対抗できません法第55条4項)。

<参照>マンション建替え法:第55条1項;
(権利変換手続開始の登記)
第五十五条  施行者は、次に掲げる公告があったときは、遅滞なく、登記所に、
施行マンションの 
区分所有権 及び
敷地利用権 (既登記のものに限る。) 並びに
隣接施行敷地の所有権 及び
借地権 (既登記のものに限る。)について、
権利変換手続開始の登記を申請しなければならない。

マンション建替え法:第55条2項;
2  前項の登記があった後においては、当該登記に係る施行マンションの区分所有権若しくは敷地利用権を有する者(組合が施行するマンション建替事業にあっては、組合員に限る。)又は当該登記に係る隣接施行敷地の所有権若しくは借地権を有する者は、これらの権利を処分するときは、国土交通省令で定めるところにより、施行者の承認を得なければならない。

マンション建替え法:第55条4項; 
第二項の承認を得ないでした処分は、施行者に対抗することができない。

  ★ 権利変換を希望しない権利者は?

   建替えに賛成しても、事情により、新しいマンションに住みたくないと考える人は、権利を放棄して、金銭での支払を希望できます(法第56条1項)。

<参照>マンション建替え法:第56条1項;
(権利変換を希望しない旨の申出等)
第五十六条  第十四条第一項の公告又は個人施行者の施行の認可の公告があったときは、施行マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者は、その公告があった日から起算して三十日以内に、施行者に対し、第七十条第一項及び第七十一条第二項の規定による権利の変換を希望せず、自己の有する区分所有権又は敷地利用権に代えて
金銭の給付を希望する旨を申し出ることができる

   補償金(従前の権利に相当する金額)は、権利変換期日までに、給付されます。(法第75条参照)


 A 施行者による権利変換計画の策定

 必要な期間が経過して、従前の権利関係が整理されると、次に、施行者は、施行再建マンションの配置や区分所有権者の氏名、再建後のマンションで与えられる新区分所有権や敷地利用権の明細や価格、登記されている抵当権の権利者や特約などの明細、再建後における抵当権や賃借の行方、そして権利変換期日・工事完了予定時期などを、「権利変換計画」として定めます(法第58条参照)。

<参照>マンション建替え法:第58条1項;

(権利変換計画の内容)
第五十八条  
権利変換計画においては、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を定めなければならない。
一  施行再建マンションの配置設計
二  施行マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者で、当該権利に対応して、施行再建マンションの区分所有権又は敷地利用権を与えられることとなるものの氏名又は名称及び住所
三  前号に掲げる者が施行マンションについて有する
区分所有権又は敷地利用権及びその価額
四  第二号に掲げる者に前号に掲げる区分所有権又は敷地利用権に対応して与えられることとなる施行再建マンションの区分所有権又は敷地利用権の明細及びその価額の概算額
五  第三号に掲げる区分所有権又は敷地利用権について先取特権、質権若しくは抵当権の登記、仮登記、買戻しの特約その他権利の消滅に関する事項の定めの登記又は処分の制限の登記(以下「担保権等の登記」と総称する。)に係る権利を有する者の氏名又は名称及び住所並びにその権利
六  前号に掲げる者が施行再建マンションの区分所有権又は敷地利用権の上に有することとなる権利
七  施行マンションについて借家権を有する者(その者が更に借家権を設定しているときは、その借家権の設定を受けた者)で、当該権利に対応して、施行再建マンションについて借家権を与えられることとなるものの氏名又は名称及び住所
八  前号に掲げる者に借家権が与えられることとなる施行再建マンションの部分
九  施行者が施行再建マンションの部分を賃貸する場合における標準家賃の概算額及び家賃以外の借家条件の概要
十  施行マンションに関する権利又はその敷地利用権を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該権利を失い、かつ、当該権利に対応して、施行再建マンションに関する権利又はその敷地利用権を与えられないものの氏名又は名称及び住所、失われる施行マンションに関する権利又はその敷地利用権並びにその価額
十一  隣接施行敷地の所有権又は借地権を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該権利を失い、又は当該権利の上に敷地利用権が設定されることとなるものの氏名又は名称及び住所、その権利並びにその価額又は減価額
十二  組合の参加組合員に与えられることとなる施行再建マンションの区分所有権及び敷地利用権の明細並びにその参加組合員の氏名又は名称及び住所
十三  第四号及び前号に掲げるもののほか、施行再建マンションの区分所有権又は敷地利用権の明細、その帰属及びその処分の方法
十四  施行マンションの敷地であった土地で施行再建マンションの敷地とならない土地(以下「保留敷地」という。)の所有権又は借地権の明細、その帰属及びその処分の方法
十五  補償金の支払又は清算金の徴収に係る利子又はその決定方法
十六  権利変換期日、施行マンションの明渡しの予定時期及び工事完了の予定時期
十七  その他国土交通省令で定める事項



*権利変換計画とその変更は重要 〜4/5以上要〜 

 権利変換計画の原案が作成されると総会が開催され(法第27条)ますが、権利変換計画は、その重要性から、通常の決議と異なり、組合員の議決権及び持分割合の4/5以上の特別の賛成が必要とされます(法第30条3項)。

 また、権利変換計画を定める(変更の場合も)ときは、3人以上で構成される特別な知識を経験を持ち公正な判断ができる審査委員の過半数の同意も必要です。(法第67条)

 総会での決議がなされても、まだ権利変換計画に賛成しない人(組合員)に対しては、組合からは賛成しなかった組合員に対して「売渡請求」ができ、また賛成しなかった組合員の方からも、「買取請求」ができます。

  ★注:ここが区分所有法と違う点です。

   区分所有法(第63条4項 参照)の建替えでは、「建替えの賛成者」だけから、売り渡しの請求ができたが、マンションの建替え法では、建替えの賛成者以外の「建替に賛成しない者」からも、買取の請求を認めています(同法第64条3項)。

 

<参照>マンション建替え法:第64条

(権利変換計画に関する総会の議決に賛成しなかった組合員に対する売渡し請求等)
第六十四条  組合において、権利変換計画について総会の議決があったときは、組合は、当該議決があった日から
二月以内に、当該議決に賛成しなかった組合員に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。

2  区分所有法第六十三条第六項及び第七項(区分所有法第七十条第四項においてこれらの規定を準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定は、前項の規定による請求について準用する。この場合において、区分所有法第六十三条第六項中「第四項」とあるのは、「マンションの建替え等の円滑化に関する法律第六十四条第一項」と読み替えるものとする。

3  組合において、権利変換計画について総会の議決があったときは、当該議決に
賛成しなかった組合員は、当該議決があった日から二月以内に、組合に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で買い取るべきことを請求することができる。

  ★権利変換計画は重要なものです
   そこで、施行者として権利変換計画を確定した後、権利変換計画は都道府県知事等の認可を受けて、建替え事業は進みます。

B 計画に定められた期日(権利変換期日)をもって、すべての従前の建物に対する権利関係が再建建物に移行する。

 権利変換計画が都道府県知事等により認可を受けると権利変換期日をもって、古いマンションにあった諸権利(区分所有権、敷地利用権、抵当権など)は、全部なくなり、同時に権利変換計画に記載された、新しい建物(再建建物)の上に存在することになります(同法第70条、第71条、同法第73条)。

 古いマンションに住んでいる人は、決められた期限までに引越し(明渡し)を行い、もし引越しをしないときは施工者から追い出しを受け(同法第80条1項)、建物が取り壊され、新しい建物の工事が始まります。

<参照>マンション建替え法:第70条1項;

(敷地に関する権利の変換等)
第七十条  
権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、施行マンションの敷地利用権は失われ、施行再建マンションの敷地利用権は新たに当該敷地利用権を与えられるべき者が取得する。

2  
権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、隣接施行敷地の所有権又は借地権は、失われ、又はその上に施行再建マンションの敷地利用権が設定される。

3  
権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、保留敷地に関しては、当該保留敷地についての従前の施行マンションの敷地利用権が所有権であるときはその所有権を、借地権であるときはその借地権を、施行者が取得する。

