マンション管理士・管理業務主任者 過去試験問題 及び 解説

過去の問題を解けば、傾向が分かります。

建築基準法都市計画法水道法消防法 関係を特に抽出しました。

区分所有法関係は、「超解説 区分所有法(新版)」にあります。

その他の解説は、年度別の解説を参考にしてください。

 

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※ 出題当時以後の法令等の改正には、一部は対応していません。

建築基準法

ページ2(平成23年〜平成17年分)
建築基準法からは出題が多いので、3ページ構成にしました。
なお、建築基準法の解説も作成していますので、ご利用ください。

平成29年〜平成24年 平成23年〜平成17年 平成16年〜平成13年

平成23年度 マンション管理士

〔問 20〕違反建築物等に対する措置に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 特定行政庁は、建築基準法令の規定に違反することが明らかな建築工事中の建築物については、緊急の必要があって通知、意見の聴取等の手続きによること ができない場合に限って、これらの手続きによらないで、建築主、工事請負人又は工事現場管理者に対して工事の施工の停止を命ずることができる。

○ 正しい。 違反建築物については、建築基準法第9条
 「(違反建築物に対する措置)
  第九条
 特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該 建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対し て、当該工事の施工の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの 規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。
   2 特定行政庁は、前項の措置を命じようとする場合においては、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対して、その命じようとする措置及びその 事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機 会を与えなければならない。
   3 前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から三日以内に、特定行政庁に対して、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。
   4 特定行政庁は、前項の規定による意見の聴取の請求があつた場合においては、第一項の措置を命じようとする者又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。
   5 特定行政庁は、前項の規定による意見の聴取を行う場合においては、第一項の規定によつて命じようとする措置並びに意見の聴取の期日及び場所を、期日の二日前までに、前項に規定する者に通知するとともに、これを公告しなければならない。
   6 第四項に規定する者は、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。
   7 特定行政庁は、緊急の必要がある場合においては、前五項の規定にかかわらず、これらに定める手続によらないで、仮に、使用禁止又は使用制限の命令をすることができる。
   8 前項の命令を受けた者は、その命令を受けた日から三日以内に、特定行政庁に対して公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。この 場合においては、第四項から第六項までの規定を準用する。ただし、意見の聴取は、その請求があつた日から五日以内に行わなければならない。
   9 特定行政庁は、前項の意見の聴取の結果に基づいて、第七項の規定によつて仮にした命令が不当でないと認めた場合においては、第一項の命令をする ことができる。意見の聴取の結果、第七項の規定によつて仮にした命令が不当であると認めた場合においては、直ちに、その命令を取り消さなければならない。
   
10 特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可 に付した条件に違反することが明らかな建築、修繕又は模様替の工事中の建築物については、緊急の必要があつて第二項から第六項までに定める手続によること ができない場合に限り、これらの手続によらないで、当該建築物の建築主又は当該工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者に対して、当 該工事の施工の停止を命ずることができる。この場合において、これらの者が当該工事の現場にいないときは、当該工事に従事する者に対して、当該工事に係る 作業の停止を命ずることができる。
   11 第一項の規定により必要な措置を命じようとする場合において、過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができず、かつ、その違 反を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、特定行政庁は、その者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した 者に行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその期限までにその措置を行わないときは、特定行政庁又は その命じた者若しくは委任した者がその措置を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。
   12 特定行政庁は、第一項の規定により必要な措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でな いとき、又は履行しても同項の期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法(昭和二十三年法律第四十三号)の定めるところに従い、みずから義務者 のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。
   13 特定行政庁は、第一項又は第十項の規定による命令をした場合(建築監視員が第十項の規定による命令をした場合を含む。)においては、標識の設置その他国土交通省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない。
   14 前項の標識は、第一項又は第十項の規定による命令に係る建築物又は建築物の敷地内に設置することができる。この場合においては、第一項又は第 十項の規定による命令に係る建築物又は建築物の敷地の所有者、管理者又は占有者は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
   15 第一項、第七項又は第十項の規定による命令については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章(第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。」とあり、
違反建築物に対しては、違反の是正を命じることができますが、原則として、是正の通知書を出すなどの手続きが必要です。しかし、緊急の場合は、求められて いる手続きなしに、建築主、工事請負人又は工事現場管理者に対して工事の施工の停止を命ずることができる規定が10項にあります。



2 緊急の必要があり、特定行政庁より仮の使用禁止又は使用制限を受けた者は、当該命令を受けた日以後いつでも、特定行政庁に対して公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。

X 誤っている。 ここは、選択肢1で引用しました建築基準法第9条8項
 「8 前項の命令を受けた者は、その命令を受けた日から三日以内に、特定行政庁に対して公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。この場 合においては、第四項から第六項までの規定を準用する。ただし、意見の聴取は、その請求があつた日から五日以内に行わなければならない。」とあり、
「その命令を受けた日から三日以内」に請求します。「当該命令を受けた日以後いつでも」ではありません。大体、緊急で日にちを限定していないのは、おかしいと感じれば、正解。



3 特定行政庁は、違反建築物の除却を命じようとする場合において、過失がなくて当該建築物の除却を命ぜられるべき者を確知できず、かつ違反の放置が著しく公益に反すると認められるときは、その者の負担において当該建築物を除却することができる。

○ 正しい。 ここは、選択肢1で引用しました建築基準法第9条11項
 「11 第一項の規定により必要な措置を命じようとする場合において、過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができず、かつ、その違反 を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、特定行政庁は、その者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者 に行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその期限までにその措置を行わないときは、特定行政庁又はそ の命じた者若しくは委任した者がその措置を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。」とあり、
前段に該当しています。



4 特定行政庁は、一定の建築物の敷地、構造、建築設備又は用途が、公益上著しく支障があると認める場合においては、当該建築物の所在地の市町村の議会の 同意を得た場合に限り、当該建築物の所有者、管理者又は占有者に対して、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却等の措置を命ずることができる。

○ 正しい。 ここは、建築基準法第11条
 「(第三章の規定に適合しない建築物に対する措置)
  第十一条
   特定行政庁は、建築物の敷地、構造、建築設備又は用途(いずれも第三条第二項(第八十六条の九第一項において準用する場合を含む。)の規定により第 三章の規定又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の適用を受けないものに限る。)が公益上著しく支障があると認める場合においては、当該建築物の所在地 の市町村の議会の同意を得た場合に限り、当該建築物の所有者、管理者又は占有者に対して、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、修繕、模様 替、使用禁止又は使用制限を命ずることができる。この場合においては、当該建築物の所在地の市町村は、当該命令に基づく措置によつて通常生ずべき損害を時 価によつて補償しなければならない。
   2 前項の規定によつて補償を受けることができる者は、その補償金額に不服がある場合においては、政令の定める手続によつて、その決定の通知を受け た日から一月以内に土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第九十四条第二項の規定による収用委員会の裁決を求めることができる。」とあり、
1項に該当しています。



答え:2  (ここの建築基準法からの出題も、新しい条文からで、該当の箇所を探すのに苦労したが、選択肢2 が誤っているのは、すぐ分かる?)

平成23年度 管理業務主任者

【問 17】 建築基準法(昭和25年法律第201号)及び同法施行令(昭和25年政令第338号)に規定される面積の算定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 特定行政庁が指定する幅員4m未満の道路の中心線からの水平距離が2mまでの部分は、敷地面積に算入しない。

○ 正しい。  ここは、平成21年 管理業務主任者試験 「問17」 、や 平成19年 管理業務主任者試験 「問18」 も参考に。
敷地面積とは、敷地の水平投影面積のことです。(建築基準法施行令2条1項1号)
  都市計画区域で建築物を建てる際に、敷地は幅員が4m(または6m)以上ある道路に2m以上接していなければなりません。
道路の幅員が4mに満たない場合には、道路の中心線から2mまでの部分(後退部分=セットバック)は、自分の敷地であっても建築基準法では「敷地面積」と して扱われません。また、建物も建築できません。この部分は、除外されますので、注意してください。(建築基準法施行令2条1項1号-->建築基準法第 42条に規定される道路の境界線とみなされる線と道との間の部分)


参考 :建築基準法施行令第2条1項1号
 「(面積、高さ等の算定方法)
  第二条  次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
   一  
敷地面積 敷地の水平投影面積による。ただし、建築基準法 (以下「法」という。)第四十二条第二項 、第三項又は第五項の規定によつて道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地は、算入しない。
そして、引用されています、建築基準法第42条(道路の定義)
 「第四十二条  この章の規定において「道路」とは、次の各号の一に該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要 と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除 く。)をいう。
     一  道路法 (昭和二十七年法律第百八十号)による道路
     二  都市計画法 、土地区画整理法 (昭和二十九年法律第百十九号)、旧住宅地造成事業に関する法律(昭和三十九年法律第百六十号)、都市再開発法 (昭和四十四年法律第三十八号)、新都市基盤整備法 (昭和四十七年法律第八十六号)、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法 (昭和五十年法律第六十七号)又は密集市街地整備法 (第六章に限る。以下この項において同じ。)による道路
     三  この章の規定が適用されるに至つた際現に存在する道
     四  道路法 、都市計画法 、土地区画整理法 、都市再開発法 、新都市基盤整備法 、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法 又は密集市街地整備法 による新設又は変更の事業計画のある道路で、二年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したもの
     五  土地を建築物の敷地として利用するため、道路法 、都市計画法 、土地区画整理法 、都市再開発法 、新都市基盤整備法 、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法 又は密集市街地整備法 によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの
   2  この章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項 の道路とみなし、その中心線からの水平距離二メートル(前項の規定により指定された区域内においては、三メートル(特定行政庁が周囲の状況により避難及び 通行の安全上支障がないと認める場合は、二メートル)。以下この項及び次項において同じ。)の線をその道路の境界線とみなす。ただし、当該道がその中心線 からの水平距離二メートル未満でがけ地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該がけ地等の道の側の境界線及びその境界線から道 の側に水平距離四メートルの線をその道路の境界線とみなす。
   3  特定行政庁は、土地の状況に因りやむを得ない場合においては、前項の規定にかかわらず、同項に規定する中心線からの水平距離については二メートル未満 一・三五メートル以上の範囲内において、同項に規定するがけ地等の境界線からの水平距離については四メートル未満二・七メートル以上の範囲内において、別 にその水平距離を指定することができる。
   4  第一項の区域内の幅員六メートル未満の道(第一号又は第二号に該当する道にあつては、幅員四メートル以上のものに限る。)で、特定行政庁が次の各号の一に該当すると認めて指定したものは、同項の規定にかかわらず、同項の道路とみなす。
     一  周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認められる道
     二  地区計画等に定められた道の配置及び規模又はその区域に即して築造される道
     三  第一項の区域が指定された際現に道路とされていた道
   5  前項第三号に該当すると認めて特定行政庁が指定した幅員四メートル未満の道については、第二項の規定にかかわらず、第一項の区域が指定された際道路の境界線とみなされていた線をその道路の境界線とみなす。
   6  特定行政庁は、第二項の規定により幅員一・八メートル未満の道を指定する場合又は第三項の規定により別に水平距離を指定する場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。」


