マンション管理士・管理業務主任者 過去試験問題 及び 解説

過去の問題を解けば、傾向が分かります。

建築基準法都市計画法水道法消防法 関係を特に抽出しました。

区分所有法関係は、「超解説 区分所有法(新版)」にあります。

その他の解説は、年度別の解説を参考にしてください。

 

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※ 出題当時以後の法令等の改正には、一部は対応していません。

建築基準法

ページ3(平成16年〜平成13年分)
建築基準法からは出題が多いので、3ページ構成にしました。
なお、建築基準法の解説も作成していますので、ご利用ください。

平成29年〜平成24年 平成23年〜平成17年 平成16年〜平成13年

平成16年度 マンション管理士

{問 20} 共同住宅に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 共同住宅の居室の天井の高さは、2.1メートル以上でなければならず、その高さは、室の床面から測り、一室で天井の高さの異なる部分がある場合においては、その一番低い部分の高さによるものとする。

答え: 誤りである。
  建築基準法施行令21条(居室の天井の高さ)
   「第二十一条  居室の天井の高さは、二・一メートル以上でなければならない。
   2  前項の天井の高さは、室の床面から測り、一室で天井の高さの異なる部分がある場合においては、その平均の高さによるものとする。」
   とあり、前半の、「居室の天井の高さは、2.1メートル以上でなければならない」は正しいが、同2項によれば「天井の高さは、室の床面から測り、一室で天井の高さの異なる部分がある場合においては、その平均の高さによるものとする。」
    とされていて、平均ではかり、「一番低い部分の高さ」ではない。

2 共同住宅の居室に換気設備を設けない場合、その居室の床面積に対して20分の1以上の換気のための窓その他の開口部を設けなければならない。

答え: 正しい。
  建築基準法28条2項:
   「 2  居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。」
  の規定のとおり。

★この建築基準法28条は、採光と換気について規定しています。換気だけでなく、採光の床面積 1/7以上 も出題傾向が高いので注意のこと。
   (居室の採光及び換気)
第二十八条  住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、住宅にあつては七分の一以上、その他の建築物にあつては五分の一から十分の一までの間において政令で定める割合以上としなければならない。ただし、地階若しくは地下工作物内に設ける居室その他これらに類する居室又は温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室については、この限りでない。
 2  居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。
3  別表第一(い)欄(一)項に掲げる用途に供する特殊建築物の居室又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたもの(政令で定めるものを除く。)には、政令で定める技術的基準に従つて、換気設備を設けなければならない。
4  ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、前三項の規定の適用については、一室とみなす
★4項のふすま、障子で仕切られても、一室とみなされるのも注意。

3 共同住宅の2階以上にあるバルコニーの周囲には、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。

答え: 正しい。
  建築基準法施行令126条1項;(屋上広場等)
    「第百二十六条  屋上広場又は二階以上の階にあるバルコニーその他これに類するものの周囲には、安全上必要な高さが一・一メートル以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。」
    の規定のとおり。

4 共同住宅の居室で地階に設けるものは、壁及び床の防湿の措置その他の事項について、からぼりその他の空地に面する開口部を設ける等衛生必要な政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。

答え: 正しい。
  建築基準法29条:(地階における住宅等の居室)
    「第二十九条  住宅の居室、学校の教室、病院の病室又は寄宿舎の寝室で地階に設けるものは、壁及び床の防湿の措置その他の事項について衛生上必要な政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。」
 とあり、 同施行令22条の2:(地階における住宅等の居室の技術的基準)
    「第二十二条の二  法第二十九条 (法第八十七条第三項 において準用する場合を含む。)の政令で定める技術的基準は、次に掲げるものとする。
     一  居室が、次のイからハまでのいずれかに該当すること。
        イ 国土交通大臣が定めるところにより、からぼりその他の空地に面する開口部が設けられていること
        ロ 第二十条の二に規定する技術的基準に適合する換気設備が設けられていること。
        ハ 居室内の湿度を調節する設備が設けられていること。」
   の規定のとおり。

★ついでに、地階とは、建築基準法施行令第1条第2号。 「地階(とは)  床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの三分の一以上のものをいう。 」の規定があります。
地盤面とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、その接する 位置の高低差が3mを超える場合は、その高低差3m以内ごとの平均の高さにおける水平面をいいます(建築基準法第52条第4項)。
 この地盤面が、建築物の高さを測る基準です。

容積率との関係:地階に設ける住宅部分
建築物の地階に設ける住宅の用途に供する部分で、その天井が地盤面からの高さ1m以 下にあるものの床面積については、当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の3分の1までは、 容積率算定上、延べ面積に算入されません(建築基準法第52条第3項)

答え: 1

平成16年度 マンション管理士

{問 21} 共同住宅の避難施設に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 屋内から屋外の避難階段に通ずる出口の戸の施錠装置について、屋内から鍵を用いることなく解錠できるものとしたが、解錠方法を表示しなかった。

答え: 誤りである。
  建築基準法施行令125条の2(屋外への出口等の施錠装置の構造等)
  第百二十五条の二  次の各号に掲げる出口に設ける戸の施錠装置は、当該建築物が法令の規定により人を拘禁する目的に供せられるものである場合を除き、屋内からかぎを用いることなく解錠できるものとし、かつ、当該戸の近くの見やすい場所にその解錠方法を表示しなければならない
   一  屋外に設ける避難階段に屋内から通ずる出口
   二  避難階段から屋外に通ずる出口
   三  前二号に掲げる出口以外の出口のうち、維持管理上常時鎖錠状態にある出口で、火災その他の非常の場合に避難の用に供すべきもの
 2  前項に規定するもののほか、同項の施錠装置の構造及び解錠方法の表示の基準は、国土交通大臣が定める。」
とあり、解錠方法の表示も必要です。
★よく読むと、当然です。避難するときに扉の開け方が分からなければ大変です。また、「法令の規定により人を拘禁する目的に供せられるもの」は刑務所などが該当するようです。

★なお、避難階段の構造については、建築基準法施行令123条に規定されています。 (避難階段及び特別避難階段の構造)
   第百二十三条  屋内に設ける避難階段は、次に定める構造としなければならない。
    一  階段室は、第四号の開口部、第五号の窓又は第六号の出入口の部分を除き、耐火構造の壁で囲むこと。
    二  階段室の天井(天井のない場合にあつては、屋根。第三項第三号において同じ。)及び壁の室内に面する部分は、仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造ること
    三  階段室には、窓その他の採光上有効な開口部又は予備電源を有する照明設備を設けること
    四  階段室の屋外に面する壁に設ける開口部(開口面積が各々一平方メートル以内で、法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備ではめごろし戸であるものが設けられたものを除く。)は、階段室以外の当該建築物の部分に設けた開口部並びに階段室以外の当該建築物の壁及び屋根(耐火構造の壁及び屋根を除く。)から九十センチメートル以上の距離に設けること。ただし、第百十二条第十項ただし書に規定する場合は、この限りでない。
    五  階段室の屋内に面する壁に窓を設ける場合においては、その面積は、各々一平方メートル以内とし、かつ、法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備ではめごろし戸であるものを設けること。
    六  階段に通ずる出入口には、法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備で第百十二条第十四項第二号 に規定する構造であるものを設けること。この場合において、直接手で開くことができ、かつ、自動的に閉鎖する戸又は戸の部分は、避難の方向に開くことができるものとすること。
    七  階段は、耐火構造とし、避難階まで直通すること。」
  となっています。関係の条文です。

2 屋内に設ける避難階段の窓その他の採光上有効な開口部のない階段室について、照明設備を設けたが、予備電源を備えなかった。

答え: 誤りである。
  選択肢1での引用のように、建築基準法施行令123条1項3号、「(避難階段の)階段室には、窓その他の採光上有効な開口部又は予備電源を有する照明設備を設けること。」とされ、窓その他の採光上有効な開口部がなければ、予備電源を有する照明設備を設けなければなりません
★これも、当然です。いざという時に暗くては、役に立ちません。

3 屋内に設ける避難階段の階段室の壁の室内に面する部分について、仕上げを不燃材料でしたが、その下地を不燃材料で造らなかった。

答え: 誤りである。
  選択肢1での引用のように、建築基準法施行令123条1項2号、「階段室の天井(天井のない場合にあつては、屋根。第三項第三号において同じ。)及び壁の室内に面する部分は、仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造ること。」と規定され、仕上げも下地も不燃材料で造ることになっている。
不燃材料とは、建築基準法第2条9号、「不燃材料(とは) 建築材料のうち、不燃性能(通常の火災時における火熱により燃焼しないことその他の政令で定める性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
とあり、不燃性能(20分間燃えない性能)の建築材料をいう。
因みに、
  ・準不燃材料とは、10分間不燃性を有するもの(建築基準法施行令1条5号)
  ・難燃材料とは、5分間不燃性を有するもの(建築基準法施行令1条6号)

4 3階が避難階である場合、屋内に設ける避難階段について避難階まで直通としたが、地上まで直通としなかった。

答え: 正しい。
  選択肢1での引用のように、建築基準法施行令123条1項7号、「階段は、耐火構造とし、避難階まで直通すること。
      とされ、3階が避難階であれば、地上まで直通にしなくてよい。
 ★避難階とは、直接地上へ通じる出入り口のある、全ての階です。坂などの斜面に建てられたマンションでは、1階と2階、又は3階でも避難階になることがあります。

答え: 4

平成16年度 管理業務主任者

【問17】建築物の面積、高さ及び階数の算定方法に関する次の記述のうち、建築基準法(昭和25年法律第201号)の規定によれば、正しいものはどれか。

1 床面積の算定において、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積により各階の面積を求めた。

答え: 誤りである。
  建築基準法施行令2条3項によれば、「床面積(とは)  建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による。 」とされ内側線(内法計算)ではない。壁の中心から計る壁芯計算である。
 

 (注意:区分所有法第14条では、「内法計算」を採用している。混同しないように。)

2 建築面積の算定において、外壁面から1.5m突き出たひさしを算入しないで面積を求めた。

答え: 誤りである。
  建築基準法施行令2条2項によれば、「建築面積(とは)  建築物(地階で地盤面上一メートル以下にある部分を除く。以下この号において同じ。)の外壁又はこれに代わる柱の中心線(軒、ひさし、はね出し縁その他これらに類するもので当該中心線から水平距離一メートル以上突き出たものがある場合においては、その端から水平距離一メートル後退した線)で囲まれた部分の水平投影面積による。ただし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の建築物又はその部分については、その端から水平距離一メートル以内の部分の水平投影面積は、当該建築物の建築面積に算入しない。」
   とされ突き出た1.5mのうち0.5m分は算入の必要がある。
★地下室...地盤面から1m以下にあれば、容積率の緩和があります。
容積率との関係:地階に設ける住宅部分
建築物の地階に設ける住宅の用途に供する部分で、その天井が地盤面からの高さ1m以 下にあるものの床面積については、当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の3分の1までは、 容積率算定上、延べ面積に算入されません(建築基準法第52条第3項)

3 建築物の高さの算定において、棟飾、防火壁の屋上突出部その他これに類する屋上突出部を当該建築物の高さに算入しなかった。

答え: 正しい。
  建築基準法施行令2条6項ハによれば、「棟飾、防火壁の屋上突出部その他これらに類する屋上突出物は、当該建築物の高さに算入しない。」とされる。
地盤面とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、その接する 位置の高低差が3mを超える場合は、その高低差3m以内ごとの平均の高さにおける水平面をいいます(建築基準法第52条第4項)。
 この地盤面が、建築物の高さを測る基準です。

4 建築物の階数の算定において、建築物の一部が吹抜きとなっており、建築物の部分によって階数が異なっていたため、これらの階数のうち最小なものを当該建築物の階数とした。

答え: 誤りである。
  建築基準法施行令2条8項によれば、「階数(とは)  昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これらに類する建築物の屋上部分又は地階の倉庫、機械室その他これらに類する建築物の部分で、水平投影面積の合計がそれぞれ当該建築物の建築面積の八分の一以下のものは、当該建築物の階数に算入しない。また、建築物の一部が吹抜きとなつている場合、建築物の敷地が斜面又は段地である場合その他建築物の部分によつて階数を異にする場合においては、これらの階数のうち最大なものによる。」 とされ最大なものによる。

★階数...斜面に建築されたり、地下階があったり、中央に吹き抜けがあったり、屋上の部分に飛び出して別の階があるなど複雑な建物は、どこが基準になるか分からないので、最大の階数を使います。

答え: 3

平成16年度 管理業務主任者

【問18】共同住宅の各戸の界壁に関する次の記述のうち、建築基準法によれば、正しいものはどれか。

1.界壁は、小屋裏又は天井裏に達していなければならない。

答え: 正しい。
  建築基準法30条によれば、「長屋又は共同住宅の各戸の界壁は、小屋裏又は天井裏に達するものとするほか、その構造を遮音性能(隣接する住戸からの日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するために界壁に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。」
、とされ建築基準法施行令114条1項によれば「長屋又は共同住宅の各戸の界壁は、準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。」とされる。
★界壁(かいへき)は、各戸の境界となる壁です。共同住宅での遮音や延焼を防ぐ目的から考えると、当然です。

2.界壁の遮音性能に関する技術的基準では、振動数が低い音ほど、大きい数値の透過損失が求められている。

答え: 誤りである。
  建築基準法施行令22条の3によれば、「法第三十条 (法第八十七条第三項 において準用する場合を含む。)の政令で定める技術的基準は、次の表の上欄に掲げる振動数の音に対する透過損失がそれぞれ同表の下欄に掲げる数値以上であることとする。 」

振動数(単位 ヘルツ) 透過損失(単位 デシベル)
(注:低音)    125 25
500 40
(注:高音)  2,000 50

  とされ振動数(ヘルツ)が高い音ほど、より高い透過損失が求められる。
  ★透過損失とは、 透過損失を遮音性能(防音性能)と理解すると簡単です。

透過損失・TRANSMISSION LOSS【TL値】は、外部からの音が色々な角度から壁や部屋の材料や構造物にぶつかり、吸収されたり、迂回したりして通り抜け、元の音が聞く位置でどの位に減少されたかの単位で「dB=デシベル」で表されます。一般的に壁や構造物の材料が重くてどっしりしてると、音の圧力に負けず、音のエネルギーを防ぐのに効果的です。部屋の広さに対して、どれだけの遮音性能を持つ重い材料(面積当たりの素材重量=面密度)を使用するかで決まります。極端に言えば防音(遮音)=重さとも言えます。

★遮音と吸音は違います。
  1.遮音...部屋の音を外に出さない。 外からの音を遮断するために、壁・ドア・サッシに遮音材料を用いる。
  2.吸音...音を吸い込む。 その部屋に発生した音を外部に出ないように吸音材(音を吸い込む材料)を、主として天井に貼るのが吸音。

★マンションでもっとも苦情が多いものの一つが、上下階の音です。
コンクリート自身は、50dbも遮音する大変大きな遮音材ですが、この音は、コンクリートを伝わってくる固体音であるため、特別な配慮が必要になっています。
大きな空気音を遮断する高性能な遮音材であるが故に、固体振動の微妙な音が気になってくるのです。

★遮音等級...音を遮断する性能のことを遮音性能といい、D(遮音等級)で表示します。D-40、D-45、D-50、D-55というように、数値が大きくなるに従い、遮音性能は向上していきます。外部の音をどれだけ遮断できるかは、窓次第です。マンション周辺に交通量の多い幹線道路や騒音を出す工場などがある場合は、窓の作りにどのような工夫がされているのかを調べておくといいでしょう。