4  施行マンションの敷地及び隣接施行敷地に関する権利で前三項及び第七十三条の規定により権利が変換されることのないものは、権利変換期日以後においても、なお従前の土地に存する。この場合において、権利変換期日前において、これらの権利のうち地役権又は地上権の登記に係る権利が存していた敷地利用権が担保権等の登記に係る権利の目的となっていたときは、権利変換期日以後においても、当該地役権又は地上権の登記に係る権利と当該担保権等の登記に係る権利との順位は、変わらないものとする。


<参照>マンション建替え法:第71条1項:

(施行マンションに関する権利の変換)
第七十一条  権利変換期日において、施行マンションは、施行者に帰属し、施行マンションを目的とする区分所有権以外の権利は、この法律に別段の定めがあるものを除き、消滅する。

2  施行再建マンションの区分所有権は、第八十一条の建築工事の完了の公告の日に、権利変換計画の定めるところに従い、新たに施行再建マンションの区分所有権を与えられるべき者が取得する。

3  施行マンションについて借家権を有していた者(その者が更に借家権を設定していたときは、その借家権の設定を受けた者)は、第八十一条の建築工事の完了の公告の日に、権利変換計画の定めるところに従い、施行再建マンションの部分について借家権を取得する。

<参照>マンション建替え法:第80条1項:

(施行マンション等の明渡し)
第八十条  施行者は、権利変換期日後マンション建替事業に係る工事のため必要があるときは、施行マンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)を占有している者に対し、
期限を定めて、その明渡しを求めることができる。

2  前項の規定による
明渡しの期限は、同項の請求をした日の翌日から起算して三十日を経過した後の日でなければならない。

3  第五十八条第三項の規定は、同項の相当の期限を許与された区分所有者に対する第一項の規定による明渡しの期限について準用する。

4  第一項の規定による明渡しの請求があった者は、明渡しの期限までに、施行者に明け渡さなければならない。ただし、第七十五条の補償金の支払を受けるべき者について同条の規定による支払若しくは第七十六条の規定による供託がないとき、第十五条第一項(第三十四条第四項において準用する場合を含む。)若しくは第六十四条第一項(第六十六条において準用する場合を含む。)若しくは区分所有法第六十三条第四項(区分所有法第七十条第四項において準用する場合を含む。)の規定による請求を受けた者について当該請求を行った者による代金の支払若しくは提供がないとき、又は第六十四条第三項(第六十六条において準用する場合を含む。)の規定による請求を行った者について当該請求を受けた者による代金の支払若しくは提供がないときは、この限りでない。


★ 旧マンションの取り壊し。
  新築工事。
  新しいマンションの完成。

 区分所有権や敷地利用権などが、建替え賛成者に全部移行し、居住者の移転が終わると、既存のマンションが取り壊され、新しいマンションが建築され、新しいマンションの建築工事が完了すると、建替えの施行者は公告をし、再建マンションに権利をもっている人に通知し、また必要な登記を行います(同法第81条、第82条)。

この時点で、新しく賃借関係も、新区分所有者と賃貸人の間で協議されます(同法第83条)。

<参照>マンション建替え法:第81条1項:

(建築工事の完了の公告等)
第八十一条  施行者は、施行再建マンションの建築工事が完了したときは、速やかに、その旨を、公告するとともに、第七十一条第二項又は第三項の規定により施行再建マンションに関し権利を取得する者に通知しなければならない。


<参照>マンション建替え法:第82条

(施行再建マンションに関する登記)
第八十二条  施行者は、施行再建マンションの建築工事が完了したときは、遅滞なく、施行再建マンション及び施行再建マンションに関する権利について必要な登記を申請しなければならない。

2  施行再建マンションに関する権利に関しては、前項の登記がされるまでの間は、他の登記をすることができない。


<参照>マンション建替え法:第83条1項:

(借家条件の協議及び裁定)
第八十三条  権利変換計画において施行再建マンションの区分所有権が与えられるように定められた者と当該施行再建マンションについて第六十条第四項本文の規定により借家権が与えられるように定められた者は、家賃その他の借家条件について協議しなければならない。



*平成26年12月24日施行の改正点。 〜耐震性不足の認定を受けたマンションの場合
  平成26年12月24日施行により、 上で述べたように、
  @マンション敷地売却制度の創設 と
  A容積率の緩和の特例を認める の大幅な改正がありました。

 @マンション敷地売却制度とは、”耐震性不足の認定を受けたマンション”については、区分所有者、議決権及び当該敷地利用権の持分の価格の各五分の四以上の多数での賛成(これは、区分所有法での建替え要件とほぼ同じです。)で、マンションおよびその敷地(借地権も)の売却を行う旨を決議できるというものです。改正前は、敷地を売却することは、民法により全員の合意が必要で多数決ではできませんでした。

 Aもう一つの容積率の緩和は、耐震性不足の認定を受けたマンションの建替えにより新たに建築されるマンションで、一定の敷地面積を有し、市街地環境の整備・改善に資するものについては、特定行政庁(建築確認や完了検査などを自ら行う都道府県・市・特別区)の許可により容積率制限が緩和されるというものです。

 具体的な条文は、マンション建替え法、 「第三章 除却する必要のあるマンションに係る特別の措置 」(第102条以下)及び 「第四章 マンション敷地売却事業」 (第116条以下)に規定されています。


*除却の必要性に係る認定

 まず、マンションの敷地を売却するには、特定行政庁(建築確認や完了検査などを自ら行う都道府県・市・特別区)に耐震診断により、地震に対して危ないマンションであるかの認定をしてもらいます。それが、(同法第102条2項)です。

 <参照> マンション建替え法第102条
(除却の必要性に係る認定)

第百二条  建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成七年法律第百二十三号)第二条第一項に規定する耐震診断が行われたマンションの管理者等(区分所有法第二十五条第一項の規定により選任された管理者(管理者がないときは、区分所有法第三十四条の規定による集会(以下「区分所有者集会」という。)において指定された区分所有者)又は区分所有法第四十九条第一項の規定により置かれた理事をいう。)は、国土交通省令で定めるところにより、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第三十五号に規定する特定行政庁(以下単に「特定行政庁」という。)に対し、当該マンションを除却する必要がある旨の認定を申請することができる。

2  特定行政庁は、前項の規定による申請があった場合において、当該申請に係るマンションが地震に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして国土交通大臣が定める基準に適合していないと認めるときは、その旨の認定をするものとする。

3  第一項の認定をした特定行政庁は、速やかに、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等(当該特定行政庁である都道府県知事等を除く。)にその旨を通知しなければならない。


*容積率の緩和
 この認定で地震に対して危ないとなり、建替えを行う場合には、特定行政庁は、容積率の緩和ができることがあります。(同法第105条)

<参照> マンション建替え法第105条
(容積率の特例)
第百五条  その敷地面積が政令で定める規模以上であるマンションのうち、要除却認定マンションに係るマンションの建替えにより新たに建築されるマンションで、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、その建ぺい率(建築面積の敷地面積に対する割合をいう。)、容積率(延べ面積の敷地面積に対する割合をいう。以下この項において同じ。)及び各部分の高さについて総合的な配慮がなされていることにより市街地の環境の整備改善に資すると認めて許可したものの容積率は、その許可の範囲内において、建築基準法第五十二条第一項から第九項まで又は第五十七条の二第六項の規定による限度を超えるものとすることができる

2  建築基準法第四十四条第二項、第九十二条の二、第九十三条第一項及び第二項並びに第九十四条から第九十六条までの規定は、前項の規定による許可について準用する。

*マンション敷地売却決議 〜4/5以上要〜
 地震に耐えられず、マンションを除却(壊すことです)する必要がある旨の認定を受けると、そのマンションの区分所有者は、集会を開いて、区分所有者、議決権及び当該敷地利用権の持分の価格の各五分の四以上の多数で、当該要除却認定マンション及びその敷地(当該敷地利用権が借地権であるときは、その借地権)を売却する旨の決議(以下「マンション敷地売却決議」という。)をすることができます。(同法第108条)
 この際に買受人も必要なら決めます。

*組合の設立
 、マンション敷地売却事業を実施することができる組合(法人)の設立も、5人以上で、3/4以上の賛成で、できます。(同法第120条)

