マンション生活での相談は、「マンション管理士 香川事務所」へ。

平成28年(2016年) マンション管理士 試験問題 及び 解説

ページ2(問26より問50まで)

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謝辞:当問題の作成にあたっては、高井様及び吉田様のご協力を戴いております。
テキスト文への変更など、ご助力を心から感謝いたします。

「マンション管理士 香川事務所」 より。

※ 出題当時以後の法令等の改正には、一部は対応していません。

*試験に臨んで、お節介なアドバイス
  1.設問にあわせて、問題用紙に 〇(まる)、X(ばつ)をつける。
    殆どの設問が、「正しい」か「間違い」かを訊いてきますので、設問により、問題の頭に、〇かXをつけます。
    そして、各選択肢を読み、〇かXをつけます。
    問題の〇なりXと、選択肢の〇かXが一致したものを、マークシートに記入してください。

  2.疑問な問題は、とりあえず飛ばす。
    解答の時間は限られています。
    そこで、解答として、〇かXかはっきりしないものがでたら、「?」マークをつけて、次の問題に移ります。
    全部の解答が終わってから、再度戻って決定してください。

  3.複雑な問は、図を描く。
    甲、乙、A、B、Cなど対象が多い問題もでます。
    この場合、問題用紙の空いているところに、図を描いてください。
    重要な点が分かってきます。

(出題者からの注意) 

次の注意事項をよく読んでから、始めてください。
(注意)
1 これは試験問題です。問題は、 1ページから 28 ページまでの 50 問です。
2 試験開始の合図と同時に、問題のページ数を確認してください。
 もし落Tや乱丁があった場合は、ただちに試験監督員に申し出てください。
 また、法律等の略称及び用語の定義について、裏面の記載を確認してください。
3 答は、別の解答用紙に記入してください。
 解答用紙に記入する際は、解答用紙の注意事項をよく読み、所定の要領で記入してください。
4 答は、各問題とも 1つだけです。
 2つ以上の解答をしたもの、判読が困難なものは、正解としません。
5 問題中法令等に関する部分は、平成 28 年4月1日現在施行中の規定に基づいて出題されています。

問題の中で使用している主な法律等の略称及び用語の定義については、以下のとおりとします。
・「区分所有法」………………… 建物の区分所有等に関する法律 (昭和 37 年法律第 69 号)
・「マンション管理適正化法」… マンションの管理の適正化の推進に関する法律 (平成 12 年法律第 149 号)
・「標準管理規約」……………… マンション標準管理規約(単棟型)及びマンション標準管理規約コメント(単棟型) (平成 28 年 3月14 日国士交通省土地建設産業局長・同住宅局長通知)
・「マンション」………………… 「マンション管理適正化法第 2条第 1号イに規定するマンション」をいう。
・「管理組合」…………………… 「区分所有法第 3条に規定する区分所有者の団体」をいう。

解説者(マンション管理士 香川)からのコメント:あやふやな出題、適切でない出題もあって、解答ができないのもあります。

※  ・マンションの管理の適正化に関する指針(国土交通省告示第490号)及びマンション標準管理規約は、平成28年3月に改正があったので注意のこと。
   ・マンション標準管理委託契約書は、平成28年7月に改正があり、平成29年度の試験から出題適用となるので注意のこと。
   
   マンション標準管理規約は、平成16年に改正があった。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。
   マンション標準管理委託契約書は、平成15年に改正があった。また、平成22年5月にも改正があった。

問26

*本問の解説においては、高井憲彦様のご協力を得ています。高井様有り難うございます。
〔問 26〕マンションの区分所有者が、自己の所有する専有部分の修繕を行う場合に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか。

1 理事長の承認を受けて専有部分の設備交換にあわせて専有部分に属する配管(枝管)の取替え工事を行う場合において、共用部分内に係る工事については、管理組合が当該工事を実施するよう理事長に要請しなければならない。

X 適切でない。 専有部分に属する配管(枝管)の取替え工事を行う場合、関係する共用部分の工事も理事長承認でできる。
  平成28年 マンション管理士試験 「問29」 選択肢3 も参考に。
 
 下手な設問で、一体何を論点としたいのか、不明ですが、多分、専有部分内での配管は、共用部分とも連続して繋がっているために、その際、共用部分の工事は管理組合が負担するのか、それとも申請者ができるのか、ということでしょうか。

 専有部分の修繕は、標準管理規約17条
 「(専有部分の修繕等)
 第17条  区分所有者は、その専有部分について、修繕、模様替え又は建物に定着する物件の取付け若しくは取替え(以下「修繕等」という。)
であって共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれのあるものを行おうとするときは、あらかじめ、理事長(第35条に定める理事長をいう。以下同じ。)にその旨を申請し、書面による承認を受けなければならない。
 2  前項の場合において、区分所有者は、設計図、仕様書及び工程表を添付した申請書を理事長に提出しなければならない。
 3  理事長は、第1項の規定による申請について、
理事会(第51条に定める理事会をいう。以下同じ。)の決議により、その承認又は不承認の決議を決定しなければならない。
 
4  第1項の承認があったときは、区分所有者は、承認の範囲内において、専有部分の修繕等に係る共用部分の工事を行うことができる。
 5  理事長又はその指定を受けた者は、本条の施行に必要な範囲内において、修繕等の箇所に立ち入り、必要な調査を行うことができる。この場合において、区分所有者は、正当な理由がなければこれを拒否してはならない。
 6  第1項の承認を受けた修繕等の工事後に、当該工事により共用部分又は他の専有部分に影響が生じた場合は、当該工事を発注した区分所有者の責任と負担により必要な措置をとらなければならない。
 7  区分所有者は、第1項の承認を要しない修繕等のうち、工事業者の立入り、工事の資機材の搬入、工事の騒音、振動、臭気等工事の実施中における共用部分又は他の専有部分への影響について管理組合が事前に把握する必要があるものを行おうとするときは、あらかじめ、理事長にその旨を届け出なければならない。」

 とあり、
 標準管理規約17条4項によれば、理事長の承認があれば、専有部分と関係する共用部分の工事も可能ですから、管理組合が共用部分の工事を実施するよう理事長に要請することは不要で、適切ではありません。

 なお、コメント 第17条関係
 「③ 本条は、配管(配線)の枝管(枝線)の取付け、取替え工事に当たって、共用部分内に係る工事についても、理事長の承認を得れば、区分所有者が行うことができることも想定している。」
 ともあります。

 (注:
緑字が平成28年3月の改正箇所です。)

 高井様の解説:
 X 不適切である。
 標準管理規約第21条第2項では「専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる」 と規定されており、また、同条コメント⑧では下記のようにコメントされており設問は不適切です。
この事項は、平成28年3月の改正はなく、平成22年マンション管理士試験の問26 選択肢3に類似の出題がある。

 第21条のコメント⑧項
 配管の清掃等に要する費用については、第27条第三号の「共用設備の保守維持費」として管理費を充当することが可能であるが、配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである。


2 共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれがない専有部分に係る修繕工事であれば、工事の実施に際し管理組合や理事長に対し特段の手続をとる必要はない。

X 適切でない。 承認が不要な場合でも、工事業者の出入り等が絡むと、届け出ること。
 平成28年3月の改正点。

 選択肢1で引用しました、標準管理規約17条7項
 「
7  区分所有者は、第1項の承認を要しない修繕等のうち、工事業者の立入り、工事の資機材の搬入、工事の騒音、振動、臭気等工事の実施中における共用部分又は他の専有部分への影響について管理組合が事前に把握する必要があるものを行おうとするときは、あらかじめ、理事長にその旨を届け出なければならない。
 とあり、
 共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれがない専有部分に係る修繕工事であっても、工事業者が出入りしたり、騒音や振動などが発生するなど他の居住者への影響が考えられる場合には、管理組合や理事長に届けるべきで、工事の実施に際し管理組合や理事長に対し特段の手続をとる必要はないは、適切ではありません。

 高井様の解説:
 X 不適切である。
 標準管理規約第17条(専用部分の修繕等)1項に「共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれのあるものを行おうとするときは、あらかじめ、理事長にその旨を申請し、書面による承認を受けなければならない」と規定されており設問は不適切です。
 なお、設問の共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれがない専有部分に係る修繕工事かどうかは、最終的には建築士等の専門家の意見を聞くなどの協力を得ることを考慮するようにコメントされており、個人で判断せず管理組合への手続きをとる必要があると解釈すべきです。
なお、同条コメント及び標準管理規約別添2には具体的な事例や考え方が紹介されており参照してください。


3 専有部分の修繕工事の申請に対して、理事長が、理事会の決議に基づき承認又は不承認を決定する場合、理事の過半数の承諾があれば、書面又は電磁的方法により理事会の決議を行うことができる。

〇 適切である。 工事申請等の承認・不承認に限り、理事は集まらなくても理事会として決議できる。
 平成28年 マンション管理士試験 「問30」 選択肢3 でも出ている。
 平成28年3月の改正点。
 

 標準管理規約54条によれば、通常、理事会は、以下の事項を理事会を開催して決議します。
 「(議決事項)
 第54条  理事会は、この規約に別に定めるもののほか、次の各号に掲げる事項を決議する。
     一  収支決算案、事業報告案、収支予算案及び事業計画案
     二  規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止に関する案
     三  長期修繕計画の作成又は変更に関する案
     四  その他の総会提出議案
     
五  第17条、第21条及び第22条に定める承認又は不承認
     六  第58条第3項に定める承認又は不承認
     七  第60条第
項に定める未納の管理費等及び使用料の請求に関する訴訟その他法的措置の追行
     八  第67条に定める勧告又は指示等
     九  総会から付託された事項
     
十  災害等により総会の開催が困難である場合における応急的な修繕工事の実施等
 
2  第48条の規定にかかわらず、理事会は、前項第十号の決議をした場合においては、当該決議に係る応急的な修繕工事の実施に充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩しについて決議することができる。
 そこで、設問の 専有部分の修繕等の承認・不承認は標準管理規約17条の規定ですから、標準管理規約54条1項5号に該当しています。

 また、理事会での会議の方法は、標準管理規約53条
 「(理事会の会議及び議事)
 第53条  理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決する。
 
2  次条第1項第五号に掲げる事項については、理事の過半数の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議によることができる。
 3  前2項の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない。

 〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕
   (ア)電磁的方法が利用可能ではない場合
 4 議事録については、第49条(第4項を除く。)の規定を準用する。ただし、第49条第2項中「総会に出席した組合員」とあるのは「理事会に出席した理事」と読み替えるものとする。

 (イ)電磁的方法が利用可能な場合
 4 議事録については、第49条(第6項を除く。)の規定を準用する。ただし、第49条第3項中「総会に出席した組合員」とあるのは「理事会に出席した理事」と読み替えるものとする。」
 とあり、
 標準管理規約53条1項によれば、原則:理事会は理事が集まり、出席して初めて成立しますが、もう今どきのEメールが使える時代では、多忙な理事たちが簡単な事項まで集まって決議しなくてもいいのではと、国土交通省の人が考えて、平成28年3月の標準管理規約に追加しました。
 それが、標準管理規約53条2項の
 「
2  次条第1項第五号に掲げる事項については、理事の過半数の承諾があるときは、”書面又は電磁的方法”による決議によることができる。」 です。
 設問の「専有部分の修繕工事の申請に対して、理事長が、理事会の決議に基づき承認又は不承認を決定する場合」なら、標準管理規約53条2項の「次条1項5号(54条1項5号)の 「
第17条(専有部分の修繕等)、第21条(敷地及び共用部分等の管理)及び第22条(窓ガラス等の改良)に定める承認又は不承認」に該当していますから、理事の過半数の承諾があれば、書面又は電磁的方法(Eメール等)により理事会の決議を行うことができ、適切です。
 ただし、原則として、理事会は理事が集まって開くことが前提(理事会で討議すること)で、書面や電磁的な方法によることは、例外規定であることに注意してください。

 高井様の解説: 
 ○ 適切である。正解
 標準管理規約で平成28年3月に新たに追加された事項で第53条第2項に「専有部分の修繕工事等の申請は理事会を開催せず書面又は電磁的方法により承認、不承認の決議ができる」と規定されており設問は適切です
 その理由として同条コメント⑥に「第54条第1項第五号に掲げる事項(専有部分の修繕工事申請等)については、申請数が多いことが想定され、かつ、迅速な審査を要するものであることから、書面又は電磁的方法(電子メール等)による決議を可能とするものである」とコメントされています。
 ここは平成28年3月の改正で追加されたものです。

  (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


4 理事長の承認を受けて専有部分の修繕工事が実施されたが、その後に工事による影響が共用部分に生じた場合には、当該工事を発注した区分所有者は、当該影響を排除するための措置を講ずべき責任を負う必要はない。

X 適切でない。 その後であっても、責任は、工事をした区分所有者にある。
 
平成28年3月の改正点。

 当然といえば、当然ですが、修繕工事後に共用部分や他の区分所有者の専有部分にその工事が原因で影響が発生すれば、選択肢1で引用しました、標準管理規約17条6項
 「
6  第1項の承認を受けた修繕等の工事後に、当該工事により共用部分又は他の専有部分に影響が生じた場合は、当該工事を発注した区分所有者の責任と負担により必要な措置をとらなければならない。
 とあり、
 その後に工事による影響が共用部分に生じた場合には、当該工事を発注した区分所有者は、当該影響を排除するための措置を講ずべき責任を負う必要がありますから、責任を負う必要はないは、適切ではありません。

 高井様の解説:
 X 不適切である。
 専有部分の修繕工事終了後の影響に関しては標準管理規約第17条第6項に「承認を受けた修繕等の工事後に、当該工事により共用部分又は他の専有部分に影響が生じた場合は、当該工事を発注した区分所有者の責任と負担により必要な措置をとらなければならない」(第17条全文は選択肢1の解説で記載) と規定されており設問は不適切です。
 この規定は平成28年3月の改正で追加されたものであり、同条コメントにも下記のとおり記載があります。

 第17条コメント⑪項
 ⑪ 第6項は、第1項の承認が、修繕等の工事の結果、共用部分又は他の専有部分に生じた事後的な影響について、当該工事を発注した区分所有者の責任や負担を免責するものではないことを確認的に定める趣旨である。 なお、工事を発注する場合には、工事業者と協議した上で、契約書に事後的な影響が生じた場合の責任の所在と補償等についても明記することが 適切である。
 また、管理組合等が専有部分の修繕の記録を保管しておくため、工事業者から工事完了報告書等を提出させることも考えられる。


  (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


答え:3

《タグ》 標準管理規約。 平成28年3月の改正点。 専有部分の修繕工事。 電磁的方法による理事会の決議。 修繕工事後の責任。

 標準管理規約は、平成28年3月に大幅な改正があり、平成28年度のマンション管理士及び管理業務主任者試験では改正箇所が出題の対象として取り上げられると、私が警告した箇所からの出題でした。
 通常、出題者は、出題範囲である法律や標準管理規約、
標準管理委託契約(平成28年7月改正あり)など関係の範囲で改正があると、過去の問題文にとらわれずに作れるので、安易に飛びつきます。本当に、安易な出題方法ですね。

 高井様のコメント:選択肢3が適切であるとの結論を得るには平成28年3月改正の標準管理規約のコメントまで読み込んでおく必要があります。

 従来、理事会は書面又は電磁的方法による決議ができないとされていましたが、平成28年3月の改正でこの制限が一部緩和されました。どのような場合に緩和されたのかを知っておく必要があります。
問27

*本問の解説においては、高井憲彦様のご協力を得ています。高井様有り難うございます。


〔問 27〕暴力団の排除について規約を定める場合、標準管理規約によれば、適切でないものは次のうちどれか。

1 専有部分の用途として、暴力団事務所としての使用や、暴力団員を反復して出入りさせる等の行為について禁止すること

〇 適切である。
 平成28年3月の改正点。

 マンション生活において規約(管理規約)はそのマンションでの憲法とも言えるほどの拘束力を持ちます。
 しかし、何でもかんでも規約に規定できるかというと問題があります。
 規約で定められるのは、建物又はその敷地若しくは附属施設の
 ①管理 と 
 ②使用についてだけ です。「公序良俗(民法第90条)」や「強行規定」に反しなければ、規約で設定できます。
 
 そこで、標準管理規約12条
 「(専有部分の用途)
 
第12条  区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。」
 とあり、一応 、標準管理規約は個人の権利に関わる専有部分の用途を「住宅専用」に限定していますが、これは妥当だと、判断されています。
 では、規約に暴力団の排除を規定できるかということですが、現実的には、マンションを購入する際に、自ら「私は暴力団員です」と申し出る人は殆どいなく、また、購入後も他の区分所有者となんらトラブルを起こしていない場合まで排除するという規定が正当であるのかの論点があります。しかし、標準管理規約を作成した国土交通省の人は、以下のコメントをしています。
 
 「コメント 第 12 条関係
 ① 住宅としての使用は、専ら居住者の生活の本拠があるか否かによって判断する。したがって利用方法は、生活の本拠であるために必要な平穏さを有することを要する。
 
② 暴力団の排除のため、暴力団事務所としての使用や、暴力団員を反復して出入りさせる等の行為について禁止する旨の規定を追加することも考えられる。」
 そこで、標準管理規約 コメント 第 12 条関係②によれば、専有部分の用途として、暴力団事務所としての使用や、暴力団員を反復して出入りさせる等の行為について禁止することは、適切となります。


 高井様の解説:
 ○ 適切である。
  暴力団に関する規定は平成28年3月の改正での重要なポイントであり、第12条だけでなくコメントにその取扱いの留意点が詳細に記載されています。
 標準管理規約第12条のコメント②に上記のとおりコメントされています。平成28年3月の改正で追加された事項です。

  (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


2 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から 2年を経過しない者は役員にはなれないとすること

X 適切ではない。 規約では暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者。2年ではない。
 
平成28年3月の改正点。

 マンションの管理組合の役員になり手がいない現実から、マンション管理士など外部の専門家を役員にする場合を想定して、平成28年3月に改正された標準管理規約の36条の2 の規定
 「
(役員の欠格条項)
 第36条の2  次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
     一  成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
     二  禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
     三  暴力団員等(暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者をいう。)

 が、あります。
 標準管理規約36条の2 3号によれば、暴力団員又は暴力団員でなくなった日から
5年を経過しない者は、役員にはなれず、設問の”2年”を経過ではないため、適切ではありません。
 しかし、どのようにして、その人が暴力団員だとか、暴力団員でなくなった日が分かるのでしょうか。役員候補者は詳細な履歴書の提示でも義務付けられているのでしょうか。まったく、表面的な規定で笑ってしまいます。
 標準管理規約の改正に携わった人は真剣に考えたのなら、もっと現実的な根拠を示し、規定すべきです。

 高井様の解説:
 X 不適切である。(正解)
 標準管理規約第36条の2(役員の欠格事項)に上記のとおり規定されています。役員になれない期間が2年ではなく5年が適切です。平成28年3月の改正で追加された事項です。
 
  (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


3 賃借人が暴力団員であることが判明した場合において、区分所有者が賃貸借契約を解約しないときは、管理組合は、区分所有者に代理し、解約権を行使することができるとすること

〇 適切である。
 この設問も、平成28年3月の改正で追加された箇所です。

 それは、標準管理規約19条の2
 「〔※専有部分の貸与に関し、暴力団員への貸与を禁止する旨の規約の規定を定める場合〕
 「(暴力団員の排除)
 第19条の2  区分所有者は、その専有部分を第三者に貸与する場合には、前条に定めるもののほか、次に掲げる内容を含む条項をその貸与に係る契約に定めなければならない。
     一  契約の相手方が暴力団員(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第六号に規定する暴力団員をいう。以下同じ。)ではないこと及び契約後において暴力団員にならないことを確約すること。
     二  契約の相手方が暴力団員であることが判明した場合には、何らの催告を要せずして、区分所有者は当該契約を解約することができること。
     三  区分所有者が前号の解約権を行使しないときは、管理組合は、区分所有者に代理して解約権を行使することができること。
 2  前項の場合において、区分所有者は、前項第三号による解約権の代理行使を管理組合に認める旨の書面を提出するとともに、契約の相手方に暴力団員ではないこと及び契約後において暴力団員にならないことを確約する旨の誓約書を管理組合に提出させなければならない。

 とあり、
 標準管理規約19条の2 によれば、原則:賃借人が暴力団員であれば、賃貸人は賃貸借契約を解除でき、3号及び2項によれば、賃貸借契約の当事者でない管理組合でも賃貸借契約の解除ができるという、代理権の範囲として論争をよぶ規定があります。そこで、あくまでも、標準管理規約での世界ですが、賃借人が暴力団員であることが判明した場合において、区分所有者が賃貸借契約を解約しないときは、管理組合は、区分所有者に代理し、解約権を行使することができるとすることは、一応適切です。

 高井様の解説: 
 ○ 適切である。
 標準管理規約第19条の2(暴力団員の排除)として上記のとおり規定されており、また、同条コメントは、選択肢4にありますので参考にしてください。
 平成28年3月の改正で追加された事項です。

 (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


4 専有部分の貸与に関し、暴力団員への貸与を禁止することに加え、暴力団関係者、準構成員等についても貸与を禁止すること

〇 適切である。
 もう、平成28年3月に改正された標準管理規約の不備は、置いといて、
 選択肢3で引用しました標準管理規約19条の2 のコメント
 「
コメント 第19条の2関係
 ① 第19条の2は、専有部分の貸与に関し、暴力団員への貸与を禁止する旨の規約の規定を定める場合の規定例である。
なお、必要に応じ、暴力団員だけでなく、暴力団関係者や準構成員等を追加する場合は、その範囲について、各都道府県が定めている暴力団排除条例などを参考に規定することが考えられる。
 第19条の2第1項第二号又は同項第三号の前提となる区分所有者の解約権は、区分所有者と第三者との間の契約における解除原因に係る特約を根拠とするものであり、管理組合は、区分所有者から当該解約権行使の代理権の授与を受けて(具体的には同条第2項に規定する解約権の代理行使を認める書面の提出を受ける。)、区分所有者に代理して解約権を行使する。管理組合の解約権の代理行使は、理事会決議事項とすることも考えられるが、理事会で決定することを躊躇するケースもあり得ることから、総会決議によることが望ましい。

 により、
 標準管理規約19条の2 での専有部分の暴力団への貸借禁止に加え、「必要に応じ、暴力団員だけでなく、暴力団関係者や準構成員等を追加する場合」もあるようですから、適切です。

 高井様の解説: 
 ○ 適切である
 標準管理規約第19条の2関係コメント①項で「暴力団関係者や準構成員等を追加する場合は、その範囲について、各都道府県が定めている暴力団排除条例などを参考に規定することが考えられる」とのコメントから類推して選択肢の「暴力団関係者、準構成員等についても貸与を禁止すること」は適切と判断してもよいでしょう。
 ここは平成28年3月の改正で追加された事項です。

 (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


答え:2  あくまでも、平成28年3月に改正された標準管理規約での世界での解答です。

《タグ》標準管理規約。 改正点。 暴力団の排除規定。

 法律でなく、たかが、国土交通省の役人が作成したマンション生活での参考版にしかすぎない「標準管理規約」において、規定として妥当か、法律上他の専門家の意見も取り入れる必要があるのに、規定を改正したなら、疑点があっても、構わず出題していいものだろうか? 