2 建築物の外壁又はこれに代わる柱の中心線から水平距離1m 以上突き出た軒、ひさ しなどの部分は、その先端から水平距離1m 後退した線から建物側を建築面積に算入する。

○ 正しい。 建築面積とは...建築物の外壁・柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積です。ただし、軒、ひさし、バルコニー等でこの中心線より1m以上突き出た所があるときは、先端より1m後退した部分までは建築面積に算入されます。
建築基準法施行令2条1項2号
 「(面積、高さ等の算定方法)
 「第二条  次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
     二  建築面積 建築物(地階で地盤面上一メートル以下にある部分を除く。以下この号において同じ。)の外壁又はこれに代わる柱の中心線(軒、ひさし、はね出 し縁その他これらに類するもので当該中心線から水平距離一メートル以上突き出たものがある場合においては、その端から水平距離一メートル後退した線)で囲 まれた部分の水平投影面積による。ただし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の建築物又はその部分については、その端から水平距離一 メートル以内の部分の水平投影面積は、当該建築物の建築面積に算入しない。 」



3 床面積は、建築物の各階又はその一部で、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による。

○ 正しい。 床面積とは、建築基準法施行令2条1項3号
 「(面積、高さ等の算定方法)
  第二条  次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
     三  
床面積 建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による。」とあります。


4 延べ面積は、建築物の各階の床面積の合計であり、共同住宅の容積率の算定においても、共用の廊下及び階段の用に供する部分の面積を含む。

X 誤っている。 含まない。  共同住宅の共用廊下・階段部分の全部不算入...共同住宅(マンションなど)の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積は、全部算入されません。 (建築基準法52条6項)
 これは、公共の道路と同じとみて、限度がなく全てが算入されません。ただし、エレベーター室は除外されていないため、算入されます。
 具体的には、延べ面積とは、建築基準法施行令第2条4号
 「(面積、高さ等の算定方法)
  第二条  次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
     四  
延べ面積 建築物の各階の床面積の合計による。
  ただし、法第五十二条第一項 に規定する延べ面積(建築物の容積率の最低限度に関する規制に係る当該容積率の算定の基礎となる延べ面積を除く。)には、自動車車庫その他の専ら自動車又 は自転車の停留又は駐車のための施設(誘導車路、操車場所及び乗降場を含む。)の用途に供する部分の床面積を算入しない。」とあり、
引用されています、建築基準法第52条1項6号
 「6  第一項、第二項、次項、第十二項及び第十四項、第五十七条の二第三項第二号、第五十七条の三第二項、第五十九条第一項及び第三項、第五十九条の二第一 項、第六十条第一項、第六十条の二第一項及び第四項、第六十八条の三第一項、第六十八条の四、第六十八条の五、第六十八条の五の二、第六十八条の五の三第 一項、第六十八条の五の四(第一号ロを除く。)、第六十八条の五の五第一項第一号ロ、第六十八条の八、第六十八条の九第一項、第八十六条第三項及び第四 項、第八十六条の二第二項及び第三項、第八十六条の五第三項並びに第八十六条の六第一項に規定する
建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積には、共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積は、算入しないものとする。


答え:4 (ここも、過去問題をやっていれば、易しい? なお、別途 「要約 建築基準法」 も作成していますから、このあたりは参考にしてください。)

平成23年度 管理業務主任者

【問 18】 建築基準法第28条の2(石綿その他の物質の飛散又は発散に対する衛生上の措置)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 著しく衛生上有害なものとして建築材料に添加してはならない物質としては、石綿のみが指定されている。

○ 正しい。 似たような出題は、 平成16年 管理業務主任者試験 「問24」 や 平成15年 管理業務主任者試験 「問24」 。
  まず、建築基準法第28条の2
 「(石綿その他の物質の飛散又は発散に対する衛生上の措置)
  第二十八条の二  建築物は、石綿その他の物質の建築材料からの飛散又は発散による衛生上の支障がないよう、次に掲げる基準に適合するものとしなければならない。
     一  建築材料に石綿その他の著しく衛生上有害なものとして政令で定める物質(次号及び第三号において「石綿等」という。)を添加しないこと。
     二  石綿等をあらかじめ添加した建築材料(石綿等を飛散又は発散させるおそれがないものとして国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものを除く。)を使用しないこと。
     三  居室を有する建築物にあつては、前二号に定めるもののほか、石綿等以外の物質でその居室内において衛生上の支障を生ずるおそれがあるものとして政令で定 める物質の区分に応じ、建築材料及び換気設備について政令で定める技術的基準に適合すること。」とあり、
政令は建築基準法施行令20条の4
 「(著しく衛生上有害な物質)
  第二十条の四  法第二十八条の二第一号 (法第八十八条第一項 において準用する場合を含む。)の
政令で定める物質は、石綿とする。 」とあり、
「石綿や著しく衛生上有害なものとは」これは現在のところ「石綿」だけです。
 なお、石綿はアスベストともよばれ、天然に存在する繊維状の鉱物です。 素材としては「強い・安い・軟らかい」そして耐熱・耐磨耗性にすぐれているため、以前より建材以外にも広く利用されていました。しかし、その細かい繊維 (髪の毛の5000分の1程度)が肺に突き刺さったりすると、数十年の長い潜伏期間を経て、肺がんや中皮腫の原因になることが明らかになりました。



2 石綿以外の物質で、居室内において衛生上の支障を生ずるおそれがある物質として指定されているのは、ホルムアルデヒドのみである。

X 誤っている。 建築基準法施行令第25条の5
 「(居室内において衛生上の支障を生ずるおそれがある物質)
  第二十条の五  法第二十八条の二第三号 の政令で定める物質は、
クロルピリホス及びホルムアルデヒドとする。」とあり、
クロルピリホスとホルムアルデヒドです。



3 吹付けロックウールで、その含有する石綿の重量が当該建築材料の重量の1%以下のものは、建築材料として使用することができる。

X 誤っている。 まず、ロックウールとは、工場で製造された人造の鉱物繊維 で一方、アスベストは、天然に産出する鉱物繊維 の違いがあります。
吹き付けロックウールは、ロックウールをセメント、アスベストなどと混合し、機械で噴出させ天井などに付着させたものです。
ここで、危険な石綿が使われていますので、国土交通省告示 第1172号 平成18 年9月29日より、
 「石綿等をあらかじめ添加した建築材料で石綿等を飛散又は発散させるおそれがないものを定める件では、
  「吹付け石綿」と「吹付けロックウールで石綿の重量含有率が0.1%を超えるもの」以外の石綿等を予め添加した建築材料 となっています。
1%ではだめです。石綿の重量含有率が0.1%以下です。



4 第3種ホルムアルデヒド発散建築材料は、第1種ホルムアルデヒド発散建築材料より夏季においてホルムアルデヒドの毎時の発散量が多い。

X 誤っている。 ここは、過去も出ている。
 建築基準法施行令
 「(居室を有する建築物の建築材料についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準)
   第二十条の七  建築材料についてのホルムアルデヒドに関する法第二十八条の二第三号 の政令で定める技術的基準は、次のとおりとする。
     一  居室(常時開放された開口部を通じてこれと相互に通気が確保される廊下その他の建築物の部分を含む。以下この節において同じ。)の壁、床及び天井(天井 のない場合においては、屋根)並びにこれらの開口部に設ける戸その他の建具の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。以下この条 において「内装」という。)の仕上げには、夏季においてその表面積一平方メートルにつき毎時〇・一二ミリグラムを超える量のホルムアルデヒドを発散させる ものとして国土交通大臣が定める建築材料(以下この条において「
第一種ホルムアルデヒド発散建築材料」という。)を使用しないこと。
     二  居室の内装の仕上げに、夏季においてその表面積一平方メートルにつき毎時〇・〇二ミリグラムを超え〇・一二ミリグラム以下の量のホルムアルデヒドを発散させるものとして国土交通大臣が定める建築材料(以下この条において「
第二種ホルムアルデヒド発散建築材料」という。)又は夏季においてその表面積一平方メートルにつき毎時〇・〇〇五ミリグラムを超え〇・〇二ミリグラム以下の量のホルムアルデヒドを発散させるものとして国土交通大臣が定める建築材料(以下この条において「第三種ホルムアルデヒド発散建築材料」 という。)を使用するときは、それぞれ、第二種ホルムアルデヒド発散建築材料を使用する内装の仕上げの部分の面積に次の表(一)の項に定める数値を乗じて 得た面積又は第三種ホルムアルデヒド発散建築材料を使用する内装の仕上げの部分の面積に同表(二)の項に定める数値を乗じて得た面積(居室の内装の仕上げ に第二種ホルムアルデヒド発散建築材料及び第三種ホルムアルデヒド発散建築材料を使用するときは、これらの面積の合計)が、当該居室の床面積を超えないこ と。」とあり、
第一種ホルムアルデヒド発散建築材料の発散量は、毎時〇・一二ミリグラムを超える量
第二種ホルムアルデヒド発散建築材料の発散量は、毎時〇・〇二ミリグラムを超え〇・一二ミリグラム以下の量
第三種ホルムアルデヒド発散建築材料の発散量は、毎時〇・〇〇五ミリグラムを超え〇・〇二ミリグラム以下の量
で、第三種ホルムアルデヒド発散建築材料の発散量の方が、第一種ホルムアルデヒド発散建築材料の発散量よりも少ない。
なお、第一種ホルムアルデヒド発散建築材料は使用できないと覚えればいいでしょう。



答え:1 (選択肢3 は、まったく知らなかった。 国土交通省の告示とは! 調べるのに時間がかかった! なお、石綿については、別途 「要約 建築基準法」 の第28条の2 を参考のこと。)

平成23年度 管理業務主任者

【問 20】 エレベーターに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 昇降行程が20m 以下で、かつ、かごの床面積が1.3u 以下の共同住宅のエレベータ ーについては、国土交通省(旧建設省)の告示により、積載荷重の下限値が定められている。

○ 適切である。  これもまた、知るわけないって箇所からの出題だ。 国土交通省(旧建設省)の告示とは! 4 の住宅に共同住宅も入る?
 