<参照> マンション建替え法第120条
(設立の認可)
第百二十条  第百八条第十項において読み替えて準用する区分所有法第六十四条の規定によりマンション敷地売却決議の内容によりマンション敷地売却を行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該マンション敷地売却決議の内容により当該マンション敷地売却を行う旨の同意をしたものを含む。以下「マンション敷地売却合意者」という。)は、五人以上共同して、定款及び資金計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けて組合を設立することができる。

2  前項の規定による認可を申請しようとするマンション敷地売却合意者は、組合の設立について、マンション敷地売却合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第三十八条の議決権の合計がマンション敷地売却合意者の同条の議決権の合計の四分の三以上であり、かつ、同意した者の敷地利用権の持分の価格の合計がマンション敷地売却合意者の敷地利用権の持分の価格の合計の四分の三以上となる場合に限る。)を得なければならない。

3  前二項の場合において、マンションの一の専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を一人のマンション敷地売却合意者とみなす。


*区分所有権及び敷地利用権の時価での売渡請求

 マンション敷地売却組合が、都道府県知事等の認可により法人として成立すると、マンション敷地売却に参加しない旨を回答した区分所有者(反対者)に対して、組合は区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができます。(同法第124条)

*分配金取得計画の決定
  これが、改正されたマンション建替え法の特徴です。

  組合員(区分所有者)は、各人ごとに決められた
分配金取得計画に従って組合から分配金を受け取り、期日までにマンションを明渡します。(同法第140条以下)
 借家権者は、組合から補償金を受取、こちらも、期日までに出て行きます。

 これにより、マンションに住んでいた人たちの権利は、全て組合に集約されます。

 このあと、組合が買受人(デベロッパーなど)にマンションと敷地を売却し、買受人がマンションを除却し、新しい建物を建てることになります。


 


★ここから、過去の出題問題です。 (その他の問題は、目指せ! マンション管理士・管理業務主任者業務へ のページから過去の問題の解説をご利用ください。

{設問-1} マンション建替組合(以下「建替組合」という。)が行うマンション建替事業に関する次の記述のうち、マンションの建替えの円滑化等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。

1 2以上の建替え決議マンションがある場合、それらの建替え合意者(区分所有法に基づく建替え決議の内容によりマンションの建替えに合意をしたとみなされた者をいう。)は、一つの建替組合を設立して、マンション建替事業を行うことができる。


答え:正しい。マンション建替え円滑化法第9条6項によれば、
「二以上の建替え決議マンション(建替え決議に係るマンションであって一括建替え決議マンション群に属さないものをいう。以下同じ。)若しくは一括建替え決議マンション群又は一以上の建替え決議マンション及び一括建替え決議マンション群に係る建替え合意者等は、五人以上共同して、第一項の規定による認可を申請することができる。この場合において、第二項の規定は建替え決議マンションごとに、第四項の規定は一括建替え決議マンション群ごとに、適用する。」とあり、
二以上の建替え決議マンションに係る建替え合意者等は、五人以上共同して、第一項の規定による(設立の)認可を申請することができる。

2 建替組合がマンション建替事業を行う場合、施行マンション及び施行再建マンションは、5戸以上の住戸を有し、かつ、地上3階以上の区分所有された建物でなくてはならない。

答え:間違いである。マンション建替え円滑化法第12条4・5・6・7号
「四  施行マンションの住戸の数が、国土交通省令で定める数以上であること。
 五  施行マンションの住戸の規模、構造及び設備の状況にかんがみ、その建替えを行うことが、マンションにおける良好な居住環境の確保のために必要であること。
 六  施行再建マンションの住戸の数が、国土交通省令で定める数以上であること。
 七  施行再建マンションの住戸の規模、構造及び設備が、当該住戸に居住すべき者の世帯構成等を勘案して国土交通省令で定める基準に適合するものであること。」とあり、
認可の基準において同施行規則13条から15条では、
(法第十二条第四号 の国土交通省令で定める施行マンションの住戸の数)
第十三条  法第十二条第四号 の国土交通省令で定める施行マンションの住戸の数は、五とする。
(法第十二条第六号 の国土交通省令で定める施行再建マンションの住戸の数)
第十四条  法第十二条第六号 の国土交通省令で定める施行再建マンションの住戸の数は、五とする。
(法第十二条第七号 の国土交通省令で定める住戸の規模、構造及び設備の基準)
第十五条  法第十二条第七号 の国土交通省令で定める施行再建マンションの住戸の規模、構造及び設備の基準は次のとおりとする。
 一  各戸が床面積(施行再建マンションの共用部分の床面積を除く。以下この号において同じ。)五十平方メートル(現に同居し、又は同居しようとする親族(婚姻の届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者その他婚姻の予約者を含む。以下この号において同じ。)がない者の居住の用に供する住戸にあっては、二十五平方メートル)以上であり、かつ、二以上の居住室を有するものであること。ただし、居住すべき者の年齢、所得その他の特別の事情によりやむを得ないと認められる住戸(現に同居し、又は同居しようとする親族がない者の居住の用に供するものを除く。)にあっては、当該住戸の床面積を三十平方メートル以上とすることができる。
 二  建築基準法 (昭和二十五年法律第二百一号)第二条第九号の二 イに掲げる基準に適合する建築物又は独立行政法人住宅金融支援機構の業務運営並びに財務及び会計に関する省令 (平成十九年財務省・国土交通省令第一号)第三十九条第三項 に規定する準耐火構造の建築物であること。
 三  各戸が台所、水洗便所、収納設備、洗面設備及び浴室を備えたものであること。」とあり、
定めているのは両マンションとも5戸以上且つ施行再建マンションでは50u以上・耐火準耐火構造・各戸が台所、水洗便所、収納設備、洗面設備及び浴室を備えたものであること、であり地上3階以上の階数の規制はない。

3 建替組合が隣接地を取り込んでマンション建替事業を行う場合、その設立の認可を申請するに当たっては、あらかじめ、隣接施行敷地となる土地の所有者の同意を得なければならない。

答え:間違いである。マンション建替え円滑化法第12条3号「施行再建マンションの敷地とする隣接施行敷地に建築物その他の工作物が存しないこと又はこれに存する建築物その他の工作物を除却し、若しくは移転することができることが確実であること。」とあり、 また、同法施行規則3条1項4号「施行再建マンションの敷地とする隣接施行敷地がある場合においては、当該隣接施行敷地に建築物その他の工作物が存しないこと又はこれに存する建築物その他の工作物を除却し、若しくは移転することができることが確実であることを証する書類 」とあり 同意を得るの規定はない。

4 都道府県知事は、建替組合の設立の認可申請があった場合、当該事業計画を2週間公衆の縦覧に供しなければならない。

答え:間違いである。マンション建替え円滑化法第11条1項によれば、「都道府県知事は、第九条第一項の規定による認可の申請があったときは、施行マンションとなるべきマンションの敷地(これに隣接する土地を合わせて施行再建マンションの敷地とする場合における当該土地(以下「隣接施行敷地」という。)を含む。)の所在地の市町村長に、当該事業計画を二週間公衆の縦覧に供させなければならない。ただし、当該申請に関し明らかに次条各号のいずれかに該当しない事実があり、認可すべきでないと認めるときは、この限りでない。」とあり、 縦覧を行うのは市町村長。

正解: 1 (選択肢2の施行規則については、細かいけど、注意のこと。)


{設問-2}マンションの建替えの円滑化に関する法律(以下建替え円滑化法という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 建替え円滑化法における「マンション」とは、2以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分のあるものをいう。

答え:正しい。(建替え円滑化法第2条第1項)
    「第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一  マンション 二以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分のあるものをいう。 」とあり、
設問のとおりに定義されている。なお、これは、マンションの管理の適正化に関する法律でのマンションの定義と同様である。

2 マンションの建替組合を法人とするか否かは、組合の任意である。

答え:間違いである。(建替え円滑化法第6条第1項)
   「第六条 1項 組合は、法人とする。 」とあり、マンション建替組合は、すべて法人とする旨の規定がある。
   設問は、「組合の任意」としており間違いである。