 国家試験として不適切な、出題です。

 高井様のコメント:暴力団に関する規定は平成28年3月の改正の重要なポイントであり、改正規約第12条や第19条に追加された規定やコメントなど詳細な事項まで出題されております。よく読み込んでおく必要があります。

問28

*本問の解説においては、高井憲彦様のご協力を得ています。高井様有り難うございます。


〔問 28〕災害等の緊急時における管理組合又は区分所有者の対応に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。

1 災害等により総会の開催が困難である場合に、応急的な修繕工事の実施について理事会決議をしたときは、工事の実施に充てるため修繕積立金の取崩しについては理事会決議で行うことができるが、資金の借入れについては総会決議が必要である。

X 適切でない。 災害での応急工事は理事会の決議ででき、この際の費用は借り入れたり、また修繕積立金からの取り崩しも理事会の決議だけでできる。 総会決議は不要。
 平成28年3月に改正された標準管理規約では、災害対応もあります。

 それが理事会の決議事項に追加されています。
 具体的には、標準管理規約54条
 「(議決事項)
 第54条  理事会は、この規約に別に定めるもののほか、次の各号に掲げる事項を決議する。
     一  収支決算案、事業報告案、収支予算案及び事業計画案
     二  規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止に関する案
     三  長期修繕計画の作成又は変更に関する案
     四  その他の総会提出議案
     五  第17条、
第21条及び第22条に定める承認又は不承認
     六  第58条第3項に定める承認又は不承認
     七  第60条第
項に定める未納の管理費等及び使用料の請求に関する訴訟その他法的措置の追行
     八  第67条に定める勧告又は指示等
     九  総会から付託された事項
     
十  災害等により総会の開催が困難である場合における応急的な修繕工事の実施等
 2  第48条の規定にかかわらず、理事会は、前項第十号の決議をした場合においては、当該決議に係る応急的な修繕工事の実施に充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩しについて決議することができる。

 とあり、
 標準管理規約54条10号及び2項によれば、48条(総会による決議が必要な事項)の例外として、理事会の決議だけで「
災害等により総会の開催が困難である場合における応急的な修繕工事の実施等を行ったとき」は、当該決議に係る応急的な修繕工事の実施に充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩しについて決議することができますから、総会の決議は不要で、適切ではありません。

 高井様の解説: 
 X 不適切である。正解
 標準管理規約第54条第2項に「理事会は応急的な修繕工事の実施に充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩しについて決議することができる」と規定されており設問は不適切です。
  なお、応急的な修繕工事の実施等については同条コメントが選択肢4にありますから、参考にしてください。
 平成28年3月の改正で追加された事項です。

 (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


2 台風で住戸の窓ガラスが割れた場合には、専有部分への雨の吹き込みを防ぐため、当該専有部分の区分所有者は、理事長の承認を受けなくても、割れたものと同様の仕様の窓ガラスに張り替えることができる。

〇 適切である。
  この設問も、平成28年3月の改正で追加された箇所です。

 まず窓ガラスは、共用部分であることを認識してください。それは、標準管理規約7条2項3号に規定されています。
 「(専有部分の範囲)
 第7条  対象物件のうち区分所有権の対象となる専有部分は、住戸番号を付した住戸とする。
 2  前項の専有部分を他から区分する構造物の帰属については、次のとおりとする。
     一  天井、床及び壁は、躯体部分を除く部分を専有部分とする。
     二  玄関扉は、錠及び内部塗装部分を専有部分とする。
     
三  窓枠及び窓ガラスは、専有部分に含まれないものとする
 3  第1項又は前項の専有部分の専用に供される設備のうち共用部分内にある部分以外のものは、専有部分とする。」
 その共用部分である窓ガラスの管理は、
 標準管理規約21条
 「(敷地及び共用部分等の管理)
 第21条  敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の
保存行為(区分所有法第18条第1項ただし書の「保存行為」をいう。以下同じ。)のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。
 2  専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる。
 
3  区分所有者は、第1項ただし書の場合又はあらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けた場合を除き、敷地及び共用部分等の保存行為を行うことができない。ただし、専有部分の使用に支障が生じている場合に、当該専有部分を所有する区分所有者が行う保存行為の実施が、緊急を要するものであるときは、この限りでない。
 4  前項の申請及び承認の手続については、第17条第2項、第3項、第5項及び第6項の規定を準用する。ただし、同条第5項中「修繕等」とあるのは「保存行為」と、同条第6項中「第1項の承認を受けた修繕等の工事後に、当該工事」とあるのは「第21条第3項の承認を受けた保存行為後に、当該保存行為」と読み替えるものとする。
 5  第3項の規定に違反して保存行為を行った場合には、当該保存行為に要した費用は、当該保存行為を行った区分所有者が負担する。
 6  理事長は、災害等の緊急時においては、総会又は理事会の決議によらずに、敷地及び共用部分等の必要な保存行為を行うことができる。

 とあり、
 原則として共用部分の管理は管理組合がその責任と負担においてこれを行いますが、設問のような「風で住戸の窓ガラスが割れた場合」には、標準管理規約21条3項に該当し、区分所有者が行う緊急時の「保存行為」として、理事長の承認を受けなくても、割れたものと同様の仕様の窓ガラスに張り替えることができますから、適切です。

 参考:コメント 第21条関係
 
⑨ 第3項ただし書は、例えば、台風等で住戸の窓ガラスが割れた場合に、専有部分への雨の吹き込みを防ぐため、割れたものと同様の仕様の窓ガラスに張り替えるというようなケースが該当する。

 高井様の解説:  
 ○ 適切である。
 標準管理規約第21条第3項に上記のとおり「共用部分の保存行為は、事前に理事長に申請して承認を受けなければ行うことができないが、緊急を要する場合はこの限りでない」と規定されており適切です。
 なお、同条のコメント⑨項に上記のとおりコメントがあります。
 平成28年3月の改正で追加された事項です。

 
 (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


3 理事長は、災害等の緊急時においては、総会又は理事会の決議によらずに、敷地及び共用部分等の必要な保存行為を行うことができ、そのために必要な支出を行うこともできる。

〇 適切である。
  
この設問も、平成28年3月の改正で追加された箇所です。

 管理組合における支出は重大な事項ですから、標準管理規約58条
 「(収支予算の作成及び変更)
 第58条 
理事長は、毎会計年度の収支予算案を通常総会に提出し、その承認を得なければならない
 2  収支予算を変更しようとするときは、理事長は、その案を臨時総会に提出し、その承認を得なければならない。
 3  理事長は、第56条に定める会計年度の開始後、第1項に定める承認を得るまでの間に、以下の各号に掲げる経費の支出が必要となった場合には、理事会の承認を得てその支出を行うことができる。
     一  第27条に定める通常の管理に要する経費のうち、経常的であり、かつ、第1項の承認を得る前に支出することがやむを得ないと認められるもの
     二  総会の承認を得て実施している長期の施工期間を要する工事に係る経費であって、第1項の承認を得る前に支出することがやむを得ないと認められるもの
 4  前項の規定に基づき行った支出は、第1項の規定により収支予算案の承認を得たときは、当該収支予算案による支出とみなす。
 
5  理事会が第54条第1項第十号の決議をした場合には、理事長は、同条第2項の決議に基づき、その支出を行うことができる。
 6  理事長は、第21条第6項の規定に基づき、敷地及び共用部分等の保存行為を行う場合には、そのために必要な支出を行うことができる。

 とあり、
 支出に際しては、原則:総会の承認が必要ですが、災害対応として、標準管理規約58条6項
 「6  理事長は、第21条第6項の規定に基づき、敷地及び共用部分等の保存行為を行う場合には、そのために必要な支出を行うことができる。」
 とあり、
 引用されています、第21条第6項の規定とは、選択肢2で説明しました、
 「6 
理事長は、災害等の緊急時においては、総会又は理事会の決議によらずに、敷地及び共用部分等の必要な保存行為を行うことができる。」
です。
 そこで、標準管理規約58条6項によれば、理事長は、災害等の緊急時においては、総会又は理事会の決議によらずに、敷地及び共用部分等の必要な保存行為を行うことができ、そのために必要な支出を行うこともできますから、適切です。


 高井様の解説: 
 ○ 適切である。
 上記選択肢2で解説した通り標準管理規約第21条第6号で「災害等の緊急時においては総会又は理事会の決議によらずに、敷地及び共用部分等の必要な保存行為を行うことができる。」規定されている。
 また、標準管理規約第58条(収支予算の作成及び変更)の第6項に「理事長は、第21条第6項の規定に基づき、敷地及び共用部分等の保存行為を行う場合には、そのために必要な支出を行うことができる」と規定されており併せて設問は適切です。
 平成28年3月の改正で追加された事項です。

 (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


4 災害等により総会の開催が困難である場合には、理事会の決議で、給水・排水、電気、ガス、通信といったライフライン等の応急的な更新を実施することができる。

〇 適切である。
 この設問も、平成28年3月の改正で追加された箇所です。

 選択肢1で引用しました標準管理規約54条1項10号
 「
十  災害等により総会の開催が困難である場合における応急的な修繕工事の実施等
 のコメントとして、
 「コメント 第54条関係
 ① 第1項第十号の「災害等により総会の開催が困難である場合における応急的な修繕工事の実施等」の具体的内容については、次のとおりである。
   ア)緊急対応が必要となる災害の範囲としては、地震、台風、集中豪雨、竜巻、落雷、豪雪、噴火などが考えられる。なお、「災害等」の「等」の例としては、災害と連動して又は単独で発生する火災、爆発、物の落下などが該当する。
   イ)「総会の開催が困難である場合」とは、避難や交通手段の途絶等により、組合員の総会への出席が困難である場合である。
   ウ)「応急的な修繕工事」は、保存行為に限られるものではなく、二次被害の防止や生活の維持等のために緊急対応が必要な、共用部分の軽微な変更(形状又は効用の著しい変更を伴わないもの)や狭義の管理行為(変更及び保存行為を除く、通常の利用、改良に関する行為)も含まれ、例えば、給水・排水、電気、ガス、通信といったライフライン等の応急的な更新、エレベーター附属設備の更新、炭素繊維シート巻付けによる 柱の応急的な耐震補強などが「応急的な修繕工事」に該当する。
 また、「応急的な修繕工事の実施等」の「等」としては、被災箇所を踏まえた共用部分の使用方法の決定等が該当する。
 なお、理事会の開催も困難な場合の考え方については、第21条関係⑪を参照のこと。

 とあり、
  ウ)によれば、害等により総会の開催が困難である場合には、理事会の決議で、給水・排水、電気、ガス、通信といったライフライン等の応急的な更新を実施することができますから、適切です。


 高井様の解説: 
 ○ 適切である。
 災害等により総会の開催が困難である場合には選択肢1で記載した通り標準管理規約第54条第1項第十号で「応急的な修繕工事等は理事会の決議で実施できる」と規定されており、また、設問は同条コメント ウ)に設問のとおり記載されています。
 平成28年3月の改正で追加された事項です。

 (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


答え:1

《タグ》標準管理規約。 平成28年3月の改正点。 災害時対応。 理事会。理事長。区分所有者。

 高井様のコメント:
 本問は改正規約及び各条項のコメントに目を通しておけば容易に解答できます。最近は、台風や地震による管理組合の機能が果たせないことも想定されるのでマンション管理士はこのような事態が発生したとき、どのようにすればよいかをアドバイスできる知識を持つことが必要です。

問29

*本問の解説においては、高井憲彦様のご協力を得ています。高井様有り難うございます。

〔問 29〕修繕積立金の取扱いに関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、総会の普通決議で行うことができるものはいくつあるか。

ア 長期修繕計画を作成するための建物診断費用を修繕積立金の取崩しにより支出すること

〇 出席組合員の議決権の過半数で決する(普通決議?)ことができる。

  平成23年 マンション管理士試験 「問27」 、 平成23年 管理業務主任者試験 「問12」 、平成21年管理業務主任者試験 「問26」 、 平成19年管理業務主任者試験 「問32」 
 
 まず、設問での「総会での普通決議」ってなんでしょうか? 国家資格での問題でありながら出題者による定義がありません。まったく、お粗末な出題者のレベルです。

 が、参考になるのは、標準管理規約47条
 (総会の会議及び議事)
 第47条  総会の会議は、前条第1項に定める議決権総数の半数以上を有する組合員が出席しなければならない。
 
2  総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する。
 3  次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、前項にかかわらず、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。
     一  規約の制定、変更又は廃止
     二  敷地及び共用部分等の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないもの及び建築物の耐震改修の促進に関する法律第25条第2項に基づく認定を受けた建物の耐震改修を除く。)
     三  区分所有法第58条第1項、第59条第1項又は第60条第1項の訴えの提起
     四  建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
     五  その他総会において本項の方法により決議することとした事項
 4  建替え決議は、第2項にかかわらず、組合員総数の5分の4以上及び議決権総数の5分の4以上で行う。
 5  マンション敷地売却決議は、第2項にかかわらず、組合員総数、議決権総数及び敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上で行う。

 〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕
  (ア)電磁的方法が利用可能ではない場合
 6 前5項の場合において、書面又は代理人によって議決権を行使する者は、出席組合員とみなす。

 (イ)電磁的方法が利用可能な場合
 6 前5項の場合において、書面、電磁的方法又は代理人によって議決権を行使する者は、出席組合員とみなす。

 7  第3項第一号において、規約の制定、変更又は廃止が一部の組合員の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。この場合において、その組合員は正当な理由がなければこれを拒否してはならない。
 8  第3項第二号において、敷地及び共用部分等の変更が、専有部分又は専用使用部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分を所有する組合員又はその専用使用部分の専用使用を認められている組合員の承諾を得なければならない。この場合において、その組合員は正当な理由がなければこれを拒否してはならない。
 9  第3項第三号に掲げる事項の決議を行うには、あらかじめ当該組合員又は占有者に対し、弁明する機会を与えなければならない。
 10 総会においては、第43条第1項によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議することができる。」
 とあり、
 この出題者が言いたい総会での「普通決議」とは、多分、標準管理規約47条2項によった、
 「2 
総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する。」 を指しているものと推定して解説をします。

 では、修繕積立金とは何かをみていきましょう。
 それは、標準管理規約28条
 「(修繕積立金)
 第28条  管理組合は、各区分所有者が納入する修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。
      
一  一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
     二  不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
     三  敷地及び共用部分等の変更
     四  建物の建替え及びマンション敷地売却(以下「建替え等」という。)に係る合意形成に必要となる事項の調査
     五  その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理
 2  前項にかかわらず、区分所有法第62条第1項の建替え決議(以下「建替え決議」という。)又は建替えに関する区分所有者全員の合意の後であっても、マンションの建替えの円滑化等に関する法律(平成14年法律第 78号。以下「円滑化法」という。)第9条のマンション建替組合の設立の認可又は円滑化法第45条のマンション建替事業の認可までの間において、建物の建替えに係る計画又は設計等に必要がある場合には、その経費に充当するため、管理組合は、修繕積立金から管理組合の消滅時に建替え不参加者に帰属する修繕積立金相当額を除いた金額を限度として、修繕積立金を取り崩すことができる。
 3  第1項にかかわらず、円滑化法第108条第1項のマンション敷地売却決議(以下「マンション敷地売却決議」という。)の後であっても、円滑化法第120条のマンション敷地売却組合の設立の認可までの間において、マンション敷地売却に係る計画等に必要がある場合には、その経費に充当するため、管理組合は、修繕積立金から管理組合の消滅時にマンション敷地売却不参加者に帰属する修繕積立金相当額を除いた金額を限度として、修繕積立金を取り崩すことができる。
 4 管理組合は、第1項各号の経費に充てるため借入れをしたときは、修繕積立金をもってその償還に充てることができる。
 
5 修繕積立金については、管理費とは区分して経理しなければならない。」
 です。
 標準管理規約28条5項にあるように、修繕積立金がいくらあるのかはマンションの修繕を実施する上で非常に重要ですから、経理上、修繕積立金は通常の管理に要する管理費とは別に区別して扱います。

 では、設問の総会の決議は、標準管理規約48条
 「(議決事項)
 第48条  次の各号に掲げる事項については、
総会の決議を経なければならない
     一  収支決算及び事業報告
     二  収支予算及び事業計画
     三  管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法
     四  規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止
     五  長期修繕計画の作成又は変更
     
六  第28条第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し
     七  第28条第2項及び第3項に定める建替え等に係る計画又は設計等の経費のための修繕積立金の取崩し
     八  修繕積立金の保管及び運用方法
     九  第21条第2項に定める管理の実施
     十  区分所有法第57条第2項及び前条第3項第三号の訴えの提起並びにこれらの訴えを提起すべき者の選任
     十一  建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
     十二  区分所有法第62条第1項の場合の建替え及び円滑化法第108条第1項の場合のマンション敷地売却
     十三  役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法
     十四  組合管理部分に関する管理委託契約の締結
     十五  その他管理組合の業務に関する重要事項 」
 とあり、
 では、「長期修繕計画を作成するための建物診断費用を修繕積立金の取崩しにより支出すること」は、具体的には、修繕積立金から取り崩していいのかどうかですが、これは、標準管理規約32条関係のコメント④が参考になります。
 「④
長期修繕計画の作成又は変更に要する経費及び長期修繕計画の作成等のための劣化診断(建物診断)に要する経費の充当については、管理組合の財産状態等に応じて管理費又は修繕積立金のどちらからでもできる
 ただし、修繕工事の前提としての劣化診断(建物診断)に要する経費の充当については、修繕工事の一環としての経費であることから、原則として修繕積立金から取り崩すこととなる。」
 とあり、
 ただし書きが分かり難いコメントですが、「長期修繕計画を作成するための建物診断費用」なら、管理組合の財産状態等に応じて管理費又は修繕積立金のどちらからでもできます。
 すると、総会の決議は、標準管理規約48条6号「六  第28条第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し」に該当していますから、総会決議があれば、修繕積立金の取崩しにより支出することは可能です。
 その総会決議は、上で述べました、標準管理規約47条(総会の会議及び議事)によれば、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する事項には該当しないため、出席組合員の議決権の過半数で決する(普通決議?)ことができます。