★床の遮音等級の目安 (日本建築学会の遮音性能基準97.7) (注:こちらは 上の D と違って L の値が小さいほど性能がいい。面倒な話です。)

    
床の遮音等級 L−60 L−55 L−50 L−45 L−40
人の飛び跳ね 歩行音 (重量衝撃音 LH) よく聞こえる。

聞こえる。

小さく聞こえる。 聞こえるが意識することはない。 かすかに聞こえるが、遠くから聞こえる感じ。
物の落下音、イスの移動音(軽量衝撃音 LL) かなり聞こえる。 気になる。 聞こえる。 小さく聞こえる。 ほとんど聞こえない。
生活実感 スリッパ歩行音が良く聞こえる。 イスを引きずる音がうるさく感じる。 イスを引きずる音は聞こえる。 スプーンを落とすとかなり聞こえる。 気配は感じるが気にならない

3.遮音性能を有する構造方法として認められるために必要な壁厚は、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨コンクリート造でそれぞれ異なっている。(注:旧法のまま。

答え: 誤りである。
  旧建築基準法施行令22条の2、2項1号イによれば、「鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄骨コンクリート造で厚さが10センチメートル以上であること。とされ同じである。

★現行法では、この建築基準法施行令22条の3は、改正されている。選択肢2の「透過損失」の規定しかない。(以前の建築基準法の考えは、素材(コンクリートなどの材料)で規定していたが、技術の進歩で素材では規定できない性能が実現されるようになったため。)

4.気泡コンクリートを用いた界壁は、遮音性能を有する構造方法として 認められていない。

答え: 誤りである。
  旧建設省告示1827号、国土交通省告示1170号)のよると、「下地等を有しない界壁の構造方法では、厚さが10cm以上の気泡コンクリートの両面に厚さが1.5cm以上のモルタル、プラスター又はくいを塗ったものは遮音性能を有する構造方式」として認められている。

答え: 1

平成16年度 管理業務主任者

【問19】 鉄筋コンクリート造に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、国土交通大臣が別に定める場合を考慮しないものとする。

1.コンクリートの四週圧縮強度の基準は、軽量骨材を使用する場合の方が普通骨材を使用する場合より小さな数値となっている。

答え: 正しい。
  建築基準法施行令74条1項1号によれば、「鉄筋コンクリート造に使用するコンクリートの強度は、次に定めるものでなければならない。
     一  四週圧縮強度は、一平方ミリメートルにつき十二ニュートン軽量骨材を使用する場合においては、九ニュートン)以上であること。 」
     とされ、一般は12ニュートンだが、軽量骨材を使用する場合は9ニュートンと軽量骨材を使用する場合の方が小さい。
四週圧縮強度とは、 コンクリートの圧縮強度の試験では、一般的に一週目と四週目と強度試験を行います。現場で打ったコンクリートの一部(同じもの)を別で試験用に取ってあります。四週目で完全に予定している強度が得られればいいのですが、時期により一週目の試験で予定強度を得ていることもあります。コンクリートの強度が得られる条件は晴れ続きだということはありません。コンクリートは水とセメントの中和反応で硬化していきますので、乾燥が続くと反対に水をかけるくらいです。「雨の方がいい。」と言う専門家のお話も聞いたことがあります。ただし、コンクリートを打つ日は晴れでないとダメです。
ニュートン=N とは、力の大きさを表す単位です。何KGの力を発生する事が出来るかを示す単位になります。 1Nは、100gの力に相当しますので、100Nですと10kgの物を動かす力に相当します。

2.コンクリートの打込み中及び打込み後5日間は、コンクリートの凝結及び硬化を促進するための特別な措置を講じない限り、コンクリートの温度が2℃を下回らないように養生しなければならない。

答え: 正しい。
  建築基準法施行令75条によれば、「コンクリート打込み中及び打込み後五日間は、コンクリートの温度が二度を下らないようにし、かつ、乾燥、震動等によつてコンクリートの凝結及び硬化が妨げられないように養生しなければならない。ただし、コンクリートの凝結及び硬化を促進するための特別の措置を講ずる場合においては、この限りでない。」とされる。

3.耐力壁の厚さは、12p以上としなければならない。

答え: 正しい。
  建築基準法施行令78条の2、1項1号によれば、「耐力壁は、次に定める構造としなければならない。
    一  厚さは、十二センチメートル以上とすること。
    二  開口部周囲に径十二ミリメートル以上の補強筋を配置すること。」
   とされる。
耐力壁とは、筋交いや構造用の合板で構成された壁で、地震・台風などに抵抗するとともに、長年の建物の変形にも抵抗するようにされた壁のこと。一般に1階ほど多く必要となり、3階は少なくて済みます。

それは、地震・台風とも1階の方が3階より多くの力が伝わり 、強い抵抗力が必要になってくるからです。
また、長方形の奥行きの長い建物ほど1階の壁は負担がかかり、室内の間仕切り壁も耐力壁にする必要がでてきます。

4.鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、柱又ははりにあっては、直接土に接する場合、接しない場合にかかわらず、3p以上としなければならない。

答え: 誤りである。
  建築基準法施行令79条1項によれば、「鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、耐力壁以外の壁又は床にあつては二センチメートル以上、耐力壁、柱又ははりにあつては三センチメートル以上、直接土に接する壁、柱、床若しくははり又は布基礎の立上り部分にあつては四センチメートル以上、基礎(布基礎の立上り部分を除く。)にあつては捨コンクリートの部分を除いて六センチメートル以上としなければならない。」
   とされ直接土に接する立上り部分にあっては4cm以上。
かぶり厚とは、 鉄筋コンコリートの建物は鉄筋とコンクリートが一体となって初めて地震などの外力に抵抗することができます。また、コンクリートの中の鉄筋は一切の錆止めをしていません。
 そして、コンクリートは打設当初は強アルカリ性の性質をもち、水や空気などから鉄筋が錆びるのを防いでいますが、コンクリートは年月と共に中性化が進行し、中性化と共にコンクリート内部の鉄筋が錆びやすくなっていきます。
 そのため、鉄筋にはかぶり厚といって、コンクリートの表面から一定の距離をたもって鉄筋を組み立てていますが、それだけでは長い耐用年数を維持することはできません。
 ところが、水セメント比というコンクリートを配合するときに水とセメントの量の比率のうち、水を少なくすると中性化の進行が著しく遅らせることができます。
 そのため、鉄筋コンクリート造の耐久性対策では、単にかぶり厚を確保するだけでなく、積極的に水分の少ないコンクリートを打設し、かぶり厚+水の少ないコンクリートによって長い耐久性を確保しようと考えています。

 具体的には、もっとも多く使われている水セメント比60〜65%程度のコンクリートの中性化年数はかぶり厚30mmの場合で約45年程度ですが、水セメント比を55%に変えるだけで、中性化年数は70年近くに達します。
 でも、水セメント比が少ないということは非常に打設しにくいコンクリートですから、注意深く作業をしないとコンクリートがうまく混ざらなかったり、隅々まで行き渡らなかったりといったことが起こりやすく、打設する側の人間からすれば、あまり楽な作業ではありません。

答え: 4

平成16年度 管理業務主任者

【問20】 エレベーターに関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1.マンションに設置されるエレベーターは、建築物に含まれない。

答え: 誤りである。
  建築基準法2条1号によれば、「建築物(とは) 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。」 、
  とし同3号によれば、「建築設備(とは)  建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針をいう。」
   とされ、建築基準法施行令129条の3では、昇降機の種類として、
  (適用の範囲)
  第百二十九条の三  この節の規定は、建築物に設ける次に掲げる昇降機に適用する。
   一  人又は人及び物を運搬する昇降機(次号に掲げるものを除く。)並びに物を運搬するための昇降機でかごの水平投影面積が一平方メートルを超え、又は天井の高さが一・二メートルを超えるもの(以下「エレベーター」という。)
   二  エスカレーター
   三  物を運搬するための昇降機で、かごの水平投影面積が一平方メートル以下で、かつ、天井の高さが一・二メートル以下のもの(以下「小荷物専用昇降機」という。) 」
 とあり、昇降機には、エレベーター、エスカレーター、小荷物専用昇降機があり、エレベーターも含まれる。
★ちなみに、エレベーターの部分は、容積率算定の延べ面積に算入されますが、マンションの廊下や階段は道路の延長のようなものとして、容積率算定の延べ面積に算入されません。
 建築基準法第52条 6項、「・・・・に規定する建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積には、共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積は、算入しないものとする。」

2.高さ31mを超える部分の階数が5で、その部分の床面積の合計が800uのマンションの場合、非常用エレベーターを設けなければならない。

答え: 正しい。
  建築基準法34条2項によれば、「高さ三十一メートルをこえる建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。」、とされ
昇降機には、エレベーターやエスカレーターもあるが、建築基準法施行令129条の13の3により、
   「(非常用の昇降機の設置及び構造)
   第百二十九条の十三の三  法第三十四条第二項 の規定による非常用の昇降機は、エレベーターとし、その設置及び構造は、第百二十九条の四から第百二十九条の十までの規定によるほか、この条に定めるところによらなければならない。」
とあり、非常用の昇降機は「エレベーター」と定められている。
 そして、建築基準法施行令129条の13の2によれば、「法第三十四条第二項 の規定により政令で定める建築物は、次の各号のいずれかに該当するものとする。
   一  高さ三十一メートルを超える部分を階段室、昇降機その他の建築設備の機械室、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する用途に供する建築物
   二  高さ三十一メートルを超える部分の各階の床面積の合計が五百平方メートル以下の建築物
   三  高さ三十一メートルを超える部分の階数が四以下の主要構造部を耐火構造とした建築物で、当該部分が床面積の合計百平方メートル以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備でその構造が第百十二条第十四項第一号イ、ロ及びニに掲げる要件を満たすものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの(廊下に面する窓で開口面積が一平方メートル以内のものに設けられる法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備を含む。)で区画されているもの
   四  高さ三十一メートルを超える部分を機械製作工場、不燃性の物品を保管する倉庫その他これらに類する用途に供する建築物で主要構造部が不燃材料で造られたものその他これと同等以上に火災の発生のおそれの少ない構造のもの 」
   とあり、 高さ31mを超える部分の階数が5で、その部分の床面積の合計が800uのマンションは非常用の昇降機の設置を要する。

3.エレベーターのかごの積載荷重は、当該エレベーターの実況に応じて定めなければならない。

答え: 正しい。
  建築基準法施行令129条の5、2項によれば、「エレベーターのかごの積載荷重は、当該エレベーターの実況に応じて定めなければならない。」、と規定される。
  ★積載荷重とは、 建築物に収容される物や人による重量のことをいう。それらのものとは、家具材のほか多数で、その建築物の用途にしたがって収容される物の全てを言う。
  積載荷重には通常、実情に合わせて建築の用途にしたがって計画される重量を採用するが建築基準法施工令では一般的な各数値が決められている。

4.乗用エレベーターの最大定員は、かごの積載荷重をかごの種類に応じて計算した数値とし、重力加速度9.8m/sec2と、1人当たりの体重を65Kgとして計算する。

答え: 正しい。
  ここは、平成19年 管理業務主任者試験 問20 でも出た。
    建築基準法施行令129条の6、5項によれば、「用途及び積載量(キログラムで表した重量とする。以下同じ。)並びに乗用エレベーター及び寝台用エレベーターにあつては最大定員(積載荷重を第百二十九条の五第二項の表に定める数値とし、重力加速度を九・八メートル毎秒毎秒と、一人当たりの体重を六十五キログラムとして計算した定員をいう。以下この節において同じ。)を明示した標識をかご内の見やすい場所に掲示すること。」 、と規定される。
  ★重力加速度とは、空気の抵抗がない場合、ものを落としたときにその落ちるスピードが速くなる割合を表す値で、その値は g=9.8m/sec2になる。ようするに、ものを落っことしたらその落ちる速さは1秒ごとに9.8m/sずつ速くなる、というわけです。

答え: 1

平成16年度 管理業務主任者

【 問24】居室内における化学物質の発散に関する衛生上の措置(シックハウス対策)に関する記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 第1種ホルムアルデヒド発散建築材料は、第3種ホルムアルデヒド発散建築材料より、ホルムアルデヒドの毎時の発散量は少ない。

答え: 誤りである。
国土交通省は、シックハウス症候群対策として、「建築基準法等の一部改定案」が平成14年7月5日法案で成立し、平成15年7月より施行となりました。
クロルピリホスは主に防蟻剤(シロアリ対策)に使用されており、使用禁止となりました。

ホルムアルデヒドとは、常温で無色の刺激臭のある気体で、水に溶ける性質を持っています。水に溶かしたものが、合成樹脂や殺虫・防虫・防腐剤などとして広く利用されているホルマリンです。  
 そして、ホルムアルデヒドは建築建材に広く使用されているVOC(揮発性有機化合物)です。
 家の中でホルムアルデヒドが発生する要因としては、建材として使用される合板から発生するものが一番のようで、壁紙などの接着剤等からも発生するそうです。
 合板からのホルムアルデヒド放出量は、JAS規格(日本農林規格)で規定されています。これらは低ホルムアルデヒド合板と呼ばれていますが、ホルムアルデヒド含有が全くゼロではありません。ホルムアルデヒドは特に揮発性が高く、厚生労働省「室内濃度指針値」リストアップに記載されているとおり、シックハウス症候群の主要原因物質と考えられています。
規制の内容は以下のようになっています。
 1) 規制対象物質(令第20条の4)
   政令で定める化学物質は、クロルピリホス及びホルムアルデヒド。

 2) クロルピリホスに関する建築材料の規制(令第20条の5第1項第1号及び第2号)
    クロルピリホスを添加した建築材料の使用禁止。
   ただし、クロルピリホスが添加された建築材料のうち、建築物の部分として5年以上使用したものは除外。(告示第1112号)

  3) ホルムアルデヒドに関する建築材料及び換気設備の規制

★建築基準法施行令20条の7によれば、
   「第一種ホルムアルデヒド発散建築材料とは夏季においてその表面積一平方メートルにつき毎時〇・一二ミリグラムを超える量のホルムアルデヒドを発散するものとして国土交通大臣が定める建築材料をいい、
   第二種ホルムアルデヒド発散建築材料とは夏季においてその表面積一平方メートルにつき毎時〇・〇二ミリグラムを超え〇・一二ミリグラム以下の量のホルムアルデヒドを発散させるものとして国土交通大臣が定める建築材料をいい、
    第三種ホルムアルデヒド発散建築材料とは夏季においてその表面積一平方メートルにつき毎時〇・〇〇五ミリグラムを超え〇・〇二ミリグラム以下の量のホルムアルデヒドを発散するものとして国土交通大臣が定める建築材料をいう。」
  よって、第1種ホルムアルデヒド発散建築材科の毎時の発散量は、表面積1uあたり0.12mgを越える量であり、第3種ホルムアルデヒド発散建築材料のそれは、0.005mgを超え0.02mg以下である。 したがって、第1種ホルムアルデヒド発散建築材科は、第3種ホルムアルデヒド発散建築材料より、ホルムアルデヒドの毎時の発散量は多いので、本肢は誤り。 第1種の方が、第3種よりも大きい。