3 マンション建替組合には、役員として理事3人以上及び監事2人以上を置かなければならず、理事の互選により理事長1人を置く。

答え:正しい。(建替え円滑化法第20条)
   「(役員)
第二十条1項 組合に、役員として、理事三人以上及び監事二人以上を置く。
2 項 組合に、役員として、理事長一人を置き、理事の互選によりこれを定める。 」とあり、
設問のとおりに規定されている。

4 マンション建替組合の組合員の数が50人を超える場合には、総会に代ってその権限を行わせるために総代会を設けることができる。

答え:正しい。(建替え円滑化法第31条第1項)
   「(総代会)
第三十一条  組合員の数が五十人を超える組合は、総会に代わってその権限を行わせるために総代会を設けることができる。 」とあり、
設問のとりに規定されている。

正解: 2


{設問-3} マンション建替組合に関する次の記述のうち、マンションの建替えの円滑化等に関する法律(以下建替え円滑化法という。)の規定によれば、正しいものはどれか。

1 マンション建替組合の設立の認可を申請しようとする者は、組合の設立について建替え合意者の4/5以上の同意を得なければならない。

答え:間違いである。建替え円滑化法第9条2項によれば、「2  前項の規定による認可を申請しようとする建替え合意者は、組合の設立について、建替え合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第三十八条 の議決権の合計が、建替え合意者の同条 の議決権の合計の四分の三以上となる場合に限る。)を得なければならない。 」とあり、
合意者の3/4以上の同意でいい。4/5以上はいらない。

2 マンション建替組合の組合員には、建替え合意者でなければなることはできない。

答え:間違いである。建替え円滑化法第16条「(組合員)
第十六条  施行マンションの建替え合意者等(その承継人(組合を除く。)を含む。)は、すべて組合の組合員とする。
2  マンションの一の専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を一人の組合員とみなす。 」とある。また、17条によれば「(参加組合員)
第十七条  前条に規定する者のほか、組合が施行するマンション建替事業に参加することを希望し、かつ、それに必要な資力及び信用を有する者であって、定款で定められたものは、参加組合員として、組合の組合員となる。 」とあり、 マンション建替組合の組合員には、建替え合意者の承継人のほか、参加を希望する資力のあるディベロッパーなどの外部の参加組合員も含まれる。

3 区分所有法に基づく一括建替え決議に係る一括建替え合意者は、都道府県知事の認可を受けなけば、マンション建替組合を設立することができない。

答え:正しい。建替え円滑化法第9条4項によれば、「第一項の規定による認可を申請しようとする一括建替え合意者は、組合の設立について、一括建替え合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第七十条第二項 において準用する区分所有法第六十九条第二項 の議決権の合計が、一括建替え合意者の同項 の議決権の合計の四分の三以上となる場合に限る。)及び一括建替え決議マンション群(一括建替え決議に係る団地内の二以上のマンションをいう。以下同じ。)を構成する各マンションごとのその区分所有権を有する一括建替え合意者の三分の二以上の同意(各マンションごとに、同意した者の区分所有法第三十八条 の議決権の合計が、それぞれその区分所有権を有する一括建替え合意者の同条 の議決権の合計の三分の二以上となる場合に限る。)を得なければならない。」とあり、
建替組合は都道府県知事の認可で設立され、区分所有法に基づく一括建替え決議に係る一括建替え合意者の場合も同様。

4 マンション建替組合の設立の際に定める事業計画は、特別の事情があるときは必ずしも建替え決議の内容に適合したものでなくてもよい。

答え:間違いである。建替え円滑化法第10条2項によれば、「事業計画は、建替え決議又は一括建替え決議(以下「建替え決議等」という。)の内容に適合したものでなければならない。」とあり、
建替え決議の内容に適合したものでなければならない。

正解: 3


{設問-4} 平成23年 マンション管理士試験 「問19」

〔問 19〕マンション建替組合(この問いにおいて「建替組合」という。)が施行するマンション建替事業における権利変換計画に関する次の記述のうち、マンションの建替えの円滑化等に関する法律の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 建替組合は、権利変換計画の認可を申請しようとするときは、権利変換計画について、あらかじめ、総会の議決を経るとともに組合員以外の施行マンション又はその敷地について権利を有する者の同意を得なければならない。

○ 正しい。 
  マンション建替え法の中でも、権利変換手続きは重要な箇所です。
 設問はマンション建替え円滑化法第57条2項
 「(権利変換計画の決定及び認可)
  第五十七条  施行者は、前条の規定による手続に必要な期間の経過後、遅滞なく、権利変換計画を定めなければならない。この場合においては、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けなければならない。
   2  施行者は、前項後段の規定による認可を申請しようとするときは、権利変換計画について、あらかじめ、組合にあっては総会の議決を経るとともに施行マンション又はその敷地について権利を有する者(組合員を除く。)及び隣接施行敷地がある場合における当該隣接施行敷地について権利を有する者の同意を得、個人施行者にあっては施行マンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)について権利を有する者の同意を得なければならない。ただし、次に掲げる者については、この限りでない。
     一  区分所有法第六十九条 の規定により同条第一項 に規定する特定建物である施行マンションの建替えを行うことができるときは、当該施行マンションの所在する土地(これに関する権利を含む。)の共有者である団地内建物の区分所有法第六十五条 に規定する団地建物所有者(以下単に「団地建物所有者」という。)
     二  その権利をもって施行者に対抗することができない者
   3  前項の場合において、区分所有権等以外の権利を有する者から同意を得られないときは、その同意を得られない理由及び同意を得られない者の権利に関し損害を与えないようにするための措置を記載した書面を添えて、第一項後段の規定による認可を申請することができる。
   4  第二項の場合において、区分所有権等以外の権利を有する者を確知することができないときは、その確知することができない理由を記載した書面を添えて、第一項後段の規定による認可を申請することができる。」とあり、
 2項に該当しています。


2 建替組合は、権利変換計画について施行マンションの借家権を有する者から同意を得られないときは、同意を得られない理由及びその権利に関し損害を与えないようにするための措置を記載した書面を添えて、権利変換計画の認可を申請することができる。

○ 正しい? 設問は、選択肢1で引用しました、マンション建替え円滑化法第57条3項
 「3  前項の場合において、区分所有権等以外の権利を有する者から同意を得られないときは、その同意を得られない理由及び同意を得られない者の権利に関し損害を与えないようにするための措置を記載した書面を添えて、第一項後段の規定による認可を申請することができる。」です。
 ここでの、借家権とは、建物の賃借権です(同法2条15号)。また、区分所有権とは区分所有法第2条1項
 「1項 この法律において「区分所有権」とは、前条に規定する建物の部分(第四条第二項の規定により共用部分とされたものを除く。)を目的とする所有権をいう。」とあり、
「区分所有権」とは、建物の専有部分(単独所有できる部分)を目的とした「所有権」のことで、賃借を目的とした借家権ではありませんから、設問の箇所「区分所有権等以外の権利を有する者」に「借家権を有する者」は該当しますから、正しい。

X 誤っている。 マンション建替え円滑化法第57条3項
   「3  前項の場合において、区分所有権等以外の権利を有する者から同意を得られないときは、その同意を得られない理由及び同意を得られない者の権利に関し損害を与えないようにするための措置を記載した書面を添えて、第一項後段の規定による認可を申請することができる。」とあり、
ここでの、「区分所有権等以外の権利」の定義として、同法第45条
 「(施行の認可)
  第四十五条
 第五条第二項の規定によりマンション建替事業を施行しようとする者は、一人で施行しようとする者にあっては規準及び事業計画を定め、数人共同して施行し ようとする者にあっては規約及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、そのマンション建替事業について都道府県知事の認可を受けなければな らない。
   2 前項の規定による認可を申請しようとする者は、その者以外に施行マンションとなるべきマンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)について権利を 有する者があるときは、事業計画についてこれらの者の同意を得なければならない。ただし、その権利をもって認可を申請しようとする者に対抗することができ ない者については、この限りでない。
   3 前項の場合において、施行マンションとなるべきマンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。以下この項において同じ。)について権利を有する者のうち、区分所有権、敷地利用権、敷地の所有権及び借地権並びに借家権以外の権利(以下「区分所有権等以外の権利」という。)を有する者から同意を得られないとき、又はその者を確知することができないときは、その同意を得られない理由又は確知することができない理由を記載した書面を添えて、第一項の規定による認可を申請することができる。
   4 第九条第七項の規定は、第一項の規定による認可について準用する。」とあり、
3項によれば、「区分所有権等以外の権利」とは、「区分所有権、敷地利用権、敷地の所有権及び借地権並びに借家権以外の権利」で、設問の「借家権を有する者」は除外されていますから、間違いです。(2012年 1月24日、松本様のサゼッションにより、追記。松本様、有難うございました。)(しかし、個人施行者の条文(第45条)の途中にある定義条項から、建替組合の正誤を出題するとは、まったく、不適切な出題と言わざるを得ない!)