 高井様の解説:
 ○ 普通決議で行うことできる。正解
 総会の決議を経なければならない事項は上記のとおり標準管理規約第48条に規定されています。
 なお、「総会の普通決議」は標準管理規約本文には規定されていませんが、標準管理規約第47条 (総会の会議及び議事)のコメント④項に「議決権総数の半数を有する組合員が出席する総会において、出席組合員の議決権の過半数で決議
(普通決議)される事項は・・・」とのコメントがあり「出席組合員の議決権の過半数で決議」を普通決議と呼んでおります。
 また、「建物診断費用を修繕積立金の取崩し」に関しては標準管理規約第32条のコメント
 ③ 長期修繕計画の作成又は変更及び修繕工事の実施の前提として、劣化診断(建物診断)を管理組合として併せて行う必要がある。
及び上記④のコメントがあります。
 ただし、「建物診断費用を修繕積立金の取崩しにより支出すること」はコメントの④のただし書きで「劣化診断(建物診断)に要する経費の充当については、修繕工事の一環としての経費であることから原則として修繕積立金から取り崩すこととなる」とのコメントがあります。
 平成28年3月の改正に関係していません。


イ 修繕積立金について、共用部分の共有持分にかかわらず、全戸一律に値上げ額を同一とすること

X 規約の変更は、出席組合員の議決権の過半数で決する(普通決議?)ことができない。
 平成24年 管理業務主任者試験 「問13」 
  
 まず、標準管理規約では、修繕積立金も管理費も合わせて「管理費」と呼ばれています。
 それが、標準管理規約25条
 「(管理費等)
 第25条  区分所有者は、敷地及び共用部分等の管理に要する経費に充てるため、次の費用(以下「
管理費等」という。)を管理組合に納入しなければならない。
     一  管理費
     二  修繕積立金
 
2 管理費等の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するものとする。」
 です。
 そこで、修繕積立金について、”共用部分の共有持分に
かかわらず、全戸一律に値上げ額を同一とすること”は、現行の規約25条2項の変更となります。
 すると、その総会における決議は、選択肢アで引用しました標準管理規約47条3項1号
 「(総会の会議及び議事)
 3  次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、
前項にかかわらず、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する
     
一  規約の制定、変更又は廃止
 に該当していますから、出席組合員の議決権の過半数で決することはできず、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決することになります。


 高井様の解説:
 X 普通決議で行うことができない。
 標準管理規約第25条第2項に「管理費等(管理費及び修繕積立金)の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するものとする」との規定があり、設問は普通決議で行うことができません。
 なお、標準管理規約第46条(議決権)のコメントで「議決権割合の設定方法について、一戸一議決権(第46条関係②)や価値割合(第46条関係③)を採用する場合であっても、これとは別に管理費等の負担額については、第25条第2項により共用部分の共有持分に応じて算出することが考えられる」とのコメントがありますが「全戸一律に値上げ額を同一とすること」を認めることまではコメントされておりません。
 平成28年3月の改正に関係していません。



ウ 給水管の本管と専有部分に属する配管(枝管)の一斉取替費用の全額を修繕積立金の取崩しにより支出すること

X 全額を修繕積立金の取崩しにより支出するとなると、出席組合員の議決権の過半数で決する(普通決議?)ことができない。
 平成24年 マンション管理士試験 「問27」 、 平成24年 管理業務主任者試験 「問30」 、 平成21年 管理業務主任者試験 「問29」

 まず、設問が面倒です。
 「給水管の本管と専有部分に属する配管(枝管)の一斉取替」となると、標準管理規約21条
 「(敷地及び共用部分等の管理)
 第21条  敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の保存行為(区分所有法第18条第1項ただし書の「保存行為」をいう。以下同じ。)管理のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。
 
2  専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる
 3  区分所有者は、第1項ただし書の場合又はあらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けた場合を除き、敷地及び共用部分等の保存行為を行うことができない。ただし、専有部分の使用に支障が生じている場合に、当該専有部分を所有する区分所有者が行う保存行為の実施が、緊急を要するものであるときは、この限りでない。」
 とあり、
 標準管理規約21条2項により、給水管の本管と専有部分に属する配管(枝管)の一斉取替なら管理組合が行えますが、費用負担となると別だと 標準管理規約21条関係 コメント⑧ は言っています。
 「⑧ 配管の清掃等に要する費用については、第27条第三号の「共用設備の保守維持費」として管理費を充当することが可能であるが、
配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである。」
  標準管理規約21条関係 コメント⑧の後段によれば、配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担しろと言っていますから、一斉取替費用の”全額”を修繕積立金の取崩しにより支出することとなると、別途規約の設定なり変更が必要となり、これも、総会における決議は、選択肢アで引用しました標準管理規約47条3項1号
 「(総会の会議及び議事)
 3  次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、
前項にかかわらず、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する
     
一  規約の制定、変更又は廃止
 に該当していますから、出席組合員の議決権の過半数で決することはできず、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決することになります。


 高井様の解説:
 X 普通決議で行うことができない。
 前掲の 平成28年 マンション管理士試験 「問26」 選択肢1と類似した設問です。
 標準管理規約第21条のコメント⑧項で「配管の清掃等に要する費用については、第27条第三号の「共用設備の保守維持費」として管理費を充当することが可能であるが、配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである」とのコメントがあり「一斉取替費用の全額を修繕積立金から取崩すこと」は普通決議で行うことができません。
 平成28年3月の改正に関係していません。



エ 修繕積立金の一部を取崩し、現在の区分所有者の所有年数に応じて返還すること

X 規約の変更となり、出席組合員の議決権の過半数で決する(普通決議?)ことができない。
 
 既に納入された管理費や修繕積立金の返還となると、もう単純に、標準管理規約60条6項に
 「(管理費等の徴収)
 
6  組合員は、納付した管理費等及び使用料について、その返還請求又は分割請求をすることができない。
 とあり、
  標準管理規約60条6項での管理費
に選択肢イで解説しましたように、管理費と修繕積立金は含まれています(標準管理規約25条)から、修繕積立金の一部を取崩し、現在の区分所有者の所有年数に応じて返還することは、規約の変更に該当し、これも、総会における決議は、選択肢アで引用しました標準管理規約47条3項1号
 「(総会の会議及び議事)
 3  次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、
前項にかかわらず、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する
    
 一  規約の制定、変更又は廃止
 に該当していますから、出席組合員の議決権の過半数で決することはできず、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決することになります。

 なお、規約を変更すれば、修繕積立金の一部を取崩し、現在の区分所有者の所有年数に応じて返還することができるかについては、あるマンションで裁判になったものです。
 現在の区分所有者の所有年数や居住年数に応じて返還することは公序良俗違反と判断されています。
 その詳細は、「マンション管理士 香川事務所」が無料で提供しています 「超解説 区分所有法」 第30条 にありますので、参考にしてください。


 高井様の解説:
  X 普通決議で行うことができない。
 標準管理規約第60条(管理費等の徴収)第6項に「組合員は納付した管理費等及び使用料について、その返還請求又は分割請求をすることができない」と規定されており「修繕積立金の一部を取崩し返還すること」と規定されており普通決議で行うことができません。
 平成28年3月の改正に関係していません。



 1 一つ
 2 二つ
 3 三つ
 4 四つ


答え:1 出席組合員の議決権の過半数で決することができるのは、ア だけ。

《タグ》標準管理規約。 出席組合員の議決権の過半数で決する事項と組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する事項。 規約の変更。

 しかし、標準管理規約でも本文で正式に定義がされていない「総会での普通決議」を国家資格であるマンション管理士試験において使用するとは、出題者として実に不適切です。これは、過去にも指摘したのに、またミスを犯した。

 高井様のコメント:選択肢の設問はいずれも平成28年3月の改正に関係しませんが、かなり細かい事項について問われています。「正しいものはどれか」との設問であり一つでも適・不適の判断を誤ると不正解になるので注意を要します。

 *ある受験生の感想:普通で可としたものとして選択肢アとウを選択したがウの「専用部分の配管の一斉取替費用の全額を修繕積立金の取崩しにより支出する」は明らかに不可。ケアレスミスに近い。

問30

*本問の解説においては、高井憲彦様のご協力を得ています。高井様有り難うございます。


〔問 30〕管理組合が、理事長が代表取締役を務める施工会社と共用部分の補修に係る工事請負契約を締結しようとする場合において、理事長がその利益相反取引に関し、理事会を招集し承認を受けようとすることについて、マンション管理士が役員に対して行った次の助言のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。

1 理事長がこの理事会で承認を受けるには、当該取引について重要な事実の開示が必要です。

〇 適切である。
 ここも、平成28年3月の改正点。

 利益相反取引は、標準管理規約37条の2
 「
(利益相反取引の防止)
 第37条の2  役員は、次に掲げる場合には、理事会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
     一  役員が自己又は第三者のために管理組合と取引をしようとするとき。
     二  管理組合が役員以外の者との間において管理組合と当該役員との利益が相反する取引をしようとするとき。

 とあり、
 理事長は、標準管理規約35条
 「 (役員)
 第35条  管理組合に次の役員を置く。
     一  理事長
     二  副理事長 ○名
     三  会計担当理事 ○名
     四  理事(理事長、副理事長、会計担当理事を含む。以下同じ。) ○名
     五  監事 ○名
 2  理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する。
 3  理事長、副理事長及び会計担当理事は、
理事のうちから、理事会で選任する

 
*外部専門家を役員として選任できることとする場合
 2  理事及び監事は、総会で選任する。
 3  理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任する。
 4  組合員以外の者から理事又は監事を選任する場合の選任方法については細則で定める。

 とあり、
 理事長、副理事長、会計担当理事、理事及び監事 は管理組合の「役員」に該当しますから、標準管理規約37条の2 により、理事長がその利益相反取引に関していれば、理事会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならなりませんので、適切です。

 高井様の解説:
 ○ 適切である。
 役員の利益相反取引の防止については標準管理規約第37条の2(利益相反取引の防止)に「理事会において当該取引につき重要な事実を開示しその承認を受けなければならない」との規定があり、設問は適切です。
 平成28年3月の改正で追加された事項です。


  (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


2 理事会の承認が得られても、理事長は当該取引では代表権を有しないので、監事か他の理事が、管理組合を代表して契約することになります。

〇 適切である。
 ここも、平成28年3月の改正点。

 理事長の業務は、標準管理規約38条
 「(理事長)
 第38条  理事長は、管理組合を代表し、その業務を統括するほか、次の各号に掲げる業務を遂行する。
     一  規約、使用細則等又は総会若しくは理事会の決議により、理事長の職務として定められた事項
     二  理事会の承認を得て、職員を採用し、又は解雇すること。
 2  理事長は、区分所有法に定める管理者とする。
 3  理事長は、通常総会において、組合員に対し、前会計年度における管理組合の業務の執行に関する報告をしなければならない。
 
4  理事長は、○か月に1回以上、職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。
 5  理事長は、理事会の承認を受けて、他の理事に、その職務の一部を委任することができる。
 6  管理組合と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合においては、監事又は理事長以外の理事が管理組合を代表する。
 とあり、
  標準管理規約38条6項によれば、理事会の承認が得られても、理事長は当該取引では代表権を有しないので、監事か他の理事が、管理組合を代表して契約することになりますは、適切です。


 高井様の解説:
 ○ 適切である。
 標準管理規約第38条(理事長)第6項に「管理組合と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合においては、監事又は理事長以外の理事が管理組合を代表する」と規定されており設問は適切です。
 平成28年3月の改正で追加された事項です。


  (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


3 この理事会で決議を行う場合、理事の過半数の承諾があれば、書面又は電磁的方法による決議により行うこともできます。

X 適切ではない。 利益相反取引なら理事会の決議の例外にはいっていない。書面又は電磁的方法による決議により行うことはできない。
 平成28年 マンション管理士試験 「問26」 選択肢3 でも出ている。
 
 理事会の決議は、標準管理規約53条
 「(理事会の会議及び議事)
 第53条  理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決する。
 
2  次条第1項第五号に掲げる事項については、理事の過半数の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議によることができる。
 3  前2項の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない。

 (以下略)」
 とあり、
  書面又は電磁的方法による決議を認めているのは、標準管理規約53条2項の「2  次
条第1項第五号に掲げる事項については、理事の過半数の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議によることができる
で、例外としてある、「条第1項第五号に掲げる事項」とは、標準管理規約54条で
 「(議決事項)
 第54条  理事会は、この規約に別に定めるもののほか、次の各号に掲げる事項を決議する。
      五  第17条(専有部分の修繕等)、
第21条(敷地及び共用部分等の管理)及び第22条(窓ガラス等の改良)に定める承認又は不承認」
 であって、理事長の利益相反取引については、書面又は電磁的方法による決議により行うことは認められていませんから、適切ではありません。
 なお、コメント53条⑥
 「
⑥ 第2項は、本来、①のとおり、理事会には理事本人が出席して相互に議論することが望ましいところ、例外的に、第54条第1項第五号に掲げる事項については、申請数が多いことが想定され、かつ、迅速な審査を要するものであることから、書面又は電磁的方法(電子メール等)による決議を可能とするものである。
 も参考にしてください。


 高井様の解説:
 X 不適切である。正解
 前掲の〔問26〕選択肢3と関連した設問です。「理事の過半数の承諾があれば、書面又は電磁的方法による決議により行うこともできるのは、専有部分の修繕工事の申請に関する承認、不承認のみ」であり、すべての決議事項でなく設問は不適切です。
 平成28年3月の改正で追加された事項です。


  (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


4 この理事会で決議を行う場合、理事長は議決権を行使することはできません。

〇 適切である。
 
ここも、平成28年3月の改正点。

 選択肢3で引用しました、標準管理規約53条3項
 「
3  前2項の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない。
 とあり、
 決議について特別の利害関係を有する理事長も、議決権を行使することはできず、適切です。

 高井様の解説:
 ○ 適切である。
 標準管理規約第53条(理事会の会議及び議事)第3項に「理事会の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない」との規定があり設問は適切です。 平成28年3月の改正で追加された事項です。


  (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


答え:3 

《タグ》標準管理規約。 平成28年3月の改正点。 利益相反取引。
  平成28年3月の改正点をしっかり勉強していないと、難しい。

 高井様のコメント:この問いは標準管理規約の規定そのままの出題で規約に目を通しておけば容易に回答できます。

問31

*本問の解説においては、高井憲彦様のご協力を得ています。高井様有り難うございます。


〔問 31〕管理組合における代理行為又は代理人に関し、マンション管理士が行った次の助言のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか。

1 理事長に事故があるときは、副理事長が理事長を代理しますが、その場合、個々の代理行為に当たっては理事会の承認を得なければなりません。

X 適切でない。 代理行為の範囲なら、個々の行為について理事会の承認はいらない。

  理事長に事故があると、副理事長が理事長を代理します。
 それが、標準管理規約39条
 「(副理事長)
 第39条 
副理事長は、理事長を補佐し、理事長に事故があるときは、その職務を代理し、理事長が欠けたときは、その職務を行う。」
 とあり、
 今更ながら、代理とは、民法第99条
 「(代理行為の要件及び効果)
 第九十九条  代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
 2  前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する
。」

 とあり、
 代理人が行った法律行為は、本人に効果が及ぶというものです。
 そこで、標準管理規約39条によれば、管理組合で理事長に事故があり、理事長の代理人となった副理事長は、理事長と同様に理事長の職務を行うことができますから、個々の代理行為に当たっては理事会の承認を得る必要はなく、適切ではありません。


 高井様の解説:
 × 不適切である。
 標準管理規約第39条(副理事長)に「副理事長は、理事長を補佐し、理事長に事故があるときは、その職務を代理し、理事長が欠けたときは、その職務を行う」との規定があり設問は不適切です。代理とは本人に代ってその役目を処理することであり、個々の代理行為に当たっては理事会の承認を得る必要はありません。
 平成28年3月の改正に関係しません。



2 外部専門家を理事に選任している場合には、その理事に事故があるときでも理事会への代理出席を認めるべきではありません。

〇 適切である。 基本的に理事会は理事本人がでること。
 ここも、平成28年3月の改正点。

 基本的に、理事会を構成している理事に期待されているのは、その人として持っている能力を発揮してくれることですから、理事の代理人が理事会に出席することは認めていません。
 それが、標準管理規約53条
 「第53条 
理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決する
 
2  次条第1項第五号に掲げる事項については、理事の過半数の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議によることができる。
 3  前2項の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない。

 〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕
  (ア)電磁的方法が利用可能ではない場合
 4 議事録については、第49条(第4項を除く。)の規定を準用する。ただし、第49条第2項中「総会に出席した組合員」とあるのは「理事会に出席した理事」と読み替えるものとする。

  (イ)電磁的方法が利用可能な場合
 4  議事録については、第49条(第6項を除く。)の規定を準用する。ただし、第49条第3項中「総会に出席した組合員」とあるのは「理事会に出席した理事」と読み替えるものとする。」
 です。
 しかし、理事も多忙でしょうし、事故で出席できないこともあります。
 そこで、53条コメント③
 「
③ 「理事に事故があり、理事会に出席できない場合は、その配偶者又は一親等の親族(理事が、組合員である法人の職務命令により理事となった者である場合は、法人が推挙する者)に限り、代理出席を認める」旨を定める規約の規定は有効であると解されるが、あくまで、やむを得ない場合の代理出席を認めるものであることに留意が必要である。
 この場合においても、あらかじめ、総会において、それぞれの理事ごとに、理事の職務を代理するにふさわしい資質・能力を有するか否かを審議の上、その職務を代理する者を定めておくことが望ましい。
 なお、外部専門家など当人の個人的資質や能力等に着目して選任されている理事については、代理出席を認めることは適当でない。

 とあり、
 理事の代理出席を認める例外をサンプルとして規定しています。
 そこで、マンション管理士のような外部専門家を理事に選任している場合で、その理事に事故があるときとなると、
標準管理規約53条コメント③にもあるように、マンション管理士でない人が代理人として理事会に出席しても、期待されている能力を発揮できないため、外部専門家を理事に選任している場合には、その理事に事故があるときでも理事会への代理出席を認めない方がいいでしょうから、適切です。


 高井様の解説:
 ○ 適切である。正解
 標準管理規約第53条コメント①に「理事は誠実にその職務を遂行すべきであり理事会には本人が出席して議決権を行使することが求められており、理事の代理出席は規約において明確な規定がない場合に認めることは適当でない」とコメントされている。
 本選択肢の設問に関しては同条コメントの③には「外部専門家など当人の個人的資質や能力等に着目して選任されている理事については、代理出席を認めることは適当でない」と記載されており設問は適切です。
 平成28年3月の改正で追加された事項です。


  (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


3 監事に事故があるときは、理事会決議により監事の職務を代理する者を選任し、その者が監事の代理人として、管理組合の業務の執行及び財産の状況の監査結果を総会で報告することになります。

X 適切でない。 監事は総会で選任される。理事会では監事の代理人は選任できない。
 平成24年 マンション管理士試験 「問29」
 ここは、平成28年3月の改正で、少し、変更があった箇所。


 まず、監事は理事会では選任できません。
 それが、標準管理規約35条
 「(役員)
 第35条  管理組合に次の役員を置く。
     一  理事長
     二  副理事長 ○名
     三  会計担当理事 ○名
     四  理事(理事長、副理事長、会計担当理事を含む。以下同じ。) ○名
     五  監事 ○名
 
2  理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する
 3  理事長、副理事長及び会計担当理事は、
理事のうちから、理事会で選任する
 
 
*外部専門家を役員として選任できることとする場合
 2  理事及び監事は、総会で選任する。
 3  理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任する。
 4  組合員以外の者から理事又は監事を選任する場合の選任方法については細則で定める。