用途が特殊なエレベーター及び当該エレベーターのかごの積載荷重を定める件(平成12年5月31日 建設省告示第1415号、改正 平成14年5月31日 国土交通省告示 第479号、改正 平成21年8月4日国土交通省告示第859号附則による改正)
 「建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第129条の5第2項の規定に基づき、用途が特殊なエレベーター及び当該エレベーターのかごの積載荷重を次のように定める。
  建築基準法施行令(以下「令」という。)第129条の5第2項に規定する用途が特殊なエレベーターは、次の各号に掲げるエレベーターとし、同項に規定する当該用途に応じたかごの積載荷重は、それぞれ当該各号に定める数値とする。
   一 次に掲げる基準に適合するトランクを設けたエレベーター エレベーターのかごの面積をトランクの面積を除いた面積として、令第129条の5第2項の表に基づき算定した数値
      イ 床面から天井までの高さが1.2m以下であること。
      ロ かごの他の部分とトランクの床面の段差が10p以下であること。
      ハ 施錠装置を有する扉を設けること。
      ニ かごの奥行き(トランク部分の奥行きを含む。以下同じ。)が2.2m以下であり、かつ、トランク部分の奥行きがかごの奥行きの1/2以下であること。
   二 フォークリフトその他のかごに荷物を積み込む機械(以下「フォークリフト等」という。)がかごへの荷物の積込み時にかごに荷重をかける乗用及び寝台用エレベーター以外のエレベーター 次に掲げる数値のうち大きいもの
      イ 実況に応じ算定した昇降させる人又は物の荷重に、フォークリフト等の荷重(荷物の積み込み時にかごにかかる荷重に限る。)を加えたものを1.5で除した数値
      ロ 令第129条の5第2項の表に基づき算定した数値
   三 昇降行程が10m以下で、かつ、かごの床面積が1.1u以下のエレベーター 床面積1uにつき1,800として計算した数値で、かつ、1,300以上の数値
   
四 昇降行程が20m以下で、かつ、かごの床面積が1.3u以下の住宅、下宿又は寄宿舎に設けるエレベーター 床面積1uにつき2,500として計算した数値で、かつ、1,300以上の数値
   五 平成12年建設省告示第1413号第1第九号に掲げるエレベーター 次に定める床面積及び種類に応じた次に定める数値
      イ かごの床面積が1u以下で住戸内に設置されるもの。床面積1uにつき1,800として計算した数値で、かつ1,300以上の数値
      ロ かごの床面積が2u以下のもの「(イに掲げるものを除く。)」 1,800
      ハ かごの床面積が2uを超え2.25u以下のもの 2,400
   六 平成12年建設省告示第1413号第1第十号に掲げるエレベーター 900」とあり、
「四 昇降行程が20m以下で、かつ、かごの床面積が1.3u以下の住宅、下宿又は寄宿舎に設けるエレベーター 床面積1uにつき2,500として計算し た数値で、かつ、1,300以上の数値」とあり、下限値ととして、「かつ、1,300以上の数値」が定められている。



2 乗用エレベーターの最大定員の算定においては、重力加速度を9.8m /s2として、1人当たりの体重を60kg として計算しなければならない。

X 適切でない。 一人当たりの体重は65kg。 ここは、過去問題あり。平成19年管理業務主任者試験 「問20」 、 平成16年管理業務主任者試験 「問20」
 建築基準法施行令第129条の6 5項
 「(エレベーターのかごの構造)
  第百二十九条の六  エレベーターのかごは、次に定める構造としなければならない。
     一  各部は、かご内の人又は物による衝撃に対して安全なものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとすること。
     二  構造上軽微な部分を除き、難燃材料で造り、又は覆うこと。ただし、地階又は三階以上の階に居室を有さない建築物に設けるエレベーターのかごその他防火上支障のないものとして国土交通大臣が定めるエレベーターのかごにあつては、この限りでない。
     三  かご内の人又は物が釣合おもり、昇降路の壁その他のかご外の物に触れるおそれのないものとして国土交通大臣が定める基準に適合する壁又は囲い及び出入口の戸を設けること。
     四  非常の場合においてかご内の人を安全にかご外に救出することができる開口部をかごの天井部に設けること。
     五  用途及び積載量(キログラムで表した重量とする。以下同じ。)並びに乗用エレベーター及び寝台用エレベーターにあつては最大定員(積載荷重を前条第二項の表に定める数値とし、重力加速度を九・八メートル毎秒毎秒と、
一人当たりの体重を六十五キログラムとして計算した定員をいう。第百二十九条の十三の三第三項第九号において同じ。)を明示した標識をかご内の見やすい場所に掲示すること」とあり、
「五 一人当たりの体重を六十五キログラムとして計算した定員をいう」で、
一人当たりの体重は、65kg です。60kgではありません


3 火災時などの災害時に消防隊が人の救助活動及び消火活動に利用するための非常用エレベーターは、高さ60m を超える建築物に設置が義務付けられている。

X 適切でない。 ここは、平成18年マンション管理士試験 「問21」 など。
  非常用エレベーターの設置は、高さ
  建築基準法34条2項
 「
高さ三十一メートルをこえる建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。」とあり、
高さ31mを超える建築物には設置しなければなりません。60mではありません。
 昇降機には、エレベーターやエスカレーターもありますが、建築基準法施行令129条の13の3により、
   「(非常用の昇降機の設置及び構造)
   第百二十九条の十三の三  法第三十四条第二項 の規定による非常用の昇降機は、エレベーターとし、その設置及び構造は、第百二十九条の四から第百二十九条の十までの規定によるほか、この条に定めるところによらなければならない。」
とあり、非常用の昇降機は「エレベーター」と定められています。
なお、除かれる場合として、
  建築基準法施行令129条の13の2、「法第三十四条第二項 の規定により政令で定める建築物(非常用の昇降機が不要な建築物)は、次の各号のいずれかに該当するものとする。
   一  高さ三十一メートルを超える部分を階段室、昇降機その他の建築設備の機械室、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する用途に供する建築物
   二  高さ三十一メートルを超える部分の各階の床面積の合計が五百平方メートル以下の建築物
   三  高さ三十一メートルを超える部分の階数が四以下の主要構造部を耐火構造とした建築物で、当該部分が床面積の合計百平方メートル以内ごとに耐火構造の床若 しくは壁又は特定防火設備でその構造が第百十二条第十四項第一号イ、ロ及びニに掲げる要件を満たすものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの 又は国土交通大臣の認定を受けたもの(廊下に面する窓で開口面積が一平方メートル以内のものに設けられる法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備を含む。)で区画されているもの
   四  高さ三十一メートルを超える部分を機械製作工場、不燃性の物品を保管する倉庫その他これらに類する用途に供する建築物で主要構造部が不燃材料で造られたものその他これと同等以上に火災の発生のおそれの少ない構造のもの 」
 も、記憶しておくこと。
★どうして、31mを越えると非常用エレベーターが必要か?
  31mは昔の尺貫法の約100尺(33m)に該当します。以前の高さ制限でもあります。
  消防用の避難はしご車もその高さにあわせて31mまでは、届きますがそれ以上は届きません。
  そこで、消防隊も消火活動に使える非常用エレベーターが必要とされます。
 




4 機械室不要の、いわゆる機械室レスエレベーターは、すべてリニアモーターエレベーターである。

X 適切でない。 平成21年マンション管理士試験 「問45」 、 平成16年マンション管理士試験 「問38」 
  機械室(マシンルーム)レス(不要)エレベーターは、
すべてリニアモーターエレベーターではありません。
  機械室レスエレベーター:マシンルームレス型エレベーターは、エレベーターの巻上機を昇降路のピットに、制御盤を乗場または塔内に配置することで従来 の「ロープ式」「油圧式」に不可欠だった機械室を無くした、次世代型のエレベーターです。機械室を無くすことにより、省スペース、省エネルギー、建築コス トの削減はもちろんのこと、昇降路の位置を自由に設計できるので建築物の屋根や、外観など意匠設計の自由度が向上します。また、運転性能の向上、走行騒音 の低下、廃油処理が必要なくなることにより地球環境に優しい移動環境を構築します。このような特性を持つマシンルームレスエレベーターは建物設計の段階か ら様々な発想を生み、私たちの生活を、より快適なものへと進化させていきます。これからエレベーターは、徐々にマシンルームレスエレベーターへ移行し、次 世代エレベーターの本流となっていきます。
 そして、リニアモーターエレベーターとは、回転運動を直線運動に置き換えるリニアモーターを利用したエレベーターです。一次側をつり合いおもりに内蔵し、二次側を昇降路の全長に伸ばすことで、巻上機を設置する必要がなくなりました。
現在のリニアモーター式は「究極の機械室なしタイプ」ですが、次世代のリニアモーター式エレベーターとして、つり合いおもりに内蔵されている一次側を、か ごに内蔵する研究が進められています。この方式が実現すれば、昇降路内に伸ばした二次側にそって一次側の「かご」が移動することになりますから、ロープが 不要になるほか、水平・垂直・カーブなど、かごの移動方向も制約がなくなり、エレベーターの概念が根底から覆ることになります。という訳で、まだ研究の段 階です。費用がかかるのと、モーターの小型化で、採用が遅れているようです。





答え:1 (ここは、消去法で、選択肢1 が分かる?)

平成23年度 管理業務主任者

【問 22】 建築基準法第39条に規定されている災害危険区域に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 高潮、出水による危険の著しい区域を災害危険区域として指定することができるとしているが、津波による危険は対象としていない。

X 誤っている。 建築基準法からの出題で、第39条からは目新しい。平成23年3月11日に発生した、東北地方太平洋沖地震での津波の被害に絡んでの出題だ。
  では、建築基準法第39条
 「(災害危険区域)
  第三十九条  地方公共団体は、条例で、
津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定することができる。
   2  災害危険区域内における住居の用に供する建築物の建築の禁止その他建築物の建築に関する制限で災害防止上必要なものは、前項の条例で定める。」とあり、
1項によれば、「地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定すること」ができます


2 災害危険区域を指定することができるのは、国土交通大臣である。

X 誤っている。 災害危険区域を指定するのは、選択肢1で引用しました、建築基準法第39条1項
 「
地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定することができる」とあり、
地方公共団体です。国土交通大臣ではありません。



3 災害危険区域内においては、住居の用に供する建築物の建築を禁止することができる。

○ 正しい。 選択肢1で引用しました、建築基準法第39条2項
 「2  災害危険区域内における
住居の用に供する建築物の建築の禁止その他建築物の建築に関する制限で災害防止上必要なものは、前項の条例で定める」とあり、
条文のままです。



4 建築物の建築に関する制限で災害防止上必要なものは、建築基準法施行令に規定されている。

X 誤っている。 選択肢1で引用しました、建築基準法第39条2項
 「2  災害危険区域内における住居の用に供する建築物の建築の禁止その他建築物の建築に関する制限で災害防止上必要なものは、
前項の条例で定める」とあり、
前項(1項)の条例=地方公共団体の条例ですから、建築基準法施行令ではありません。



答え:3 (ここは、建築基準法第39条を知らないと、迷う。 解答も難しいか。)

平成23年度 管理業務主任者

【問 25】 建築物定期調査、建築設備及び昇降機定期検査に関する次の記述のうち、 建築基準法によれば、誤っているものはどれか。

1 具体的な調査・検査の項目並びに項目ごとの調査・検査の方法、結果の判定基準が告示で定められている。


注:建築基準法第12条は、平成28年6月施行で、改正があった。ここは、改正に未対応。

○ 正しい。 建築物の定期調査・検査報告制度が法律で決められています。
  ここは、過去も出ていますが、少しばかり、関係の条文が長いのでまとめを説明します。平成22年管理業務主任者試験 「問27」 、平成21年マンション管理士試験 「問37」 、平成19年マンション管理士試験 「問20」、 平成18年管理業務主任者試験 「問18」 、など。
  