ホルムアルデヒドの発散速度(※1) 告示で定める建築材料 大臣認定を受けた建築 大臣認定を受けた建築
名称 規格との関連
0.005mg/m2h以下
JIS、JASで検討中の上位規格(F★★★★) 第20条の5第4項の認定 制限なし
0.005mg/m2h超
0.02 mg/m
2h以下
第3種ホルムアルデヒド発散建築材料 JIS、JASの
E1、FC1(F★★★)
第20条の5第3項の認定(第3種ホルムアルデヒド発散建築材料とみなす) 使用面積を制限0.12 mg/m2h超
0.02 mg/m2h超 0.12 mg/m2h以下
第2種ホルムアルデヒド発散建築材料 JIS、JASの
E1、FC1(F★★)
第20条の5第2項の認定(第2種ホルムアルデヒド発散建築材料とみなす)
0.12 mg/m2h超 第1種ホルムアルデヒド発散建築材料 JIS、JASの
E2、FC2無等級
  使用禁止
※1 測定条件:温度28℃、相対湿度50%、ホルムアルデヒド濃度0.1mg/m3(=指針値)
※2 建築物の部分に使用して5年経過したものについては、制限なし。

★ホルムアルデヒドの発散速度...第1種が一番大きく、使用禁止となっている。空気中の濃度が 0.1ppm程度を超えると刺激臭がし、 0.5ppm程度になると眼を刺激する。

2 住宅等の居室とそれ以外の居室でのホルムアルデヒド発散建築材料の使用面積制限は、換気回数が等しければ同じである。

答え: 誤りである。
  建築基準法施行令20条の7によれば(長文のため省略)、「ホルムアルデヒド発散建築材料を使用するときは、使用面積に、所定の数値を乗じて得た面積が当該居室の床面積を越えないことと定められている。住宅等の居室とそれ以外の居室では、その乗じる数値が異なるため、換気回数が同じでも住宅等の居室とそれ以外の居室でのホルムアルデヒド発散建築材科の使用面積制限は、異なることなることになる。換気回数が等しければ使用面積制限は同じであるとの本肢は誤り。 異なる。

★ 第2種・第3種ホルムアルデヒド発散建築材料の使用面積の制限(令第20条の5第1項第4号)

第2種ホルムアルデヒド発散建築材料及び第3種ホルムアルデヒド発散建築材料については、次の式を満たすように、居室の内装仕上げの使用面積を制限。

N2S2+N3S3≦ A
  N2:次の表の(一)の欄の数値
  N3:次の表の(二)の欄の数値
  S2:第2種ホルムアルデヒド発散建築材料の使用面積
  S3:第3種ホルムアルデヒド発散建築材料の使用面積
  A :居室の床面積

居室の種類 換気 (一) (二)
住宅等の居室(※1) 0.7回/h以上(※2) 1.2 0.20
その他(0.5回/h以上0.7回/h未満)(※2) 2.8 0.50
住宅等の居室以外の居室 0.7回/h以上(※2)
0.88 0.15
0.5回/h以上0.7回/h未満(※2) 1.4 0.25
その他(0.3回/h以上0.5回/h未満)(※2) 3.0 0.50

※1 住宅等の居室とは、住宅の居室、下宿の宿泊室、寄宿舎の寝室、家具その他これに類する物品の販売業を営む店舗の売場をいう。
※2 換気について、表に示す換気回数の機械換気設備を設けた場合と同等以上の換気が確保されるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの〔告示の第1(0.7回/h相当)、第2各号(0.5回/h相当)、第3(0.3回/h相当)〕又は国土交通大臣の認定を受けたものを含む。

3 1年を通じて、居室内の人が通常活動することが想定される空間のホルムアルデヒドの量を空気1立方mにつきおおむね1mg以下に保つことができるものとして、国土交通大臣の認定を受けた場合は、政令で定めた技術的基準を満たした換気設備を設けなくてもよい。

答え: 誤りである。
  建築基準法施行令20条の9によれば、「前二条の規定は、一年を通じて、当該居室内の人が通常活動することが想定される空間のホルムアルデヒドの量を空気一立方メートルにつきおおむね〇・一ミリグラム以下に保つことができるものとして、国土交通大臣の認定を受けた居室については、適用しない。」 とされ0.1mg以下で1mgは誤りである。
こんなに濃度が濃いとかなり危険である。

4 クロルピリホスを発散するおそれがないものとして国土交通大臣が定める建築材料を除き、クロルピリホスをあらかじめ添加した建築材料を用いてはならない。

答え: 正しい。
  建築基準法施行令20条の6によれば、
    「一  建築材料にクロルピリホスを添加しないこと
    二  クロルピリホスをあらかじめ添加した建築材料(添加したときから長期間経過していることその他の理由によりクロルピリホスを発散させるおそれがないものとして国土交通大臣が定めたものを除く。)を使用しないこと。」
   と規定されている。
クロルピリホスとは、シックハウス症候群の汚染源となる化学物質のひとつ。
もともと、白アリ駆除などを目的とした有機リン系殺虫剤として広く使われていた。常温では無色または白色の結晶。住宅では、土台や柱などの木部に吹付けたり、床下土壌の全面に散布するといった方法で使用されてきた。めまいや吐き気、視力低下や頭痛などを引き起こす可能性があり、シックハウス症候群の汚染源となる化学物質としてホルムアルデヒドとともに指定され、2003年7月施行の改正建築基準法により、クロルピリホスを含む建築材料の使用は禁止されている。

答え: 4

平成16年度 管理業務主任者

【 問25】避雷設備に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 高さ25mの建築物であれば、いかなる場合でも避雷設備を設けなければならない。

答え: 誤りである。
  建築基準法33条によれば、「高さ二十メートルをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によつて安全上支障がない場合においては、この限りでない。」
    とされ「いかなる場合でも」というわけではない。

    (注意:出題傾向として、避雷設備は20m超の建築物に必要で、非常用エレベーターの設置は31m超である。このmの違いを注意のこと。)

2 避雷設備の構造方法は、日本工業規格A4201(建築物等の避雷設備(避雷針)-1992)に適合する構造にしなければならない。

答え: 正しい。
  建築基準法施行令129条の15によれば、「前条の避雷設備の構造は、次に掲げる基準に適合するものとしなければならない。」
  としその1号に、「雷撃によって生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができるものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものであること。」
  とされ平成12年建設省告示第1425号によれば、「雷撃によって生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができる避雷設備の構造方法は、日本工業規格(JIS)A4201(建築物等の避雷設備(避雷針))−1992に適合する構造とすることとする。」とされている。なお、改正があり、現在は、JIS規格A 4201:2003(新規格)となっている。

3 危険物貯蔵庫に設置する避雷設備の保護角は、30°以下でなければならない。

答え: 誤りである。
  日本工業規格JIS A4201の3.5「火薬・可燃性液体・可燃性ガスなどの危険物の貯蔵又は取扱いの用途に供する被保毒物に設備する避雷設備の構造 避雷設備の構造は、3.1〔3.1.2(6)及び3.1.3(1)(a)のただし書きを除く。〕及び3.4の規定によるほか、次の規定に適合しなければならない。
   (1) 避雷設備は、可燃性ガスが発散するおそれがあるバルブ、ケージ、排気孔などから1.5m以上離す。ただし、やむを得ず距離が1.5m未満となる場合には、可燃性ガスが発散する部分を銅又は黄銅などの耐食性のある金属で作った網目の開きが0.42mm以下の金網1枚以上で覆うなど、引火防止上有効な構造とする。
   (2) 金属製の油槽などにおいては、金属相互間を電気的に接続し、また、すべての管、バルブなどを油槽などに電気的に接続して通電によって火花を出さない構造とする。
    (3) 金属製の油槽などの接地極の材料は、油槽などに腐食の影響を与えないものを用いなければならない。なお、避雷導線の地中に埋設される部分は、絶縁被覆を施したものとする。
    (4) 受雷部の保護角は、45度以下とする。
    (5) (2)の規定に適合し、厚さ3.2mm以上の金属板で構成され、かつ、密閉されている油槽などについては、3.2(1)の規定によることができる。
    (6) 独立避雷針を設ける場合は被保護物からの水平距離を2.5m以上とし、被保護物が金属製又は鉄骨造の場合、独立避雷針の接地抵抗が10Ω以上のときは被保護物に接続する。この場合、3.1.4(7)の規定は適用しない。
    (7) 二基以上の独立避雷針を設ける場合は、内側(平面的にみて避雷針を結ぶ中心線に対して両側30度の範囲)の保護角を60度以下としてもよい。
    (8) 独立架空地線を設ける場合は、2条以上の独立架空地線で狭まれた部分の保護角は60度以下としてもよい。また、独立架空地線と被保護物との間隔は3m以上とし、引下げ導線と被保護物との水平距離は2.5m以上とする。
    (9) ケージを設ける場合の網目は、1.5m以下とする。 」とあり、
(4)によれば、受雷部の保護角は、45°以下であり、30°以下は誤りである。

4 避雷設備は、2年に1回の定期検査を必要とする。

答え: 誤りである。
  建築基準法12条1項によれば、「第六条第一項第一号に掲げる建築物その他政令で定める建築物は、当該建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、その状況を一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者に調査させて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。」
 とされ、建築基準法施行規則5条1項によれば、「法12条1項の規定による報告の時期は、建築物の用途、構造、延べ面積等に応じて、おおむね六月から三年までの間隔をおいて特定行政庁が定める時期とする。」
 とされ、明確な時期は定められていない。
また、 日本工業規格A4201(3)4「検査及び保守
   4.1避雷設備の工事がしゅん工したときは検査を行って、この規格の規定に適合していることを確かめなければならない。なお、接地極として水道給水管又は水道配水管を使用した場合は、しゅん工検査に水道事業管理者の立会いを要求する。
    4.2 避雷設備は年1回以上次の検査を行って、この規格の規定に適合していることを確かめなければならない。もし規格に適合しない場合は、補修を行って適合させなければならない。ただし、3.2によって接地極を省略したものについては、(a)の測定を行わなくてもよい。
    (a)接地抵抗の測定
   (b)地上各接続部の検査
   (c)地上における断線・溶融その他の揖傷箇所の有無の点検
   4.3 検査の結果は記録して、3年間保存しなければならない。」とあり、
避雷設備は、竣工時と年1回以上の定期検査を必要とする。
いずれにせよ、 2年に1回の定期検査を必要とするとの本肢は誤り。

 答え: 2

平成16年度 管理業務主任者

【 問26】耐震等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 昭和54年以降に竣工した建物であれば、現行の建築基準法で規定されている耐震性能は確保されている。

答え:適切ではない。
  現行の建築基準法に改正されたのは昭和56年(1981年)
である。したがって、昭和56年以降に設計された建物(竣工が昭和56年ではない。)であれば、現行基準で規定されている耐震性能が確保されていると考えられる。しかし、昭和54年から昭和56年頃に竣工した建物には、現行の設計基準で設計されていないため、建築基準法に規定されている耐震性能を満足しないものがある可能性がある。
設問は、「昭和54以降であれば耐震性能が確保されている」となっており、適切ではない。

2 鉄筋コンクリート造の中低層マンションにおいて、壁式構造は、一般的にラーメン構造と比べ経済的な構造であるが、耐震性には劣っている。

答え:適切ではない。
  壁式構造は、大体5階建以下の中低層建物に適用可能な構造形式で、優れた耐震性能を有している。また、柱、梁がないため経済的な構造となっている。
設問では、「耐震性が劣る」となっており、適切ではない。
壁式構造とは、柱や梁を使わず、躯体にかかる力を壁で支える構造のこと。

壁や床など、平面的な構造体のみで建てられた建物。建築物の代表的な構造の一つで、柱や梁という軸の部材ではなく、床、壁、天井の6つの「面」が構造躯体として、建物を支える構造のこと。軸組構造と比べると大きな空間がとれ、「面」と「面」で支えるため、柱や梁が出ないため室内がすっきりと使えるというメリットがあるといわれる。一方で、ラーメン構造に比べると、耐震性や耐風性などの安全性を確保するためには、壁厚、壁量、階高、開口部に制限を受けるなど高層マンションでは欠点もあるが中低層マンションでは問題がない。また、リフォームなどでの間取り変更がしにくい場合もある。正確には、枠組壁工法といい、ツーバイフォー工法も壁式構造のひとつである。
ラーメンとは、ドイツ語で枠のこと。地震力・風圧力など水平外力を柱と梁のみで受け止める構造で、間口方向、桁行方向ともに筋交いや耐力壁を必要としない構造。

開口部や間仕切りの位置や大きさが、自由に設定できるというメリットがある。鉄筋コンクリート造、鉄骨造などに使われる、一般的な構造。中高層のビルやマンションの建築によく採用されている構造である。

3 マンションの1階ピロティ部分は、一般的に耐震性能上の弱点となりやすい。

答え:適切である。
  ピロティのある階では、柱が少なくその階に変形が集中するため、十分な設計上の配慮がされていない場合には、倒壊する恐れが高い。設問の記述の通りである。
ピロティ形式 とは、本来はフランス語で「杭(くい)」のこと。そこから派生して、建築物を柱だけで支え、壁のない階をもった建物をピロティ形式と呼ぶ。多くの場合は、駐車場や駐輪場として利用している。また、1階部分が自由に通り抜けできるようになった建築スタイルのことも「ピロティ」と称する。

4 耐震性の向上を目的とする改修工事については、すべて建築確認申請は不要となる。

答え:適切ではない。
  建築物の耐震改修の促進に関する法律第5条第8項によると、「耐震性の向上を目的とする改修工事については、所管行政庁が、耐震改修の計画を認定した場合においては建築基準法の確認済証の交付があったものとみなされ、建築確認の申請が不要となる。本肢のように「耐震性の向上を目的とする改修工事についてはすべて建築確認申請は不要となる。」のではない。本肢は誤りである。
また、 すべての柱を補強する場合等、「建物の主要構造部の過半の修繕」は、建築基準法の「大規模の修繕」に該当し、確認申請が必要となる。
設問では、「すべて確認申請は不要」となっており、適切ではない。

答え: 3


*平成15年以前は、建築基準法、及び建築基準法施行令が改正前で、注意のこと。

平成15年度 マンション管理士

〔問 20〕 準防火地域内にある共同住宅に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば誤っているものはどれか。

1 住戸には、非常用の照明装置を設置しなくてもよい。

答え:正しい。
  建築基準法施行令第126条の4は、非常用の照明装置の設置義務を定めるが、「これらに類する建築物の部分で照明装置の設置を通常要する部分には、非常用の照明装置を設けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物又は建築物の部分については、この限りでない。
   一  一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸
   二  病院の病室、下宿の宿泊室又は寄宿舎の寝室その他これらに類する居室
   三  学校等
   四  避難階又は避難階の直上階若しくは直下階の居室で避難上支障がないものその他これらに類するものとして国土交通大臣が定めるもの。」とあり、
   第1号において一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸は、例外とする。 そのとおりである。

2 各戸の界壁、小屋裏又は天井裏に達するものであって、その構造を一定の遮音性能を有するものとしなければならない。

答え:正しい。
  建築基準法30条、「長屋又は共同住宅の各戸の界壁は、小屋裏又は天井裏に達するものとするほか、その構造を遮音性能(隣接する住戸からの日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するために界壁に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。」 による。
そして、建築基準法施行令22条の3によれば、「法第三十条 (法第八十七条第三項 において準用する場合を含む。)の政令で定める技術的基準は、次の表の上欄に掲げる振動数の音に対する透過損失がそれぞれ同表の下欄に掲げる数値以上であることとする。 」