 とあり、
 標準管理規約35条2項によれば、役員の資格を「組合員に限定する場合」でも、「外部専門家を役員として選任できることとする場合」においても、
「理事及び監事は、総会で選任」されることになっていますから、監事は理事会では選任できませんので、この「監事に事故があるときは、理事会決議により監事の職務を代理する者を選任」の箇所は適切ではありません。
 なお、設問の後半、管理組合の業務の執行及び財産の状況の監査結果を総会で報告するは、標準管理規約41条1項
 「(監事)
 第41条  監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならない。
 (以下略)」
 にありますが、全体として、適切ではありません。


 高井様の解説:
 × 不適切である。
 監事はその職務の重要性から理事会決議により代理を置くことは規定されていません。監事は標準管理規約第35条第2項で「理事及び監事は組合員のうちから、総会で選任する」と規定されておりので設問は不適切です。
 平成28年3月の改正に関係しません。


  (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


4 組合員が代理人により議決権を行使しようとする場合に、その代理人の資格について制限を設けることは望ましくありません。

X 適切でない? あくまでも標準管理規約だけなら、制限はある。
  ここも、平成28年3月の改正点。
  この標準管理規約46条の「代理人」の資格の制限は、平成23年にも改正があり、今回:平成28年3月にも改正があるというように、正しく「標準管理規約」が、あくまでもマンション生活での「参考版」にか過ぎないという実態を示しています。

 基本として代理人の規定は、区分所有法では、第39条2項
 「2  
議決権は、書面で、又は代理人によつて行使することができる
 とあるだけで、区分所有法では議決権行使において代理人の資格について制限を設けていません。
 しかし、標準管理規約では、46条
 「(議決権)
 第46条  各組合員の議決権の割合は、別表第5に掲げるとおりとする。
 2  住戸1戸が数人の共有に属する場合、その議決権行使については、これら共有者をあわせて一の組合員とみなす。
 3  前項により一の組合員とみなされる者は、議決権を行使する者1名を選任し、その者の氏名をあらかじめ総会開会までに理事長に届け出なければならない。
 4  組合員は、書面又は代理人によって議決権を行使することができる。
 
5  組合員が代理人により議決権を行使しようとする場合において、その代理人は、以下の各号に掲げる者でなければならない。
     一  その組合員の配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)又は一親等の親族
     二  その組合員の住戸に同居する親族
     三  他の組合員

 6  組合員又は代理人は、代理権を証する書面を理事長に提出しなければならない。

 〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕
 (ア)電磁的方法が利用可能ではない場合
  (規定なし)

 (イ)電磁的方法が利用可能な場合
 7   組合員は、第4項の書面による議決権の行使に代えて、電磁的方法によって議決権を行使することができる。」
 とあり、
 標準管理規約46条5項によれば、代理人の資格について配偶者とか同居親族、他の組合員など制限を設けていますから、あくまでも、標準管理規約の世界での話としてなら、組合員が代理人により議決権を行使しようとする場合に、その代理人の資格について制限を設けることも、出来ますから、設問は適切ではありません。


 高井様の解説:
  × 不適切である。
  標準管理規約第46条第5項に上記のとおり代理人の資格について制限を設けることが規定されており設問については不適切です。
 平成28年3月の改正で追加された事項です。


  (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


答え:2

《タグ》標準管理規約。 代理人。 代理出席。 監事の選任方法。 議決権行使での代理人。
 区分所有法や過去の標準管理規約を知っていると、選択肢4が迷うか。


  標準管理規約での議決権行使での代理人の規定は、同居人を認めるかどうかで、平成23年にも改正があり、また平成28年3月にも改正があるという実に不確実な規定ですから注意してください。
 詳細は、 「マンション管理士 香川事務所」 が無料で提供しています、「超解説 区分所有法」 の第39条2項にありますので、参考にしてください。


 *ある受験生の感想:選択肢1を選んだ。選択肢2は53条のコメントに「代理出席を認めることは適切でない」と明記されておりX。このコメントを見落としていた。選択肢1は理事長の職務の代理をするので理事長と同じ権限と責任があるので制約を設けるべきでなく×だった。

問32

*本問の解説においては、高井憲彦様のご協力を得ています。高井様有り難うございます。


〔問 32〕理事会に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。

1 理事が不正の行為をしたと認める場合には、監事は、理事長に理事会の招集を請求することができるが、その請求から 5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする招集通知が発せられないときは、監事が理事長に代わり、理事会を招集しなければならない。

X 適切でない。 理事会を招集”しなければならない”ではなく、”できる”。
 この出題も平成28年3月の改正点。

 監事の業務は、標準管理規約41条
 「(監事)
 第41条  監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならない。

 2  監事は、いつでも、理事及び第38条第1項第二号に規定する職員に対して業務の報告を求め、又は業務及び財産の状況の調査をすることができる。
 3  監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。
 4  監事は、理事会に出席し、
必要があると認めるときは、意見を述べなければならない
 5  監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令、規約、使用細則等、総会の決議若しくは理事会の決議に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない。
 6  監事は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、理事長に対し、理事会の招集を請求することができる。
 7  前項の規定による請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる
。」
 とあり、
 標準管理規約41条5項、6項及び7項によれば、理事が不正の行為をしたと認める場合には、監事は、理事長に理事会の招集を請求することができますが、その請求から 5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする招集通知が発せられないときは、監事が理事長に代わり、理事会を”
招集できる”であり、”しなければならない”は、適切ではありません。

 高井様の解説:
 × 不適切です。正解
 監事の職務については標準管理規約第41条(監事)に上記のような規定があります。これによれば「監事からの理事会招集請求があった日から5日以内にその請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は理事会を招集することができる」とあり、設問の「理事会を招集しなければならない」との設問は不適切です。
 なお、平成28年3月の改正で監事の職務については大幅に追加されておりますので、注意してください。


  (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


2 理事会は、管理組合の業務執行の決定だけでなく、業務執行の監視・監督機関としての機能を有する。

〇 適切である。
 この出題も平成28年3月の改正点。

 理事会は、標準管理規約51条
 「(理事会)
 第51条  理事会は、理事をもって構成する。
 
2  理事会は、次に掲げる職務を行う。
     一  規約若しくは使用細則等又は総会の決議により理事会の権限として定められた管理組合の業務執行の決定
     二  理事の職務の執行の監督
     三  理事長、副理事長及び会計担当理事の選任

 3  理事会の議長は、理事長が務める。」
 とあり、
 標準管理規約51条2項1号及び2号によれば、理事会は、管理組合の業務執行の決定だけでなく、業務執行の監視(?)は明確ではありませんが、監督機関としての機能を有するは、まあ適切です。
 なお、同コメント
   コメント 第51条関係
 「
(第2項関係)
 管理組合の業務執行の決定だけでなく、”業務執行の監視・監督機関としての機能を理事会が有すること”を明確化するとともに、第35条第3項の規定に基づく理事長等の選任を含め、理事会の職務について明示した
。」

 高井様の解説:
 〇 適切である。
 理事会の機能に関しては標準管理規約第51条関係コメントに「管理組合の業務執行の決定だけでなく、業務執行の監視・監督機関としての機能を有する」とのコメントがあり、設問は適切です。
 平成28年3月の改正で追加された事項です。


  (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


3 理事会は、その責任と権限の範囲内において、専門委員会を設置し、専門委員会は、調査又は検討した結果を理事会に具申する。

〇 適切である。
 平成23年 管理業務主任者試験 「問33」 、 平成20年 管理業務主任者試験 「問37」 
 ここは、珍しく、平成28年3月の改正に関係していない。

 専門委員会は、標準管理規約55条
 「(専門委員会の設置)
 第55条 
理事会は、その責任と権限の範囲内において、専門委員会を設置し、特定の課題を調査又は検討させることができる
 2 
専門委員会は、調査又は検討した結果を理事会に具申する。」
 とあり、
  標準管理規約55条1項及び2項によれば、理事会は、その責任と権限の範囲内において、専門委員会を設置し、専門委員会は、調査又は検討した結果を理事会に具申するは、適切です。

 高井様の解説:
 〇 適切である。
 専門委員会に関しては第55条に「専門委員会は、調査又は検討した結果を理事会に具申する」との規定があり設問は適切です。
 平成28年3月の改正に関係しません。



4 外部専門家を役員として選任できることとする場合、理事及び監事は総会で選任し、理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任する。

〇 適切である。
 ここも、平成28年3月の改正点。

 役員は、標準管理規約35条
 「(役員)
 第35条  管理組合に次の役員を置く。
     一  理事長
     二  副理事長 ○名
     三  会計担当理事 ○名
     四  理事(理事長、副理事長、会計担当理事を含む。以下同じ。) ○名
     五  監事 ○名
 2  理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する。
 3  理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事
会で選任する。

 
*外部専門家を役員として選任できることとする場合
 2  理事及び監事は、総会で選任する。
 3  理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任する。
 4  組合員以外の者から理事又は監事を選任する場合の選任方法については細則で定める。

 とあり、
  標準管理規約35条での「外部専門家を役員として選任できることとする場合」の2項及び3項によれば、理事及び監事は総会で選任し、理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任するは、適切です。
 
 高井様の解説:
 〇 適切である。
 理事長、副理事長及び会計担当理事の選任は標準管理規約第35条に「理事のうちから、理事会で選任する」との規定があり設問は適切です。
なお、従来の規約では「
理事の互選による」と規定されており、平成28年3月の改正で「理事会で選任」とされた。また、監事は総会で選任されるものであり理事会で選任されるものではないことに注意してください。
 

 (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


答え:1 

《タグ》標準管理規約。平成28年3月の改正点ばかり。 監事の業務。理事会の業務。専門委員会の設置。外部専門家を役員とする場合。

  標準管理規約の平成28年3月の改正点からばかりの出題で、平成28年度のマンション管理士試験の問題作成者は、ひねりもなく、気楽な家業でした!

問33

*本問の解説においては、高井憲彦様のご協力を得ています。高井様有り難うございます。


〔問 33〕組合員の管理費に滞納が生じた場合の措置又はあらかじめ規約で定めておくべき事項について、理事長から相談を受けたマンション管理士が行った次の助言のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。

1 滞納管理費の請求に関し、規約違反を理由として法的措置を講じるときは、理事会の決議を経た上で、理事長が管理組合を代表して訴訟等を追行することになります。

〇 適切である。
 平成26年 マンション管理士試験 「問28」 、 平成24年マンション管理士試験 「問29」平成23年 マンション管理士試験 「問32」 選択肢2 平成23年 マンション管理士試験 「問28」 、 平成22年 管理業務主任者試験 「問36」 選択肢2 、 平成21年 管理業務主任者試験 「問34」 、参考: 平成21 マンション管理士試験 「問26」 。
 

 滞納管理費等の訴訟を、理事会の決議だけで出来るかということに関しては、区分所有法とも絡んで、論議が必要な箇所ですが、ここは、もう単に、標準管理規約内での話としての解説です。

 滞納などは、標準管理規約60条
 「(管理費等の徴収)
 第60条  管理組合は、第25条に定める管理費等及び第29条に定める使用料について、組合員が各自開設する預金口座から
口座振替の方法により第62条に定める口座に受け入れることとし、当月分は別に定める徴収日までに一括して徴収する。ただし、臨時に要する費用として特別に徴収する場合には、別に定めるところによる。
 2  組合員が前項の期日までに納付すべき金額を納付しない場合には、管理組合は、その未払金額について、年利○%の遅延損害金と、違約金としての弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用を加算して、その組合員に対して請求することができる。
 
3  管理組合は、納付すべき金額を納付しない組合員に対し、督促を行うなど、必要な措置を講ずるものとする。
 
4  理事長は、未納の管理費等及び使用料の請求に関して、理事会の決議により、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる。
 5  第2項に基づき請求した遅延損害金、弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用に相当する収納金は、第27条に定める費用に充当する。
 6  組合員は、納付した管理費等及び使用料について、その返還請求又は分割請求をすることができない。 」
 とあり、
 標準管理規約60条4項によれば、滞納管理費の請求に関し、規約違反を理由として法的措置を講じるときは、理事会の決議を経た上で、理事長が管理組合を代表して訴訟等を追行することは、一応適切です。

 高井様の解説:
 〇 適切である。
 滞納管理費の請求に関する法的措置は標準管理規約第60条第4項に「理事長は、未納の管理費等及び使用料の請求に関して、理事会の決議により管理組合を代表して訴訟その他法的措置を追行することができる」と規定されており設問は適切です。
 平成28年3月の改正に関係しません。


 (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


2 組合員が所有している専有部分を賃貸に供し、賃貸借契約で賃借人が管理費を負担する旨規定されているときであっても、滞納管理費の請求は区分所有者に対し行います。

〇 適切である。理費や修繕積立金の納入義務は、組合員にある。
 平成23年 マンション管理士試験 「問32」

 管理費等の納入義務は、標準管理規約25条
 「(管理費等)
 第25条 
区分所有者は、敷地及び共用部分等の管理に要する経費に充てるため、次の費用(以下「管理費等」という。)を管理組合に納入しなければならない
     一  管理費
     二  修繕積立金
 2 管理費等の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するものとする。」
 とあり、
 標準管理規約25条1項によれば、管理費等の納入義務があるのは、あくまでも「区分所有者」ですから、組合員が所有している専有部分を賃貸に供し、賃貸借契約で賃借人が管理費を負担する旨規定されているときであっても、滞納管理費の請求は区分所有者(組合員)に対し行いますので、適切です。

 高井様の解説:
 〇 適切である。
 管理費は標準管理規約第25条で「区分所有者は管理費等を管理組合に納入しなければならない」と規定されており滞納管理費の請求は区分所有者に対して行うこととなり設問は適切です。
 平成28年3月の改正に関係しません。



3 あらかじめ規約に、遅延損害金、違約金としての弁護士費用、督促などの諸費用を加算して請求することができる旨規定しているのであれば、請求しないことについて合理的事情がある場合を除き、これらについても請求すべきです。

〇 適切である。
 平成20年 管理業務主任者試験 「問10」 、 平成17年 マンション管理士 試験 「問28」 選択肢4 、 平成19年 管理業務主任者 試験 「問29」 を参照。

  過去問題でも度々指摘したが、遅延損害金は、多くの場合加算していいが、「弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用」については、加算できないという説もある。これを、相変わらず出題する態度は問題である。

 設問は、選択肢1で引用しました、標準管理規約60条2項
 「
2  組合員が前項の期日までに納付すべき金額を納付しない場合には、管理組合は、その未払金額について、年利○%の遅延損害金と、違約金としての弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用を加算して、その組合員に対して請求することができる。」
 とあり、
 同コメント⑥
 「
⑥ 第2項では、遅延損害金と、違約金としての弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用を加算して、その組合員に対して請求することが「できる」と規定しているが、これらについては、請求しないことについて合理的事情がある場合を除き、請求すべきものと考えられる。
 とあり、
 コメント⑥でも”合理的事情”や”考えられる”と、裁判上でも争いのあることを認め、訳の分からない躊躇した表現となっていますが、あくまでも、”標準管理規約内での世界”なら、あらかじめ規約に、遅延損害金、”
違約金としての弁護士費用”、督促などの諸費用を加算して請求することができる旨規定しているのであれば、請求しないことについて合理的事情がある場合を除き、これらについても請求すべきは、適切です。

 高井様の解説:
 〇 適切である。
 本問選択肢1の解説で示した標準管理規約第60条第2項及び同条コメント⑥で「遅延損害金や違約金としての弁護士費用、督促などの諸費用を加算して請求することを規定していれば、請求しないことについて合理的事情がある場合を除き、これらについても請求すべき」とあり設問は適切です。
 平成28年3月の改正で追加された事項です。


 (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


4 規約に遅延損害金を定める場合、その利率の設定については、手間や時間コストなどの回収コストが膨大になったとしても、利息制限法や消費者契約法等における遅延損害金利率を超えることはできません。

X 適切でない。 利息制限法や消費者契約法等の制限はない。
  平成28年 マンション管理士試験 「問15」 選択肢4 平成28年 管理業務主任者試験 「問11」 

 選択肢1で引用しました標準管理規約60条についての コメント④
 「
④ 滞納管理費等に係る遅延損害金の利率の水準については、管理費等は、マンションの日々の維持管理のために必要不可欠なものであり、その滞納はマンションの資産価値や居住環境に影響し得ること、管理組合による滞納管理費等の回収は、専門的な知識・ノウハウを有し大数の法則が働く金融機関等の事業者による債権回収とは違い、手間や時間コストなどの回収コストが膨大となり得ること等から、利息制限法や消費者契約法等における遅延損害金利率よりも高く設定することも考えられる。
 とあり、
  規約に遅延損害金を定める場合、その利率の設定については、手間や時間コストなどの回収コストが膨大になったとしても、利息制限法や消費者契約法等における遅延損害金利率を超えることはできますから、適切ではありません。

 高井様の解説:
 × 不適切である。正解
 本問選択肢1の解説で示した標準管理規約第60条コメント④で「滞納管理費等に係る遅延損害金の利率の水準については、管理費等は、マンションの日々の維持管理のために必要不可欠なものであり、その滞納はマンションの資産価値や居住環境に影響し得ること、管理組合による滞納管理費等の回収は、専門的な知識・ノウハウを有し大数の法則が働く金融機関等の事業者による債権回収とは違い、手間や時間コストなどの回収コストが膨大となり得ること等から、利息制限法や消費者契約法等における遅延損害金利率よりも高く設定することも考えられる」とあり設問は不適切です。
 平成28年3月の改正で追加された事項です


 (注:緑字が平成28年3月の改正箇所です。)


答え:4

《タグ》標準管理規約。平成28年3月の改正点。 管理費等の滞納。 訴訟。 賃借人の立場。 訴訟費用。

 標準管理規約からの出題は、ほとんど平成28年3月の改正箇所からの出題でした。
 本当に、安易な問題作成方法で、この出題方法は、糾弾します。

問34

〔問 34〕甲マンション管理組合の平成 27 年度(平成 27 年 4月 1日~平成 28 年 3 月31 日) の会計に係る次の仕訳のうち、適切でないものはどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとする。

1 平成 28 年 3月に、平成 28 年 3月分、 4月分及び5月分の管理費 (1 ヵ月分は3万円)の合計 9万円が入金された。

〇 適切である。 4月分及び5月分の管理費は、前受金となる
 会計は、必ず2問は出る。
 平成27年 マンション管理士試験 「問34」 、平成27年 管理業務主任者試験 「問14」 、 平成26年 マンション管理士試験 「問34」 、 平成25年 マンション管理士試験 「問35」 など。

 例年2問、仕訳と比較貸借対照表が出ていたが、昨年あたりから、この傾向が変わってきた。仕訳が1問で、あとは、文章となった。

*私の過去問題の解説を読んでいる人には、度々の重なる説明で恐縮ですが、マンションの管理組合では、明確な会計基準がありません
 でも、営利を目的とした企業活動ではないことは明らかです。そこで、非営利団体と似ている公益法人の会計方法を基にしています。
 その最大の特徴が、「
発生主義」の採用です。
 
 
★マンションの会計処理で発生主義ということの重要性は、
   まず、発生主義とは、全ての費用・収益は、その支出・収入に基づいて計上し、その発生した期間
     *収入については、請求権が生じた月、
     *支出については、支出が労役などの提供又は工事などである場合は、その労役などの提供又は工事等が完了した月、物品の購入なら、その物品が納入された月に正しく割り当てるように処理すること です。

 この発生主義により、管理費や修繕積立金は該当月に徴収することになっているなら、未収入金(滞納)があっても、全額計上されている。
 この辺りが、企業の会計処理を知っている人には、なかなか理解できない個所です。
 
 また、「資金の範囲は、現金預金、未収金、未払金、前受金及び前払金とする」も、重要な前提です。資金の範囲同士の取引は、「収支計算書」には、反映されません。
 
収支決算書に反映されるのは、収入の発生と費用の発生です。

 会計処理は、以下の原則があります。

仕訳での記帳の仕方    
 勘定科目など 借方   貸方
 資産勘定     現金預金 増加  減少 
未収金 
前払金
損害保険の積立部分
 負債勘定  未払金  減少 増加
前受金など
 費用の発生   管理業務費 支払有     
修繕費
保険料 など
 収入の発生   管理費収入   収入有  
修繕積立金収入
駐車場使用料など