  劇場、病院、ホテル、共同住宅、デパートなど、多くの人が集まる特殊建築物等では、建物の構造の損傷や劣化が、大惨事を起こす可能性があります。そこ で、建築基準法第12条では、定期的に、一級建築士や二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者にその状況の調査・検査させて、その結果を、特定 行政庁(国土交通省ではありませんよ)に報告させます。報告の時期は、6カ月から3年までの間で、特定行政庁が定めます。(同法施行規則第5条1項)
★昇降機(エレベーター・エスカレーター)、建築設備も定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者に検査(当該建築設 備についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含む。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければなりません(建築基準法第12条3項)。昇降 機などの報告の時期は、おおむね6ヶ月から1年までの間隔で行います。おおむね2年ごとでありませんよ。 (同法法施行規則6条)

★定期報告と資格者、時期のまとめ

定期報告が必要な建築物など 調査、検査をする資格者 報告時期
6条1項1号など 一級建築士、二級建築士、特殊建築物等調査資格者 6ヵ月〜
3年
昇降機 一級建築士、二級建築士、昇降機検査資格者 6ヵ月〜
1年
建築設備 一級建築士、二級建築士、建設設備検査資格者

参考:
建築基準法第12条
 「(報告、検査等)
  第十二条  
第六条第一項第一号に掲げる建築物その他政令で定める建築物(国、 都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物を除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者。第三項におい て同じ。)は、当該建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣 が定める資格を有する者にその状況の調査(当該建築物の敷地及び構造についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含み、当該建築物の建築設備について の第三項の検査を除く。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
   2  国、都道府県又は建築主事を置く市町村の建築物(第六条第一項第一号に掲げる建築物その他前項の政令で定める建築物に限る。)の管理者である国、都道府 県若しくは市町村の機関の長又はその委任を受けた者(以下この章において「国の機関の長等」という。)は、当該建築物の敷地及び構造について、国土交通省 令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は同項の資格を有する者に、損傷、腐食その他の劣化の状況の点検をさせなければならな い。
   
3  昇降機及び第六条第一項第一号に掲げる建築物その他第一項の政令で定める建築物の昇降機以外の建築設備(国、 都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物に設けるものを除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者は、当該建築設備について、国土交通省令で定めると ころにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者に検査(当該建築設備についての損傷、腐食その他の劣化の状況 の点検を含む。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
   4  国の機関の長等は、国、都道府県又は建築主事を置く市町村の建築物の昇降機及び国、都道府県又は建築主事を置く市町村の建築物(第六条第一項第一号に掲 げる建築物その他第一項の政令で定める建築物に限る。)の昇降機以外の建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは 二級建築士又は前項の資格を有する者に、損傷、腐食その他の劣化の状況の点検をさせなければならない。
   5  特定行政庁、建築主事又は建築監視員は、次に掲げる者に対して、建築物の敷地、構造、建築設備若しくは用途又は建築物に関する工事の計画若しくは施工の状況に関する報告を求めることができる。
     一  建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者、建築主、設計者、工事監理者又は工事施工者
     二  第一項の調査、第二項若しくは前項の点検又は第三項の検査をした一級建築士若しくは二級建築士又は第一項若しくは第三項の資格を有する者
     三  第七十七条の二十一第一項の指定確認検査機関
     四  第七十七条の三十五の五第一項の指定構造計算適合性判定機関
   6  建築主事又は特定行政庁の命令若しくは建築主事の委任を受けた当該市町村若しくは都道府県の職員にあつては第六条第四項、第六条の二第十一項、第七条第 四項、第七条の三第四項、第九条第一項、第十項若しくは第十三項、第十条第一項から第三項まで、前条第一項又は第九十条の二第一項の規定の施行に必要な限 度において、建築監視員にあつては第九条第十項の規定の施行に必要な限度において、当該建築物、建築物の敷地又は建築工事場に立ち入り、建築物、建築物の 敷地、建築設備、建築材料、設計図書その他建築物に関する工事に関係がある物件を検査し、若しくは試験し、又は建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理 者若しくは占有者、建築主、設計者、工事監理者若しくは工事施工者に対し必要な事項について質問することができる。ただし、住居に立ち入る場合において は、あらかじめ、その居住者の承諾を得なければならない。
   7  特定行政庁は、確認その他の建築基準法令の規定による処分並びに第一項及び第三項の規定による報告に係る建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する 台帳を整備し、かつ、当該台帳(当該処分及び当該報告に関する書類で国土交通省令で定めるものを含む。)を保存しなければならない。
   8  前項の台帳の記載事項その他その整備に関し必要な事項及び当該台帳(同項の国土交通省令で定める書類を含む。)の保存期間その他その保存に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。 そして、政令:建築基準法施行規則第5条(建築物の定期報告)
 「第五条  法第十二条第一項 (法第八十八条第一項 又は第三項 において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による報告の時期は、建築物の用途、構造、延べ面積等に応じて、おおむね六月から三年まで の間隔をおいて特定行政庁が定める時期(法第十二条第一項 の規定による指定があつた日以後の新築又は改築(一部の改築を除く。)に係る建築物について、建築主が法第七条第五項 (法第八十七条の二 又は法第八十八条第一項 において準用する場合を含む。第六条第一項において同じ。)又は法第七条の二第五項 (法第八十七条の二 又は法第八十八条第一項 において準用する場合を含む。第六条第一項において同じ。)の規定による検査済証の交付を受けた場合においては、その直後の時期を除く。)とする。
   2  法第十二条第一項 の規定による調査は、建築物の敷地、構造及び建築設備の状況について安全上支障がないことを確認するために十分なものとして行うものとし、当該調査の項目、方法及び結果の判定基準は国土交通大臣の定めるところによるものとする。
   3  法第十二条第一項 の規定による報告は、別記第三十六号の二の四様式による報告書及び別記第三十六号の二の五様式による定期調査報告概要書に国土交通大臣が定める調査結果表 を添えてするものとする。ただし、特定行政庁が規則により別記第三十六号の二の四様式、別記第三十六号の二の五様式又は国土交通大臣が定める調査結果表に 定める事項その他の事項を記載する報告書の様式又は調査結果表を定めた場合にあつては、当該様式による報告書又は当該調査結果表によるものとする。
   4  法第十二条第一項 の規定による報告は、前項の報告書及び調査結果表に、特定行政庁が建築物の敷地、構造及び建築設備の状況を把握するため必要があると認めて規則で定める書類を添えて行わなければならない。」

建築基準法施行規則第6条
 「(建築設備等の定期報告)
  第六条  法第十二条第三項 (法第八十八条第一項 又は第三項 において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による報告の時期は、建築設備、法第六十六条 に規定する工作物(高さ四メートルを超えるものに限る。)又は法第八十八条第一項 に規定する昇降機等(以下「建築設備等」という。)の種類、用途、構造等に応じて、
おおむね六月から一年まで(ただし、国土交通大臣が定める検査の項目については、一年から三年まで)の間隔をおいて特定行政庁が定める時期(法第十二条第三項 の規定による指定があつた日以後の設置又は築造に係る建築設備等について、設置者又は築造主が法第七条第五項 又は法第七条の二第五項 の規定による検査済証の交付を受けた場合においては、その直後の時期を除く。)とする。
   2  法第十二条第三項 の規定による検査は、建築設備の状況について安全上支障がないことを確認するために十分なものとして行うものとし、当該検査の項目、事項、方法及び結果の判定基準は国土交通大臣の定めるところによるものとする。
   3  法第十二条第三項 の規定による報告は、昇降機(令第百三十八条第二項第一号 に掲げる乗用エレベーター又はエスカレーターを含む。以下この条において同じ。)にあつては別記第三十六号の三様式による報告書及び別記第三十六号の三の 二様式による定期検査報告概要書に、令第百三十八条第二項第二号 又は第三号 に掲げる遊戯施設(以下単に「遊戯施設」という。)にあつては別記第三十六号の三の三様式による報告書及び別記第三十六号の三の四様式による定期検査報告 概要書に、建築設備等(昇降機及び遊戯施設を除く。)にあつては別記第三十六号の四様式による報告書及び別記第三十六号の四の二様式による定期検査報告概 要書にそれぞれ国土交通大臣が定める検査結果表を添えてするものとする。ただし、特定行政庁が規則により別記第三十六号の三様式、別記第三十六号の三の二 様式、別記第三十六号の三の三様式、別記第三十六号の三の四様式、別記第三十六号の四様式、別記第三十六号の四の二様式又は国土交通大臣が定める検査結果 表その他の事項を記載する報告書の様式又は検査結果表を定めた場合にあつては、当該様式による報告書又は当該検査結果表によるものとする。
   4  法第十二条第三項 の規定による報告は、前項の報告書及び調査結果表に、特定行政庁が建築設備等の状況を把握するために必要と認めて規則で定める書類を添えて行わなければならない。」です。

とそこで、設問に戻りますと、具体的な調査・検査の方法、判定の基準は、平成20年3月10日の国土交通省告示で
調査の対象物により、
 1.建築物...国土交通省告示第282号
 2.昇降機...国土交通省告示第283号
 3.建築設備...国土交通省告示第285号
と別れて出されています。すべて平成20年4月1日から施行されています。(その後の改正もあります。)

なお、建築基準法に基づく「定期調査・検査報告制度」は、消防法に基づく消防用設備等点検とは異なる制度ですから注意してください。



2 建築物定期調査は、定量的な調査を主とし、目視などによる定性的な調査は、塀の劣化及び損傷状況の調査など限られた項目のみとされている。

X 誤っている。 選択肢1で引用しました、国土交通省告示第282号に よりますと、敷地の地盤沈下や排水、また塀・擁壁・外壁などの劣化・損傷を目視確認やテストハンマーでの打診確認をして判定基準と照らし合わせます。塀・ 擁壁・窓・屋上・屋根・建築物の内部・躯体部・部材・床・天井・避難設備・排煙設備などと幅広い項目が挙げられています


3 建築設備に関する定期検査の項目には、換気設備の風量測定、非常用の照明装置の照度測定を含む。

○ 正しい。 建築設備とは、換気設備・排煙設備・非常用の照明装置・給水設備及び排水設備であり、選択肢1で引用しました、国土交通省告示第285号に換気設備の風量測定、非常用の照明装置の照度測定は入っています。


4 昇降機定期検査では、ロープ式、油圧式等それぞれに検査結果表の様式が告示で定められている。

○ 正しい。 選択肢1で引用しました、 国土交通省告示第283号によると、昇降機定期検査では、ロープ式、油圧式等それぞれに検査結果表の様式が告示で、実に細かく定められています。

答え:2 (こんな細かな点まで、出題されるとは! 根拠を探し出すまで、随分と時間がかかった。ここも、私の別途 「要約 建築基準法」 を参考にしてください。)

平成22年度 マンション管理士

〔問 20〕建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 高さ20mを超える建築物には、周囲の状況によって安全上支障がない場合を除き、有効な避雷設備を設けなければならない。