振動数(単位 ヘルツ) 透過損失(単位 デシベル)
(注:低音)    125 25
500 40
(注:高音)  2,000 50

  とされ振動数(ヘルツ)が高い音ほど、より高い透過損失が求められる。
  ★透過損失とは、 透過損失を遮音性能(防音性能)と理解すると簡単です。

透過損失・TRANSMISSION LOSS【TL値】は、外部からの音が色々な角度から壁や部屋の材料や構造物にぶつかり、吸収されたり、迂回したりして通り抜け、元の音が聞く位置でどの位に減少されたかの単位で「dB=デシベル」で表されます。一般的に壁や構造物の材料が重くてどっしりしてると、音の圧力に負けず、音のエネルギーを防ぐのに効果的です。部屋の広さに対して、どれだけの遮音性能を持つ重い材料(面積当たりの素材重量=面密度)を使用するかで決まります。極端に言えば防音(遮音)=重さとも言えます。

3 屋上に設ける看板は、その主要な部分を不燃材料で造り、又は覆わなければならない。

答え:誤りである。
  設問の鍵は「準防火地域内」である。建築基準法66条により、「防火地域内にある看板、広告塔、装飾塔その他これらに類する工作物で、建築物の屋上に設けるもの又は高さ三メートルをこえるものは、その主要な部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない。」
防火地域内の規定で準防火地域内では規定なし。 

4 外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。

答え:正しい。 
  建築基準法65条により、「防火地域又は準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。 」
防火地域または準防火地域内では、可能。
耐火構造とは、建築基準法2条7号、「耐火構造(とは)  壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、耐火性能(通常の火災が終了するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄筋コンクリート造、れんが造その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。

答え: 3  

平成15年度 マンション管理士

〔問 21〕 共同住宅の居室内における、建築基準法28条の2(*旧法です。改正前のままです。)に定める化学物質の発散に対する衛生上の措置(以下この問いにおいても「衛生上の措置」という。)に関する次の記述のうち、同法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 換気設備については、居室内において化学物質の発散による衛生上の支障が生じないように、一定の技術的基準に適合するものとしなければならない。

答え:正しい。 
  建築基準法施行令20条の5により、ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合でも、原則として全ての建築物の居室に機械換気設備の設置が義務付けられた。住宅の場合には0.5回/h以上の機械換気設備(24h換気システムなど)の設置が必要となった。

2 ホルムアルデヒドは、発散により衛生上の支障を生じさせるおそれのある化学物質とされている。

答え:正しい。
  建築基準法施行令20条の4によりシックハウスの原因となる化学物質としてホルムアルデヒドとクロルピリホス(有機リン系のしろあり駆除剤)に対する規制がされることとなった。

3 衛生上の措置の対象となる建築材料には、保温材及び断熱材は含まれない。

答え:誤りである。
  規制対象となる建材は木質建材(合板、木質フローリング、パーティクルボード、MDFなど)、壁紙、ホルムアルデヒドを含む断熱材、接着剤、塗料、仕上げ材などであるので、保温材及び断熱材も含まれる。

4 衛生上の措置を構ずべき共同住宅の居室には、月に数回しか使用されない集会室も含まれる。

答え:正しい。
  建築基準法28条の2により、この改正は,シックハウスの原因となる化学物質の室内濃度を下げるため,建築物に使用する建材や換気設備の規制を行うもので、対象は住宅,学校,オフィス,病院など,全ての建築物の居室となっている。
なお、居室とは建築基準法2条4号
 「この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
  四  居室(とは) 居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。」とあり、集会室も入る。しかし、「玄関」「便所」「浴室」「脱衣室」「洗面所」「押入れ」「納戸」「廊下」は、その使用が一時的ですので居室では在りません。倉庫、自動車車庫、無人の機械室なども、居室ではありません。 

答え: 3

平成15年度 マンション管理士

〔問 44〕 マンションに換気設備を設置する場合に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 自然換気口から外気を供給し、機械換気により室内空気を排出する換気設備(以下この問いにおいて「第3種換気設備」という。)を天井裏に設ける場合は、天井裏の空気圧が居室内部の空気圧を超えるように計画する必要がある。

答え:誤りである。 
  天井裏の方が、居室内部の空気圧を超えれば、空気が上にいかないので、排気出来ず、自然給気が期待できない。

★換気についての、まとめ。
  今までの、過去出題をやってきた人は気付いているでしょうが、この「換気」と「採光 」は出題傾向の高い規定です。
 そこで、時間をかけて纏めてみました。

★換気設備の必要性...居室で人間が呼吸すると二酸化炭素が排出されます。また台所で煮炊きをしても排ガスが発生します。
   このような、汚れた空気は人体に有害です。また室内の塗料や接着剤に含まれたホルムアルデヒドなどの有害な化学物質も屋外に排出しなければ、シックハウス病にもなります。  古い日本家屋は、あちらこちらに隙間があり、ほっておいても換気(自然換気)ができて、室内の汚れた空気は外へ排出されていましたが、気密性の高い住居(アルミサッシの使用、コンクリート造など)が多くなり、換気扇などを使用しなければ、室内の有毒なガスの排気ができなくなってきています。
 
★窓などの開口部で自然換気を得る...室内の汚れた空気を外に出すのに一番有効なのは、窓を開けることです。そこで、建築基準法では、採光ともに換気についても、窓などの大きさを定め、居室の場合、床面積の1/20以上としています。

<参考>建築基準法28条 (居室の採光及び換気)
 第二十八条  住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)には、
採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、住宅にあつては七分の一以上、その他の建築物にあつては五分の一から十分の一までの間において政令で定める割合以上としなければならない。
ただし、地階若しくは地下工作物内に設ける居室その他これらに類する居室又は温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室については、この限りでない。

2  居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。

3  別表第一(い)欄(一)項に掲げる用途に供する特殊建築物の居室又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたもの(政令で定めるものを除く。)には、政令で定める技術的基準に従つて、換気設備を設けなければならない

4  ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、前三項の規定の適用については、一室とみなす。

★換気に有効な窓などの開口部の面積が、その居室の床面積の1/20未満なら、換気設備が必要となり、次の3つの設備が規定されています。
  全部が機械を使用しなくても、自然換気も可能です。

  1.自然換気設備...機械を使用せずに、給気口と排気口で行う。(建築基準法施行令20条の2 1号1、 同129条の2の6 1項 参照)
    建築基準法施行令129条の2の6 1項 
     建築物(換気設備を設けるべき調理室等を除く。以下この条において同じ。)に設ける自然換気設備は、次に定める構造としなければならない。
     一  換気上有効な給気口及び排気筒を有すること。
     二  給気口は、居室の天井の高さの二分の一以下の高さの位置に設け、常時外気に開放された構造とすること。
     三  排気口(排気筒の居室に面する開口部をいう。以下この項において同じ。)は、給気口より高い位置に設け、常時開放された構造とし、かつ、排気筒の立上り部分に直結すること。
     四  排気筒は、排気上有効な立上り部分を有し、その頂部は、外気の流れによつて排気が妨げられない構造とし、かつ、直接外気に開放すること。
     五  排気筒には、その頂部及び排気口を除き、開口部を設けないこと。
     六  給気口及び排気口並びに排気筒の頂部には、雨水又はねずみ、虫、ほこりその他衛生上有害なものを防ぐための設備をすること。

  2.機械換気設備...換気扇などの機械を使用して強制的に換気を行います。3種の方式があります。(建築基準法施行令20条の2 1号ロ、 同129条の2の6 2項 参照)
   建築基準法施行令129条の2の6 2項 
    建築物に設ける機械換気設備は、次に定める構造としなければならない。
    一  換気上有効な給気機及び排気機、換気上有効な給気機及び排気口又は換気上有効な給気口及び排気機を有すること。
    二  給気口及び排気口の位置及び構造は、当該居室内の人が通常活動することが想定される空間における空気の分布を均等にし、かつ、著しく局部的な空気の流れを生じないようにすること。
    三  給気機の外気取り入れ口並びに直接外気に開放された給気口及び排気口には、雨水又はねずみ、虫、ほこりその他衛生上有害なものを防ぐための設備をすること。
    四  直接外気に開放された給気口又は排気口に換気扇を設ける場合には、外気の流れによつて著しく換気能力が低下しない構造とすること。
    五  風道は、空気を汚染するおそれのない材料で造ること。

  3.中央管理方式の空調設備...建築物全体の空調システムに組み込まれていて、空気の浄化、温度・湿度・流量を調節して供給できるものです。(建築基準法施行令20条の2 1号ハ、 同129条の2の6 3項 参照)
   建築基準法施行令129条の2の6 3項
   建築物に設ける中央管理方式の空気調和設備は、前項に定める構造とするほか、国土交通大臣が居室における次の表の各項の上欄に掲げる事項がおおむね当該各項の下欄に掲げる基準に適合するように空気を浄化し、その温度、湿度又は流量を調節して供給することができる性能を有し、かつ、安全上、防火上及び衛生上支障がない構造として国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとしなければならない。(以下表は略)

★機械換気設備の種類...3種の機械式の換気設備を定めています。給気、排気を共に機械で行う設備を、始めの第1種と定めているのが特徴です。

 1.第1種機械換気設備...給排気とも機械換気設備で行う方式です。

第1種機械換気設備は、給気機(ファン)、排気機(ファン)の両方が設置されるため、室内の圧力を自由にコントロールすることにより換気を確実に行うことができる方式です。また、全熱交換機を用いることにより室内へ取り入れる外気温をコントロールすることができます。部屋単体で換気システムを完結したい場合等に用いられます。

 2.第2種機械換気設備...給気を機械換気設備で行い排気は自然排気口または隙間から行う方式です。エアコンのイメージです。

第2種機械換気設備は、給気機(ファン)が設置されるため、室内の圧力が正圧に保たれます(他の部屋より高い圧力になる)。従って、室内の空気を清浄に保ちたい部屋等に用いられます。但し、外気を直接室内へ取り入れる方式のため、寒冷地等では給気を余熱する等の配慮が必要です。また、廊下等から排気する場合は、換気経路となる廊下やトイレ等についても建築基準法に基づく内装仕上げの制限を受けることになるとともに、建築基準法の規定による必要換気回数の算定に際しては、廊下やトイレ等を含めた換気量とする必要があります。

 3.第3種機械換気設備...排気を機械換気設備で行い給気は自然給気口または隙間から行う方式です。トイレや浴室のイメージです。

第3種機械換気設備は、排気機(ファン)を設置するため、室内の圧力が負圧に保たれます(他の部屋より低い圧力になる)。汚染質が発生し易い部屋等に多く用いられます。
 なお、廊下等から給気する場合は、換気経路となる廊下やトイレ等についても建築基準法に基づく内装仕上げの制限を受けることになるとともに、建築基準法の規定による必要換気回数の算定に際しては、廊下やトイレ等を含めた換気量とする必要があります。また、居室内が換気設備により減圧されるため、天井裏等より空気が流入する恐れがあります。そのため、この機械換気方式を採用する場合、天井裏等にも換気設備が必要となる事があります。

★これらの3種類には、それぞれ特徴があり、使う場所や目的によって方式を選択することになります。
 換気方式の使い分けの例としては、窓を開放する事が困難な地下室や外気の取り入れに熱回収機能が必要な場合、あるいは廊下等を換気経路としないで換気を完結したい場合等は第1種機械換気設備、特別な汚染質の発生が認められない室で廊下等からの汚染質の流入を防止したい場合等は第2種機械換気設備、接着剤や塗料等の汚染質が発生する可能性のある室では第3種機械換気設備とする方式が考えられます。

★シックハウス対策のため2003年に建築基準法が改正され、新築・改築・改修等をする際、教室等の居室への設置が原則として義務付けられました。24時間換気回数0.5回から0.7回以上と定められています。空気のショートカットにより有効な換気が行なわれないことがあり、空回りや逆流、音や振動、電気代などの諸々の問題点があります。

2 第3種換気設備を居室に設ける場合は、扉の開閉がしにくくなることがあるので、給気が不充分にならないように計画する必要がある。

答え:正しい。
  排気すると室内は減圧(負圧になる)され、外からの空気が入ろうとして、ドアなどは開閉しにくくなる。
  理屈は合ってるが、そんな排気量を持つ設備をマンションで付けるのか?

3 レンジフードを台所に設ける場合は、レンジフードの換気量が大きいため、室内の空気を誘引しないように給気の経路を計画する必要がある。

答え:正しい。
  レンジフードは回してみると分かるが、換気量が実に大きい。このため、台所の空気は負圧になり易い。でも、台所用に給気を設けることはないが・・・。

4 1時間に室内の空気の入れ替わる回数を換気回数といい、居室に必要な換気量は、居室の容積に換気回数を乗じて計画する必要がある。

答え:正しい。
  建築基準法行令第20条の2第2項 (*旧法。現在は大幅に変更されている。)

答え: 1

平成15年度 マンション管理士

〔問 45〕 マンションの衛生設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 給水タンクを屋内に設置する場合は、給水タンクの天井、底及び周壁と建築物の躯体部分との間に、保守点検のために必要な空間を設けなければならない。

答え:正しい。
  建設省告示1597号 昭和50年12月20日建告第1597号(最終改正:平成12年建設省告示第1406号) 第1二(参考 マンション管理の知識 3訂版 P.534 〜)給水タンク及び貯水タンク

イ 建築物の内部、屋上又は最下階の床下に設ける場合においては、次に定めるところによること。
  (1) 外部から給水タンク又は貯水タンク(以下「給水タンク等」という。)の天井、底又は周壁の保守点検を容易かつ安全に行うことができるように設けること。
  (2) 給水タンク等の天井、底又は周壁は、建築物の他の部分と兼用しないこと。
  (3) 内部には、飲料水の配管設備以外の配管設備を設けないこと。
  (4) 内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる位置に、次に定める構造としたマンホールを設けること。ただし、給水タンク等の天井がふたを兼ねる場合においては、この限りでない。
    (い) 内部が常時加圧される構造の給水タンク等(以下「圧力タンク等」という。)に設ける場合を除き、ほこりその他衛生上有害なものが入らないように有効に立ち上げること。
    (ろ) 直径60cm以上の円が内接することができるものとすること。ただし、外部から内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる小規模な給水タンク等にあつては、この限りでない。
  (5) (4)のほか、水抜管を設ける等内部の保守点検を容易に行うことができる構造とすること。
  (6) 圧力タンク等を除き、ほこりその他衛生上有害なものが入らない構造のオーバーフロー管を有効に設けること。
  (7) 最下階の床下その他浸水によりオーバーフロー管から水が逆流するおそれのある場所に給水タンク等を設置する場合にあつては、浸水を容易に覚知することができるよう浸水を検知し警報する装置の設置その他の措置を講じること。
  (8) 圧力タンク等を除き、ほこりその他衛生上有害なものが入らない構造の通気のための装置を有効に設けること。ただし、有効容量が2m3未満の給水タンク等については、この限りでない。
  (9) 給水タンク等の上にポンプ、ボイラー、空気調和機等の機器を設ける場合においては、飲料水を汚染することのないように衛生上必要な措置を講ずること。

★六面点検
改定された、建設省告示1924号により「水槽は天井、底または周壁の保守点検を容易かつ安全に行うことができるよう設置されなければならない」と規定されています。周囲4面と上下2面の外面全てについて点検できるようにするため通常六面点検と呼ばれています。具体的には、上面(天井)100cm以上、底および周壁は60cm以上の空間を確保しなければなりません。