  そこで、設問に戻りますと、
  平成28年3月の仕訳として、
  入金が 90,000円なら → 資産の増加として 借方に 勘定科目は「現金預金」として、 90,000円
  その内訳は、相手勘定として、貸方に
  3月分の管理費なら 発生主義として、収入の発生 の当月分だけ、勘定科目は 管理費収入として、 30,000円
  4月、5月の管理費は、まだ発生していないため、負債の増加 で 勘定科目は 前受金 として、2か月分合計の 60,000円を計上する

  
 そこで、設問は、適切です。
 なお、前受金は翌月など該当の月には、収入として計上されます。



2 平成 28 年 8月に完了予定の修繕工事の工事費 80 万円のうち、着手金として 平成 28 年 3月に 30 万円を支払い、工事完了時に 50 万円を支払う予定である。

  

〇 適切である。 着手金は、前払金となる。
   平成28年3月の支払いで、
   平成28年8月に完了予定なら、発生主義としては、勘定科目は 前払金 として処理します。
 そこで、資産の増加 として、借方 に 勘定科目 前払金 として、300,000円
 貸方は、支払ですから、資産の減少として、勘定科目 現金預金 として 300,000円としますから、設問は、適切です。
 なお、工事完了時に 50 万円を支払う予定は、発生主義では、仕訳の対象になりません。



3 平成 27 年 4月に、建物の事故等に備え、保険期間 3年の積立型マンション 保険に加入し、 3年分の保険料総額 30 万円を支払った。なお、 1年間の掛捨保 険料は 8万円、 3年後の満期返戻金は 6万円である。

  

〇 適切である。 積立型マンション 保険となるとちょっと面倒。
  平成26年 管理業務主任者試験 「問15」 、 平成20年 管理業務主任者試験 「問15」 、 平成17年 管理業務主任者試験 「問15」 。
 
  保険期間 3年の積立型マンション 保険の仕訳は少しばかり、特殊才能が必要です。
 各保険料に応じた仕訳をします。
 ①まず、平成27年4月であれば当期分の平成27年度での年間掛捨て分 80,000円は 費用の発生 として、支払保険料 として借方に計上します。
 ②次に次年度(80,000円)、次次年度(80,000円)は、各々の年度に 支払保険料として処理しますが、本年度は、資産の増加 として 前払金 として、合計金額 160,000円を計上します。
 ③最後に、満期時に戻ってくる 60,000円は、 資産の増加 として 積立保険料 として、借方に計上します。

 支払った3年分の保険料総額 300,000円は、資産の減少 として 現金預金から、貸方に計上します。
 そこで、設問は、適切です。



4 平成 26 年度の貸借対照表に計上されていた管理費の未収金 10 万円のうち、 8万円が平成 27 年度に入金されたが、 2万円はまだ人金されていない。

 

 適切でない。 まだ入金のない未収金なら、計上しない。
 平成26年度の未収金 100,000円なら
 平成26年度において 

借方  貸方 
未収金 100,000
(資産の増加)
管理費収入 100,000
(収入の発生)

 として処理されています。
 この 100,000円のうちの 80,000円だけが平成27年度に入金されるとその仕訳は、

借方  貸方 
現金預金 80,000
(資産の増加)
未収金 80,000
(資産の減少)
 となります。まだ、入金のない、20,000につては、処理をしません(未収金として残る)から、この設問の仕訳は、適切ではありません。 


答え:4 

《タグ》会計。仕訳。 前受金。前払金。積立型マンション保険。未収金。
  難しくはない。積立型マンション保険にしても、管理業務主任者の過去問題をやっていれば、分かる。
  また少しばかり、会計・仕訳を得意としていない受験生がいるので、細かく解説した。(約3時間かかっている。)


 *2017年 2月18日追記:仕訳の仕方を表にしたらまた、時間がかかったぞ。これで、仕訳が得意でない人も、かなり分かった?

問35

〔問 35〕甲マンション管理組合の平成 27 年度決算(平成 27 年 4月 1日~平成 28 年 3月 31 日)に当たり、平成 28 年 3月 31 日現在の会計帳簿の現金預金の金額と 銀行の預金残高証明書の金額に 3万円の差異があった。この原因に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとし、資金の範囲は、現金預金、未収金、前払金、未払金及び前受金とする。

1 平成 28 年度分の管理費 3万円が平成 28 年 3月に管理組合口座に入金されていたが、会計処理をしなかったため、会計帳簿の現金預金の金額が 3万円少ない。

〇 適切である。 入金処理をしなければ、当然金額は一致しない。
  文章だけで、現金預金の入金/出金の仕訳のイメージを作れるかどうかです。
 *発生主義によるは、前の「問34」 を参照してください。
  平成28年3月に、銀行口座には、3万円の管理費収入があったにも拘わらず、その処理を、3月にしていなければ、会計帳簿の現金預金の金額が 3万円少なくなりますから、適切です。



2 平成 28 年 3月分のエレベーター保守料 3万円を未払金で会計処理していたが、 3月中に管理組合口座から自動引落しされていたため、会計帳簿の現金預金の金額が 3万円多い。

〇 適切である。 相手勘定として現金預金がなければ、金額は一致しない。
 平成28年3月分のエレベーター保守料 3万円を「未払金」として処理したとなると、相手勘定に「現金預金」が計上されていません。しかし、3月中に管理組合口座から自動引落しされていれば、会計帳簿の現金預金の金額が 3万円多くなりますから、適切です。


3 平成 27 年度分と平成 28 年度分の損害保険料6万円(年間 3万円)を平成 28 年 3月に管理組合口座から支払ったが、 3万円は前払金として会計処理したため、会計帳簿の現金預金の金額が 3万円少ない。

X 適切でない。 この場合、銀行の預金残高証明書の金額と会計帳簿の現金預金の金額は一致する。
 損害保険料の仕訳は、前の 「問34」 選択肢3 を参照。
 平成27年度の損害保険料30,000円は、発生主義においては、当期の費用の発生になりますが、翌平成28年度分(平成28年4月1日~)の損害保険料30,000円は、平成28年3月においては、まだ発生していないため、前払金として処理します。この場合、銀行の預金残高証明書の金額と会計帳簿の現金預金の金額は一致しますから、適切ではありません。


 参考までに、仕訳は、 

借方  貸方 
支払保険料 30,000
前払金    30,000     
現金預金 60,000



4 平成 27 年度分の管理費 3万円を未収金で会計処理していたが、平成 28 年 3月に管理組合口座に人金されていたことを見落としたため、会計帳簿の現金預金の金額が 3万円少ない。

〇 適切である。 入金を見落として会計処理をしていなければ、金額は一致しない。
  未収金として処理した30,000円が、該当年度に銀行口座に入金されていたのに、会計処理をしなければ、当然、会計帳簿の現金預金の金額が 3万円少なくなりますから、適切です。


答え:3 

《タグ》会計。 仕訳のイメージが作れるか。 発生主義。 現金預金と銀行の預金残高証明書。未払金。前払金。

 仕訳が2問とは以前の出題方法と変わった。会計を知っている人なら、解答は早いし、易しい問題だが、仕訳のイメージができない人は、ここは飛ばして、次の問題に行った方がいい。
 但し、後で必ず戻ってきて、マーク・シートに答えを塗りつぶしてください。正答の確率は、25%でありますから。

問36

〔問 36〕マンションの建物の点検又は調査・診断に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

1 建築基準法第 12 条第 1項に規定される特殊建築物等の定期調査(この問いにおいて「定期調査」という。)に当たるのは、ー級建築士又は二級建築士でなければならない。


注:建築基準法第12条は、平成28年6月施行で、改正があった。ここは、未対応。


X 適切でない。定期調査は、一級建築士、二級建築士の他国土交通大臣が定める資格を有する者もできる。
 平成25年 管理業務主任者試験 「問21」 、 平成25年 管理業務主任者試験 「問12」 も 建築基準法第12条からの出題。 平成23年 管理業務主任者試験 「問25」 、 平成21年 マンション管理士試験 「問37」 、 平成18年 管理業務主任者試験 「問18」 など。 

 特殊建築物等の報告、検査は、建築基準法第12条、
 「
(報告、検査等)
 第十二条  第六条第一項第一号に掲げる建築物で安全上、防火上又は衛生上特に重要であるものとして政令で定めるもの(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物(以下この項及び第三項において「国等の建築物」という。)を除く。)及び当該政令で定めるもの以外の
特定建築物(同号に掲げる建築物その他政令で定める建築物をいう。以下この条において同じ。)で特定行政庁が指定するもの(国等の建築物を除く。)の所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者。第三項において同じ。)は、これらの建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員資格者証の交付を受けている者(次項及び次条第三項において「建築物調査員」という。)にその状況の調査(これらの建築物の敷地及び構造についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含み、これらの建築物の建築設備及び防火戸その他の政令で定める防火設備(以下「建築設備等」という。)についての第三項の検査を除く。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。

 (以下略)」
 とあり、
 ①一級建築士 若しくは
 ②二級建築士 又は
 ③建築物調査員資格者証の交付を受けている者(
特殊建築物等調査資格者
 も特殊建築物等の定期調査が可能ですから、ー級建築士又は二級建築士でなければならないは、適切ではありません。


 


2 アルミ製品の調査・診断に当たっては、主に目視調査により耐久性を推定するが、光沢度、塗膜付着性等について計測機器等を使用して計測する方法もある。

〇 適切である。
 平成26年 マンション管理士試験 「問37」

 アルミも腐食して、白い斑点が表面に現れます。年1回から2回程度表面をクリーニングすると長持ちします。
 そこで、アルミ製品の調査・診断に当たっては、主に 目視調査により耐久性を推定しますが、光沢度、塗膜付着性等について計測機器等を使用して計測する方法もありますから、適切です。
 でも、この計測機を使用する方法は一般的には行われていないそうです。


 


3 反発度法により推定されたコンクリート強度は、試験結果の精度が高いので、耐震診断においても一般的に適用されている。

X 適切ではない。 反発度法は精度が低い。
  平成23年 マンション管理士試験 「問37」 、 平成23年 管理業務主任者試験 「問28」 、平成17年 マンション管理士試験 「問36」 、 平成17年 管理業務主任者試験 「問28」 。

 コンクリートの強度の調査・診断方法としては、反発度(リバウンド)法としてシュミット・ハンマー(リバウンド・ハンマー)を使用した非破壊試験方法やコンクリート・コア抜きによる破壊試験方法があります。
 反発度(シュミット・ハンマー)法では基本的にコンクリートの圧縮強度はあまり正確に測ることはできません。ばらつきも大きいので、一箇所だけではなく20ポイントで測ることを基本にしています。たまたま鉄筋の真上だと飛びぬけて良い値が取れます。このようなデータは捨てる必要がありますが、逆にジャンカなどで表面がガタガタになっているような場合は、表面の平らな部分に測定器を当てないと反射が正確に測れず、弱い強度が出ます。
 そこで、反発度法により推定されたコンクリート強度は、試験結果の精度が低く、適切ではありません。


  


4 定期調査における外壁タイルの調査・診断では、竣工後又は外壁改修工事実施後 10 年以内に全ての壁面について打診調査を行わなければならない。

X 適切でない? 12年が目安で、10年以内ではない。 10年を超え?
  長期修繕計画作成ガイドライン(平成20年6月、国土交通省作成)によれば、外壁タイルの補修周期は、12年が目安であり、竣工後又は外壁改修工事実施後 10 年以内に全ての壁面について打診調査を行わなければならないは、適切ではありません。
  しかし、”10年以内”とか言い切っているが、出題の意図が不明だ。”全ての壁面”にポイントがあるのか? それとも、10年以内ではなく、10年経過後というのか?
 
 

 2017年 2月24日 追記:調べていたら、平成20年国土交通省告示第282号 があった。(注:直接リンクは、貼れませんでした。)
 この「調査方法」に
 「開口隅部、水平打継部、斜壁部等のうち手の届く範囲をテストハンマーによる打診等により確認 し、その他の部分は必要に応じて双眼鏡等を使用し目視により確認し、異常が認められた場合にあっては、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分を 全面的にテストハンマーによる 打診等により確認する。ただし、
竣工後、外壁改修後若しくは落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面的なテストハンマーによる打診等を実施した後 10 年を超え、かつ3年以内に落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面的なテストハンマーによる打診等を実施していない場合にあっては、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分を全面的にテストハンマーによる打診等により確認する(3年以内に外壁改修等が行われることが確実である場合又は別途歩行者等の安全を確保するための対 策を講じている場合を除く。)。」
 とあり、
 ここの、 「10年を超え」が該当するのかも。



答え:2

《タグ》建物の調査。 定期調査ができる資格。 アルミ製品。 コンクリートの強度。外壁タイル。

  選択肢4が少しばかり悩むが、過去問題をやっていれば、易しい。

問37

〔問 37〕マンションの外壁の補修工事に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 コンクリートのひび割れの補修における樹脂注入工法において、ひび割れ幅の変動が大きい場合には軟質形のエポキシ樹脂を注入する。

〇 適切である?
 平成24年 マンション管理士試験 「問38」 平成21年 マンション管理士試験 「問39」 、 平成20年 マンション管理士試験 「問37」  など。 

 樹脂注入工法(注入工法)とは、コンクリートでひび割れが発生した場合の補修工法で、ひび割れの幅が、比較的に小さい0.2mm~1.0mmなら、手動式のポンプを使ったり、自動低圧機や電動ポンプを使って建築補修用のエポキシ樹脂等をひび割れ部に注入する方法です。
 設問のひび割れ幅の変動が大きい場合が具体的にどの程度を指しているのか不明ですが、樹脂注入工法では、軟質形のエポキシ樹脂を注入しますから、一応、適切です。


 


2 コンクリートのひび割れの補修におけるシール工法は、ひび割れ幅が 0.2mm未満程度の比較的幅の小さいひび割れの補修に有効な工法である。

〇 適切である。
  シール工法(被膜工法)とは、ひび割れの上を清掃し、ひび割れにエポキシ樹脂や塗膜弾性防水材で被覆する工法です。0.2mm 未満の軽微な収縮ひび割れを対象としたひび割れ補修工法ですから、適切です。
 

 参考:ひび割れが大きくなると、Uカットシール材充填工法を使用します。
 Uカットシール材充填工法とは、ひび割れ幅が、1.0mm以上や挙動(温度差による動き)が大きくなると、選択肢1の樹脂注入工法(注入工法)ではなく、割れに対して、幅10mm、深さ10mm~15mmのU字型の溝を切って、清掃後、シーリング材や可撓性(かとうせい=動きに追随できるもの)のエポキシ樹脂を充填する工法です。



3 吹付けタイル等の塗り仕上げの改修は、ひび割れに沿って塗膜を撤去するのが原則であるが、塗膜が健全でコンクリートとの接着が良い場合は、塗膜を撤去せずにひび割れ改修を行うことがある。

〇 適切である。
  まず、吹付けタイルとは、一般的なタイルではなく塗料を外壁にスプレーやローラー・ブラシで何層も吹き付け(塗り付け)て凸凹を付けタイル風に見せた仕上げの工法です。
 モルタルのままでは味気ないので使用されています。表面に凸凹があるので、汚れが付いたら落とすのが大変です。

 
 

 吹付けタイル等の塗り仕上げの改修工法としては、既存塗膜の劣化状況に応じて塗膜を削り取ったり、溶かしたりしますが、塗膜が健全でコンクリートとの接着が良い場合は、塗膜を撤去せずにひび割れ改修もできそうですから、適切です


4 タイル張り外壁の浮き部分の補修におけるアンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法は、タイルの中央に穿孔して樹脂を注人してタイルを固定させる工法である。

X 適切でない? タイルの中央ではなく、浮きの部分に等間隔に穿孔する?

  平成24年 マンション管理士試験 「問38」 選択肢3 。

 タイル張りの外壁の浮き部分の補修方法としては、ステンレス製のピン(アンカーピン)とエポキシ樹脂系注入材を併用して、下地のコンクリートと仕上げモルタルやタイルとの接着を行い、剥離・剥落を防止する工法があります。
 剥離部分に対して等間隔に穿孔を行い、エポキシ樹脂やセメントスラリー(cement slurry :セメントと水との混合液)を注入し 孔内にアンカーピンを挿入します。
 使用するアンカーピンの種類には、全ねじステンレスピンや、注入口付きアンカーピンと呼ばれ、アンカーピンの先端が孔内で拡張し機械的に仕上げ層を躯体へ固定するものもあります。
 また、エポキシ樹脂の注入をアンカーピン挿入孔から行う場合と、これ以外にエポキシ樹脂の注入孔を追加し、剥離部全面に樹脂を充填させる方法もあります。 
 一般的に1㎡に16本のアンカーピンと樹脂(30g/穴)を充填します。

  名称としては、
 ①アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法、(浮きの全面にエポキシ樹脂が行き渡っていない)
 ②アンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法、(浮きの全面にエポキシ樹脂が行き渡っている)
 ③アンカーピンニング全面ポリマーセメ ントスラリー注入工法 (軽量のポリマーセメントで充填する)
 などがあります。

 そこで、設問に戻りますが、ここも出題の意図が”浮きの部分”と”浮きの全面”にあるのか他の箇所にあるのか不明で、調べても、あまり部分と全面にはグリッドの幅程度の違いしかなく、多分”タイルの中央に穿孔して”ではなく、”浮きの部分に等間隔に穿孔して”が適切のようですから、設問は適切ではありません。
  
 
  参考:注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法とは、注入口付開脚式アンカーピンを使用し、コンクリート躯体と、浮いたモルタルやタイル仕上層を機械的に固定し、さらにエポキシ樹脂を注入し、剥落を防止します。
 


  動画もあります。https://www.youtube.com/watch?v=pYSbn3WTD4M

 追記:2019年 1月 9日
  


答え:4 

《タグ》外壁補修。 コンクリートのひび割れ。吹付けタイルの改修。 アンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法。

 設備や補修は、まったく出題の意図と根拠が分からない設問がある。
 出題意図不明という意味では、難問だ。

 *ある受験生の感想:選択肢4は一応承知していたが選択肢2のシール工法という言葉にひかれて選択肢2を選択。外壁の修理工法については業者のHPにて図や動画で確認する必要ありと感じた。

問38

〔問 38〕大規模修繕工事に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 大規模修繕工事では、建物及び設備の性能や機能を新築時と同等水準に維持、回復させる工事とともに、必要に応じで性能を向上させる工事も併せて実施される。

〇 適切である。
 平成25年 マンション管理士試験 「問38」 、平成19年 マンション管理士試験 「問39」

 マンションの修繕内容としては、元の状態に回復させる修繕の他に、居住者の意見を取り入れて、当初の性能を向上させる”改良”も行いますから適切です。
 

2 大規模修繕工事を責任施工方式で行う場合は、設計者と施工者との意思疎通が図りやすいため、修繕工事の厳正なチェックが期待できる。

X 適切ではない。 責任施工方式では、第三者のチェックがない。
  平成17年 管理業務主任者試験 「問27」 、 平成15年 マンション管理士試験 「問36」 

 大規模修繕を進めるには管理組合だけの知識と人員では到底無理です。そこで、外部の専門家の存在がどうしても必要となります。
 その外部の専門家に依頼する方式には、次の
 ①設計監理方式 と
 ②責任施工方式
 があります。


 
 各々のメリット・デメリットに注意してください。
 そこで、設問の、責任施工方式では、設計と施工が一体化していますので、意思の疎通は図りやすいは、適切ですが、逆に客観性が失われることもあり、修繕工事の厳正なチェックが期待できませんから、後半は適切ではありませんから、全体として、適切ではありません。



3 大規模修繕工事の施工会社の選定に当たっては、見積金額だけではなく、修繕工事実績、工事保証能力、施工管理体制、施工計画等から総合的に判断する。

〇 適切である。
  解説するまでもなく、当然でしょう。


4 大規模修繕工事のコンサルタントには、マンションの建物の調査・診断や修繕設計等だけでなく、施工会社選定への助言及び協力、長期修繕計画の見直し、資金計画に関する助言等ができることが望まれる。

〇 適切である。
 これも、当然です。


答え:2

《タグ》大規模修繕。 設計監理方式。 責任施工方式。

    選択肢2だけ、専門用語を使用しているので、簡単に選べる。 あとは、常識でも答えられる。

問39

〔問 39〕長期修繕計画の作成及びその見直しに関する次の記述のうち、「長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」(平成 20 年6月 国土交通省公表)によれば、適切でないものはどれか。

1長期修繕計画は、修繕積立金の額も含まれていることから、財務状況が管理組合外へ流出することを防ぐため、外部へは開示していない。

X 適切でない。 修繕積立金の額も含まれているが、長期修繕計画は外部へも開示される。
 平成26年 マンション管理士試験 「問38」 、平成26年 管理業務主任者試験 「問27」 、 平成25年マンション管理士試験 「問37」、 平成23年マンション管理士試験 「問38」、 平成21年 マンション管理士試験 「問36」 。

 長期修繕計画作成ガイドラインによれば、長期修繕計画に基づいて修繕積立金の額を設定し、作成された長期修繕計画は、区分所有者及び外部に開示してマンションの購入予定者も参考にするように勧めていますから、適切ではありません。
 長期修繕計画作成ガイドライン:25ページ 「3 ガイドラインの利用方法」参照



2 機械式駐車場があり、維持管理に多額の費用を要するため、管理費会計及び修繕積立金会計とは区分して駐車場使用料会計を新設した。

〇 適切である。
 駐車場には、平地にある「平置き」タイプと、運送機等を用いた「機械式」があります。
 機械式駐車場はその構造上維持管理に多額の費用がかかりますから、通常の管理費会計や修繕積立金会計とは別にして、収支を明確にすることは、適切です。
 ここはもう、常識で、根拠を探すのが面倒ですから、長期修繕計画作成ガイドラインによるまでもありません。
 長期修繕計画作成ガイドライン3章1節9 ?