○ 正しい。 この避雷設備は、過去問題をやっていれば、簡単。 
   建築基準法第33条
 「(避雷設備)
  第三十三条  高さ二十メートルをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によつて安全上支障がない場合においては、この限りでない。 」のとおり。



2 高さ70cmを超える階段の部分には手すりを設けなければならず、手すりが設けられていない側には、側壁又はこれに代わるものを設けなければならない。

X 誤っている。 こんな、細かいものまでもでる。
  階段とてすりは、建築基準法施行令第25条
 「(階段等の手すり等)
 第二十五条  階段には、手すりを設けなければならない。
 2  階段及びその踊場の両側(手すりが設けられた側を除く。)には、側壁又はこれに代わるものを設けなければならない。
 3  階段の幅が三メートルをこえる場合においては、中間に手すりを設けなければならない。ただし、けあげが十五センチメートル以下で、かつ、踏面が三十センチメートル以上のものにあつては、この限りでない。
 4  前三項の規定は、
高さ一メートル以下の階段の部分には、適用しない。 」とあります。
 4項によりますと、階段の高さが1mを超えると、手すりが必要です。70cmではありません。


  

3 共同住宅の地上階における居室には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して1/7以上としなければならない。

○ 正しい。 ここも、よくでる問題。 
  地上の居室の採光は、建築基準法第28条1項
 「(居室の採光及び換気)
 第二十八条  住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その
居室の床面積に対して、住宅にあつては七分の一以上、その他の建築物にあつては五分の一から十分の一までの間において政令で定める割合以上としなければならない。ただし、地階若しくは地下工作物内に設ける居室その他これらに類する居室又は温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室については、この限りでない。 」とあり、
 住宅では、窓その他の開口部は、居室の床面積の1/7以上が必要です。


4 各階の床面積がそれぞれ150 uの5階建ての共同住宅の1階部分の用途をカフェーに変更しようとするときは、建築主事又は指定確認検査機関による確認を受けなければならない。 

○ 正しい。 共同住宅の1階を、カフェーへの用途変更は、建築基準法第87条1項
 「(用途の変更に対するこの法律の準用)
 第八十七条  建築物の用途を変更して第六条第一項第一号の特殊建築物のいずれかとする場合(
当該用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間におけるものである場合を除く。)においては、同条(第三項及び第五項から第十二項までを除く。)、第六条の二(第三項から第八項までを除く。)、第六条の三(第一項第一号及び第二号の建築物に係る部分に限る。)、第七条第一項並びに第十八条第一項から第三項まで及び第十二項から第十四項までの規定を準用する。この場合において、第七条第一項中「建築主事の検査を申請しなければならない」とあるのは、「建築主事に届け出なければならない」と読み替えるものとする。 」とあり、「政令で指定する類似の用途相互間におけるものである場合を除いて」、確認が必要です。
 その政令は、建築基準法施行令第137条の17 にあり、
 「(建築物の用途を変更して特殊建築物とする場合に建築主事の確認等を要しない類似の用途)
  第百三十七条の十七  法第八十七条第一項 の規定により政令で指定する類似の用途は、当該建築物が次の各号のいずれかに掲げる用途である場合において、それぞれ当該各号に掲げる他の用途とする。ただし、第三号若しくは第六号に掲げる用途に供する建築物が第一種低層住居専用地域若しくは第二種低層住居専用地域内にある場合又は第七号に掲げる用途に供する建築物が第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域若しくは工業専用地域内にある場合については、この限りでない。
   一  劇場、映画館、演芸場
   二  公会堂、集会場
   三  診療所(患者の収容施設があるものに限る。)、児童福祉施設等
   四  ホテル、旅館
   五  下宿、寄宿舎
   六  博物館、美術館、図書館
   七  体育館、ボーリング場、スケート場、水泳場、スキー場、ゴルフ練習場、バッティング練習場
   八  百貨店、マーケット、その他の物品販売業を営む店舗
   九  キャバレー、
カフェー、ナイトクラブ、バー
   十  待合、料理店
   十一  映画スタジオ、テレビスタジオ」です。
 これによると、共同住宅からカフェーへの用途変更は、類似の用途ではない。
 すると、カフェーは、建築基準法第6条の別表第1(い)に該当し、
 「一  別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、
その用途に供する部分の床面積の合計が百平方メートルを超えるもの 」とあり、
床面積が100uを超えると、建築主事又は指定確認検査機関による確認を受けなければならなくなります。



答え:2  

平成22年度 管理業務主任者

【問 17】 建築基準法(昭和25年法律第201号)第1条に規定されている同法の目的に関する次の記述の(ア)から(ウ)に入る用語の組合わせとして、正しいものはどれか。

この法律は、建築物の(ア)、構造、設備及び用途に関する(イ)基準を定めて、国民の(ウ)、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。


*組み合わせ問題か。
  建築基準法の第1条なんて、多くの受験生はまず、読み飛ばす条文です。ここは、建築基準法の第1条のどこかを、キーワードとして覚えているかどうか、が正解・不正解の分かれ道でしょう。 
 建築基準法第1条
 「(目的)
  第一条  この法律は、建築物の
(ア)敷地、構造、設備及び用途に関する(イ)最低の基準を定めて、国民の(ウ)生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。 」です。
 (私は、「最低の基準」の箇所を知っていました。)


答え:4 

平成22年度 管理業務主任者

【問 27】 マンションにおける法定点検の対象となる建物・設備とその点検を行うことができる資格者の組合わせとして、次のうち最も不適切なものはどれか。


注:建築基準法第12条は、平成28年6月施行で、改正があった。ここは、改正に未対応。


  

*面倒な出題です。
1 適切である。 建築基準法第12条第1項に規定する特殊建築物定期調査を実施する場合の「建築物の外部」の調査は、特殊建築物等定期調査と呼ばれ、特殊建築物等調査資格者、1級建築士又は2級建築士ができます。


2 適切でない。 建築基準法第12条第3項に規定する特殊建築物の建築設備定期検査を実施する場合の「非常用の照明装置」の検査は、建築設備定期検査の中の給水設備や換気設備などと同じ対象項目で建築設備検査資格者、1級建築士又は2級建築士ができます。電気工事士は、できません。なお、電気工事士は、一般用電気工作物および自家用電気工作物の工事に関する専門的な知識を有するものに都道府県知事により与えられる資格で、一定の電気工事に必要な資格です。第一種電気工事士と第二種電気工事士があり、工事内容により従事できる範囲が決められています。

3 適切である。 建築基準法第12条第3項に規定する特殊建築物の建築設備定期検査を実施する場合の「昇降機(エレベーター)」の検査は、昇降機定期検査で、これは、昇降機検査資格者、1級建築士又は2級建築士ができます。

4 適切である。 消防法(昭和23年法律第186号)第17条の3の3に規定する消防用設備等の点検を実施する場合の「スプリンクラー設備」の点検は、消防設備点検とよばれ、消防設備士(甲種、乙種)又は消防設備点検資格者(1種、2種)ができます。

答え:2 (ここは、難問。 過去問題をやっていると、何となく、直感で、建築基準法で選択肢2 の電気工事士が、ちょっと違うとは思うけど。) 

平成21年度 マンション管理士

〔問 20〕 違反建築物等に対する措置等に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 特定行政庁は、一定の建築物について、そのまま放置すれば著しく保安上の危険となるおそれがあると認める場合、当該建築物の所有者等に対して、直ちに、保安上必要な措置をとることを勧告することができる。

X 誤っている。
  特定行政庁については、平成19年マンション管理士試験 「問20」 に説明しました。
  キーワードは、「
直ちに」。保安上の危険は、建築基準法第10条1項(保安上危険な建築物等に対する措置)
 「第十条  特定行政庁は、第六条第一項第一号に掲げる建築物その他政令で定める建築物の敷地、構造又は建築設備(いずれも第三条第二項の規定により第二章の規定又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の適用を受けないものに限る。)について、損傷、腐食その他の劣化が進み、そのまま放置すれば著しく保安上危険となり、又は著しく衛生上有害となるおそれがあると認める場合においては、当該建築物又はその敷地の所有者、管理者又は占有者に対して、
相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用中止、使用制限その他保安上又は衛生上必要な措置をとることを勧告することができる。」とあり、「直ちに」ではなく、「相当の猶予期限」がつきます。  

2 特定行政庁が、一定の建築物について、公益上著しく支障があるとして、当該建築物の除去等を命ずる場合、当該命令に基づく措置によって生じた通常生ずべき損害については、当該建築物の所有者が負担する。

X 誤っている。 キーワードは「損害の負担」。建築基準法第11条1項
 「第十一条 特定行政庁は、建築物の敷地、構造、建築設備又は用途(いずれも第三条第二項(第八十六条の九第一項において準用する場合を含む。)の規定により第三章の規定又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の適用を受けないものに限る。)が公益上著しく支障があると認める場合においては、当該建築物の所在地の市町村の議会の同意を得た場合に限り、当該建築物の所有者、管理者又は占有者に対して、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、修繕、模様替、使用禁止又は使用制限を命ずることができる。この場合においては、
当該建築物の所在地の市町村は、当該命令に基づく措置によつて通常生ずべき損害を時価によつて補償しなければならない。」とあります。
 損害を与えたら、与えた人(この場合市町村)が負担するのは、普通です。

3 特定行政庁が建築基準法違反の建築物の建築主等に対して是正措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないときは、行政代執行法の定めるところに従い、特定行政庁自身が義務者のなすべき行為をすることができ、当該特定行政庁はその費用を義務者から徴収することができる。

○ 正しい。 これは、建築基準法第9条12項
 「12 特定行政庁は、第一項の規定により必要な措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき、又は履行しても同項の期限までに完了する見込みがないときは、
行政代執行法(昭和二十三年法律第四十三号)の定めるところに従い、みずから義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。」とあり、
 行政代執行法第2条
 「第二条  法律(法律の委任に基く命令、規則及び条例を含む。以下同じ。)により直接に命ぜられ、又は法律に基き行政庁により命ぜられた行為(他人が代つてなすことのできる行為に限る。)について義務者がこれを履行しない場合、他の手段によつてその履行を確保することが困難であり、且つその不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、当該行政庁は、自ら義務者のなすべき行為をなし、又は第三者をしてこれをなさしめ、
その費用を義務者から徴収することができる。」とありますから、正しい。

4 特定行政庁が、緊急の必要がある場合において、仮に、違反建築物の使用禁止又は使用制限の命令をすることができ、この場合、当該命令を受けた者は、特定行政庁に対して公開による意見聴取を求めることはできない。

X 誤っている。 このキーワードは、「公開による意見聴取を求めること」。これは、建築基準法第9条7項と8項
 「7 特定行政庁は、緊急の必要がある場合においては、前五項の規定にかかわらず、これらに定める手続によらないで、仮に、使用禁止又は使用制限の命令をすることができる。
  8 前項の命令を受けた者は、その命令を受けた日から三日以内に、特定行政庁に対して
公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。この場合においては、第四項から第六項までの規定を準用する。ただし、意見の聴取は、その請求があつた日から五日以内に行わなければならない。」とあり、前半の特定行政庁の命令は正しいが、後半の公開による意見聴取を求めることができないが間違い。普通、行政機関が行った行為については、公開の場での意見聴取は許されている。