★またこのほかに、通気管も規定がある。
通気管は、合成樹脂製耐蝕性防虫網を取り付けて、虫等衛生上有害なものの侵入を防止します。

2 給水器具を設置する場合に、ウォーターハンマーが生じるおそれがあるときは、これによる振動や騒音を防止し、又は低減させる機能を有するものを選定する必要がある。

答え:正しい。
  ウォーターハンマー現象とは、給水配管中のパルプを急に閉じると、水の流れが急に停止し、水音を生じ、配管自体を振動させる現象である。この騒音や振動を防止・低減させるための機能を有するものを選定する必要がある。(参考:同上)

3 水槽や流しを設置する場合は、吐水口空間を確保して溢れを防止するための措置を講じる必要がある。

答え:誤りである。 
  水栓類の吐水口から流しや衛生器具水面までの空間を吐水口空間と言う。この吐水口空間は、排水の逆流防止のために設けられる。排水の逆流は、水を止めた時に給水圧力がなくなるために起こる。吐水口空間が溢れ防止のための手段であるとしている点、本肢は不適切である。吐水口空間は溢れではなく、逆流を防止している。 
   (参考 マンション管理の知識 3訂版 P.535 〜)

★吐水口空間
給水管の流入口端とオーバーフロー管との間が吐水口空間です。この空間がないと、水槽の水が給水管に逆流します。

4 排水再利用のための配管設備は、洗面器、手洗器その他の誤飲、誤用のおそれのある器具には連結してはならない。

答え:正しい。
  建築基準法施行令129条の2の5第2項1号。 「建築物に設ける飲料水の配管設備(水道法第三条第九項 に規定する給水装置に該当する配管設備を除く。)の設置及び構造は、前項の規定によるほか、次に定めるところによらなければならない。
  一  飲料水の配管設備(これと給水系統を同じくする配管設備を含む。この号から第三号までにおいて同じ。)とその他の配管設備とは、直接連結させないこと。 」とある。
  排水の再利用のための配管設備は、飲料水等の上水との混合が生じないようにしなければならない。クロスコネクション(混合配管)の防止と呼ばれるものである。不純な水が上水道配管中に混入することを防ぐためである。

答え: 3

平成15年度 管理業務主任者

【問16】階段等に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 回り階段の部分における踏面の寸法は、踏面の狭い方の端から30cmの位置において測る。

答え:正しい。
  建築基準法施行令 23 条2項、「回り階段の部分における踏面の寸法は、踏面の狭い方の端から三十センチメートルの位置において測るものとする。」 そのとおり。

踏面とは、階段で足をのせる踏み板のこと。段板も同じ意味。段鼻から上の段鼻まで(垂直線を降ろしたところまで)を、踏み面寸法という。住宅の階段の寸法は、建築基準法により、150mm以上と定められているが、200mm前後がのりやすい。

★このほか、けあげ、けこみ、踊場などの意味も確認のこと。

2 高さが50cm以下で幅が10cm以下の手すりを設けた場合、階段の幅は、手すりがないものとみなして算定する。

答え:正しい。
  建築基準法施行令 23 条3項、「階段及びその踊場に手すり及び階段の昇降を安全に行うための設備でその高さが五十センチメートル以下のもの(以下この項において「手すり等」という。)が設けられた場合における第一項の階段及びその踊場の幅は、手すり等の幅が十センチメートルを限度として、ないものとみなして算定する。 」そのとおり。逆に、10cm以上突出する場合は、10cmを超える寸法分を階段の幅から差し引く必要があります。

3 高さ2mの階段の場合、両側に側壁を設ければ手すりを設けなくてよい。

答え:誤りである。
  建築基準法施行令25 条、「階段には、手すりを設けなければならない。
   2  階段及びその踊場の両側(手すりが設けられた側を除く。)には、側壁又はこれに代わるものを設けなければならない。
   3  階段の幅が三メートルをこえる場合においては、中間に手すりを設けなければならない。ただし、けあげが十五センチメートル以下で、かつ、踏面が三十センチメートル以上のものにあつては、この限りでない。
   4  前三項の規定は、高さ一メートル以下の階段の部分には、適用しない。 」
  とあり、両側に側壁を設ければ手すりを設ける必要はないとはされていないので、本肢は誤りである。

4 階段に代わる傾斜路の勾配は、8分の1をこえてはならない。

答え:正しい。
  建築基準法施行令26条、「階段に代わる傾斜路は、次の各号に定めるところによらなければならない。
   一  勾配は、八分の一をこえないこと。
   二  表面は、粗面とし、又はすべりにくい材料で仕上げること。」
   とあり、 そのとおり。

答え:  3

平成15年度 管理業務主任者

【問17】建築基準法第12条第1項及び第2項に規定する建築物の定期調査及び建築設備の定期検査を行う者に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(*旧法。現在は削除された。)

1 一級建築士、二級建築士であれば、建築物の定期調査及び建築設備の定期検査のすべてを行うことができる。

答え:正しい。
  そのとおり。

2 建築基準適合判定資格者で国土交通大臣が定める要件を満たしているものは、建築物の定期調査及び建築設備の定期検査のすべてを行うことができる。

答え:正しい。
  そのとおり。

3 国土交通大臣が指定した特殊建築物等調査資街者講習の修了者で国土交通大臣が定める要件を満たしているものは、建築物の定期調査を行うことができるが、建築設備の定期検査を行うことはできない。

答え:正しい。
  そのとおり。

4 国土交通大臣が指定した建築設備検査資格者講習の修了者で国土交通大臣が定める要件を満たしているものは、建築設備の定期検査のすべてを行うことができる。

答え:誤りである。
  出来ない。

建築基準法施行規則 4 条の 20
  第四条の二十  法第十二条第一項 に規定する法第六条第一項第一号 に掲げる建築物その他政令で定める建築物の敷地、構造及び建築設備について調査を行う国土交通大臣が定める資格を有する者(以下「特殊建築物等調査資格者」という。)は、国土交通大臣が定める要件を満たし、かつ、次のいずれかに該当する者とする。
   一  建築基準適合判定資格者
   二  特殊建築物等調査資格者として必要な知識及び技能を修得させるための講習で、国土交通大臣が指定するものを修了した者
   三  前二号に掲げる者のほか国土交通大臣の定める資格を有する者
 2  前項第二号の規定による講習の指定は、次に掲げる基準に適合すると認められる者が実施する講習について行う。
   一  職員、講習の実施の方法その他の事項についての講習の実施に関する計画が講習の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。
   二  前号の講習の実施に関する計画を適正かつ確実に実施するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。
   三  講習以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて講習が不公正になるおそれがないこ と。
 3  第一項第二号の規定による指定を受けた講習を実施する者の名称及び主たる事務所の所在地並びに講習の名称は、次のとおりとする。
   講習を実施する者 講習の名称
   名称 主たる事務所の所在地
   財団法人日本建築防災協会 東京都港区虎ノ門二丁目三番二十号 特殊建築物等調査資格者講習


 4  法第十二条第二項 の規定に基づき昇降機(法第八十八条第一項 に規定する昇降機等を含む。以下この条及び第六条において同じ。)について検査を行う国土交通大臣の定める資格を有する者(以下「昇降機検査資格者」という。)は、 国土交通大臣が定める要件を満たし、かつ、次のいずれかに該当する者とする。
   一  建築基準適合判定資格者
   二  昇降機検査資格者として必要な知識及び技能を修得させるための講習で、国土交通大臣が指定するものを修了した者
   三  前二号に掲げる者のほか国土交通大臣の定める資格を有する者
 5  前項第二号の規定による講習の指定は、次に掲げる基準に適合すると認められる者が実施する講習について行う。
   一  職員、講習の実施の方法その他の事項についての講習の実施に関する計画が講習の適正かつ確実な実施のために適切な ものであること。
   二  前号の講習の実施に関する計画を適正かつ確実に実施するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。
   三  講習以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて講習が不公正になるおそれがないこと。
 6  第四項第二号の規定による指定を受けた講習を実施する者の名称及び主たる事務所の所在地並びに講習の名称は、次のとおりとする。
   講習を実施する者 講習の名称
   名称 主たる事務所の所在地
   財団法人日本建築設備・昇降機センター 東京都港区虎ノ門一丁目十三番五号 昇降機検査資格者 講習


 7  法第十二条第二項 の規定に基づき法第六条第一項第一号 に掲げる建築物その他法第十二条第一項 の政令で定める建築物の昇降機以外の建築設備について検査を行う国土交通大臣が定める資格を有する者(以下「建築設備検査資格者」という。)は、国土交通大臣が定める要件を満たし、かつ、次のいずれかに該当する者とする。
   一  建築基準適合判定資格者
   二  建築設備検査資格者として必要な知識及び技能を修得させるための講習で、国土交通大臣が指定するものを修了した者
   三  前二号に掲げる者のほか国土交通大臣の 定める資格を有する者
 8  前項第二号の規定による講習の指定は、次に掲げる基準に適合すると認められる者が実施する講習について行う。
   一  職員、講習の実施の方法その他の事項についての講習の実施に関する計画が講習の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。
   二  前号の講習の実施に関する計画を適正かつ確実に実施するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。
   三     講習以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて講習が不公正になるおそれがないこと。
 9  第七項第二号の規定による 指定を受けた講習を実施する者の名称及び主たる事務所の所在地並びに講習の名称は、次のとおりとする。
   講習を実施する者 講習の名称
   名称 主たる事務所の所在地
   財団法人日本建築設備・昇降機センター

答え: 4

特殊建築物等調査資格者、昇降機検査資格者及び建築設備検査資格者と建築基準適合判定資格者 がなにをする人かを知っていれば、答 えは得られそうです。

平成15年度 管理業務主任者

【問24】建築基準法に基づく居室内における化学物質の発散に対する衛生上の措置(シックハウス対策)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。(*旧法。建築基準法28条の2 は大幅に改正されている。)

1 居室を有する建築物は、その居室内において政令で定める化学物質の発散による衛生上の支障がないよう、建築材料及び換気設備について政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。

答え:正しい。そのとおり。
  建築基準法第28条の2(旧法)は、「居室を有する建築物は、その居室内において政令で定める化学物質の発散による衛生上の支障がないよう、建築材料及び換気設備について政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。」と定める。本肢はこの通りであり適切である。

2 規制対象物質は、クロルピリホス及びホルムアルデヒドである。

答え:正しい。そのとおり。
  同法施行令第20条の4(改正)は、「法第28条の2の政令で定める化学物質は、クロルピリホス及びホルムアルデヒドとする。」と定める。本肢はその通りであり適切である。
現行法: (居室内において衛生上の支障を生ずるおそれがある物質)
第二十条の五  法第二十八条の二第三号 の政令で定める物質は、クロルピリホス及びホルムアルデヒドとする。

3 居室に機械換気設備を設ける場合にも、天井裏、床裏などから居室へのホルムアルデヒドの流入を抑制するための措置を講ずるなど、衛生上の支障がないようにしなければならない。

答え:正しい。そのとおり。
  居室に機械換気設備を設ける場合にも、天井裏、床裏等から居室へのホルムアルデヒドの流入を抑制するための措置を講ずるなど、衛生上の支障がないようにしなければならない。本肢はこの通りであり正しい。

4 居室の内装の仕上げにクロルピリホスの発散速度が0.005mg/uh以下の材料のみを用いる場合、政令で定める面積以下であれば、その使用が可能である。

答え:不適切である。
  建築基準法 28 条の 2(*旧法。現在は石綿なども入っている。)、同施行令 20 条の 5(旧法)、 クロルピリホスは、使用禁止とされた。同法施行令第20条の5第1号(旧法)は、建築材料にクロルピリホスを添加しないことと定める。ホルムアルデヒドと異なり、発散速度が1uあたり毎時0.005r以下のものを内装の仕上げとして許す規定はない。

答え: 4

平成14年度 マンション管理士

〔問20〕 共同住宅に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 高さ20mの住宅には、避雷設備を設けなくてもよい。

答え:正しい。 
  建築基準法第33条は、「高さ20メートルをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によつて安全上支障がない場合においては、この限りでない。」と定める。
  このとおり、高さ20mの住宅では、必ずしも避雷設備を設けなくてもよいので、本肢は正しい。

2 高さ31mを超える部分を階段室及び建築設備の機械室のみに供している場合には、非常用の昇降機を設けなくてもよい。

答え:正しい。 
  建築基準法第34条第2項は、「高さ31メートルをこえる建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。」と定める。
  政令で定める除外例として、建築基準法施行令第129条の13の2、「(非常用の昇降機の設置を要しない建築物)
   法第三十四条第二項 の規定により政令で定める建築物は、次の各号のいずれかに該当するものとする。
   一  高さ三十一メートルを超える部分を階段室、昇降機その他の建築設備の機械室、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する用途に供する建築物
   二  高さ三十一メートルを超える部分の各階の床面積の合計が五百平方メートル以下の建築物
   三  高さ三十一メートルを超える部分の階数が四以下の主要構造部を耐火構造とした建築物で、当該部分が床面積の合計百平方メートル以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備でその構造が第百十二条第十四項第一号イ、ロ及びニに掲げる要件を満たすものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの(廊下に面する窓で開口面積が一平方メートル以内のものに設けられる法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備を含む。)で区画されているもの
   四  高さ三十一メートルを超える部分を機械製作工場、不燃性の物品を保管する倉庫その他これらに類する用途に供する建築物で主要構造部が不燃材料で造られたものその他これと同等以上に火災の発生のおそれの少ない構造のもの 第一号は、「高さ31メートルをこえる部分を階段室、昇降機その他の建築設備の機械室、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する用途に供する建築物」を挙げる。
  よって、1号により、高さ31mを超える部分を階段室、建築設備の機械室などに供している場合には、この限りではないとの本肢は正しい。

3 住戸内の密閉式燃焼器具等のみを設けている浴室には、換気設備を設けなくてもよい。

答え:正しい。
  建築基準法第28条第3項は、「別表第一(い)欄(一)項に掲げる用途に供する特殊建築物の居室又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたもの(政令で定めるものを除く。)には、政令で定める技術的基準に従つて、換気設備を設けなければならない。」と定める。
この政令で定める除外例として、同法施行令第20条の3第一号は、「火を使用する設備又は器具で直接屋外から空気を取り入れ、かつ、廃ガスその他の生成物を直接屋外に排出する構造を有するものその他室内の空気を汚染するおそれがないもの(以下この項及び次項において「密閉式燃焼器具等」という。)以外の火を使用する設備又は器具を設けていない室」を挙げる。住戸内の密閉式燃焼器具等のみを設けている浴室には、換気設備を設けなくてもよいとする本肢は正しい。

4 地上階の居室の窓その他の開口部の採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積の1/10としてもよい。

答え:誤りである。 
  建築基準法28条第1項本文は、「住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、住宅にあつては7分の1以上、その他の建築物にあつては5分の1から10分の1までの間において政令で定める割合以上としなければならない。」と定める。よって、地上階の居室の窓その他の開口部の採光に有効な部分の面積は、地下階であっても、7分の1以上で、その居室の床面積の1/10としてもよいとする本肢は誤りであり、本問の答え肢となる。

★採光有効面積は、各 (開口部(窓など)x採光補正係数) で求めたものの合計となります。
★居室の床面積に対して必要な採光有効面積は、1/7以上です。

答え:4

平成14年度 マンション管理士

〔問21〕 準防火地域内にある床面積の合計が500uの共同住宅(すべて共同住宅の用に供しているものとする。)に関する次の行為のうち、建築基準法による確認申請を要しないものはどれか。