3 建替組合において、権利変換計画について総会の議決があったときは、建替組合は、当該議決に賛成しなかった組合員に対し、当該議決があった日から2月以内に、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。

○ 正しい。 ここは、マンション建替え円滑化法第64条1項
 「(権利変換計画に関する総会の議決に賛成しなかった組合員に対する売渡し請求等)
  第六十四条  組合において、権利変換計画について総会の議決があったときは、組合は、当該議決があった日から二月以内に、当該議決に賛成しなかった組合員に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。 」とあり、該当しています。


4 権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、施行マンションの敷地利用権は失われ、施行再建マンションの敷地利用権は新たに当該敷地利用権を与えられるべき者が取得する。

○ 正しい。 ここは、マンション建替え円滑化法第70条1項 
 「(敷地に関する権利の変換等)
  第七十条  権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、施行マンションの敷地利用権は失われ、施行再建マンションの敷地利用権は新たに当該敷地利用権を与えられるべき者が取得する。
   2  権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、隣接施行敷地の所有権又は借地権は、失われ、又はその上に施行再建マンションの敷地利用権が設定される。
   3  権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、保留敷地に関しては、当該保留敷地についての従前の施行マンションの敷地利用権が所有権であるときはその所有権を、借地権であるときはその借地権を、施行者が取得する。
   4  施行マンションの敷地及び隣接施行敷地に関する権利で前三項及び第七十三条の規定により権利が変換されることのないものは、権利変換期日以後においても、なお従前の土地に存する。この場合において、権利変換期日前において、これらの権利のうち地役権又は地上権の登記に係る権利が存していた敷地利用権が担保権等の登記に係る権利の目的となっていたときは、権利変換期日以後においても、当該地役権又は地上権の登記に係る権利と当該担保権等の登記に係る権利との順位は、変わらないものとする。」とあり、
1項に該当しています。


答え:ない。 (選択肢2や、他の箇所を何度も読み返したが、誤っている選択肢がない! 2012年 1月24日:  に変更。根拠がやっと分かった。) 


{設問-5} 平成25年 マンション管理士試験 「問19」

〔問19〕 マンション建替組合(この問いにおいて「建替組合」という。)が施行するマンション建替事業に関する次の記述のうち、マンションの建替えの円滑化等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。

1  建替組合の設立の認可を申請しようとする者は、組合の設立について、建替え合意者の3/4以上の同意を得るほか、施行マンション又はその敷地について権利を有する者(組合員を除く。)の同意を得なければならない。

X 誤りである。 設立の認可の申請なら、建替え合意者の3/4以上の同意だけでいい。 
 
 建替組合の設立の認可の申請は、マンション建替え円滑化法第9条
 「(設立の認可)
 第九条  区分所有法第六十四条 の規定により区分所有法第六十二条第一項 に規定する建替え決議(以下単に「建替え決議」という。)の内容によりマンションの建替えを行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該建替え決議の内容により当該マンションの建替えを行う旨の同意をしたものを含む。以下「建替え合意者」という。)は、五人以上共同して、定款及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長。以下「都道府県知事等」という。)の認可を受けて組合を設立することができる。
   2  前項の規定による認可を申請しようとする建替え合意者は、組合の設立について、建替え合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第三十八条 の議決権の合計が、建替え合意者の同条 の議決権の合計の四分の三以上となる場合に限る。)を得なければならない
   3  区分所有法第七十条第四項 において準用する区分所有法第六十四条 の規定により一括建替え決議の内容によりマンションの建替えを行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該一括建替え決議の内容により当該マンションの建替えを行う旨の同意をしたものを含む。以下「一括建替え合意者」という。)は、五人以上共同して、第一項の規定による認可を受けて組合を設立することができる。
   4  第一項の規定による認可を申請しようとする一括建替え合意者は、組合の設立について、一括建替え合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第七十条第二項 において準用する区分所有法第六十九条第二項 の議決権の合計が、一括建替え合意者の同項 の議決権の合計の四分の三以上となる場合に限る。)及び一括建替え決議マンション群(一括建替え決議に係る団地内の二以上のマンションをいう。以下同じ。)を構成する各マンションごとのその区分所有権を有する一括建替え合意者の三分の二以上の同意(各マンションごとに、同意した者の区分所有法第三十八条 の議決権の合計が、それぞれその区分所有権を有する一括建替え合意者の同条 の議決権の合計の三分の二以上となる場合に限る。)を得なければならない。
   5  前各項の場合において、マンションの一の専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を一人の建替え合意者又は一括建替え合意者(以下「建替え合意者等」という。)とみなす。
   6  二以上の建替え決議マンション(建替え決議に係るマンションであって一括建替え決議マンション群に属さないものをいう。以下同じ。)若しくは一括建替え決議マンション群又は一以上の建替え決議マンション及び一括建替え決議マンション群に係る建替え合意者等は、五人以上共同して、第一項の規定による認可を申請することができる。この場合において、第二項の規定は建替え決議マンションごとに、第四項の規定は一括建替え決議マンション群ごとに、適用する。
   7  第一項の規定による認可の申請は、施行マンションとなるべきマンションの所在地が町村の区域内にあるときは、当該町村の長を経由して行わなければならない。 」とあり、

 第9条2項により、建替え合意者の四分の三以上の同意を得れば設立の認可申請ができますから、誤りです。なお、権利変換計画の決定に当たっては、施行マンション又はその敷地について権利を有する者(組合員を除く。)の同意も必要です(マンション建替え円滑化法第57条)。



2  建替組合は、権利変換計画の認可を申請しようとするときは、権利変換計画について、あらかじめ、組合員全員の同意を得なければならない。

X 誤りである。 全員の同意まではいらない。総会の多数決議(ただし、4/5以上)でいい。 
 まず、権利変換計画の認可を申請しようとするときは、マンション建替え円滑化法第57条
 「(権利変換計画の決定及び認可)
 第五十七条  施行者は、前条の規定による手続に必要な期間の経過後、遅滞なく、権利変換計画を定めなければならない。この場合においては、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けなければならない。
   2  施行者は、前項後段の規定による認可を申請しようとするときは、権利変換計画について、あらかじめ、組合にあっては
総会の議決を経るとともに施行マンション又はその敷地について権利を有する者(組合員を除く。)及び隣接施行敷地がある場合における当該隣接施行敷地について権利を有する者の同意を得、個人施行者にあっては施行マンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)について権利を有する者の同意を得なければならない。ただし、次に掲げる者については、この限りでない。
     一  区分所有法第六十九条 の規定により同条第一項 に規定する特定建物である施行マンションの建替えを行うことができるときは、当該施行マンションの所在する土地(これに関する権利を含む。)の共有者である団地内建物の区分所有法第六十五条 に規定する団地建物所有者(以下単に「団地建物所有者」という。)
     二  その権利をもって施行者に対抗することができない者
   3  前項の場合において、区分所有権等以外の権利を有する者から同意を得られないときは、その同意を得られない理由及び同意を得られない者の権利に関し損害を与えないようにするための措置を記載した書面を添えて、第一項後段の規定による認可を申請することができる。
   4  第二項の場合において、区分所有権等以外の権利を有する者を確知することができないときは、その確知することができない理由を記載した書面を添えて、第一項後段の規定による認可を申請することができる。」とあり、
 第57条2項により、総会の決議が必要です。