答え:3 (選択肢3が正解となんとなく分かった人は多いようです。)

平成21年度 マンション管理士

〔問 37〕建築基準法の特殊建築物に該当するマンションの同法第12条に基づく定期報告に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。


注:建築基準法第12条は、平成28年6月施行で、改正があった。ここは、改正に未対応。

1 建築物を適切に維持管理するとともに、定期的に調査し、その結果を特定行政庁に報告を行うことは、建築物の所有者あるいは管理者の義務である。

○ 適切である。 建築基準法の定期報告は、過去も昇降機で出題が多い。平成19年マンション管理士試験 「問20」 、平成18年管理業務主任者試験 「問18」 など。
   特に、平成18年6月に都内で起きた、マンションでのエレベーター事故の反省から、平成20年4月から、エレベーターだけでなく、選択肢3のような、外装仕上げ材の劣化・損傷や吹付け石綿等も見直しの対象となった。
   まず、「特殊建築物とは、建築基準法第2条2号
 「二  
特殊建築物 学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様とする。)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物をいう。」とあり、共同住宅として、マンションが入ります。

 そして、定期報告は、建築基準法第12条1項(報告、検査等)
 「第十二条  第六条第一項第一号に掲げる建築物その他政令で定める建築物(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物を除く。)で特定行政庁が指定するものの
所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者。第三項において同じ。)は、当該建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者にその状況の調査(当該建築物の敷地及び構造についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含み、当該建築物の建築設備についての第三項の検査を除く。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。 」とあり、所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者)が特定行政庁に報告しなければなりません。

2 建築物の敷地、構造及び建築設備について、定期報告のための調査は、一級建築士又は二級建築士でなければ実施できない。

X 適切でない。 選択肢1で引用しました、建築基準法第12条1項には、調査は、「一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者」とあり、@一級建築士・A二級建築士の他にも、B有資格者(建築基準適合判定資格者・特殊建築物等調査資格者)もできます。

3 外装タイル(乾式工法によるものを除く。)の劣化及び損傷の状況の調査は、外壁改修後10年を超え、かつ3年以内に落下により歩行者等に被害を加えるおそれのある部分の全面的なテストハンンマーによる打診等を実施していない場合には、原則として、当該打診等により確認しなければならない。

○ 適切である。 こんな根拠は探すのが面倒。平成20年国土交通省告示第282号 
 「タイル、石貼り等(乾式工法によるものを除く。)、モルタル等の劣化及び損傷の状況
 開口隅部、水平打継部、斜壁部等のうち手の届く範囲をテストハンマーによる打診等により確認し、その他の部分は必要に応じて双眼鏡等を使用し目視により確認し、異常が認められた場合にあっては、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分を全面的にテストハンマーによる打診等により確認する。ただし、竣工後、外壁改修後若しくは落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面的なテストハンマーによる打診等を実施した後10年を超え、かつ3年以内に落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面的なテストハンマーによる打診等を実施していない場合にあっては、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分を全面的にテストハンマーによる打診等により確認する(3年以内に外壁改修等が行われることが確実である場合又は別途歩行者等の安全を確保するための対策を講じている場合を除く)。

具体的な見直し事項の例
 *外装仕上げ材の劣化・損傷
   これまでは、手の届く範囲を打診、その他を目視で確認し、異常があれば所有者等に対して精密調査が促されていましたが、タイル、石貼り等(乾式工法によるものを除く。)、モルタル等の劣化及び損傷については、調査者の手の届く範囲のテストハンマーによる打診等により異常が認められた場合及び竣工、外壁改修等の後10年を超えてから最初の調査である場合は、歩行者等に危害を加えるおそれのある部分は全面的なテストハンマーによる打診等(以下「全面打診等」という。)により確認することとされました。ただし、当該調査の実施後3年以内に外壁改修若しくは全面打診等が行われることが確実である場合又は別途歩行者等の安全を確保するための対策が講じられている場合は、全面打診等を行わなくても差し支えないとされました。

4 防火設備である防火戸の閉鎖又は作動の状況の調査は、3年以内に実施した点検の記録の有無を調べ、記録による確認ができない場合には、閉鎖又は作動を確認しなければならない。

○ 適切である。 これも、平成20年国土交通省告示第282号
 防火設備の閉鎖又は作動の状況 
 各階の主要な防火設備の閉鎖又は作動を確認する。ただし、3年以内に実施した点検の記録がある場合にあっては、当該記録により確認することで足りる。

答え:2 (ここの、選択肢2 は、他を知らなくても、過去問題をやっていた人はすぐにできた?)

平成21年度 管理業務主任者

【問 17】 建築基準法(昭和25年法律第201号)における用語の定義に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 防火上有効な公園、広場、川等の空地若しくは水面又は耐火構造の壁その他これらに類するものに面する部分を除き、隣地境界線から1階にあっては3m以下、2階以上にあっては5m以下にある建築物の部分は、延焼のおそれのある部分に該当する。

○ 正しい。分野別の「建築基準法」もありますから、参考にしてください。ここは、平成18年管理業務主任者試験 「問17」 でも出ている。
   
延焼のおそれのある部分とは、建築基準法第2条6号(用語の定義)
 「第二条  この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
    六  延焼のおそれのある部分 隣地境界線、道路中心線又は同一敷地内の二以上の建築物(延べ面積の合計が五百平方メートル以内の建築物は、一の建築物とみなす。)相互の外壁間の中心線から、一階にあつては三メートル以下、二階以上にあつては五メートル以下の距離にある建築物の部分をいう。ただし、防火上有効な公園、広場、川等の空地若しくは水面又は耐火構造の壁その他これらに類するものに面する部分を除く。」とあります。そのとおりです。


2 床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの4分の1以上のものを地階という。

X 誤っている。 ここは、平成17年管理業務主任者試験 「問18」 で出ています。
  
地階とは、今度は、建築基準法施行令第1条2号です(用語の定義)
 「第一条  この政令において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
    二  地階 
床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの三分の一以上のものをいう。 」とあり、
 床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの1/4以上ではなく、1/3以上です。
 なお、
地盤面とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、その接する 位置の高低差が3mを超える場合は、その高低差3m以内ごとの平均の高さにおける水平面をいいます(建築基準法第52条第4項)。 この地盤面が、建築物の高さを測る基準です。


3 特定行政庁が指定する幅員4m未満の道路の中心線から水平距離で2m後退した線までの部分は、敷地面積には算入されない。

○ 正しい。 敷地面積の算定は、建築基準法施行令第2条1号(面積、高さ等の算定方法)
 「第二条  次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
    一  
敷地面積 敷地の水平投影面積による。ただし、建築基準法 (以下「法」という。)第四十二条第二項 、第三項又は第五項の規定によつて道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地は、算入しない。 」とあり、引用されています、
 建築基準法第42条2項
  「2  この章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、その中心線からの水平距離二メートル(前項の規定により指定された区域内においては、三メートル(特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認める場合は、二メートル)。以下この項及び次項において同じ。)の線をその道路の境界線とみなす。ただし、当該道がその中心線からの水平距離二メートル未満でがけ地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該がけ地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離四メートルの線をその道路の境界線とみなす。 」とあります。いわゆる2項道路で、後退(セットバック)が要請される道路です。


4 階投室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が、当該建築物の建築面積の8分の1以内の場合、その部分の高さは、建築物の高さに算入されないことがある。

○ 正しい。 建築物の高さは、建築基準法施行令第2条6号
 「六  
建築物の高さ 地盤面からの高さによる。ただし、次のイ、ロ又はハのいずれかに該当する場合においては、それぞれイ、ロ又はハに定めるところによる。
    イ 法第五十六条第一項第一号 の規定並びに第百三十条の十二 及び第百三十五条の十八 の規定による高さの算定については、前面道路の路面の中心からの高さによる。
    ロ 法第三十三条 及び法第五十六条第一項第三号 に規定する高さ並びに法第五十七条の四第一項 及び法第五十八条 に規定する高さ(北側の前面道路又は隣地との関係についての建築物の各部分の高さの最高限度が定められている場合におけるその高さに限る。)を算定する場合を除き、
階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の八分の一以内の場合においては、その部分の高さは、十二メートル(法第五十五条第一項 及び第二項 、法第五十六条の二第四項 、法第五十九条の二第一項 (法第五十五条第一項 に係る部分に限る。)並びに法別表第四(ろ)欄二の項、三の項及び四の項ロの場合には、五メートル)までは、当該建築物の高さに算入しない
    ハ 棟飾、防火壁の屋上突出部その他これらに類する屋上突出物は、当該建築物の高さに算入しない。」とあり、ロ に該当します。

答え:2 (ここは、過去問題をやっていれば、選択肢2 はすぐに分かった?)

平成21年度 管理業務主任者

【問 19】 建築基準法第20条により、政令で定める基準に従った構造計算によって確かめられる安全性を有しなければならないとされる建築物に関する次の記述の(ア)から(エ)の中に入る数値の組合せとして、正しいものはどれか。

 木造の建築物で(ア)以上の階数を有し、又は延べ面積が(イ)uを超えるもののうち、高さが13m又は軒の高さが9mを超えるもの。
 木造以外の建築物で(ウ)以上の階数を有し、又は延べ面積が(エ)uを超えるもののうち、政令で定めるもの。

*建築基準法第20条で指定されている、該当している、建築基準法第6条1項(建築物の建築等に関する申請及び確認)
 「第六条 建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。)その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。当該確認を受けた建築物の計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をして、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合も、同様とする。
   一 別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が百平方メートルを超えるもの
   
二 木造の建築物で三以上の階数を有し、又は延べ面積が五百平方メートル、高さが十三メートル若しくは軒の高さが九メートルを超えるもの
   
三 木造以外の建築物で二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超えるもの
   四 前三号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域若しくは準都市計画区域(いずれも都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。)若しくは景観法(平成十六年法律第百十号)第七十四条第一項の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く。)内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物」とあり、
 (ア)=3 以上の階数
 (イ)=延べ面積 500u超
 (ウ)=2 以上の階数
 (エ)=延べ面積 200u 超


答え:4 (出題意図が分からない。木造建築物は、3階以上と2階以上で何か変わっていたと記憶していた人なら、正解ができたかも。)

平成21年度 管理業務主任者

【問 24】 共同住宅の非常用の照明装置に関する次の記述のうち、建築基準法によれば、誤っているものはどれか。

1 住戸内には非常用の照明装置を設置する必要がない。

○ 正しい。 非常用の照明装置に関する出題も多い。 平成20年マンション管理士試験 「問20」 選択肢3 、平成19年管理業務主任者試験 「問21」 、平成15年マンション管理士試験 「問20」 など。ここの出題は、平成19年管理業務主任者試験 「問21」 が近い。
  設問が、共同住宅となっている点に注意のこと。建築基準法の規定を受けて、非常用の照明装置を設置する規定は建築基準法施行令第126条の4 (設置)
 「第百二十六条の四 法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物の居室、階数が三以上で延べ面積が五百平方メートルを超える建築物の居室、第百十六条の二第一項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室又は延べ面積が千平方メートルを超える建築物の居室及びこれらの居室から地上に通ずる廊下、階段その他の通路(採光上有効に直接外気に開放された通路を除く。)並びにこれらに類する建築物の部分で照明装置の設置を通常要する部分には、
非常用の照明装置を設けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物又は建築物の部分については、この限りでない。
    