1 床面積の合計が75uの住宅の保育所への用途変更

答え:要しない。
  ここも、鍵は「準防火地域内」です。防火地域と準防火地域の違いをどこまで理解しているか、纏めて質問しています。
 建築基準法6条第1項第一号によると、「建築主は、別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が100uを超える建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準法並びにこれに基づく命令及び条例の規定等に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。
当該確認を受けた建築物の計画の変更をして、別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が100uを超えるものを建築しようとする場合も、同様に建築確認が必要になる。」
本肢の保育所は、特殊建築物にあたるが、その用途に供する部分の床面積の合計が75uであり、100uを超えていないので、建築確認は要しない。本問の答え肢となる。

2 エレベーターの設置

答え:要する。 
  建築基準法第87条の2によると、「政令(同法施行令第146条第1項第一号)で指定する昇降機その他の建築設備を第6条第1項第一号から第三号までに掲げる建築物に設ける場合においては、第6条が準用さる。
よって、建築主は、別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が100uを超える建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準法並びにこれに基づく命令及び条例の規定等に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。
よって、建築物にエレベーターを設置しようとする場合には、建築確認が必要となる。

3 外壁の大規模な修繕

答え:要する。 
  建築基準法第6条第1項第一号によると、「建築主は、別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が100uを超える建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準法並びにこれに基づく命令及び条例の規定等に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。」
本肢のように、共同住宅(特殊建築物)で、その用途に供する部分の床面積の合計が500uであり100uを超えるものについて、大規模の修繕を行おうとする場合も、建築確認が必要となる。

4 増築に係る部分の床面積の合計が10uの増築

答え:要する。 
  建築基準法第6条第1項第四号によると、「建築主は、準防火区域内において、建築物を増築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準法並びにこれに基づく命令及び条例の規定等に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。」
そして、建築基準法第6条第2項、「前項の規定は、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内であるときについては、適用しない。」とあるが、 「準防火地域」内において行われる増築行為は、その増築に係る部分の床面積を大小を問わず、建築確認が必要となる。

答え:1

平成14年度 マンション管理士

〔問 41〕マンションの避難施設等に関する次の記述のうち、建築基準法及び消防法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 片廊下型マンションの場合は、規模にかかわらず、廊下の有効幅員は、90p以上でなければならない。

答え:誤りである。 
  建築基準法施行令第119条によると、共同住宅(床面積100u超)で、両側に居室がある廊下以外における廊下、すなわち片廊下型マンションの場合、廊下の有効幅員は、120p以上でなければならない。「90cm」以上とする本肢は誤りで、本問の答え肢となる。
★廊下には、廊下の種類として、片側が部屋、反対側が窓や壁という廊下を「片廊下」、両側に部屋がある廊下を「中廊下」という。マンションの大半は「片廊下」になっています。

2 避難階段には、屋外に設けるものと屋内に設けるものとがある。

答え:正しい。 
  建築基準法施行令第123条1項では、「屋内に設ける避難階段は、次に定める構造としなければならない。」とあり、同2項では、「屋外に設ける避難階段は、次に定める構造としなければならない。」とある。
よって、本肢は正しい。

3 バルコニーから隣戸へ避難する構造で、境界部分に仕切板がある場合は、それを容易に破壊などして通行できる措置が講じられていることが必要である。

答え:正しい。 
  バルコニーから隣戸へ避難する構造で、境界部分に仕切板がある場合は、避難を容易にするため、容易に破壊などして通行できる措置が講じられていることが必要である。よって、本肢は正しい。 (参照:「マンション管理の知識 3訂版 P.488)

4 3階に直接地上へ通ずる出入口がある場合は、3階は避難階である。

答え:正しい。 
  建築基準法施行令第13条の3第一号によると、「避難階(直接地上へ通ずる出入口のある階をいう。以下同じ。)以外の階にあつては居室から第百二十条又は第百二十一条の直通階段に、避難階にあつては階段又は居室から屋外への出口に通ずる出入口及び廊下その他の通路。」とあり、
「避難階」とは、直接地上へ通ずる出入口のある階をいう。例えば、斜面に建築されているマンションでは、1階以外にも、2階や3階なども、「避難階」になれる。よって、本肢は正しい。

答え:1

平成14年度 マンション管理士

〔問 42〕マンションの構造上の安全に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 建築基準法の規定によれば、2以上の部分がエキスパンションジョイントのみによって接しているマンションは、構造計算上、それぞれ別の建物とみなされる。

答え:適切である。 
  「エキスパンションジョイント」とは、構造体が相互に力学上影響を及ぼし合わないようにする接続部分をいう。建築基準法施行令第81条第2項によると、「2以上の部分がエキスパンションジョイントなどの構造方法のみで接している建築物は、構造計算において、それぞれ別の建築物とみなされる。」よって、本肢は適切である。

2 ピロティ式構造のマンションは、1階にピロティを設けることにより、地盤から建物に伝わる地震の振動を軽減するように計画されたものである。

答え:不適切である。 
  「ピロティ」とは、建物を支持する独立柱が立ち並ぶ開放空間をいい、マンションの場合、通常、駐車場などに使われている柱のみの空間を指す。一般に耐震壁などを設けづらいため、地震には不利な構造である。本肢は不適切であり、本問の答え肢である。

3 平面が整形で、耐カ壁の配置を均等にし、各階ともに同一位置に配置されたマンションは、構造上の安全性に配慮されたものといえる。

答え:適切である。 
  平面の形がいびつでなく、耐力壁(耐震壁)を平面上、バランスよく配置し、上下階の位置をできるだけ一致させることは、地震に有利な建物となる。本肢は適切である。

4 耐震壁が平面上で縦横両方面につりあいよく配置されていない建物は、地震時にねじれ振動が生じやすい。

答え:適切である。 
  耐震壁が平面上で縦横両方面につりあいよく配置されていない建物は、地震時にねじれ振動が生じやすい。本肢は、このとおりであり適切である。

答え:2

平成14年度 管理業務主任者

【問16】 建築基準法(昭和25年法律第201号)第8条第2項に基づく建築物の維持保全に関する準則又は計画の作成に関し必要な指針(昭和60年建設省告示第606号)によれば、計画に掲げる項目とされているものは、次のア〜工のうち、いくつあるか。

ア 建築物の利用計画
イ 点検
ウ 建築物の建替え方針
エ 資金計画

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

1 答え:誤りである。 
  建築基準法第12条第1項に規定する建築物の維持保全に関する準則又は計画の作成に関し必要な指針
(昭和60年3月19日建設省告示第606号)

建築基準法(昭和25年法律第201号)第8条第2項の規定に基づき、同法第12条第1項に規定する建築物の維持保全に関する準則又は計画の作成に関し必要な指針を次のように定め、公布の日から施行する。

第1 総則

1 建築基準法第12条第1項に規定する建築物(以下単に「建築物」という。)の維持保全に関する準則(以下「準則」という。)又は建築物の維持保全に関する計画(以下「計画」という。)は、建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するため、この指針に従つて作成するものとする。

2 準則は、建築物について計画を作成する権限を有する者が複数ある場合において、計画相互の整合性を確保する必要があると認められるときに、それらの者の合意により当該建築物について作成するものとする。ただし、複数の建築物が一団地を形成している場合は、当該一団地について作成することができる。

3 計画は、建築物の維持保全を行う上で採るべき措置を定める必要があると認められる場合において、当該建築物の所有者又は管理者が当該建築物又はその部分について作成するものとする。ただし、複数の建築物が一団地を形成している場合は、当該一団地について作成することができる。

第2 準則に定めるべき事項

準則には、第3の各号に掲げる事項のうち計画相互の整合性を確保する上で必要があると認められる事項を定めるものとする。

第3 計画に定めるべき事項

計画には、おおむね次の各号に掲げる項目につき、それぞれ当該各号に掲げる事項を定めるものとする。

  一 建築物の利用計画 建築物又はその部分の用途等、将来の増改築の予定等に関する事項

  二 維持保全の実施体制 維持保全を行うための組織、維持保全業務の委託、建築士その他専門技術者の関与等に関する事項

  三 維持保全の責任範囲 計画作成者の維持保全の責任範囲に関する事項

  四 占有者に対する指導等 建築物の破損時等における通報、使用制限の遵守等に関する事項

  五 点検 点検箇所、点検時期、点検者、点検に当たつての判断基準、結果の報告等に関する事項

  六 修繕 修繕計画の作成、修繕工事の実施等に関する事項

  七 図書の作成、保管等 維持保全計画書、確認通知書、竣工図、設備仕様書等の作成、保管、廃棄等に関する事項

  八 資金計画 点検、修繕等の資金の確保、保険等に関する事項

  九 計画の変更 計画の変更の手続等に関する事項

  十 その他 前各号に掲げるもののほか、維持保全を行うため必要な事項

によれば、計画に掲げる項目とされているものとして、@「建築物の利用計画」、A「点検」及びB「資金計画」が掲げられている。しかし、「建築物の建替え方針」は、計画に掲げる項目に含まれていない。よって、計画に掲げる項目とされているものは3つである。よって、本肢は誤り。

2 答え:誤りである。 
  選択肢1で述べたとおり、計画に掲げる項目とされているものは3つであり、本肢は誤り。

3 答え:正しい。
  選択肢1で述べたとおり、計画に掲げる項目とされているものは3つであり、本肢は正しい。

4 答え:誤りである。 
  選択肢1で述べたとおり、計画に掲げる項目とされているものは3つであり、本肢は誤り。

答え:3  (ア、イ、エが該当)

平成14年度 管理業務主任者

【問17】 建築基準法第2条の用語の定義に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 主要構造部とは、壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない部分を除く。

答え:正しい。 
  建築基準法第2条第五号は、「主要構造部」の定義として「壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、附け柱、揚げ床、最下階の床、廻り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。」と定める。本肢は、「主要構造部」の定義として適切である。

2 大規模の修繕とは、建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。

答え:正しい。 
  建築基準法第2条第十四号は、「大規模の修繕」の定義として「建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。」と定める。本肢は、「大規模の修繕」の定義として適切である。

3 設計図書とは、建築物、その敷地又は一定の工作物に関する工事用の図面(現寸図その他これに類するものを除く。)及び仕様書をいう。

答え:正しい。
  建築基準法第2条第十二号は、「設計図書」の定義として「建築物、その敷地又は第八十八条第一項から第三項までに規定する工作物に関する工事用の図面(現寸図その他これに類するものを除く。)及び仕様書をいう。」と定める。「設計図書」の定義として適切)

4 建築物とは、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱又は壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)をいい、建築設備を含まない。

答え:誤りである。 
  建築基準法第2条第一号は、「建築物」の定義として「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(略)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(略)をいい、建築設備を含むものとする。」と定める。「建築物」には、建築設備も含まれるので、これを含まないとする本肢は誤り。本問の答えとなる。

答え:4

平成14年度 管理業務主任者

【問18】 マンションの昇降機の維持・運行管理及び定期検査に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。(*注:ここの設問、解説は一部、法改正に対応していない。)

1 建築基準法によれば、建築基準法第12条第2項(*旧法。現在は同3項)の特定行政庁が指定する昇降機の定期検査の報告の時期は、原則としておおむね6月から1年までの間隔をおいて特定行政庁が定めるものとされている。

答え:適切である。 
  建築基準法施行規則第6条第1項によると、「法第十二条第三項 (法第八十八条第一項 又は第三項 において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による報告の時期は、建築設備、法第六十六条 に規定する工作物(高さ四メートルを超えるものに限る。)又は法第八十八条第一項 に規定する昇降機等(以下この条において「建築設備等」という。)の種類、用途、構造等に応じて、おおむね六月から一年までの間隔をおいて特定行政庁が定める時期(法第十二条第三項 の規定による指定があつた日以後の設置又は築造に係る建築設備等について、設置者又は築造主が法第七条第五項 又は法第七条の二第五項 の規定による検査済証の交付を受けた場合においては、その直後の時期を除く。)とする。」
 とあり、昇降機の定期検査の報告の時期は、昇降機の種類、用途、構造等に応じて、おおむね6月から1年までの間隔をおいて特定行政庁が定める時期とすされる。よって、本肢は適切である。

2 建築基準法によれば、建築基準法第12条第2項(*旧法。現在は同3項)の特定行政庁が指定する昇降機の定期検査項目については、昇降機の種類、用途、構造等に応じて特定行政庁がこれを定めるものとされている。

答え:不適切である。 
  建築基準法施行規則第6条第2項(*旧法。)は、「法第12条第2項の規定により報告すべき事項は、建築設備等の安全、衛生、防火及び避難に関する事項で特定行政庁が定めるものとする。」と定める。
  したがって、昇降機の定期検査項目については、「建築設備等の安全、衛生、防火及び避難に関する事項で」特定行政庁が定めるものとなり、昇降機の種類、用途、構造等に応じて特定行政庁がこれを定めるとする本肢は誤りである。

3 建築基準法には、昇降機の運行管理について詳細な規定がある。

答え:不適切である。
  建築基準法には、昇降機の「運行管理」については規定していない。よって、同法には、昇降機の運行管理について詳細な規定があるとする本肢は誤り。そのため、(財)日本昇降機安全センター(現(財)日本建築設備・昇降機センター)が「昇降機の維持及び運行の管理に関する指針」を設けている。

4 建築基準法によれば、昇降機について定期に検査をする資格を有する者を、建築設備検査資格者という。

答え:不適切である。 
  建築基準法施行規則第4条の20第2項によれば、「法第十二条第三項 の規定に基づき昇降機(法第八十八条第一項 に規定する昇降機等を含む。以下この条及び第六条において同じ。)について検査を行う国土交通大臣の定める資格を有する者(以下「昇降機検査資格者」という。)は、国土交通大臣が定める要件を満たし、かつ、次のいずれかに該当する者とする。
   一  建築基準適合判定資格者
   二  昇降機検査資格者として必要な知識及び技能を修得させるための講習であつて、第四条の三十六及び第四条の三十七において準用する次条(第一項を除く。)から第四条の二十三までの規定により国土交通大臣の登録を受けたもの(以下「登録昇降機検査資格者講習」という。)を修了した者
三  前二号に掲げる者のほか国土交通大臣の定める資格を有する者 。」
 とあり、 昇降機について定期に検査をする資格を有する者を、「昇降機検査資格者」という。「建築設備検査資格者」というとの本肢は不適切である。

答え:1

平成14年度 管理業務主任者

【問20】 マンションの給水設備に関する次の記述のうち、建築基準法によれば、誤っているものはどれか。

1 飲料水用の給水タンクを建築物の内部、屋上又は最下階の床下に設ける場合は、外部から給水タンクの天井、底又は周壁の保守点検を容易かつ安全に行うことができるように設けなければならない。

答え:正しい。 
  給水タンク(貯水槽)の出題は多い。平成19年 管理業務主任者 試験 「問23」、 平成18年 マンション管理士 試験 「問43」など。
建設省告示1597号 昭和50年12月20日建告第1597号(最終改正:平成12年建設省告示第1406号) 第1二給水タンク及び貯水タンク