3 大規模修繕工事直後の長期修繕計画の見直しにおいて、同工事直後の調査・診断を省略し、同工事直前の調査・診断結果を活用した。

〇 適切である
 余分なコストを省くことができますから、適切です。
 長期修繕計画作成ガイドライン3章1節10コメント?



4 想定外の工事の発生、災害や不測の事故などによる緊急の費用負担が発生した場合の一時金の徴収を避けるため、推定修繕工事項目に予備費を設定して長期修繕計画を作成した。

〇 適切である。
 想定外のことを考えることは、適切です。


答え:1

《タグ》長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント。 もう、長文の「長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」の該当の箇所を探していると、時間がないので省略です。
常識でも答えられます。

 該当の箇所を探した方は、「マンション管理士 香川事務所」まで、メール ください。

 *ある受験生の感想:選択肢3を選んだ。選択肢1はちょっと解せないけれどHPなどに掲載して外部へ公開することを勧めている。選択肢3は常識的にみれば同じことを短い期間で繰り返してやるのは無駄である。ガイドラインを一度、見直しておく必要ありと感じた。

問40

〔問 40〕マンションの構造に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

1 地震で被災した際、被災建築物応急危険度判定で「危険(赤色)」と判定されたため、修繕が不可能と判断し、建物を取り壊すことにした。

X 適切でない。 危険と判定されても、修繕不可能とは断定できない。

  過去問題にはない、新しい分野からの出題です。

 

 まず、被災建築物応急危険度判定とは、余震等による建築物の倒壊などに伴う二次災害を防止するため、地震発生後できるだけ早く、かつ短時間で建築物の被災状況を調査し、被災者がそのまま自宅にいてよいか、避難所へ避難したほうがよいかなどを判定し、その建築物の当面の使用の可否を判定するものです。
 その後に発生する余震などによる倒壊の危険性や外壁・窓ガラスの落下、付属設備の転倒などの危険性を判定することにより、人命にかかわる
二次的災害を防止することを目的としています

 被災建築物応急危険度判定には、3種のステッカーがあり、
 ①危険(赤紙)
 ②要注意(黄紙)
 ③調査済(緑紙) です。
 応急危険度判定は地震の二次災害防止のため、応急的に建物の安全性をチェックするものですから、特にその建物が修繕が不可能とは断定できませんから、適切ではありません。、



2 免震構造は、建築物の基礎と上部構造との間に免震装置を設ける構造であるため、建築物の新築時から免震装置を設置しておかなくてはならない。

X 適切でない。 免震装置や制震装置は、既存の建物にも設置が可能。
  平成21年 マンション管理士試験 「問41」 平成16年 マンション管理士試験 「問40」 

  まず、地震と建築物の関係では、
  ①耐震構造...建物を強健にして(剛性を高める)地震に対応する
  ②制震構造...建物の骨組みに取り付けたオイルや粘弾性のある制震装置(ダンパー)により、地震や風による揺れを小さくする
  ③免震構造...建物の基礎と上部構造との間に積層ゴムや滑り機能を持つ免震装置を設けて、地震の力に対して、建物がゆっくりと水平移動して建物の曲げや変形を少なくする
  があり、設問の「免震構造は、建築物の基礎と上部構造との間に免震装置を設ける構造である」は、適切です。
 しかし、②制震装置や③免震装置は、既存の建物にも設置が可能ですから、設問の後半の「建築物の新築時から免震装置を設置しておかなくてはならない」、適切ではありません。

 よって、全体としては、適切ではありません。

 


3 建築基準法による耐震基準は、震度 6強から震度 7程度の地震に対して、主要構造部は被害を受けないことを目標としている。

X 適切でない。 耐震基準は、人命を地震の危害から防ぐことを目標としている。
 平成24年 マンション管理士試験 「問42」 、平成24年 管理業務主任者試験 「問20」 、  平成22年 マンション管理士試験 「問42」 、 平成20年 管理業務主任者試験 「問22」 、 平成18年 マンション管理士試験 「問40」 

 2016年(平成28年)の熊本地方の地震や2011年(平成23年)3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震だけでなく、日本全国で地震による家屋の倒壊等の被害は大きく、地震の発生の度に多くの貴重な生命・財産が奪われています。
 そこで、建築基準法と耐震の歴史をみると1964年(昭和39年)に発生した新潟地震と1968年(昭和43年)に発生した十勝沖地震等の被害を教訓にして、1971年(昭和46年)に鉄筋コンクリート造(RC造)の柱の帯筋の基準を強化し、また1981年(昭和56年)には、新耐震基準の改正もあります。さらに、1995年(平成7年)に発生した阪神・淡路大震災を教訓にした「建築物の耐震改修の促進に関する法律」があるのですが、平成18年にこの法律の改正があり、関係する建築基準法も震度6強から7程度までの耐震基準となっています。
 この耐震基準は、震度6強から震度7程度の地震に対して、人命に危害を及ぼすような倒壊、崩壊等を生じないことを目標としていますから、主要構造部は被害を受けないことを目標としているは、適切ではありません。



4 耐震改修工法については、壁やブレース、柱、梁を増設、補強する工法だけではなく、逆に柱に取り付く壁と柱の間に隙間を設けることで耐震性能を改善する工法もある。

〇 適切である。 スリット工法がある。
 平成25年 マンション管理士試験 「問41」 、 平成22年 管理業務主任者試験 「問26」 、 平成21年 マンション管理士試験 「問41」 、 平成19年 マンション管理士試験 「問40」 、平成17年 マンション管理士試験 「41」 、 

 耐震補強としては、壁やブレースの増設、柱、梁の補強をする策もありますが、壁と柱が繋がっていて横方向の地震力が集中して、柱が破壊される例が報告されています。
 これを防ぐために、柱と壁の間に隙間・切れ目(スリット)を設けて耐震性能を上げる工法もありますから、適切です



 


 


答え:4 

《タグ》地震対応。 耐震構造。制震構造。免震構造。耐震基準。 補強工法。

    選択肢1は新しい出題だが、過去問題をやっていれば、選択肢4は選べた?

問41

〔問 41〕マンションのバリアフリーに関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

1 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成 18 年法律第91 号)に規定する特定建築物に該当するマンションでは、建築基準法に基づく建築確認が必要となる大規模の修繕を行う場合、建築物移動等円滑化基準に適合させなければならない。

X 適切でない。 努力規定であり、義務ではない。
 平成24年 マンション管理士試験 「問40」   参考までに、平成28年 管理業務主任者試験 「問44」 。
 
 まず、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)での「特定建築物」とは、同法第2条16号
 
「(定義)
 第二条  この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
     十六  
特定建築物 学校、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、ホテル、事務所、共同住宅、老人ホームその他の多数の者が利用する政令で定める建築物又はその部分をいい、これらに附属する建築物特定施設を含むものとする。」

 とあり、
 マンションは、共同住宅として、特定建築物に該当します。
 では、建築基準法に基づく建築確認が必要となる大規模の修繕を行う場合、建築物移動等円滑化基準に適合させるかですが、
 それは、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第16条
 「
特定建築物の建築主等の努力義務等
 「第十六条  建築主等は、特定建築物(特別特定建築物を除く。以下この条において同じ。)の建築(用途の変更をして特定建築物にすることを含む。次条第一項において同じ。)をしようとするときは、当該特定建築物を建築物移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう
努めなければならない
 2  建築主等は、
特定建築物の建築物特定施設の修繕又は模様替をしようとするときは、当該建築物特定施設を建築物移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
 3  所管行政庁は、特定建築物について前二項に規定する措置の適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、建築主等に対し、建築物移動等円滑化基準を勘案して、特定建築物又はその建築物特定施設の設計及び施工に係る事項について必要な指導及び助言をすることができる。」

 とあり、
 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第16条2項によれば、マンション(共同住宅)においては、 建築物特定施設の修繕又は模様替をしようとするときは(大規模の修繕)、建築物移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならないであり、努力目標ですから、適合させなければならないは、適切ではありません。

 

2 住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成 11 年法律第 81 号)に基づく住宅性能表示制度では、新築住宅については高齢者等配慮対策等級が定められているが、既存住宅については定められていない。

X 適切でない。 高齢者等配慮対策等級は、既存住宅も対象である。
 平成28年 管理業務主任者試験 「問24」
 
 住宅の品質確保の促進等に関する法律は、民法での瑕疵担保責任での例外規定の他にも、日本住宅性能表示基準も定めています。
 まず、日本住宅性能表示基準は、同法第3条以下に規定されています。
 「(日本住宅性能表示基準)
 第三条  国土交通大臣及び内閣総理大臣は、住宅の性能に関する表示の適正化を図るため、日本住宅性能表示基準を定めなければならない。
 2  日本住宅性能表示基準は、利害関係人の意向を適切に反映するように、かつ、その適用に当たって同様な条件の下にある者に対して不公正に差別を付することがないように定め、又は変更しなければならない。
 3  国土交通大臣又は内閣総理大臣は、日本住宅性能表示基準を定め、又は変更しようとする場合において、必要があると認めるときは、当該日本住宅性能表示基準又はその変更の案について、公聴会を開いて利害関係人の意見を聴くことができる。
 4  国土交通大臣及び内閣総理大臣は、日本住宅性能表示基準を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、国土交通大臣にあっては社会資本整備審議会の議決を、内閣総理大臣にあっては消費者委員会の議決を、それぞれ経なければならない。
 5  国土交通大臣及び内閣総理大臣は、日本住宅性能表示基準を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを告示しなければならない。

 とあります。
 そこで、これを受け、住宅流通の円滑化と合理化を図る「住宅性能表示制度」ができています。
 その制度の概要は、
  ・
新築住宅と既存住宅(中古住宅)の両方に適用することができる
  ・共通基準には、①構造、②防火、③劣化軽減、④維持管理・更新への配慮、⑤温熱環境・エネルギー消費量、⑥空気環境、⑦光・視環境、⑧音環境、⑨
高齢者等への配慮、⑩防犯 の10分野がある
  ・国に登録された第三者機関が共通の表示基準で評価して住宅性能を評価書として表示する
  ・評価書の内容は契約書に添付できる
  ・事後にトラブルが発生しても円滑で迅速な紛争処理を行える です。
  これらによれば、住宅性能表示制度では、新築住宅(10分野33項目)についても、既存住宅(9分野28項目、追加項目もあり)についても、共に高齢者等への配慮に関することとして高齢者等配慮対策等級が定められていますので、既存住宅については定められていないは、適切ではありません。
  なお、等級では「5など」(4や3が最高もある)が一番よくて、→ 1、又は 0 となります。

 住宅性能表示制度における性能表示事項(必須/選択項目の範囲)は、見直されていますので注意してください。(平成27年4月1日施行)

 


3 建築基準法によれば、高さ 1mをこえる階段には手すりを設けなければならない。

〇 適切である。 階段で高さが1mをこえると手すりをつけること。
  平成22年 マンション管理士試験 「問20」 

 階段の手すりは、建築基準法施行令第25条
  「(階段等の手すり等)
 第二十五条  
階段には、手すりを設けなければならない。
 2  階段及びその踊場の両側(手すりが設けられた側を除く。)には、側壁又はこれに代わるものを設けなければならない。
 3  階段の幅が三メートルをこえる場合においては、中間に手すりを設けなければならない。ただし、けあげが十五センチメートル以下で、かつ、踏面が三十センチメートル以上のものにあつては、この限りでない。
 4  
前三項の規定は、高さ一メートル以下の階段の部分には、適用しない
 とあり、
 建築基準法施行令第25条1項及び4項によれば、階段には、高さが1mを超えると手すりを設けますから、適切です。

  


4 建築基準法によれば、階段に代わる傾斜路を設ける際は、勾配が 12 分の 1をこえてはならない。

X 適切でない。 階段に代わる傾斜路を設ける際は、勾配は1/8 をこえないこと。 1/12 ではない。
 階段に代わる傾斜路を設けるとは、建築基準法施行令第26条
 「(階段に代わる傾斜路)
 第二十六条  
階段に代わる傾斜路は、次の各号に定めるところによらなければならない。
     一  勾配は、八分の一をこえないこと

     二  表面は、粗面とし、又はすべりにくい材料で仕上げること。
 2  前三条の規定(けあげ及び踏面に関する部分を除く。)は、前項の傾斜路に準用する。」

 とあり、
  階段の代わりに傾斜路(スロープ)を設けるなら、その勾配は建築基準法施行令第26条1項1号によれば、1/8 をこえないこととあり、1/12 は、適切ではありません。
 なお、勾配 1/8 とは、水平に8m進むあいだに、垂直に 1m あがるスロープとなります。
 

 

 なお、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)での「建築物移動等円滑化(誘導)基準」では、スロープの勾配は、屋内で 1/12を超えないこと、屋外で1/15を超えないことです。


答え:3

《タグ》バリアーフリー。 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律。住宅の品質確保の促進等に関する法律。建築基準法施行令。 建築物移動等円滑化基準。高齢者等配慮対策等級。階段と手すり。階段に代わる傾斜路の勾配。

 選択肢3は過去問題がある。
 選択肢4の勾配 1/8 を超えないことは知らないか?

問42

〔問 42〕マンションの室内環境に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 住宅の省エネルギー基準には、外壁や窓等に関する基準以外に暖冷房や給湯等の住宅設備に関する基準も導入されている。

〇 適切である。
 住宅の省エネルギー基準は、平成27年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」に基づき、国土交通省と経済産業省による、住宅の省エネルギーの基準です。
 日本全国を6つの地域に分けて、それぞれの基準を適用します。
 一次エネルギー消費量に関する基準では、
  ・外皮(
外壁や窓等)の断熱性
  ・設備の性能 ・
空調 ・照明 ・換気 ・給湯 ・昇降機 ・太陽光発電等による創エネルギーの取組
  があげられていて、住宅の省エネルギー基準には、外壁や窓等に関する基準以外に暖冷房や給湯等の住宅設備に関する基準も導入されているは、適切です。



2 窓サッシを二重化すると、窓の熱貫流率が小さくなり、室内の温度を安定させるとともに、結露の発生を抑制することができる。

〇 適切である。
  平成21年 マンション管理士試験 「問40」

  まず、熱貫流率とは...壁、床、屋根等を通して熱が逃げたり、入ってきたりすることです。建築物壁面の熱の伝わりやすさを数値として表したものです。この数値が小さいほど熱を伝えにくく、断熱性が高いことになります。


 
 そこで、窓サッシを二重化すると、窓の熱貫流率が小さくなり、室内の温度を安定させるとともに、結露の発生を抑制することができますから、適切です。


3 JIS (日本工業規格)での F☆☆☆☆等級に適合する建材は、建築基準法によるシックハウス対策に係る制限を受けることなく内装仕上げに用いることができる。

〇 適切である。F☆☆☆☆等級なら制限なしに使える。
  平成16年 管理業務主任者試験 「問24」

  建築基準法では、シックハウス対策として、主にホルムアルデヒドに関する対策をしています。
 これを受け、JIS(日本工業規格)での F☆☆☆☆等級とは、内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを規制したものです。
 F☆☆☆☆等級は、ホルムアルデヒドの放散速度が、5μg/㎡h 以下で、建築基準法の対象外で、内装仕上げにおいても制限なく使用できますから、適切です。
 注:μg=マイクロ・グラム...100万分の1g。   発散速度 1μg/㎡h は、建材 1㎡ につき1時間あたりにつき、1μgの化学物質が発散されたことをいう。



 


4 マンションの界壁の遮音は、空気伝搬音より固体伝搬音の対策を重視しなければならない。

X 適切でない。 マンションでの界壁での遮音は、固体伝搬音よりも空気伝搬音の伝わり難さを重視すること。
 平成27年 マンション管理士試験 「問40」 、平成21年 マンション管理士試験 「問42」 、平成21年管理業務主任者試験 「問23」 選択肢2、3、平成18年マンション管理士試験 「問42」 、 平成15年 マンション管理士試験 「問40」

 まず、音は床の衝撃音のように建物の構造から伝わる固体伝搬音と、話し声や演奏音のように空気中を伝わり窓など開口部から聞こえる空気伝搬音があります。
 そこで、マンションの界壁において求められるのは、話し声など空気伝搬音が伝わりにくいことです。
 空気伝搬音は、遮音等級(D)で表され、D-50 と D-15 なら D-50 の方が遮音性が優れています。
 界壁の遮音は、主に壁の密度と厚さによって決まります。

 床の遮音対策なら、固定伝搬音が重視されますが、界壁の遮音対策なら、固体伝搬音よりも空気伝搬音の方を対策を重視しますから、設問は、適切ではありません。 

界壁の遮音等級

D-65

D-60

D-55

D-50

D-45

D-40

D-35

D-30

D-25

D-20

D-15

ピアノ、ステレオ等の大きい音

通常では聞こえない

ほとんど聞こえない

かすかに聞こえる

小さく聞こえる

かなり聞こえる

曲がはっきり分かる

よく聞こえる

大変よく聞こえる

うるさい

かなりうるさい

大変うるさい



答え:4

《タグ》マンションの室内環境。 住宅の省エネルギー基準。窓サッシの二重化。熱貫流率。シックハウス対策。界壁の遮音。空気伝搬音。固体伝搬音。

 選択肢4の界壁の遮音は少し難しい? 他の消去法で正解は選べるか。

 *ある受験生の感想:選択肢3を選んだ。選択肢4は勉強不足

問43

〔問 43〕マンションの給水設備に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

1 水槽のオーバーフロー管及び通気管には、外部からの害虫等の侵入を防ぐために、 トラップ又は先端に防虫網を設ける必要がある。

X 適切でない。 トラップの先端には、防虫網は設ける必要はない。
 平成27年 マンション管理士試験 「問44」 、平成27年 管理業務主任者試験 「問20」 、 平成26年 マンション管理士試験 「問44」 、平成21年 管理業務主任者試験 「問25」 、平成18年 マンション管理士試験 「問44」、 平成16年 管理業務主任者試験 「問23」 など。

  過去問題での給水設備と排水設備の複合問題です。

 まず、受水槽のオーバーフロー管や通気管の位置は、外部にありますから、受水槽内部に虫などが侵入しないように、その先端部に金網などの防虫網を設けるは、適切です。


 
  一方、トラップ(Trap=わな)とは、排水管や下水道からの悪臭、有毒ガス、虫などが室内に侵入するのを防ぐためのもので、具体的には、洗面器など衛生器具の排水管の途中や排水系統に設けられ、水がたまった部分のことです。トラップの種類としては、サイホン式と非サイホン式に大別できます。
 サイホン式トラップとは、排水管をS字型(Sトラップ)やU字型(Uトラップ)などに形成し、排水が満水状態で通過するときのサイホン作用を利用し水封部分の固形物を排出しますが、自己サイホン作用によって、破封(封水が破られる)しやすい欠点もあります。
 このトラップには、水が溜まっていますから、さらに防虫網を設ける必要がなく、この箇所が適切ではありません。
 よって、選択肢1は、全体として、適切ではありません。
 