 そこで、総会の決議は、マンション建替え円滑化法第27条
 「(総会の決議事項)
 第二十七条  次に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない
     一  定款の変更
     二  事業計画の変更
     三  借入金の借入れ及びその方法並びに借入金の利率及び償還方法
     四  経費の収支予算
     五  予算をもって定めるものを除くほか、組合の負担となるべき契約
     六  賦課金の額及び賦課徴収の方法
     七  権利変換計画及びその変更
     八  第九十四条第一項又は第三項の管理規約
     九  組合の解散
     十  その他定款で定める事項」とあり、

 第27条7号により、確かに、総会の決議事項です。
 では、どの程度の議決権が必要かというと、マンション建替え円滑化法第30条
 「(特別の議決)
 第三十条  第二十七条第一号及び第二号に掲げる事項のうち政令で定める重要な事項並びに同条第八号及び第九号に掲げる事項は、組合員の議決権及び持分割合(組合の専有部分が存しないものとして算定した施行マンションについての区分所有法第十四条 に定める割合(一括建替え合意者のみにより設立された組合にあっては、組合の持分が存しないものとして算定した施行マンションの敷地(これに関する権利を含む。)の持分の割合)をいう。第三項において同じ。)の各四分の三以上で決する。
   2  権利変換期日以後における前項の規定の適用については、同項中「組合の」とあるのは「組合及び参加組合員の」と、「施行マンション」とあるのは「施行再建マンション」とする。
   3  第二十七条第七号に掲げる事項は、組合員の議決権及び持分割合の各五分の四以上で決する。」とあり、

 第30条3項により、権利変換計画については、他の議決要件よりも厳しい、組合員の議決権及び持分割合の各五分の四以上で決することができます。しかし、組合員全員の同意までは不要で、誤りです。



3  施行マンションを占有していた者は、定められた権利変換期日においてその権限を失い、直ちに建替組合に明け渡さなければならない。

X 誤りである。 明け渡しは直ちにではない。
  設問の前半、「施行マンションを占有していた者は、定められた権利変換期日においてその権限を失い」は、マンション建替え円滑化法第71条
 「(施行マンションに関する権利の変換)
 第七十一条  権利変換期日において、施行マンションは、施行者に帰属し、施行マンションを目的とする区分所有権以外の権利は、この法律に別段の定めがあるものを除き、消滅する
   2  施行再建マンションの区分所有権は、第八十一条の建築工事の完了の公告の日に、権利変換計画の定めるところに従い、新たに施行再建マンションの区分所有権を与えられるべき者が取得する。
   3  施行マンションについて借家権を有していた者(その者が更に借家権を設定していたときは、その借家権の設定を受けた者)は、第八十一条の建築工事の完了の公告の日に、権利変換計画の定めるところに従い、施行再建マンションの部分について借家権を取得する。」とあり、
 第71条1項により、正しい。

 設問の後半、 「直ちに建替組合に明け渡さなければならない」は、マンション建替え円滑化法第80条
 「(施行マンション等の明渡し)
 第八十条  施行者は、権利変換期日後マンション建替事業に係る工事のため必要があるときは、施行マンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)を占有している者に対し、期限を定めて、その明渡しを求めることができる
   2  前項の規定による明渡しの期限は、同項の請求をした日の翌日から起算して三十日を経過した後の日でなければならない
   3  第五十八条第三項の規定は、同項の相当の期限を許与された区分所有者に対する第一項の規定による明渡しの期限について準用する。
   4  第一項の規定による明渡しの請求があった者は、明渡しの期限までに、施行者に明け渡さなければならない。ただし、第七十五条の補償金の支払を受けるべき者について同条の規定による支払若しくは第七十六条の規定による供託がないとき、第十五条第一項(第三十四条第四項において準用する場合を含む。)若しくは第六十四条第一項(第六十六条において準用する場合を含む。)若しくは区分所有法第六十三条第四項 (区分所有法第七十条第四項 において準用する場合を含む。)の規定による請求を受けた者について当該請求を行った者による代金の支払若しくは提供がないとき、又は第六十四条第三項(第六十六条において準用する場合を含む。)の規定による請求を行った者について当該請求を受けた者による代金の支払若しくは提供がないときは、この限りでない。 」とあり、

 第80条1項によれば、「マンション建替事業に係る工事のため必要があるときは、施行マンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)を占有している者に対し、期限を定めて、その明渡しを求めることができる」とあり、全ての占有者が直ちに、明け渡すものではないため、誤りです。
 また同条2項の「明渡しの期限は、請求をした日の翌日から起算して30日を経過した後の日でなければならない」も参考にしてください。



4  権利変換手続開始の登記があった後においては、当該登記に係る施行マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する建替組合の組合員は、これらの権利を処分するときは、建替組合の承認を得なければならない。

○ 正しい。 
 権利変換手続開始の登記は、不動産取引の安全と権利変換手続きを円滑に進めるために行います。これは、マンション建替え円滑化法第55条
 「(権利変換手続開始の登記)
 第五十五条  施行者は、次に掲げる公告があったときは、遅滞なく、登記所に、施行マンションの区分所有権及び敷地利用権(既登記のものに限る。)並びに隣接施行敷地の所有権及び借地権(既登記のものに限る。)について、権利変換手続開始の登記を申請しなければならない。
     一  組合が施行するマンション建替事業にあっては、第十四条第一項の公告又は新たな施行マンションの追加に係る事業計画の変更の認可の公告
     二  個人施行者が施行するマンション建替事業にあっては、その施行についての認可の公告又は新たな施行マンションの追加に係る事業計画の変更の認可の公告
   2  前項の登記があった後においては、当該登記に係る施行マンションの区分所有権若しくは敷地利用権を有する者(組合が施行するマンション建替事業にあっては、組合員に限る。)又は当該登記に係る隣接施行敷地の所有権若しくは借地権を有する者は、これらの権利を処分するときは、国土交通省令で定めるところにより、施行者の承認を得なければならない
   3  施行者は、事業の遂行に重大な支障が生ずることその他正当な理由がなければ、前項の承認を拒むことができない。
   4  第二項の承認を得ないでした処分は、施行者に対抗することができない。
   5  権利変換期日前において第三十八条第六項、前条第三項において準用する第四十九条第一項又は第九十九条第三項の公告があったときは、施行者(組合にあっては、その清算人)は、遅滞なく、登記所に、権利変換手続開始の登記の抹消を申請しなければならない。」とあり、

 第55条2項により、 当該登記に係る施行マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する建替組合の組合員は、これらの権利を処分するときは、建替組合の承認を得なければならなりませんから、正しい。



答え:4 


{設問-6} 平成26年 マンション管理士試験 「問19」

〔問 19〕 マンション建替組合(この問いにおいて「建替組合」という。)が施行するマンション建替事業に関する次の記述のうち、マンションの建替えの円滑化等に関する法律(この問いにおいて「マンション建替法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。

1 総会は、総組合員の3分の2以上の出席がなければ議事を開くことができず、その議事は、マンション建替法に特別の定めがある場合を除くほか、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。


X 誤っている。 総会は総組合員の半数以上で開催できる。 マンションの建替えの円滑化等に関する法律からも例年1問は出題されるから、眼を通しておくこと。
 
 総会の議事は、マンションの建替えの円滑化等に関する法律第29条
 「(総会の議事等)
 第二十九条  
総会は、総組合員の半数以上の出席がなければ議事を開くことができず、その議事は、この法律に特別の定めがある場合を除くほか、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる
   2  議長は、総会において選任する。
   3  議長は、組合員として総会の議決に加わることができない。ただし、次条の規定による議決については、この限りでない。
   4  総会においては、前条第六項の規定によりあらかじめ通知した会議の目的である事項についてのみ議決することができる。」
 とあり、
 1項によれば、総会は、総組合員の半数以上の出席があれば、開催できますから、総会は、総組合員の3分の2以上の出席がなければ議事を開くことができずは、誤りです。



2 施行再建マンションの建築工事が完了したときは、遅滞なく、施行再建マンション及び施行再建マンションに関する権利について、当該施行再建マンションの区分所有権を与えられた者が必要な登記を申請しなければならない。