イ 建築物の内部、屋上又は最下階の床下に設ける場合においては、次に定めるところによること。
  (1) 外部から給水タンク又は貯水タンク(以下「給水タンク等」という。)の天井、底又は周壁の保守点検を容易かつ安全に行うことができるように設けること
  (2) 給水タンク等の天井、底又は周壁は、建築物の他の部分と兼用しないこと。
  (3) 内部には、飲料水の配管設備以外の配管設備を設けないこと。
  (4) 内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる位置に、次に定める構造としたマンホールを設けること。ただし、給水タンク等の天井がふたを兼ねる場合においては、この限りでない。
    (い) 内部が常時加圧される構造の給水タンク等(以下「圧力タンク等」という。)に設ける場合を除き、ほこりその他衛生上有害なものが入らないように有効に立ち上げること。
    (ろ) 直径60cm以上の円が内接することができるものとすること。ただし、外部から内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる小規模な給水タンク等にあつては、この限りでない。
  (5) (4)のほか、水抜管を設ける等内部の保守点検を容易に行うことができる構造とすること。
  (6) 圧力タンク等を除き、ほこりその他衛生上有害なものが入らない構造のオーバーフロー管を有効に設けること。
  (7) 最下階の床下その他浸水によりオーバーフロー管から水が逆流するおそれのある場所に給水タンク等を設置する場合にあつては、浸水を容易に覚知することができるよう浸水を検知し警報する装置の設置その他の措置を講じること。
  (8) 圧力タンク等を除き、ほこりその他衛生上有害なものが入らない構造の通気のための装置を有効に設けること。ただし、有効容量が2m3未満の給水タンク等については、この限りでない。
  (9) 給水タンク等の上にポンプ、ボイラー、空気調和機等の機器を設ける場合においては、飲料水を汚染することのないように衛生上必要な措置を講ずること。

飲料水用の給水タンクを建築物の内部、屋上又は最下階の床下に設ける場合は、(1)外部から給水タンクの天井、底又は周壁の保守点検を容易かつ安全に行うことができるように設けなければならない(昭和50年建設省告示第1597号)。よって、本肢は正しい。

★六面点検
改定された、建設省告示1924号により「水槽は天井、底または周壁の保守点検を容易かつ安全に行うことができるよう設置されなければならない」と規定されています。周囲4面と上下2面の外面全てについて点検できるようにするため通常六面点検と呼ばれています。具体的には、上面(天井)100cm以上、底および周壁は60cm以上の空間を確保しなければなりません

2 飲料水用の給水タンクを建築物の内部、屋上又は最下階の床下に設ける場合は、内部が常時加圧される構造のもの及び有効容量が2立方メートル未満のものを除き、ほこりその他衛生上有害なものが入らない構造の通気のための装置を有効に設けなければならない。

答え:正しい。 
  選択肢1でも述べたように、(8)飲料水用の給水タンクを建築物の内部、屋上又は最下階の床下に設ける場合は、内部が常時加圧される構造の給水タンク(圧力タンク等)及び有効容量が2立法メートル未満の給水タンクを除き、ほこりその他衛生上有害なものが入らない構造の通気のための装置を有効に設けなければならない(昭和50年建設省告示第1597号)。よって、本肢は正しい。

★ 通気口
通気口は、合成樹脂製耐蝕性防虫網を取り付けて、虫等衛生上有害なものの侵入を防止します。

3 飲料水用の給水タンクを建築物の内部、屋上又は最下階の床下に設ける場合は、外部から内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる小規模なもの及び天井がふたを兼ねるものを除き、直径50cm以上の円が内接することができるマンホールを設けなければならない。

答え:誤りである。 
  選択肢1でも述べたように、(4)ろ 飲料水用の給水タンクを建築物の内部、屋上又は最下階の床下に設ける場合は、直径「60cm以上の円が内接することができる」マンホールを設けなければならない(昭和50年建設省告示第1597号)。「直径50cm以上の円が内接することができる」マンホールを設けなければならないとする本肢は誤りであり、本問の答えとなる。

★マンホール
改定された、建設省告示1924号で新たに定められたマンホールは直径60cm以上。
取り外し式は、ヒンジ金具側の小ねじ2本を取ることで蓋が取りはずせます。

4 建築物に設ける給水管については、構造耐力上主要な部分を貫通して配管する場合、建築物の構造耐力上支障を生じないように設置しなければならない。

答え:正しい。
  建築基準法施行令第129条の2の5第1項「建築物に設ける給水、排水その他の配管設備の設置及び構造は、次に定めるところによらなければならない。
   一  コンクリートへの埋設等により腐食するおそれのある部分には、その材質に応じ有効な腐食防止のための措置を講ずること。
   二  構造耐力上主要な部分を貫通して配管する場合においては、建築物の構造耐力上支障を生じないようにすること。」とあり、
第二号によると、建築物に設ける給水管等を、構造耐力上主要な部分を貫通して配管する場合においては、建築物の構造耐力上支障を生じないように設置しなければならないとされる。よって、本肢は正しい。

答え:3

平成14年度 管理業務主任者

【問21】 マンションの排水設備に関する次の記述のうち、建築基準法によれば、誤っているものはどれか。

1 給水タンクの水抜管及びオーバーフロー管は、排水管に直接連結してはならない。

答え:正しい。 
  給水タンクの水抜管及びオーバーフロー管を排水管に直接連結させると、排水管から逆流した排水により給水タンクが汚染されることがあるので、排水管に直接連結してはならない。(昭和50年建設省告示第1597号) 第2
 排水のための配管設備の構造は、次に定めるところによらなければならない。
 一  排水管
  イ  掃除口を設ける等保守点検を容易に行うことができる構造とすること。
   ロ  次に掲げる管に直接連結しないこと
   (1)  冷蔵庫、水飲器その他これらに類する機器の排水管
   (2)  滅菌器、消毒器その他これらに類する機器の排水管
   (3)  給水ポンプ、空気調和機その他これらに類する機器の排水管
   (4)  給水タンク等の水抜管及びオーバーフロー管
  ハ  雨水排水立て管は、汚水排水管若しくは通気管と兼用し、又はこれらの管に連結しないこと。

 

2 排水槽(排水を一時的に滞留させるための槽をいう。)の底の勾配は、吸い込みピットに向かって15分の1以上10分の1以下とする等内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる構造としなければならない。

答え:正しい。 
  排水槽の底には吸い込みピット等を設け、勾配は吸い込みピットに向かって15分の1以上10分の1以下とする等、内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる構造とすることとされている。(昭和50年建設省告示第1597号)第二
 二 排水槽(排水を一時的に滞留させるための槽をいう。以下この号において同じ。)
  イ  通気のための装置以外の部分から臭気が洩れない構造とすること。
  ロ  内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる位置にマンホール(直径60cm以上の円が内接することができるものに限る。)を設けること。ただし、外部から内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる小規模な排水槽にあつては、この限りでない。
  ハ  排水槽の底に吸い込みビットを設ける等保守点検がしやすい構造とすること。
  ニ  排水槽の底の勾配は吸い込みピットに向かつて1/15以上1/10以下とする等内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる構造とすること
  ホ  通気のための装置を設け、かつ、当該装置は、直接外気に衛生上有効に開放すること。

3 排水トラップは、排水管内の臭気、衛生害虫の移動を有効に防止するため、二重に設けることが望ましい。

答え:誤りである。 
  排水トラップを直列に二重に設けるいわゆる「二重トラップ」は、二つのトラップの間の圧力変動をもたらし、いわゆる空気だまりを生じ、排水障害を生ずることになるため禁止される。(昭和50年建設省告示第1597号)
 三 排水トラップ
   イ  雨水排水管(雨水排水立て管を除く。)を汚水排水のための配管設備に連結する場合においては、当該雨水排水管に排水トラップを設けること。
  ロ  二重トラップとならないように設けること
  ハ  排水管内の臭気、衛生害虫等の移動を有効に防止することができる構造とすること。
  ニ  汚水に含まれる汚物等が付着し、又は沈殿しない構造とすること。ただし、阻集器を兼ねる排水トラップについては、この限りでない。
  ホ  封水深は、5cm以上10cm以下(阻集器を兼ねる排水トラップについては5cm以上)とすること。
  ヘ  容易に掃除ができる構造とすること。

4 通気管は、配管内の空気が屋内に漏れることを防止する装置を設けた場合を除き、直接外気に衛生上有効に開放しなければならない。

答え:正しい。 
  通気管は、トラップの封水を保持したり、排水の流れを円滑にするために設ける設備であるが、配管内の空気が屋内に漏れることを防止する装置を設けた場合を除き、直接外気に衛生上有効に開放しなければならない。(昭和50年建設省告示第1597号)
 五 通気管
   イ  排水トラップの封水部に加わる排水管内の圧力と大気圧との差によつて排水トラップが破封しないように有効に設けること。
   ロ  汚水の流入により通気が妨げられないようにすること。
   ハ  直接外気に衛生上有効に開放すること。ただし、配管内の空気が屋内に漏れることを防止する装置が設けられている場合にあつては、この限りでない。

 

答え:3

平成14年度 管理業務主任者

【問22】 建築設備に関する次の記述のうち、建築基準法によれば、誤っているものはどれか。(*一部は旧法のまま。)

1 居室には、一定の換気設備を設けた場合を除いて、換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、30分の1以上としなければならない。

答え:誤りである。 
  建築基準法第28条第2項によると、「居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。 」
 とあり、その居室の床面積に対して、「20分の1以上」としなければならない。30分の1としなければならないとする本肢は誤りで、本問の答えとなる。

2 建築物(換気設備を設けるべき調理室等を除く。)に設ける自然換気設備において、給気口は、居室の天井の高さの2分の1以下の高さの位置に設け、常時外気に開放された構造としなければならない。

答え:正しい。
  建築基準法施行令第129条の2の6第1項「建築物(換気設備を設けるべき調理室等を除く。以下この条において同じ。)に設ける自然換気設備は、次に定める構造としなければならない。
   一  換気上有効な給気口及び排気筒を有すること。
   二  給気口は、居室の天井の高さの二分の一以下の高さの位置に設け、常時外気に開放された構造とすること。
   三  排気口(排気筒の居室に面する開口部をいう。以下この項において同じ。)は、給気口より高い位置に設け、常時開放された構造とし、かつ、排気筒の立上り部分に直結すること。
   四  排気筒は、排気上有効な立上り部分を有し、その頂部は、外気の流れによつて排気が妨げられない構造とし、かつ、直接外気に開放すること。
   五  排気筒には、その頂部及び排気口を除き、開口部を設けないこと。
   六  給気口及び排気口並びに排気筒の頂部には、雨水又はねずみ、虫、ほこりその他衛生上有害なものを防ぐための設備をすること。」とあり、
第二号によると、「自然換気設備の給気口は、居室の天井の高さの2分の1以下の高さの位置に設け、常時外気に開放された構造としなければならない。」よって、本肢は正しい。

3 3階以上の階を共同住宅の用途に供する建築物の住戸に設けるガスせん(バルコニーその他漏れたガスが滞留しない場所に設けるものを除く。以下同じ。)を、国土交通大臣が定める基準に適合する構造とした場合には、ガス漏れを検知し、警報する設備(以下「ガス漏れ警報設備」という。)を設ける必要はない。

答え:正しい。
  建築基準法施行令第129条の2の5第八号(*旧法。現在は削除)は、「3階以上の階を共同住宅の用途に供する建築物の住戸に設けるガスの配管設備は、国土交通大臣が安全を確保するために必要があると認めて定める基準によること。」と定める。
  そして、昭和56年建設省告示第1099号によると、「3階以上の階を共同住宅の用途に供する建築物の住戸に設けるガスせん(ガスの配管設備)の基準に適合する構造とした場合には、ガス漏れ警報設備を設ける必要はない。」とされる。よって、本肢は正しい。

4 3階以上の階を共同住宅の用途に供する建築物の住戸に設けるガスせんの構造が、国土交通大臣の定める基準に適合しない場合に設けるガス漏れ警報設備は、警報部に通電している旨の表示灯が設けられていなければならない。

答え:正しい。
  建築基準法施行令第129条の2の5第八号(*旧法。現在は削除)は、「3階以上の階を共同住宅の用途に供する建築物の住戸に設けるガスの配管設備は、国土交通大臣が安全を確保するために必要があると認めて定める基準によること。」と定める。そして、昭和56年建設省告示第1099号によるとガスせんの構造が国土交通大臣の定める基準に適合しない場合に設けるガス漏れ警報設備については、警報部に通電している旨の表示灯が設けられていなければならないものとされる。よって、本肢は正しい。

答え:1

平成14年度 管理業務主任者

【問23】 避雷設備に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 高さ20mをこえる建築物には、周囲の状況のいかんにかかわらず、有効に避雷設備を設けなければならない。

答え:誤りである。 
  建築基準法第33条によると、「高さ二十メートルをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によつて安全上支障がない場合においては、この限りでない。」とある。
したがって、周囲の状況いかんにかかわらず、有効に避雷設備を設けなければならないとする本肢は誤り。

2 避雷設備は、建築物の高さ20mをこえる部分を雷撃から保護するように設けなければならない。

答え:正しい。 
  建築基準法施行令第129条の14によると、「法第三十三条 の規定による避雷設備は、建築物の高さ二十メートルをこえる部分を雷撃から保護するように設けなければならない。」
 とある。 よって、本肢は正しい。

3 避雷設備の構造は、雷撃によって生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができるものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものでなければならない。

答え:正しい。 
  建築基準法施行令第129条の15、「前条の避雷設備の構造は、次に掲げる基準に適合するものとしなければならない。
   一  雷撃によつて生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができるものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものであること。
   二  避雷設備の雨水等により腐食のおそれのある部分にあつては、腐食しにくい材料を用いるか、又は有効な腐食防止のための措置を講じたものであること。」とあり、
第1号により、本肢は正しい。

4 避雷設備の構造は、雨水等により腐食のおそれのある部分にあっては、腐食しにく材料を用いるか、又は有効な腐食防止のための措置を講じたものでなければならない。

答え:正しい。 
  建築基準法施行令第129条の15第2号によると、「避雷設備の雨水等により腐食のおそれのある部分にあつては、腐食しにくい材料を用いるか、又は有効な腐食防止のための措置を講じたものであること。」
 とある 。よって、本肢は正しい。

答え:1

平成14年度 管理業務主任者

【問28】 マンションの維持管理及び点検に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 建築基準法第8条により、建築物の所有者等に維持管理の義務が課せられている建築物には、マンションは含まれない。

答え:誤りである。 
  建築基準法第8条第1項によると、「建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。 」
 とあり、 この義務が課せられている建築物には、マンション(共同住宅)も含まれる。マンションは含まれないとする本肢は誤り。

2 消防法で定める消防用設備等の点検の結果報告は、マンションにおいては5年に1回行うものとされている。

答え:誤りである。 
  消防法施行規則第31条の6第3項第二号、「二  令別表第一(五)項ロ、(七)項、(八)項、(九)項ロ、(十)項から(十五)項まで、(十六)項ロ、(十七)項及び(十八)項までに掲げる防火対象物 三年に一回 。」とあり、
マンション(共同住宅)は別表第一(五)項ロに該当するので、「3年に1回」、消防用設備等の点検結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。「5年に1回」消防用設備の点検結果の報告を行うとする本肢は誤り。

3 浄化槽法(昭和58年法律第43号)によれば、浄化槽管理者は、環境省令で定めるところにより、2年に1回、浄化槽の保守点検及び浄化槽の清掃をしなければならない。

答え:誤りである。
  浄化槽法第10条第1項、「浄化槽管理者は、環境省令で定めるところにより、毎年一回(環境省令で定める場合にあつては、環境省令で定める回数)、浄化槽の保守点検及び浄化槽の清掃をしなければならない。」とあり、
「2年に1回」浄化槽の保守点検及び浄化槽の清掃をしなければならない。とする本肢は誤りである。