 なお、封水の深さは、50mmから100mmと決められていますから、注意してください。
 破封の原因は、別途勉強してください。

  
 


2 受水槽を屋内に設置する場合においては、受水槽の天井、底及び周壁と建築物との間に、保守点検のために必要な空間を設けなければならない。

〇 適切である。 6面点検と呼ばれる。
  平成26年 マンション管理士試験 「問43」 、平成23年 マンション管理士試験 「問45」 、平成18年 マンション管理士試験 「問43」 、 平成15年 マンション管理士試験 「問45」 

 この設問は、飲料用受水槽の通常「6面点検」と呼ばれます。根拠は、昭和50年建設省告示第1597号
 「二 給水タンク及び貯水タンク
    イ 建築物の内部、屋上又は最下階の床下に設ける場合においては、次に定めるところによること。
    
 (1) 外部から給水タンク又は貯水タンク(以下「給水タンク等」という。)の天井、底又は周壁の保守点検を容易かつ安全に行うことができるように設けること。
 とあり、
 受水槽(貯水タンク、給水タンク)を屋内に設置する場合においては周囲4面と、上下2面の外面6面すべてについて点検できるように設置します。具体的には、周囲4面と下の面は60cm以上、点検用のマンホールがある上の面には100cm以上の距離を設けますから、適切です。

 


3 高層マンションにおいては、高置水槽が不要な給水方式である水道直結増圧方式及びポンプ直送方式は採用することができない。

X 適切でない。 水道直結増圧方式及びポンプ直送方式は、高層マンションでも採用される。
 平成22年 管理業務主任者試験 「問23」 平成22年 マンション管理士試験 「問43」  平成21年 マンション管理士試験 「問43」 、平成19年 マンション管理士試験 「問45」 

  まず、給水の方式は、大きく分けると、以下の3つになります。
   (1)配水管からの水圧で給水する直圧直結給水方式
   (2)増圧ポンプにより給水する増圧直結給水方式
   (3)受水タンクに貯めて給水する受水タンク方式


 

  水道直結増圧方式とは、水道本管から引き込んだ水道水を増圧給水ポンプによって、直接各住戸に給水する方式で、受水槽や高置水槽が不要です。中規模の高層マンションが対象です。
 また、ポンプ直送方式とは、一度、受水槽に貯めたのちに、ポンプで圧力をかけて各住戸に給水する方式で、この方式でも受水槽は使いますが、高置水槽は不要です。大規模な団地や高層マンションで利用されます。
 
 そこで、設問の「水道直結増圧方式及びポンプ直送方式」には、高置水槽は不要は、適切ですが、水道直結増圧方式及びポンプ直送方式は、高層マンションでも採用されますから、適切ではありません。



 


 なお、最近は、受水槽を設けずに、高層マンションへも給水が可能な、増圧直結給水方式もあります。
 
 


4 受水槽における給水管の流入端からオーバーフロー管下端までの吐水口空間の垂直距離は、 150mm 以上としなければならない。

X 適切でない。 呼び径等によって変わる。150mmと決まっていない。一般に給水管径の2倍以上を確保する。
 平成24年 マンション管理士試験 「問43」 、 平成17年 管理業務主任者試験 「問22」
 
 吐水口空間とは、設問のように、給水管の流入端からオーバーフロー管下端までのことをいいます。
 選択肢1の図の
(Y)が該当しています。
 
 この吐水口空間を設けている訳は、給水タンク内に排水が逆流してきたり、給水タンク内が負圧になって外部の異物を吸引することを防いでいます。

 そこで、設問の垂直距離を調べていたら、呼び径が25mm以下とか、25mmを超え場合とか、壁からの離れ、越流面から吐水口の下端までの垂直距離とかで違っています。
 そこで、150mm 以上としなければならないは、適切ではありません。
 一般には、給水管径の2倍程度以上を確保するようです。


 


答え:2

《タグ》給水設備。 受水槽。 オーバーフロー管。トラップ。6面点検。 吐水口空間。

  選択肢2が正解は、すぐに分かったが、増圧直結給水方式や、 吐水口空間の垂直距離を調べたていたら、ここも、解説に約3時間かかった。

問44

〔問 44〕マンションの排水設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 専有部分の浴槽からの排水を受ける、管径が 50mm の排水横引管について、 円滑に排水を行うため、その最小勾配は 50 分の 1とする。

〇 適切である。 管径が65mm以下なら、最小勾配は 1/50 以下とする。
 平成24年 マンション管理士試験 「問44」 、 平成21年 マンション管理士試験 「問44」 、 平成18年マンション管理士試験 「問44」 

 排水の横引管の勾配がゆるいと、汚物が流れ難くなります。勾配は、管の太さ(管径)との関係が深くなり、管径が大きいほど(例えば、管径150mm~300mmは、最小 1/200。65mm以下は、最小 1/50 ) と勾配はゆるくてもかまいません。
 そこで、管径が 50mm の排水横引管について、 円滑に排水を行うため、その最小勾配は 50 分の 1とするは、適切です。
 排水横引管の管径と勾配の関係は下のとおりです。

管径(mm) 勾配
65以下 最小  1/50
75、100 最小 1/100
125 最小 1/150
150以上 最小 1/200

 


2 敷地内に埋設する排水管には、起点、屈曲点、合流点、管径や勾配の変化点、既設管との接続箇所以外にも、維持・管理用に、一定の距離の範囲内で「ます」を設ける。

〇 適切である。
  新しい出題? 平成25年 マンション管理士試験 「問43」

  まず、ます(排水枡)は、排水管においてゴミや汚泥が詰まり易い箇所に設置して、清掃や点検を容易にします。
 詰まり易い箇所とは、建物の内部から排水管が出て来た直ぐの場所(起点)、管の曲がる箇所(屈折点)、複数の管が合流する場所(合流点)、管が長く延びる場合などですから、適切です。

 
 


3 結合通気管は、排水立て管と通気立て管を接続し、排水立て管の下層階で生じた負圧、上層階で生じた正圧を緩和するために用いる。

X 適切でない。 下層階で生じた”正圧(プラス圧)”と、上層階で生じた”負圧(マイナス圧)”とを緩和する。 逆になっている。
  平成26年 マンション管理士試験 「問45」 、 平成25年 マンション管理士試験 「問43」 、平成21年 マンション管理士試験 「問44」 

  問題文を読んで、ピンと来た人は、しっかり過去問題をやった人です。
 結合通気管は、高層建築物で一定の間隔(10階間隔程度)で排水立て管・通気立て管を相互接続するものです。
 下層階で生じた”正圧”を逃がすだけでなく、上層階で生じた”負圧”を緩和する効果がありますから、下層階で生じた負圧、上層階で生じた正圧を緩和するために用いるは、負圧、正圧が逆で、適切ではありません。


 


4 特殊継手排水システムは、専有部分からの汚水系統や雑排水系統の排水を集約できる機能を有する。

〇 適切である。
 平成27年 マンション管理士試験 「問44」 平成22年 マンション管理士試験 「問45」 、平成19年 マンション管理士試験 「問45」 平成15年 管理業務主任者試験 「問23」 、平成14年 マンション管理士試験 「問44」 

 特殊継手(つぎて)排水システムとは、排水がスムーズに行われるように開発された特殊な継ぎ手を用いて、衛生器具等からの排水が流れる横枝管と排水立て管が合流する時に、排水を減速して旋回させ排水立て管に沿ってらせん状に落下させることにより、排水立て管の真中に空気のコアをつくることで通気を確保し、大量の排水の流れをスムーズにします。
 つまり排水管内部を通気管としても利用できるようにしたものです。
 そこで、汚水・雑排水など複数の排水管横枝管を一つの立て管へ集約することができ、スペースが節約できますから、専有部分からの汚水系統や雑排水系統の排水を集約できる機能を有するは、適切です。
 
主に、高層や超高層のマンションで採用されることが多いシステムです。
 

 

答え:3


タグ》排水設備。 横引管。勾配。排水ます。結合通気管。正圧・負圧。殊継手排水システム。

  過去問題をやっていれば、選択肢3の解答は早い。 

 *ある受験生の感想:選択肢3はその通り。選択した肢4は機能の説明が不十分 。

問45

〔問 45〕マンションの設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 潜熱回収型ガス給湯機を設置する場合には、潜熱回収時に熱交換器より凝縮水が発生するので、それを排出するために排水管を設置する。

〇 適切である。
 平成18年 マンション管理士試験 「問45」 

 潜熱とは、固体、液体、気体と変化するときに吸収・放出する熱エネルギーのことです。例えば、水が氷になる時の「凝固熱」、氷から水になる時の「溶解熱」など「液体・固体間の相変化」に伴い放出あるいは吸収される熱エネルギーです。(参考:言葉として「顕熱」もある)。
 潜熱回収型のガス給湯器は、今まで排気ロスとして大気中に放出されていた潜熱(水蒸気の熱 )を回収し、給水を予熱しています。水蒸気が水になる際に、熱交換器より排気ガス中に微量に含まれているチッソ酸化物などが混入した酸性の凝縮水(ドレンド水)が発生します。その水を排出するために、中和剤で処理をしてから排水します。そのため、排水管(ドレンド管)を設置しますから、適切です。

 また、ガスの使用量を抑えるので二酸化炭素(CO2)の排出量が削減されます。


 


2 新設する乗用エレベーターには、駆動装置又は制御器に故障が生じ、かご及び昇降路のすべての出入口の戸が閉じる前にかごが昇降した場合に、自動的にかごを制止する装置を設けなければならない。

〇 適切である。
  新しい。
  詳細は、 平成28年 管理業務主任者試験 「問19」 にある。

 エレベーターの安全装置の種類は、建築基準法施行令 第129条の10 
 「(エレベーターの安全装置)
 第百二十九条の十  エレベーターには、制動装置を設けなければならない。
 2  前項のエレベーターの制動装置の構造は、次に掲げる基準に適合するものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。
     一  かごが昇降路の頂部又は底部に衝突するおそれがある場合に、自動的かつ段階的に作動し、これにより、かごに生ずる垂直方向の加速度が九・八メートル毎秒毎秒を、水平方向の加速度が五・〇メートル毎秒毎秒を超えることなく安全にかごを制止させることができるものであること。
     二  保守点検をかごの上に人が乗り行うエレベーターにあつては、点検を行う者が昇降路の頂部とかごの間に挟まれることのないよう自動的にかごを制止させることができるものであること。
 
3  エレベーターには、前項に定める制動装置のほか、次に掲げる安全装置を設けなければならない。
     
一  次に掲げる場合に自動的にかごを制止する装置
       イ 駆動装置又は制御器に故障が生じ、かごの停止位置が著しく移動した場合
       
ロ 駆動装置又は制御器に故障が生じ、かご及び昇降路のすべての出入口の戸が閉じる前にかごが昇降した場合
     二  地震その他の衝撃により生じた国土交通大臣が定める加速度を検知し、自動的に、かごを昇降路の出入口の戸の位置に停止させ、かつ、当該かごの出入口の戸及び昇降路の出入口の戸を開き、又はかご内の人がこれらの戸を開くことができることとする装置
     三  停電等の非常の場合においてかご内からかご外に連絡することができる装置
     四  乗用エレベーター又は寝台用エレベーターにあつては、次に掲げる安全装置
       イ 積載荷重に一・一を乗じて得た数値を超えた荷重が作用した場合において警報を発し、かつ、出入口の戸の閉鎖を自動的に制止する装置
       ロ 停電の場合においても、床面で一ルクス以上の照度を確保することができる照明装置
 4  前項第一号及び第二号に掲げる装置の構造は、それぞれ、その機能を確保することができるものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。

 とあり、
  建築基準法施行令 第129条の10 3項 一号 ロ によれば、新設する乗用エレベーターには、駆動装置又は制御器に故障が生じ、かご及び昇降路のすべての出入口の戸が閉じる前にかごが昇降した場合に、自動的にかごを制止する装置を設けなければならないは、適切です。



3 都市ガスのマイコンメーターは、災害の発生のおそれのある大きさの地震動、過大なガスの流量又は異常なガス圧力の低下を検知した場合に、ガスを速やかに遮断する機能を有する。

〇 適切である。
 平成20年 マンション管理士試験 「問44」 、 平成18年 管理業務主任者試験 「問23」 
 
 マイコンメーターは、次のような場合にガスを遮断します。
  ・震度5強相当以上の地震(ガス使用時)
  ・多量のガス漏れ
  ・ガスの圧力低下
  ・ガスを異常に長時間使用 
 ですから
 都市ガスのマイコンメーターは、災害の発生のおそれのある大きさの地震動、過大なガスの流量又は異常なガス圧力の低下を検知した場合に、ガスを速やかに遮断する機能を有するは、適切です。

 最近、地震が多発していますので、ついでながら参考までに、下に、マイコンメーターの復旧方法を説明します。
 ①すべてのガス機器を止めてください。この時、
メーターガス栓は閉めないでください
 ②メーターガス栓は開けたままにしてください。閉まっている場合は開けてください。
 ③キャップを外し、復帰ボタンを奥までしっかり押して、赤いランプが点灯したら、ゆっ くり手を離してください。

 
   


4 消防用設備において、設置後 10 年を経過した連結送水管は、 5年ごとに配管の耐圧性能試験を行わなければならない。

X 適切でない。 設置後 10 年を経過した連結送水管は、”3年”ごとに配管の耐圧性能試験を行う。5年ごとではない。
 平成21年マンション管理士試験 「問45」 、 平成19年 マンション管理士試験 「問44」 、 平成17年 マンション管理士試験 「問45」

  連結送水管からの出題とは、懐かしい。

 連結送水管は、送水口、配管、放水口等から構成され、消防ポンプ自動車から送水口に送水し、消防隊が放水口に放水用器具を接続して消火活動を行うものです。
 1階に設けた送水口、耐水圧の配管、そして、3階以上の各階に放水口が設けられます。
 5階以上のマンションで、延べ面積が6,000㎡以上のもの及び階数が7階以上となると、連結送水管を設置します。(消防法施行令第29条参照)

 耐圧性能点検は、設置後10年以上を経過した「連結送水管」「屋内外消火栓等消防用ホース」にその機能に支障が無いかを、
3年に1回点検し、消防署長等へ報告する事が消防法で義務付けられていますから、5年ごとに配管の耐圧性能試験を行わなければならないは、適切ではありません。
 
 消防法第17条の3の3の規定(消防用設備等の点検及び報告)に基づき、消防庁告示(14号)が改正され(平成14年3月12日公布、平成14年7月1日施行)その結果、連結送水管及び消防ホースについては、従来の外観点検に加え耐圧性能点検が義務付けられました。


 


答え:4

《タグ》設備。潜熱回収型ガス給湯機。エレベーターの故障。都市ガスのマイコンメーター。連結送水管の耐圧性能試験。

 選択肢1が少し悩むか?

問46


 *注:問46から問50までは、マンション管理士試験か管理業務主任者試験の合格者には免除される部分です。また、この問46から問50は、「マンション管理適正化法」と同指針からの出題と決まっていますので、出題は似たような内容となります。過去問題はやっておくと楽です。

 *マンションの管理の適正化に関する指針(国土交通省告示第490号)は、平成28年3月に改正があったので、注意のこと。


〔問 46〕次の記述は、「マンションの管理の適正化に関する指針(平成 13 年国土交通省告示第 1288 号)」において定められている「マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項」の第 6及び第 7を抜粋したものである。空白となっている A~C に下欄のア~力の語句を選んで文章を完成させた場合において、正しい組合せは、次のうちどれか。

 6 発注等の適正化
  管理業務の委託や工事の発注等については、 A 等に注意して、適正に行われる必要があるが、とりわけ B が管理組合の管理者等又は役員に就任する場合においては、マンションの区分所有者等から信頼されるような発注等に係るルールの整備が必要である。
 7 良好な居住環境の維持及び向上
  マンションにおけるコミュニティ形成については、自治会及び町内会等(以下「自治会」という。)は、管理組合と異なり、各 C が各自の判断で加入するものであることに留意するとともに、特に管理費の使途については、マンションの管理と自治会活動の範囲・相互関係を整理し、管理費と自治会費の徴収、支出を分けて適切に運用することが必要である。なお、このように適切な峻別や、代行徴収に係る負担の整理が行われるのであれば、自治会費の徴収を代行することや、防災や美化などのマンションの管理業務を自治会が行う活動と連携して行うことも差し支えない。

 [語句] ア 説明責任        イ 利益相反  ウ 外部の専門家
      エ 管理業者の管理員  オ居住者    力 区分所有者

 [組合せ] 1  Aはア、 Bはエ、 Cはオ
       2  Aはイ、 Bはウ、 Cはカ
       3  Aはイ、 Bはウ、 Cはオ
       4  Aはア、 Bはエ、 Cはカ


 平成28年3月のマンションの管理の適正化に関する指針の改正点だ。
 解答方法。
 A は まず飛ばす。
 B は、ウ=外部の専門家 が選べる。
 C は、オ=居住者  又は 力 =区分所有者 で悩むが自治会(町会)なら区分所有者以外でも加入できることを考えて オ=居住者 が妥当となります。
 そこで、組み合せから、逆にみると、A イ =利益相反 が妥当となります。


答え:3  A=イ 利益相反 、 B=ウ 外部の専門家 、 C=オ 居住者

《タグ》改正 マンションの管理の適正化に関する指針。

  平成28年3月に改正(追加)された箇所からの出題です。
  平成28年のマンション管理士試験では、標準管理規約からの出題がほとんど、平成28年3月に改正された箇所からばかりといい、このマンションの管理の適正化に関する指針でも、改正点からの出題とは、まったく出題者は頭を使うこともなく楽です。

  難易度としては、難しくはありません。

問47

〔問 47〕マンション管理士に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 マンション管理士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らしたときは、 1年以下の懲役又は 30 万円以下の罰金に処される。

〇 正しい。 秘密保持義務違反なら、罰則は厳しい。
  平成27年 マンション管理士試験 「問49」 

 罰則からとは、もう出題のネタがなくなってきたか。過去問題あるが。

 まず、マンション管理士となると、業務上知った秘密を漏らしてはいけません。それが、マンション管理適正化法第42条
 「(秘密保持義務)
 第四十二条  マンション管理士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。マンション管理士でなくなった後においても、同様とする。」

 とあり、
 その罰則は、同法第107条
 
「第百七条  次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する
     一  第十八条第一項(第三十八条、第五十八条第三項及び第九十四条において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
     
二  第四十二条の規定に違反した者
 2  前項第二号の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。」

 とありますから、
 秘密保持義務(第42条)は、マンション管理適正化法第107条1項2号に該当していますから、マンション管理士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らしたときは、 1年以下の懲役又は 30 万円以下の罰金に処されるは、正しい。
 なお、この規定は親告罪(告訴がなければ公訴を提起することができない)です。



2 マンション管理士でない者が、マンション管理士又はこれに紛らわしい名称を使用したときは、 1年以下の懲役又は 50 万円以下の罰金に処される。

X 誤っている。 名義詐称では、罰金は30万円以下で、また懲役刑はない。
 平成15年 管理業務主任者試験 「問49」 、 平成14年 マンション管理士試験 「問46」

 まず、マンション管理士の名称は、マンション管理適正化法第43条
 「(名称の使用制限)
 第四十三条  マンション管理士でない者は、マンション管理士又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。」

 とあり、
 マンション管理士の資格がない人は、マンション管理士と名乗ったりすることはできません。
 そこで、この罰則は、同法第109条にあり、
 「第百九条  次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する
     一  第三十三条第二項の規定によりマンション管理士の名称の使用の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、マンション管理士の名称を使用したもの
     
二  第四十三条の規定に違反した者
     三  第四十八条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
     四  第五十六条第三項の規定に違反した者
     五  第九十八条の規定に違反して契約を締結した者」

 です。
 名称詐称で懲役までは、いくらなんでも厳しすぎますので、マンション管理適正化法第109条2号によれば、マンション管理士でない者が、マンション管理士又はこれに紛らわしい名称を使用したときは(第43条)、30万円以下の罰金だけで、1年以下の懲役又は 50 万円以下の罰金に処せられるは、誤りです。