X 誤っている。 権利の登記は、纏めて施工者がする。 マンションの区分所有権を与えられた者ではない。
 設問の登記は、マンションの建替えの円滑化等に関する法律第82条
 「(施行再建マンションに関する登記)
 第八十二条  
施行者は、施行再建マンションの建築工事が完了したときは、遅滞なく、施行再建マンション及び施行再建マンションに関する権利について必要な登記を申請しなければならない
   2  施行再建マンションに関する権利に関しては、前項の登記がされるまでの間は、他の登記をすることができない。」
 とあり、
 1項によれば、必要な権利の登記をするのは、施行者(建替組合)ですから、マンションの区分所有権を与えられた者は、誤りです。



3 建替組合は、その事業に要する経費に充てるため、賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができる。

○ 正しい。
 賦課金の徴収は、マンションの建替えの円滑化等に関する法律第35条
 「(経費の賦課徴収)
 第三十五条  
組合は、その事業に要する経費に充てるため、賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができる。
   2  賦課金の額は、組合員の有する施行マンション(権利変換期日以後においては、施行再建マンション)の専有部分の位置、床面積等を考慮して公平に定めなければならない。
   3  組合員は、賦課金の納付について、相殺をもって組合に対抗することができない。
   4  組合は、組合員が賦課金の納付を怠ったときは、定款で定めるところにより、その組合員に対して過怠金を課することができる。 」
 とあり、
 1項によれば、正しい。



4 建替組合は、権利変換計画を定めるときは、審査委員の3分の2以上の同意を得なければならない。

X 誤っている。 審査委員の過半数の同意でいい。3分の2以上はいらない。
 権利変換計画を定めるときは、マンションの建替えの円滑化等に関する法律第67条
 「(審査委員の関与)
 第六十七条  
施行者は、権利変換計画を定め、又は変更しようとするとき(国土交通省令で定める軽微な変更をしようとする場合を除く。)は、審査委員の過半数の同意を得なければならない。」 とあり、
 審査委員の過半数の同意でよく、3分の2以上の同意は、誤りです。


 なお、審査委員は、3人以上で構成されます。参考同第37条
 「(審査委員)
  第三十七条
   組合に、この法律及び定款で定める権限を行わせるため、
審査委員三人以上を置く。
   2 審査委員は、土地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者のうちから総会で選任する。
   3 前二項に規定するもののほか、審査委員に関し必要な事項は、政令で定める。」
 


答え:3。 新しい条文から出ている。条文を知っているかどうかです。


{設問-7} 平成27年 マンション管理士試験 「問19」
● マンションの建替え等の円滑化に関する法律は、平成26年12月24日施行で、出題のマンション敷地売却組合などの規定の改正(追加)があったので、注意のこと。


〔問 19〕 マンション敷地売却組合(この問いにおいて「組合」という。)が施行するマンション敷地売却事業に関する次の記述のうち、マンションの建替え等の円滑化に関する法律の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 組合設立の認可を申請しようとするマンション敷地売却合意者は、組合の設立について、マンション敷地売却合意者の4/5以上の同意を得なければならない。

X 誤っている。 マンション敷地売却組合の設立では、3/4 の同意でいい。4/5は不要。
  
 平成26年 マンション管理士試験 「問19」 など、マンションの建替えの円滑化等に関する法律からも例年1問は出題されるから、眼を通しておくこと。
 別途、マンションの建替えの円滑化等に関する法律を要約したサイトもありますから、利用してください。


  区分所有法による「建替え決議」の後を受けて、マンションの建替え等の円滑化に関する法律が制定されていましたが、地震大国:日本では過去だけでなく、将来大きな地震が起きることが想定されています。
 そこで、平成25年には、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」が改正され、また、平成26年6月25日交付、平成26年12月24日施行で「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」を一部改正して、この法律内に、耐震性不足のマンションの建替え等の円滑化を図るべく、多数決によりマンション及びその敷地を売却することを可能とする制度を創設する等の措置を講じています。
 改正の概要は、以下のとおりです。
   (1)
耐震性不足の認定を受けたマンションについては、区分所有者等の4/5以上の賛成で、マンション及びその敷地の売却を行う旨を決議できることとする
   (2) 決議に係るマンションを買い受けようとする者は、決議前に、当該マンションに係る買受計画を作成し、都道府県知事等の認定を受けることができることとし、決議で定める買受人は、当該認定を受けた者でなければならないこととする。
   (3)
決議合意者は、決議合意者等の3/4以上の同意で、都道府県知事等の認可を受けてマンション及びその敷地の売却を行う組合を設立できることとする
   (4) 組合は、決議に反対した区分所有者に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すことを請求できることとする。
   (5) 都道府県知事等の認可を受けた分配金取得計画で定める権利消滅期日に、マンション及びその敷地利用権は組合に帰属し、当該マンション及びその敷地利用権に係る借家権及び担保権は消滅することとする。
   (6) 組合は、権利消滅期日までに、決議に合意した区分所有者に分配金を支払うとともに、借家権者に対して補償金を支払うこととする。
   (7) 耐震性不足の認定を受けたマンションの建替えにより新たに建築されるマンションで、一定の敷地面積を有し、市街地環境の整備・改善に資するものについて、
特定行政庁の許可により容積率制限を緩和することとする

 大きな特徴としては、区分所有者等の4/5以上の賛成で、マンション及びその敷地の売却を行う旨を決議できること と、特定行政庁の許可により容積率制限を緩和すること でしょうか。

 これを踏まえ、設問は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第120条

 「(設立の認可)
 第百二十条  第百八条第十項において読み替えて準用する区分所有法第六十四条の規定によりマンション敷地売却決議の内容によりマンション敷地売却を行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該マンション敷地売却決議の内容により当該マンション敷地売却を行う旨の同意をしたものを含む。以下「マンション敷地売却合意者」という。)は、五人以上共同して、定款及び資金計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けて組合を設立することができる。
 2  前項の規定による
認可を申請しようとするマンション敷地売却合意者は、組合の設立について、マンション敷地売却合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第三十八条の議決権の合計がマンション敷地売却合意者の同条の議決権の合計の四分の三以上であり、かつ、同意した者の敷地利用権の持分の価格の合計がマンション敷地売却合意者の敷地利用権の持分の価格の合計の四分の三以上となる場合に限る。)を得なければならない
 3  前二項の場合において、マンションの一の専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を一人のマンション敷地売却合意者とみなす。 」 
とあり、
 マンションの建替え等の円滑化に関する法律第120条2項によれば、マンション敷地売却組合の設立は、マンション敷地売却合意者の3/4以上の同意でできますから、4/5以上の同意を得なければならないは誤りです。



2 マンションの一つの専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を1人の組合員とみなす。

○ 正しい。
 組合員については、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第125条
 「(組合員)
 第百二十五条  売却マンションのマンション敷地売却合意者(その承継人(組合を除く。)を含む。)は、全て組合の組合員とする。
 2  
マンションの一の専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を一人の組合員とみなす。
 3  第十八条及び第十九条の規定は、組合の組合員について準用する。この場合において、第十八条第一項及び第二項中「第九条第一項」とあるのは「第百二十条第一項」と、同条第一項中「第十四条第一項」とあるのは「第百二十三条第一項」と、「並びに建替え合意者等である組合員又は参加組合員の別その他」とあるのは「その他」と、第十九条中「施行マンション」とあるのは「売却マンション」と読み替えるものとする。 」 
とあり、
 マンションの建替え等の円滑化に関する法律第125条2項によれば、マンションの一の専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を一人の組合員とみなす、は正しい。

 この規定は、区分所有法でも同様です。


3 組合には、役員として、理事3人以上及び監事2人以上を置く。

○ 正しい。 理事は3人以上、監事は2人以上。
 組合の役員は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第126条
 「(役員)
 第百二十六条  
組合に、役員として、理事三人以上及び監事二人以上を置く
 2  組合に、役員として、理事長一人を置き、理事の互選によりこれを定める。
   第二十一条から第二十五条まで(同条第一項後段を除く。)の規定は、組合の役員について準用する。この場合において、第二十二条第一項中「三年」とあるのは、「一年」と読み替えるものとする。 」
 とあり、
 マンションの建替え等の円滑化に関する法律第126条1項によれば、組合には、役員として、理事3人以上及び監事2人以上を置く、は正しい。