一 一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸
    二 病院の病室、下宿の宿泊室又は寄宿舎の寝室その他これらに類する居室
    三 学校等
    四 避難階又は避難階の直上階若しくは直下階の居室で避難上支障がないものその他これらに類するものとして国土交通大臣が定めるもの」とあり、
 共同住宅では、非常用の照明装置を設置する必要がありません。

2 階数が3以上で延べ面積が500uを超える建築物の居室から地上に通ずる廊下、階段その他の通路には非常用の照明装置の設置義務があるが、採光上有効に直接外気に開放された通路などは免除される。

○ 正しい。 選択肢1で引用しました、建築基準法施行令第126条の4 (設置)
 「第百二十六条の四 法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物の居室、
階数が三以上で延べ面積が五百平方メートルを超える建築物の居室、第百十六条の二第一項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室又は延べ面積が千平方メートルを超える建築物の居室及びこれらの居室から地上に通ずる廊下、階段その他の通路(採光上有効に直接外気に開放された通路を除く。)並びにこれらに類する建築物の部分で照明装置の設置を通常要する部分には、非常用の照明装置を設けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物又は建築物の部分については、この限りでない。」とあり、採光上有効に直接外気に開放された通路などは免除されています。

3 非常用の照明装置において必要とされる照度の測定は、十分に補正された低照度測定用照度計を用いた物理測定方法によらなければならない。

○ 正しい。 ここは、建築基準法施行令第126条の5 に基づいた(昭和45年12月28日建設省告示第1830号) 最終改正 平成12年5月30日建設省告示第1405号
「 非常用の照明装置の構造方法を定める件」
  第4 その他
    一 非常用の照明装置は、常温下で床面において水平面照度で1ルクス(蛍光灯を用いる場合にあつては、2ルクス)以上を確保することができるものとしなればならない。
   
二 前号の水平面照度は、十分に補正された低照度測定用照度計を用いた物理測定方法によつて測定されたものとする。」とあり
 正しい。
  なお、照度計や物理測定方法に関心のある人は、NETで調べてください。JIS C1609、1993 の規格があります。
   *精密級... 研究室レベルで要求される高精度の照度測定
   *一般型AA級... 基準・規定の適合性評価などにおける、信頼される照度値が必要とされる場での照度測定
   *一般型A級... 実用的な照度値が要求される照度測定
   *一般型B級... 照度の目安が要求される照度測定  

4 停電時の予備電源として蓄電池を用いるものにあっては、充電を行うことなく20分間継続して点灯し、必要な照度を確保できるものでなければならない。

X 誤っている。 選択肢3と同じく、(昭和45年12月28日建設省告示第1830号) 最終改正 平成12年5月30日建設省告示第1405号
 「非常用の照明装置の構造方法を定める件」
  第3 電源
   一 常用の電源は、蓄電池又は交流低圧屋内幹線によるものとし、その開閉器には非常用の照明装置用である旨を表示しなければならない。
   二 予備電源は、常用の電源が断たれた場合に自動的に切り替えられて接続され、かつ、常用の電源が復旧した場合に自動的に切り替えられて復帰するものとしなければならない。
   三 予備電源は、自動充電装置又は時限充電装置を有する蓄電池(開放型のものにあつては、予備電源室その他これに類する場所に定置されたもので、かつ、減液警報装置を有するものに限る。以下この号において同じ。)又は蓄電池と自家用発電装置を組み合わせたもの(常用の電源が断たれた場合に直ちに蓄電池により非常用の照明装置を点灯させるものに限る。)で
充電を行うことなく30分間継続して非常用の照明装置を点灯させることができるものその他これに類するものによるものとし、その開閉器には非常用の照明装置用である旨を表示しなければならない。」とあり、20分でなく、30分です。

答え:4 (ここは、かなり難しい。 選択肢4の 30分 は知るわけない。私は、過去問題のデータがあったから建設省の告示がすぐに分かったけど、建設省の告示からの、しかも20分か30分かを問う出題方法は許されない。)

平成20年度 マンション管理士

〔問 20〕  各階における各居室の床面積の合計が150uの4階建て共同住宅(高さ15mで、主要構造物が耐火構造である耐火建築物)に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1  避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなければならない。

答え: 誤っている。 
  建築基準法からの出題は、ほとんどが、建築基準法施行令からの出題なので、建築基準法施行令を読んでおかないと正解は難しい。

また、建築基準法については、別途、マンション管理士・管理業務主任者試験用にまとめた、「超解説 建築基準法」も参照。

  避難階については、平成20年 管理業務主任者 試験 「問18」 の解説も参照。

   まず、避難階とは、直接地上に出られる階で、斜面などに建っている建物では通常の1階の他2階、3階などもある。
  直通階段とは、その避難階に他の階の階段を経由しなくてもいける1つの階段のこと。

  設問で数字が入り組んでいると分かり難い。4階建、床面積150u、主要構造物が耐火構造の共同住宅がカギ。
  避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなければならないのは、建築基準法施行令121条にある。その121条1項5号、6号ロ、及び2項。
 「第百二十一条  建築物の避難階以外の階が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その階から避難階又は地上に通ずる二以上の直通階段を設けなければならない。
  五  ホテル、旅館若しくは下宿の用途に供する階でその階における宿泊室の床面積の合計、
共同住宅の用途に供する階でその階における居室の床面積の合計又は寄宿舎の用途に供する階でその階における寝室の床面積の合計が、それぞれ百平方メートルを超えるもの
  六  前各号に掲げる階以外の階で次のイ又はロに該当するもの
     イ 六階以上の階でその階に居室を有するもの(第一号から第四号までに掲げる用途に供する階以外の階で、その階の居室の床面積の合計が百平方メートルを超えず、かつ、その階に避難上有効なバルコニー、屋外通路その他これらに類するもの及びその階から避難階又は地上に通ずる直通階段で第百二十三条第二項又は第三項の規定に適合するものが設けられているものを除く。)
     ロ 
五階以下の階でその階における居室の床面積の合計が避難階の直上階にあつては二百平方メートルを、その他の階にあつては百平方メートルを超えるもの
 2  
主要構造部が準耐火構造であるか、又は不燃材料で造られている建築物について前項の規定を適用する場合には、同項中「五十平方メートル」とあるのは「百平方メートル」と、「百平方メートル」とあるのは「二百平方メートル」と、「二百平方メートル」とあるのは「四百平方メートル」とする。 」
 とあり、通常共同住宅は、5階建以下なら、居室の床面積の合計が100uを超えると、その階から避難階または地上に通じる2つ以上の直通階段が必要とされるが、2項により、主要構造物が準耐火構造であれば、100uが200uとなり、設問の床面積150uでは、該当しなくなる。

2  各居室の壁(床面からの高さが1.2m以下の部分を除く。)及び天井の室内に面する部分を難燃材料で仕上げなくてもよい。

答え: 正しい。
  ここのカギは、「4階、150u、高さ15m」。調べると、建築基準法施行令129条が該当する。(特殊建築物等の内装)
  「第百二十九条  前条第一項第一号に掲げる特殊建築物は、当該各用途に供する居室(法別表第一(い)欄(二)項に掲げる用途に供する特殊建築物が耐火建築物又は法第二条 第九号の三 イに該当する準耐火建築物である場合にあつては、当該用途に供する特殊建築物の部分で床面積の合計百平方メートル(
共同住宅の住戸にあつては、二百平方 メートル)以内ごとに準耐火構造の床若しくは壁又は法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備で区画されている部分の居室を除く。)の壁(床面からの高さが一・二メートル以下の部分を除く。第四項において同じ。)及び天井(天 井のない場合においては、屋根。以下この条において同じ。)の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。以下この条において同 じ。)の仕上げを第一号に掲げる仕上げと、当該各用途に供する居室から地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げ を第二号に掲げる仕上げとしなければならない。
   一  次のイ又はロに掲げる仕上げ
     イ 難燃材料(三階以上の階に居室を有する建築物の当該各用途に供する居室の天井の室内に面する部分にあつては、準不燃材料)でしたもの
     ロ イに掲げる仕上げに準ずるものとして国土交通大臣が定める方法により国土交通大臣が定める材料の組合せによつてしたもの
   二  次のイ又はロに掲げる仕上げ
     イ 準不燃材料でしたもの
     ロ イに掲げる仕上げに準ずるものとして国土交通大臣が定める方法により国土交通大臣が定める材料の組合せによつてしたもの」とあり、
  そして、同条4項
  「4  階数が三以上で延べ面積が五百平方メートルを超える建築物、階数が二で延べ面積が千平方メートルを超える建築物又は階数が一で延ベ面積が三千平方メート ルを超える建築物(学校等の用途に供するものを除く。)は、居室(床面積の合計百平方メートル以内ごとに準耐火構造の床若しくは壁又は法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備で第百十二条第十四項第二号 に規定する構造であるもので区画され、かつ、法別表第一(い)欄に掲げる用途に供しない部分の居室で、
耐火建築物又は法第二条第九号の三 イに該当する準耐火建築物の高さが三十一メートル以下の部分にあるものを除く。)の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを次の各号のいずれかに掲げる仕 上げと、居室から地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを第一項第二号に掲げる仕上げとしなければならない。 ただし、同表(い)欄(二)項に掲げる用途に供する特殊建築物の高さ三十一メートル以下の部分については、この限りでない。
   一  難燃材料でしたもの
   二  前号に掲げる仕上げに準ずるものとして国土交通大臣が定める方法により国土交通大臣が定める材料の組合せでしたもの」とあり、
 マンションは共同住宅で特殊建築物(同施行令2条2号参照)ですが、高さが31m以下の場合には、各居室の壁及び天井の室内に面する部分を難燃材料で仕上げなくてもよさそうです。

3  各住戸において非常用の照明装置を設けなくてもよい。

答え: 正しい。 
  これは、過去もでている。平成19年 管理業務主任者 試験 「問21」、 平成15年マンション管理士 試験 「問20」
   建築基準法施行令126条の4 第四節 非常用の照明装置 (設置)
  「第百二十六条の四  法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物の居室、階数が三以上で延べ面積が五百平方メートルを超える建築物の居室、 第百十六条の二第一項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室又は延べ面積が千平方メートルを超える建築物の居室及びこれらの居室から地上に通ず る廊下、階段その他の通路(採光上有効に直接外気に開放された通路を除く。)並びにこれらに類する建築物の部分で照明装置の設置を通常要する部分には、非 常用の照明装置を設けなければならない。
ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物又は建築物の部分については、この限りでない。
   一  一戸建の住宅又は長屋若しくは
共同住宅の住戸
   二  病院の病室、下宿の宿泊室又は寄宿舎の寝室その他これらに類する居室
   三  学校等
   四  避難階又は避難階の直上階若しくは直下階の居室で避難上支障がないものその他これらに類するものとして国土交通大臣が定めるもの」とあり、共同住宅には適用されません。