4 建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和45年法律第20号)によれば、もっぱら居住の用に供する建築物の給水施設の維持管理については、同法の適用は受けない。

答え:正しい。 
  「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」第2条、「(定義)
第二条  この法律において「特定建築物」とは、興行場、百貨店、店舗、事務所、学校、共同住宅等の用に供される相当程度の規模を有する建築物(建築基準法 (昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号 に掲げる建築物をいう。以下同じ。)で、多数の者が使用し、又は利用し、かつ、その維持管理について環境衛生上特に配慮が必要なものとして政令で定めるものをいう。
2  前項の政令においては、建築物の用途、延べ面積等により特定建築物を定めるものとする。」とあり、
共同住宅が入っているが、政令での規定により、
同法施行令第1条、(特定建築物)
第一条  建築物における衛生的環境の確保に関する法律 (以下「法」という。)第二条第一項 の政令で定める建築物は、次の各号に掲げる用途に供される部分の延べ面積(建築基準法施行令 (昭和二十五年政令第三百三十八号)第二条第一項第三号 に規定する床面積の合計をいう。以下同じ。)が三千平方メートル以上の建築物及び専ら学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)第一条 に規定する学校の用途に供される建築物で延べ面積が八千平方メートル以上のものとする。
   一  興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館又は遊技場
   二  店舗又は事務所
   三  学校教育法第一条 に規定する学校以外の学校(研修所を含む。)
   四  旅館 」 とあり、
同法によって規制されるのは、一定規模の学校、百貨店、遊技場などの給水及び排水等の維持管理である。しかし、もっぱら居住の用に供する建築物は、同法の適用は受けないので、本肢は正しい。本問の答え肢となる。

答え:4

平成13年度 マンション管理士

〔問 25〕マンション(延べ床面積2000u)の改修工事に関する次の記述のうち、建築基準法に基づく確認申請を要しないものはどれか。なお、建築基準法以外の法律に基づく認定等は受けないものとする。

1  屋内階段の全面模様替え

答え:要する。 
  建築基準法(以下「法」という。)第6条第1項によると、「(建築物の建築等に関する申請及び確認)
 第六条  建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。)その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。当該確認を受けた建築物の計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をして、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合も、同様とする。
   一  別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が百平方メートルを超えるもの
   二  木造の建築物で三以上の階数を有し、又は延べ面積が五百平方メートル、高さが十三メートル若しくは軒の高さが九メートルを超えるもの
   三  木造以外の建築物で二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超えるもの
   四  前三号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域若しくは準都市計画区域(いずれも都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。)若しくは景観法 (平成十六年法律第百十号)第七十四条第一項 の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く。)内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物 。」とあり、
別表第一(い)欄(二)では、「病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る。)ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎その他これらに類するもので政令で定めるもの」とあり、
延べ面積が100平方メートルを超えるマンションにつき建築、大規模の修繕、大規模の模様替をしようとする場合等においては、建築主は、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならないことになる。
さらに、大規模の修繕、とは、
法第2条第14号、「大規模の修繕(とは) 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。 」とあり、大規模の模様替えは、
法第2条第15号によると、「大規模の模様替(とは) 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替をいう。 」である。
そして、 主要構造部とは、
同条第5号によると「主要構造部(とは) 壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、附け柱、揚げ床、最下階の床、廻り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。」とされる。
以上により屋内階段の全面模様替えは、主要構造部分の1種の過半について行う模様替えであるから、建築確認が必要である。したがって、本肢の場合、確認申請を要する。

2  すべての柱に鉄板を巻き付ける耐震補強

答え:要する。 
  選択肢1でも述べたように、法第2条第5号によると、は主要構造部分に該当する。そして、すべての柱に鉄板を巻きつける耐震補強は、同条第15号の「主要構造部の1種以上の過半について行う大規模模様替えにあたる。よって、法第6条第1項によると、述べ面積が100平方メートルを超えるマンションにつき大規模修繕をする場合」 にあたる。
以上により、本肢の場合は、確認申請を要する。

3  最下階のすべての床の模様替え

答え:不要である。
  選択肢1でも述べたように、法第2条第5号によると、「主要構造部(とは) 壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、附け柱、揚げ床、最下階の床、廻り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。 」とあり、最下階の床は主要構造部にあたらないことになる。
よって建築確認は不要である。したがって、本肢につき確認申請は不要であり、問の答え肢となる。

4 屋根の全面模様替え

答え:要する。
  選択肢1でも述べたように、法第2条第5号によると、「主要構造部(とは) 壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、附け柱、揚げ床、最下階の床、廻り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。 」とあり、屋根は主要構造部に該当する。
そして、全面模様替えは、主要構造部の1種以上の過半について行う大規模模様替えにあたる。
以上により、本肢の場合は、確認申請を要する。

答え: 3

平成13年度 マンション管理士

〔問 26] マンションの大規模の修繕を行う場合に、建築基準法第86条の7の規定に基づき、既存の建築物に対する制限が緩和されるものは、次のうちどれか。

1  建ぺい率に関する規制

答え:緩和されない。 
  建築基準法(以下「法」という。)に違反する建築物でありながら、法施行日前から存在する等の理由により、違反建築物と扱われないものを既存不適格建物という。法第3条第3項よると、この既存不適格建築物を増改築等する場合は、法に適合するように作り直すのが原則である。しかし、法第86条の7は、一定地の既存不適格建築物については、政令で定める範囲内で増築等が行われる場合は、例外が認められ、必ずしも現行法令に適合しなくてもよいとした。しかし、建ぺい率に関する規制(法第53条)は、法第86条の7に挙げられていない。したがって、本肢の場合は、増改築する場合の制限緩和はされない。
 <参考>建築基準法第86条の7 (既存の建築物に対する制限の緩和)
第八十六条の七  第三条第二項(第八十六条の九第一項において準用する場合を含む。以下この条、次条及び第八十七条において同じ。)の規定により第二十条、第二十六条、第二十七条、第二十八条の二(同条各号に掲げる基準のうち政令で定めるものに係る部分に限る。)、第三十条、第三十四条第二項、第四十七条、第四十八条第一項から第十二項まで、第五十一条、第五十二条第一項、第二項若しくは第七項、第五十三条第一項若しくは第二項、第五十四条第一項、第五十五条第一項、第五十六条第一項、第五十六条の二第一項、第五十七条の四第一項、第五十七条の五第一項、第五十八条、第五十九条第一項若しくは第二項、第六十条第一項若しくは第二項、第六十条の二第一項若しくは第二項、第六十一条、第六十二条第一項、第六十七条の二第一項若しくは第五項から第七項まで又は第六十八条第一項若しくは第二項の規定の適用を受けない建築物について政令で定める範囲内において増築、改築、大規模の修繕又は大規模の模様替(以下この条及び次条において「増築等」という。)をする場合においては、第三条第三項第三号及び第四号の規定にかかわらず、これらの規定は、適用しない。

2  容積率に関する規制

答え:緩和される。
  選択肢1でも述べたように、容積率に関する規制(法第52条)は、法第86条の7に挙げられており、大規模の修繕をする場合、法第52条の規定による規制は適用されない。

3 日影による中高層の建築物の高さに関する規制

答え:緩和されない。
  選択肢1でも述べたように、日影による中高層の建築物の高さに関する規制(法第56条の2)は、法第86条の7に挙げられていない。したがって、本肢の場合は、増改築する場合の制限緩和はされない。

4  低層住居専用地域内における建築物の絶対高さに関する規制

答え:緩和されない。
  選択肢1でも述べたように、低層住居専用地域内における建築物の絶対高さに関する規制(法第55条)は、法第86条の7に挙げられていない。したがって、本肢の場合は、増改築される場合の制限緩和はされない。

答え: 2

平成13年度 管理業務主任者

【問 16】 建築基準法第2条の用語の定義に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 特殊建築物には、学校、体育館、病院、劇場、集会場は含まれるが、共同住宅は含まれない。

答え:誤りである。 
  建築基準法(以下「法」という。)第2条第2号は、「特殊建築物(とは) 学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様とする。)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物をいう。」
とあり共同住宅も含まれる。したがって本肢は誤りで、問の答え肢となる。
特殊建築物とは、不特定多数の人が利用する建築物などをいい、一般の建築物と区別して、防耐火、避難及び消火関係、内装制限、敷地と道路の関係などにつき規制が強化されている。

2 建築設備とは、建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針をいう。

答え:正しい。 
  法第2条3号は、「建築設備」の定義を定める。それによると「建築設備(とは) 建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針をいう。」
 とある。したがって、本肢は正しい。

3 居室とは、居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。

答え:正しい。
  法第2条4号は、「居室」の定義を定める。それによると、「居室(とは) 居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。」
 とある。 したがって本肢は正しい。

4 建築とは、建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。

答え:正しい。 
  法第2条13号は、「建築」の定義を定める。それによると、「建築(とは) 建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。 」
 とある。 したがって本肢は正しい。

答え: 1

平成13年度 管理業務主任者

【問 17】 建築物の敷地、構造及び建築設備の維持保全に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれぱ、正しいものはどれか。

1 建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するよう努めなければならないのは、その建築物の所有者又は管理者で占有者は含まれない。

答え:誤りである。
  建築基準法(以下「法」という。)第8条第1項は、「建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。」と定める。
  よって、常時適法な状態に維持する義務を負う者には、占有者も含まれる。したがって本肢は誤り。

2 必要に応じ建築基準法第12条第1項に規定する建築物(以下本問において「建築物」という。)の維持保全に関する準則又は計画を作成しなければならないのは、建築物の所有者で管理者は含まれない。

答え:誤りである。
  法第8条第2項は、「第十二条第一項に規定する建築物の所有者又は管理者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するため、必要に応じ、その建築物の維持保全に関する準則又は計画を作成し、その他適切な措置を講じなければならない。この場合において、国土交通大臣は、当該準則又は計画の作成に関し必要な指針を定めることができる。」
と定める。建築物の維持保全に関する準則又は計画を作成しなければならない者に、建築物の管理者も含まれる。したがって本肢は誤り。 (注:ただし、第1項と違い、「占有者」は入っていないことに注意。)

3 建築物の維持保全に関する準則又は計画の作成に関し必要な指針を定めることができるのは、都道府県知事である。

答え:誤りである。
  選択肢2でも述べたように、法第8条第2項後段は、「この場合において、国土交通大臣は、当該準則又は計画の作成に関し必要な指針を定めることができる。」と定める。
したがって、国土交通大臣は、法第12条第1項に規定する建築物の維持保全に関する準則または計画の作成に関し必要な指針を定めることができる。都道府県知事が定めるのではない。したがって本肢は誤り。

4 複数の建築物が一団地を形成している場合には、建築物の維持保全に関する準則又は計画は当該一団地について作成することができる。

答え:正しい。 
  昭和60年3月19日建設省告示第606号によると、法第12条第1項に規定する建築物の維持保全に関する準則または計画は、複数の建築物が1団地を形成している場合は、当該1団地について作成することができるとされる。したがって本肢は正しく、問の答え肢となる。

答え: 4 

平成13年度 管理業務主任者

【問 18】 建築基準法第12条第1項及び第2項に規定する建築物及び建築設備についての定期調査・検査に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(*一部法改正があった。)


注:建築基準法第12条は、平成28年6月施行で、改正があった。ここは、未対応。

1 定期調査・検査を行うことができるのは、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者である。

答え:正しい。
  建築基準法(以下「法」という。)第12条第1項、「第六条第一項第一号に掲げる建築物その他政令で定める建築物(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物を除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者。第三項において同じ。)は、当該建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者にその状況の調査(当該建築物の敷地及び構造についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含み、当該建築物の建築設備についての第三項の検査を除く。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。」
 とあり、建築基準法第12条第1項に規定する建築物及び建築設備についての定期調査・検査を行うことができるのは、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者である、ことになる。本肢は、このとおりであり、正しい。

2 昇降機を除く建築設備については、定期検査を行う必要はない。

答え:誤りである。 
  法第12条3項によると、「昇降機及び第六条第一項第一号に掲げる建築物その他第一項の政令で定める建築物の昇降機以外の建築設備(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物に設けるものを除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者は、当該建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者に検査(当該建築設備についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含む。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。 」
 とあり、 昇降機以外の建築設備についても定期検査を行う必要がある。したがって本肢は誤りで、問の答え肢となる。

3 建築物の敷地及び構造については、定期調査を行う必要がある。

答え:正しい。
  選択肢1でも説明したように、法第12条第1項によると、建築物の敷地および構造につき定期調査を行う必要があることになる。本肢もこのとおりであり、正しい。

4 昇降機の定期検査は、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。

答え:正しい。
  選択肢2でも説明したように、 法第12条第3項によると、昇降機の定期調査・定期検査の結果につき特定行政庁に報告しなければならないことになる。本肢もこのとおりであり、正しい。

答え: 2

平成13年度 管理業務主任者

【問 23】 建築設備に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 建築基準法の規定によれば、高さ20mを超える建築物(一定のものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。

答え:不適切である。 
  建築基準法(以下「法」という。)第34条第2項によると、「高さ三十一メートルをこえる建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。 」
 とあり、 高さ31mを超える建築物には、原則として、非常用の昇降機を設けなければならない。したがって、高さ20mを超える建築物には非常用昇降機を設けなければならないとする本肢は不適切である。 20m超の建物には、避雷設備である。

 (注:この非常用エレベターの高さ、31m超と避雷設備の20m超はかなり出題されている。)

2 建築基準法の規定によれば、高さ20mを超える建築物には、周囲の状況により安全上支障がない場合を除いて、有効に避雷設備を設けなければならない。

答え:最も適切である。 
  法33条によると、「高さ二十メートルをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によつて安全上支障がない場合においては、この限りでない。 」
 とあり、高さ20mを超える建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によって安全上支障がない場合においては、この限りでないことになる。本肢はこのとおりであり、問の答え肢となる。

3 建築物への電力の供給は、供給電圧により、「低圧引き込み」及び「高圧引き込み」の2種類のどちらかに分けられる。

答え:不適切である。 
  建物への電源供給は供給電圧によって、@「低圧引き込み」、A「高圧引き込み」、B「特別高圧引き込み」の3種類に分けられる。したがって、「低圧引き込み」及び「高圧引き込み」の2種類に分けられるとする本肢は不適切である。

4 マンションに「高圧引き込み」で電力を供給する場合には、借室変電設備(借室電気室)を設置するが、借室変電設備の維持管理は、管理組合で行わなければならない。

答え:不適切である。
  一定規模以上のマンションでは、各住戸ごとの契約電力と共用部分の契約電力の総量が50kW以上となるため「高圧引き込み」となる。マンションに「高圧引き込み」で電力を供給する場合には、電力会社の要望により借室変電設備(借室電気室)を設けるが、その維持管理一切が電力会社の責任で行われる。したがって、管理組合で行わなければならない、とする本肢は不適切である。マンションの管理組合はこの電気室の鍵は持っていません。

答え: 2


平成29年〜平成24年 平成23年〜平成17年 平成16年〜平成13年

最終更新日:
2018年 3月17日:建築基準法第12条の改正を入れた。
2014年 2月22日:平成25年分を追加した。
2013年 3月27日:ページを3にした。
2008年10月25日

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