 監事の数が2人以上に注意。


4 組合員の数が50人を超える組合は、総会に代わってその権限を行わせるために総代会を設けることができる。

○ 正しい。

 組合員が多いときは、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第131条

 「(総代会)
 第百三十一条  
組合員の数が五十人を超える組合は、総会に代わってその権限を行わせるために総代会を設けることができる
 2  総代会は、総代をもって組織するものとし、総代の定数は、組合員の総数の十分の一を下らない範囲内において定款で定める。ただし、組合員の総数が二百人を超える組合にあっては、二十人以上であることをもって足りる。
 3  総代会が総会に代わって行う権限は、次の各号のいずれかに該当する事項以外の事項に関する総会の権限とする。
   一  理事及び監事の選挙又は選任
   二  前条の規定に従って議決しなければならない事項
 4  第二十八条第一項から第四項まで及び第六項並びに第二十九条(第三項ただし書を除く。)の規定は組合の総代会について、第三十一条第五項の規定は総代会が設けられた組合について、それぞれ準用する。」 
とあり、
 マンションの建替え等の円滑化に関する法律第131条1項によれば、 組合員の数が50人を超える組合は、総会に代わってその権限を行わせるために総代会を設けることができる、は正しい。



答え:1

 マンションの建替え等の円滑化に関する法律の改正された条文からの出題です。 改正点を知らなくても、区分所有法やマンションの建替え等の円滑化に関する法律での組合の設立から、決議合意者等の3/4以上の同意で可能は、選べたか?

《タグ》マンションの建替え等の円滑化に関する法律。 敷地売却組合、設立、役員、総代会


{設問-8} 平成28年 マンション管理士試験 「問19」

〔問 19〕マンション敷地売却組合(この問いにおいて「組合」という。)が施行するマンション敷地売却事業に関する次の記述のうち、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成 14 年法律第 78 号)の規定によれば、正しいものはどれか。

1 総会の決議において、定款の変更のうち政令で定める重要な事項及び組合の解散についての事項は、組合員の議決権及び敷地利用権の持分の価格の各 4分の 3以上で決する。


〇 正しい。
 平成27年 マンション管理士試験 「問19」 。
 
 マンションの建替え等の円滑化に関する法律は、平成26年に新しく、マンション敷地売却組合の規定等が追加されています。
 総会の決議は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第128条
 「
(総会の決議事項)
 第百二十八条  次に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない。
   
一  定款の変更
   二  資金計画の変更
   三  借入金の借入れ及びその方法並びに借入金の利率及び償還方法
   四  経費の収支予算
   五  予算をもって定めるものを除くほか、組合の負担となるべき契約
   六  賦課金の額及び賦課徴収の方法
   七  分配金取得計画及びその変更
   八  組合の解散
   九  その他定款で定める事項 」

 とあり、第128条1号の「定款の変更」については、また別の規定 第130条があります。
 
「(特別の議決)
 第百三十条  
第百二十八条第一号に掲げる事項のうち政令で定める重要な事項及び同条第八号に掲げる事項は、組合員の議決権及び敷地利用権の持分の価格の各四分の三以上で決する。

 とあり、
 定款の変更のうち政令で定める重要な事項及び組合の解散についての事項は、組合員の議決権及び敷地利用権の持分の価格の各 4分の 3以上で決しますから、正しい。



2 審査委員は、士地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者のうちから都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長。以下「都道府県知事等」という。)が選任する。

X 誤っている。 審査委員は総会で選任する。 都道府県知事ではない。
 こんな規定までは知りませんが、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第136条に
 「(審査委員)
 第百三十六条  組合に、この法律及び定款で定める権限を行わせるため、審査委員三人以上を置く。
 
2  審査委員は、土地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者のうちから総会で選任する
 3  前二項に規定するもののほか、審査委員に関し必要な事項は、政令で定める。」

 とあり、
 第136条2項によれば、 審査委員は総会で選任するとのことで、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長。以下「都道府県知事等」という。)が選任するは、誤りです。



3 マンション敷地売却合意者は、 5人以上共同して、定款及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けて組合を設立することができる。

X 誤っている。 定款及び”事業計画”ではなく、定款及び”資金計画”。
 さらっと読むと、正しいと思えますが、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第120条
 「(設立の認可)
 第百二十条  第百八条第十項において読み替えて準用する区分所有法第六十四条の規定によりマンション敷地売却決議の内容によりマンション敷地売却を行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該マンション敷地売却決議の内容により当該マンション敷地売却を行う旨の同意をしたものを含む。以下「マンション敷地売却合意者」という。)は、
五人以上共同して、定款及び資金計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けて組合を設立することができる。
 2  前項の規定による認可を申請しようとするマンション敷地売却合意者は、組合の設立について、マンション敷地売却合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第三十八条の議決権の合計がマンション敷地売却合意者の同条の議決権の合計の四分の三以上であり、かつ、同意した者の敷地利用権の持分の価格の合計がマンション敷地売却合意者の敷地利用権の持分の価格の合計の四分の三以上となる場合に限る。)を得なければならない。
 3  前二項の場合において、マンションの一の専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を一人のマンション敷地売却合意者とみなす。」

 とあり、
 第120条1項によれば、「五人以上共同して、定款及び
”資金計画”を定め」であり、「定款及び”事業計画”を定め」は、誤りです。


4 組合員及び総代は、書面又は代理人をもって、議決権及び選挙権を行使することができる。

X 誤りである。 総代は書面だけ。
 ここも、まったく正しいと思いますが、総代に代理人が認められるか、から少しは分かる。
 マンションの建替え等の円滑化に関する法律第133条
 「(議決権及び選挙権)
 第百三十三条  組合員及び総代は、定款に特別の定めがある場合を除き、各一個の議決権及び選挙権を有する。
 
2  組合員は書面又は代理人をもって、総代は書面をもって、議決権及び選挙権を行使することができる。
 3  組合と特定の組合員との関係について議決をする場合には、その組合員は、議決権を有しない。
 4  第二項の規定により議決権及び選挙権を行使する者は、第百二十九条及び第百三十一条第四項において準用する第二十九条第一項の規定の適用については、出席者とみなす。
 5  代理人は、同時に五人以上の組合員を代理することができない。
 6  代理人は、代理権を証する書面を組合に提出しなければならない。」

 とあり、
 第133条2項によれば、
 @組合員は書面又は代理人をもって、
 
A総代は書面をもって
 議決権及び選挙権を行使することができる、とあり、総代が議決権や選挙権を行使するには、書面だけで、代理人は認められていませんから、 組合員及び総代は、書面又は代理人をもって、議決権及び選挙権を行使することができるは、誤りです。



答え:1

《タグ》マンションの建替え等の円滑化に関する法律。 総会の決議。 審査委員の選任。 議決権の行使。
 知らない条文からの出題で、しかも、もっともらしい文章で正誤の判断が難しい。でも、選択肢3のような出題方法は、隅を突っつく出題で、出題者としてのプライドを欠いた方法で、実に不適切な出題です。

 *ある受験生の感想:選択肢4を選んだ。〇候補として選択肢1及び肢4があり肢4としたが肢1が正解。円滑化法では「組合員は書面又は代理人をもって、総代は書面をもって、議決権及び選挙権を行使することができる」とあり、総代は代理人を指定して議決権を行使できない。当たり前ではあるが見落とした。

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更新記録
2017年 4月25日:平成28年の出題を入れた。
2016年 3月19日:WINDOWS 10 にした。
2016年 3月 6日:一部文章を見直した。また、平成27年の出題年を入れた。
2016年 2月12日:平成26年12月施行の改正点(敷地売却制度)を入れた。
2015年 2月18日;一部を改正し、平成26年の出題を入れた。
2014年 2月22日:平成25年の出題記入。
2013年 3月28日:平成24年の出題記入。
2012年 3月22日:平成23年の出題記入。
2011年 8月28日:解説に追記。
2011年 1月20日:平成22年の出題年記入、など。

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