3 マンション管理士は、マンション管理士の信用を傷つけるような行為をしたときは、 1年以下の懲役又は 50 万円以下の罰金に処される。

X 誤っている。 信用失墜なら、罰則はない。
 良く出題される。
 平成24年 マンション管理士試験 「問50」 、 平成24年 マンション管理士試験 「問47」 、平成23年 マンション管理士試験 「問47」 、平成22年 マンション管理士試験 「問46」 、平成21年 マンション管理士試験 「問47」 など

 マンション管理士となると、信用が大切です。そこで、マンション管理適正化法第40条
 
「(信用失墜行為の禁止)
 第四十条  マンション管理士は、マンション管理士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。」

 とありますが、この規定に対しては、罰則はありませんから、誤りです。参考:第109条


4 マンション管理士は、 3年ごとに、国土交通大臣又はその指定する者が行う講習を受けなければならないが、これに違反したときは、国土交通大臣はその登録を取り消すことができる。

X 誤っている。 マンション管理士となると”5年ごと”の講習を受けること。3年ごとではない。
  ここも良く出題されている。
  平成27年 マンション管理士試験 「問47」 、 平成24年 マンション管理士試験 「問50」 、平成22年 マンション管理士試験 「問46」 、 平成21年 マンション管理士試験 「問47」 、平成20年 マンション管理士試験 「問48」 、平成18年 マンション管理士試験 「問47」 など。

 マンション管理士となると、面倒なことに、5年ごとに講習(有料です)を受けないとなりません。
 それが、マンション管理適正化法第41条
 「
(講習)
 第四十一条  マンション管理士は、
国土交通省令で定める期間ごとに、次条から第四十一条の四までの規定により国土交通大臣の登録を受けた者(以下この節において「登録講習機関」という。)が国土交通省令で定めるところにより行う講習(以下この節において「講習」という。)を受けなければならない。」

 とあり、
 国土交通省令で定める期間とは、
 マンション管理適正化法の施行規則第41条
 
「(法第四十一条 の国土交通省令で定める期間)
 第四十一条  法第四十一条 の国土交通省令で定める期間は、
五年とする。」

 とあり、
 設問の、マンション管理士は、
3年ごとに、国土交通大臣又はその指定する者が行う講習を受けなければならないは、5年ごとの誤りです。
 なお、この講習(第41条)を受けないと、マンション管理適正化法第33条
 「(登録の取消し等)
 第三十三条  国土交通大臣は、マンション管理士が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消さなければならない。
     一  第三十条第一項各号(第四号を除く。)のいずれかに該当するに至ったとき。
     二  偽りその他不正の手段により登録を受けたとき。
 2  国土交通大臣は、マンション管理士が第四十条から第四十二条までの規定に違反したときは、
その登録を取り消し、又は期間を定めてマンション管理士の名称の使用の停止を命ずることができる
 とあり、
  マンション管理適正化法第33条2項に該当し、マンション管理士の登録を取り消されたり、名称の使用を禁じられますから、後半は正しい。



答え:1

《タグ》マンション管理適正化法。 秘密保持義務。罰則。名称の使用制限。信用失墜行為。講習の5年ごと。

 ここは、易しい。

問48

〔問 48〕マンション管理業者の業務に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

ア マンション管理業を営もうとする者は、国土交通省に備えるマンション管理業者登録簿に登録を受けなければならず、この登録の有効期間は 3年である。

X 誤っている。 登録の有効期間は5年。3年ではない。
  ここは、時々出題されている。
  平成26年 マンション管理士試験 「問49」 、 平成24年 マンション管理士試験 「問48」 、平成21年 マンション管理士試験 「問48」 、平成20年 マンション管理士試験 「問49」 

 マンション管理業者の登録は、マンション管理適正化法第44条
 「
(登録) 
 第四十四条  
マンション管理業を営もうとする者は、国土交通省に備えるマンション管理業者登録簿に登録を受けなければならない
 
2  マンション管理業者の登録の有効期間は、五年とする。
 3  前項の有効期間の満了後引き続きマンション管理業を営もうとする者は、更新の登録を受けなければならない。
 4  更新の登録の申請があった場合において、第二項の有効期間の満了の日までにその申請に対する処分がなされないときは、従前の登録は、同項の有効期間の満了後もその処分がなされるまでの間は、なお効力を有する。
 5  前項の場合において、更新の登録がなされたときは、その登録の有効期間は、従前の登録の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。」

 とあり、
  マンション管理適正化法第44条1項及び2項によれば、マンション管理業を営もうとする者は、国土交通省に備えるマンション管理業者登録簿に登録を受けなければならずは正しいのですが、この
登録の有効期間は 5年であって、3年は誤りです。


イ マンション管理業者の登録を受けない者は、マンション管理業を営んではな らないとされており、これに違反した者は、 1年以下の懲役又は 50 万円以下の罰金に処される。

〇 正しい。
 平成27年 マンション管理士試験 「問49」

 マンションの管理業者になるには、登録が必要です。それが、マンション管理適正化法第53条
 
「(無登録営業の禁止)
 
第五十三条  マンション管理業者の登録を受けない者は、マンション管理業を営んではならない。」

 とあり、
 その罰則は、同法第106条
 
「第百六条  次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する
     一  偽りその他不正の手段により第四十四条第一項又は第三項の登録を受けた者
     
二  第五十三条の規定に違反して、マンション管理業を営んだ者
     三  第五十四条の規定に違反して、他人にマンション管理業を営ませた者
     四  第八十二条の規定による業務の停止の命令に違反して、マンション管理業を営んだ者 」

 とあり、
 マンション管理適正化法第53条により、マンション管理業者の登録を受けない者は、マンション管理業を営んではな らないとされており、同法第106条2号により、これに違反した者は、 1年以下の懲役又は 50 万円以下の罰金に処されるは、正しい。



ウ マンション管理業者が、その事務所ごとに置かねばならない成年者である専任の管理業務主任者の人数は、管理事務の委託を受けた管理組合(省令で定める人の居住の用に供する独立部分の数が5以下である建物の区分所有者を構成員に含むものは除く。)の数を 30 で除したもの (1 未満の端数は切り上げる。)以上としなければならない。

〇 正しい。
 ここももう定番的な出題。
  平成27年 マンション管理士試験 「問48」 、 平成27年 管理業務主任者試験 「問49」 、平成26年 管理業務主任者試験 「問48」 、 平成24年 マンション管理士試験 「問48」 、平成22年 マンション管理士試験 「問48」 平成20年 マンション管理士試験 「問50」 など。

 管理業務主任者の設置は、マンション管理適正化法第56条
 「(管理業務主任者の設置)
 第五十六条  マンション管理業者は、その事務所ごとに、
事務所の規模を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の管理業務主任者を置かなければならない。ただし、人の居住の用に供する独立部分(区分所有法第一条 に規定する建物の部分をいう。以下同じ。)が国土交通省令で定める数以上である第二条第一号イに掲げる建物の区分所有者を構成員に含む管理組合から委託を受けて行う管理事務を、その業務としない事務所については、この限りでない。
 2  前項の場合において、マンション管理業者(法人である場合においては、その役員)が管理業務主任者であるときは、その者が自ら主として業務に従事する事務所については、その者は、その事務所に置かれる成年者である専任の管理業務主任者とみなす。
 3  マンション管理業者は、第一項の規定に抵触する事務所を開設してはならず、既存の事務所が同項の規定に抵触するに至ったときは、二週間以内に、同項の規定に適合させるため必要な措置をとらなければならない。

 とあり、
 マンション管理適正化法第56条1項での 国土交通省令で定めるは、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第61条
 
「(法第五十六条第一項 の国土交通省令で定める管理業務主任者の数)
 第六十一条  法第五十六条第一項 の国土交通省令で定める
管理業務主任者の数は、マンション管理業者が管理事務の委託を受けた管理組合の数を三十で除したもの(一未満の端数は切り上げる。)以上とする。」

 とあり、
 また、同法施行規則第62条
 
「(法第五十六条第一項 の国土交通省令で定める人の居住の用に供する独立部分の数)
 第六十二条  法第五十六条第一項 の国土交通省令で定める
人の居住の用に供する独立部分の数は、六とする。」

 とありますから、
  マンション管理適正化法第56条1項は、マンション管理業者が、その事務所ごとに置かねばならない成年者である専任の管理業務主任者の人数は、管理事務の委託を受けた管理組合(省令で定める人の居住の用に供する独立部分の数が5以下である建物の区分所有者を構成員に含むものは除く。)の数を 30 で除したもの (1 未満の端数は切り上げる。)以上としなければならないは、正しい。



エ マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務のうち基幹事務については、これを一括して他人に委託してはならず、国土交通大臣は、これに違反したマンション管理業者に対して、 1年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。

〇 正しい。
 ここも定番的な出題。
 平成27年 管理業務主任者試験 「問50」 平成24年 管理業務主任者試験 「問49」 、 平成23年 マンション管理士試験 「問49」 、 平成23年 管理業務主任者試験 「問48」 、 平成18年 マンション管理士試験 「問50」 、 平成18年 管理業務主任者試験 「問49」 、 平成14年 管理業務主任者試験 「問48」 など。

 再委託の禁止は、マンション管理適正化法第74条
 
「(再委託の制限)
 
第七十四条  マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務のうち基幹事務については、これを一括して他人に委託してはならない。」

 とあり、
 監督として、同法第82条
 
「(業務停止命令)
 第八十二条  国土交通大臣は、マンション管理業者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該
マンション管理業者に対し、一年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる
     一  前条第三号又は第四号に該当するとき。
     二  第四十八条第一項、第五十四条、第五十六条第三項、第七十一条、第七十二条第一項から第三項まで若しくは第五項、
第七十三条から第七十六条まで、第七十七条第一項若しくは第二項、第七十九条、第八十条又は第八十八条第一項の規定に違反したとき。
     三  前条の規定による指示に従わないとき。
     四  この法律の規定に基づく国土交通大臣の処分に違反したとき。
     五  マンション管理業に関し、不正又は著しく不当な行為をしたとき。
     六  営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者である場合において、その法定代理人(法定代理人が法人である場合においては、その役員を含む。)が業務の停止をしようとするとき以前二年以内にマンション管理業に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。
     七  法人である場合において、役員のうちに業務の停止をしようとするとき以前二年以内にマンション管理業に関し不正又は著しく不当な行為をした者があるに至ったとき。」

 とあり、
  マンション管理適正化法第74条及び同法第82条2号によれば、マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務のうち基幹事務については、これを一括して他人に委託してはならず、国土交通大臣は、これに違反したマンション管理業者に対して、 1年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができるは、正しい。



   l 一つ
   2 二つ
   3 三つ
   4 四つ


答え:3 正しいものは、 イ、ウ、エ の3つ

《タグ》マンション管理適正化法。 業者。 登録。 罰金。専任の管理業務主任者の人数。基幹業務の委託。

  個数問題は、正解が難しい。

 *ある受験生の感想:選択肢イを勘定していなかった。ケアレスミスに近い。

問49

〔問 49〕マンション管理業者の行う重要事項の説明に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。ただし、記述の中で「マンションの区分所有者等」「管理者等」とあるのは、同法第 2条の規定によるものとする。

ア マンション管理業者は、重要事項の説明会を開催する場合、当該説明会の前日までに、マンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等の全員に対し、重要事項並びに説明会の日時及び場所を記載した書面を交付しなければならない。

X 誤っている。 書面の交付が、説明会の前日までは遅すぎる。 1週間前までに交付する。
  重要事項の説明も定番的な出題。
  平成26年 管理業務主任者試験 「問49」 、 平成24年 管理業務主任者試験 「問47」 、 平成22年 マンション管理士試験 「問49」 、平成20年 管理業務主任者試験 「問49」 、 平成17年 管理業務主任者試験 「問48」 、 平成15年 管理業務主任者試験 「問49」  など。

  前の「問48」に続いて、個数問題とは、困った出題方法だ。

 重要事項の説明は、マンション管理適正化法第72条
 「(重要事項の説明等)
 第七十二条  マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約(新たに建設されたマンションの当該建設工事の完了の日から国土交通省令で定める期間を経過する日までの間に契約期間が満了するものを除く。以下「管理受託契約」という。)を締結しようとするとき(次項に規定するときを除く。)は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより説明会を開催し、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等に対し、管理業務主任者をして、管理受託契約の内容及びその履行に関する事項であって国土交通省令で定めるもの(以下「重要事項」という。)について説明をさせなければならない。
この場合において、マンション管理業者は、当該説明会の日の一週間前までに、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等の全員に対し、重要事項並びに説明会の日時及び場所を記載した書面を交付しなければならない
 2  マンション管理業者は、従前の管理受託契約と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとするときは、あらかじめ、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付しなければならない。
 3  前項の場合において当該管理組合に管理者等が置かれているときは、マンション管理業者は、当該管理者等に対し、管理業務主任者をして、重要事項について、これを記載した書面を交付して説明をさせなければならない。
 4  管理業務主任者は、第一項又は前項の説明をするときは、説明の相手方に対し、管理業務主任者証を提示しなければならない。
 5  マンション管理業者は、第一項から第三項までの規定により交付すべき書面を作成するときは、管理業務主任者をして、当該書面に記名押印させなければならない。」

 とあり、
  マンション管理適正化法第72条1項によれば、マンション管理業者は、重要事項の説明会を開催する場合、当該”
説明会の1週間前まで”に、マンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等の全員に対し、重要事項並びに説明会の日時及び場所を記載した書面を交付しなければならず、”説明会の前日まで”は、誤りです。


イ マンション管理業者は、従前の管理受託業務と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとするときは、あらかじめ、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付しなければならない。

〇 正しい。
 従前の管理受託業務と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとするときは、選択肢アで引用しました、マンション管理適正化法第72条2項
 「
 2  マンション管理業者は、従前の管理受託契約と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとするときは、あらかじめ、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付しなければならない。
 とありますから、正しい。


ウ マンション管理業者が、マンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等全員に対し書面で交付する重要事項には、マンション管理業者の商号又は名称、住所、登録番号及び登録年月日並びに当該マンション管理業者の前年度の財務状況が含まれる。

X 誤っている。 マンション管理業者の前年度の財務状況は入っていない。
 平成16年 マンション管理士試験 「問49」

 管理業者が交付する重要事項の内容は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第84条
 
「(重要事項)
 第八十四条  法第七十二条第一項 の国土交通省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
     
一  マンション管理業者の商号又は名称、住所、登録番号及び登録年月日
     二  管理事務の対象となるマンションの所在地に関する事項
     三  管理事務の対象となるマンションの部分に関する事項
     四  管理事務の内容及び実施方法(法第七十六条 の規定により管理する財産の管理の方法を含む。)
     五  管理事務に要する費用並びにその支払の時期及び方法
     六  管理事務の一部の再委託に関する事項
     七  保証契約に関する事項
     八  免責に関する事項
     九  契約期間に関する事項
     十  契約の更新に関する事項
     十一  契約の解除に関する事項」

 とあり、
  マンション管理業者の商号又は名称、住所、登録番号及び登録年月日は含まれていますが、当該マンション管理業者の前年度の財務状況は含まれていませんから、誤りです。



エ マンション管理業者が、重要事項を記載した書面を作成するときは、管理業務主任者をして当該書面に記名押印させなければならないが、国士交通大臣は、これに違反したマンション管理業者に対して、 1年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。

〇 正しい。
 マンション管理業者が、重要事項を記載した書面を作成するときは、選択肢アで引用しました、マンション管理適正化法第72条5項
 「5  マンション管理業者は、第一項から第三項までの規定により交付すべき書面を作成するときは、管理業務主任者をして、当該書面に記名押印させなければならない。」
 とあり、
 管理業務主任者が記名・押印します。
 この違反は、同法第82条、
 
「(業務停止命令)
 第八十二条  
国土交通大臣は、マンション管理業者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該マンション管理業者に対し、一年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
     一  前条第三号又は第四号に該当するとき。
     二  第四十八条第一項、第五十四条、第五十六条第三項、第七十一条、
第七十二条第一項から第三項まで若しくは第五項、第七十三条から第七十六条まで、第七十七条第一項若しくは第二項、第七十九条、第八十条又は第八十八条第一項の規定に違反したとき。
     三  前条の規定による指示に従わないとき。
     四  この法律の規定に基づく国土交通大臣の処分に違反したとき。
     五  マンション管理業に関し、不正又は著しく不当な行為をしたとき。
     六  営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者である場合において、その法定代理人(法定代理人が法人である場合においては、その役員を含む。)が業務の停止をしようとするとき以前二年以内にマンション管理業に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。
     七  法人である場合において、役員のうちに業務の停止をしようとするとき以前二年以内にマンション管理業に関し不正又は著しく不当な行為をした者があるに至ったとき。」

 とあり、
 マンション管理適正化法第82条2号により、国士交通大臣は、これに違反したマンション管理業者に対して、 1年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができますから、正しい。



  
   l 一つ
   2 二つ
   3 三つ
   4 四つ


答え:2 正しいのは、 イ と エ の2つ

《タグ》マンション管理適正化法。説明会の開催。同一の条件。重説の記載事項。違反。

 個数問題となると、正確性が必要で、少し難しい。

問50

〔問 50〕次の記述は、「マンションの管理の適正化に関する指針」において定められている「マンションの管理の適正化の基本的方向」に関するものであるが、正しいものはいくつあるか。

ア マンションの管理の主体は、マンションの区分所有者等で構成される管理組合であり、管理組合は、マンションの区分所有者等の意見が十分に反映されるよう、また、長期的な見通しを持って、適正な運営を行うことが重要である。

〇 正しい。
 また、また個数問題とは、問46から問50において、5問中3問が個数問題とは、糾弾される出題方法である。
 平成27年 管理業務主任者試験 「問46」 、 平成26年 管理業務主任者試験 「問46」

 「マンションの管理の適正化に関する指針」 の 「一 マンションの管理の適正化の基本的方向 の 1」 にありますから、正しい。



イ マンションの管理は、専門的な知識を必要とすることが多いため、管理組合は、問題に応じ、マンション管理士等専門的知識を有する者の支援を得ながら、主体性をもって適切な対応をするよう心がけることが重要である。

〇 正しい。
  平成24年 管理業務主任者試験 「問46」 、 平成19年 管理業務主任者試験 「問46」 、 平成17年 管理業務主任者試験 「問46」

  「マンションの管理の適正化に関する指針」 「一 マンションの管理の適正化の基本的方向 の 3」 にありますから、正しい。



ウ マンションの管理は、状況によっては、外部の専門家が、管理組合の管理者等又は役員に就任することも考えられるが、その場合には、マンションの区分所有者等が当該管理者等又は役員の選任や業務の監視等を適正に行うとともに、監視• 監督の強化のための措置等を講じることにより適正な業務運営を担保することが重要である。

〇 正しい。
  平成28年3月の「マンションの管理の適正化に関する指針」での追加事項。

 「マンションの管理の適正化に関する指針」 「一 マンションの管理の適正化の基本的方向 の 4」 にありますから、正しい。



エ マンションの管理の適正化を推進するため、国、地方公共団体及びマンション管理適正化推進センターは、その役割に応じ、必要な情報提供等を行うよう、支援体制を整備・強化することが必要である。

〇 正しい。
 平成24年 管理業務主任者試験 「問46」 、 平成19年 管理業務主任者試験 「問46」

  「マンションの管理の適正化に関する指針」 「一 マンションの管理の適正化の基本的方向 の 5」 にありますから、正しい。

   l 一つ
   2 二つ
   3 三つ
   4 四つ


答え:4 正しいものは、 ア、イ、ウ、エ の全部。4つ

《タグ》 マンションの管理の適正化に関する指針。

 例年、マンションの管理の適正化に関する指針からの出題は、1問だったが改正があったせいか2問出ている。
 また、問46から問50は、管理業務主任者試験の合格者には免除となる箇所で、この5問中3問が個数問題とは、正確性から正答率が難しくななる。免除者が有利か。


 *2017年 2月19日:再度見直して、リンクなども入れた。
 まだ、おかしな箇所があれば、 「マンション管理士 香川事務所」 まで、お気軽に連絡ください。

ここまで、問50


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2018年 3月17日:建築基準法第12条の改正を入れた。
2017年 2月19日:再度、見直した。
平成13年からの過去問題もリンクさせると、
本当に、マンション管理士の試験問題作成者のレベルが落ちていることがわかる。

2017年 1月 5日;第1稿 Up 解説に1ヵ月以上かかっている。
解説開始:2016年11月30日~
問題文Up:2016年11月28日

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