4  敷地内には、屋外への出口から道又は公園、広場その他の空地に通ずる幅員が1.5m以上の通路を設けなければならない。

答え: 正しい。
  ここも、平成20年 管理業務主任者 試験 「問18」 選択肢4 のまま。
   建築基準法施行令128条 (敷地内の通路)
  「第百二十八条  敷地内には、第百二十三条第二項の屋外に設ける避難階段及び第百二十五条第一項の出口から道又は公園、広場その他の空地に通ずる
幅員が一・五メートル以上の通路を設けなければならない。」とあります。

答え:1 

平成20年度 マンション管理士

〔問 21〕 共同住宅の界壁に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1  共同住宅の各戸の界壁は、準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達するものとしなければならない。

答え: 正しい。 
   建築基準法施行令114条1項 (建築物の界壁、間仕切壁及び隔壁)
  「第百十四条  長屋又は共同住宅の各戸の界壁は、準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。 」とある。

界壁(かいへき)とは...アパートやマンション、昔の長屋など集合(共同)住宅の住戸と住戸の境目の壁のことを指します。各戸と各戸の間を区切っている壁のことです。
  隣接する住戸からの火災を防ぐために、耐火性能、また、隣戸からの音をさえぎる遮音性能の基準が法令により定められています。
  界壁は小屋裏または天井裏まですき間なく立ち上げることが義務づけられています。そして、隣接する住戸からの日常の生活音を衛生上支障がない程度になるよう、遮音構造としなければなりません。
  戸境壁(こざかいへき)、戸界壁ともいいます。

界壁(かいへき)は、天井まででなく、小屋裏または天井裏まで到達させることです。天井まででは、延焼防止になりません。

2  給水管、配電管その他の管が共同住宅の各戸の界壁を貫通する場合においては、当該管と界壁のすき間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。

答え: 正しい。 
  建築基準法施行令114条5項
  「5  第百十二条第十五項の規定は給水管、配電管その他の管が第一項の界壁、第二項の間仕切壁又は前二項の隔壁を貫通する場合に、同条第十六項の規定は換気、 暖房又は冷房の設備の風道がこれらの界壁、間仕切壁又は隔壁を貫通する場合に準用する。この場合において、同項中「特定防火設備」とあるのは、「第百九条 に規定する防火設備であつて通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後四十五分間加熱面以外の面に火炎を出さないものとして、国土交通大臣が定 めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの」と読み替えるものとする。」とあり、準用されている、建築基準法施行令112条15項と は、
  「15  給水管、配電管その他の管が第一項から第四項まで若しくは第十三項の規定による第百十五条の二の二第一項第一号に掲げる基準に適合する準耐火構造の床若 しくは壁、第五項若しくは第八項の規定による耐火構造の床若しくは壁、第九項本文、第十項本文若しくは第十二項の規定による準耐火構造の床若しくは壁又は 第十項ただし書の場合における同項ただし書のひさし、床、そで壁その他これらに類するもの(以下この項及び次項において「準耐火構造の防火区画」とい う。)を貫通する場合においては、
当該管と準耐火構造の防火区画とのすき間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。」とある。

3  換気、暖房又は冷房の設備の風道が共同住宅の各戸の界壁を貫通する場合においては、当該管の貫通する部分及び当該貫通する部分からそれぞれ両側に1.5m以内の距離にある部分を不燃材料で造らなければならない。

答え: 誤っている。
 選択肢2で引用した建築基準法施行令114条5項での、「同条第十六項の規定は換気、暖房又は冷房の設備の風道がこれらの界壁、間仕切壁又は隔壁を貫通する場合に準用するにより、準用される建築基準法施行令112条16項とは、
  「16  換気、暖房又は冷房の設備の風道が準耐火構造の防火区画を貫通する場合(国土交通大臣が防火上支障がないと認めて指定する場合を除く。)においては、当該風道の準耐火構造の防火区画を貫通する部分又はこれに近接する部分に、
特定防火設備(法 第二条第九号の二 ロに規定する防火設備によつて区画すべき準耐火構造の防火区画を貫通する場合にあつては、法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備)であつて、次に掲げる要件を満たすものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものを国 土交通大臣が定める方法により設けなければならない。
   一  火災により煙が発生した場合又は火災により温度が急激に上昇した場合に自動的に閉鎖するものであること。
   二  閉鎖した場合に防火上支障のない遮煙性能を有するものであること。」とあり、「貫通する部分からそれぞれ両側に1.5m以内の距離にある部分を不燃材料で造らなければならない」の規定はなさそうである。

4  給水管、配電管その他の管が共同住宅の各戸の界壁を貫通する場合においては、当該管界壁の貫通する部分及び当該貫通する部分からそれぞれ両側に1m以内の距離にある部分を不燃材料で造らなければならない。

答え: 正しい。 
  選択肢2で不燃材料で終わりかと思ったら、まだ、建築基準法施行令129条の2の5 1項7号に、この規定があった。
  「七  給水管、配電管その他の管が、第百十二条第十五項の準耐火構造の防火区画、第百十三条第一項の防火壁、第百十四条第一項の界壁、同条第二項の間仕切壁又 は同条第三項若しくは第四項の隔壁(以下この号において「防火区画等」という。)を貫通する場合においては、これらの管の構造は、次のイからハまでのいず れかに適合するものとすること。ただし、第百十五条の二の二第一項第一号に掲げる基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で建築物の他の 部分と区画されたパイプシャフト、パイプダクトその他これらに類するものの中にある部分については、この限りでない。
   イ 
給水管、配電管その他の管の貫通する部分及び当該貫通する部分からそれぞれ両側に一メートル以内の距離にある部分を不燃材料で造ること
   ロ 給水管、配電管その他の管の外径が、当該管の用途、材質その他の事項に応じて国土交通大臣が定める数値未満であること。
   ハ 防火区画等を貫通する管に通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後二十分間(第百十二条第一項から第四項まで、同条第五項(同条第 六項の規定により床面積の合計二百平方メートル以内ごとに区画する場合又は同条第七項の規定により床面積の合計五百平方メートル以内ごとに区画する場合に 限る。)、同条第八項(同条第六項の規定により床面積の合計二百平方メートル以内ごとに区画する場合又は同条第七項の規定により床面積の合計五百平方メー トル以内ごとに区画する場合に限る。)若しくは同条第十三項の規定による準耐火構造の床若しくは壁又は第百十三条第一項の防火壁にあつては一時間、第百十 四条第一項の界壁、同条第二項の間仕切壁又は同条第三項若しくは第四項の隔壁にあつては四十五分間)防火区画等の加熱側の反対側に火炎を出す原因となるき 裂その他の損傷を生じないものとして、国土交通大臣の認定を受けたものであること。」

答え:3 (何と細かく、知らない問題。共同住宅の界壁には、遮音性能が求められのは知っていたが。まだマニアックな出題をする出題者が残っている?)

平成20年度 管理業務主任者

【問 17】 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条の用語の定義に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 建築設備とは、建築物に設ける電気、ガス、給水、排水などの設備及び煙突、昇降機、避雷針をいい、建築物に含まれるものと、含まれないものに分けられる。

答え: 誤っている。 
  用語の定義は、平成14年 管理業務主任者 試験 「問17」にもある。
  建築設備とは、建築基準法第2条3号
  「三  建築設備(とは) 建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針をいう。 」とあり前半は正しい。
  では、建築物とは建築基準法第2条1号
  「一  建築物(とは) 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観 覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関 する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、
建築設備を含むものとする。 」とあり、建築物には建築設備も全部含まれている。これは、建築確認などをまとめてやるためと考えるといい。

2 主要構造部とは、壁、柱、床などであり、同法施行令第1条で定義される「構造耐力上主要な部分」と同じものである。

答え: 誤っている。 
  建築基準法第2条5号
  「五  
主要構造部(とは) 壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、附け柱、揚げ床、最下階の床、廻り舞台の床、小 ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。」とあり、基礎や最下階の床などが入っていない。ここは、防 火上での主要構造部を規定する。そして、同条施行令1条3号
  「三  
構造耐力上主要な部分(とは) 基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。)、床版、屋根 版又は横架材(はり、けたその他これらに類するものをいう。)で、建築物の自重若しくは積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動 若しくは衝撃を支えるものをいう。 」とあり、基礎なども入っている。主要構造部と構造耐力上主要な部分は異なっている

3 建築とは、建築物を新築し、増築し、又は改築することをいい、移転は含まれない。

答え: 誤っている。 
  建築の定義は、建築基準法第2条13号
  「十三  建築(とは) 建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。」とあり移転も入っている。

4 大規模の修繕とは、建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。

答え: 正しい。 
  建築基準法第2条14号
  「十四  大規模の修繕(とは) 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。 」とある。(注:ここでは、「主要構造部」です。「構造耐力上主要な部分」ではありませんよ。)

答え:4 (ここは易しい。)

平成20年度 管理業務主任者

【問 18】 共同住宅の避難施設等に関する次の記述のうち、建築基準法によれば、誤っているものはどれか。なお、主要構造部は耐火構造であり、避難階は1階とし、階避難安全検証法、全館避難安全検証法及び国土交通大臣の認定については考慮しないものとする。

1 該当階の住戸の床面積の合計が100uを超える場合、両側に居室のある共用廊下の幅は、1.6m以上としなければならない。

答え: 正しい。 
  避難階については、平成20年 マンション管理士 試験 「問20」 でも出た。
  建築基準法施行令にある。同119条 (廊下の幅)
  「第百十九条  廊下の幅は、それぞれ次の表に掲げる数値以上としなければならない。

 廊下の配置 両側に居室がある廊下における場合(単位 メートル) その他の廊下における場合(単位 メートル)   その他の廊下における場合(単位 メートル)
 廊下の用途
 小学校、中学校、高等学校又は中等教育学校における児童用又は生徒用のもの  二・三  一・八
 病院における患者用のもの、共同住宅の住戸若しくは住室の床面積の合計が百平方メートルをこえる階における共用のもの又は三室以下の専用のものを除き居室の床面積の合計が二百平方メートル(地階にあつては、百平方メートル)をこえる階におけるもの  一・六  一・二

2 避難階又は地上に通ずる直通階段までの歩行距離に関する制限については、住戸内の歩行距離を無視してよい。

答え: 誤りである。 
  言葉の意味が分かっていないと設問の意味がつかめない。
  まず、避難階とは、直接地上に出られる階で、斜面などに建っている建物では通常の1階の他2階、3階などもある。
  直通階段とは、その避難階に他の階の階段を経由しなくてもいける1つの階段のこと。
  そして、歩行距離とは、直通階段に到達するまでの長さで通常、廊下の長さと居室(住戸)内の一番奥(出入り口から一番遠い隅)から計る。
  その歩行距離は、主要構造部の構造と居室の種類によって異なる。(30m〜50m)。(建築基準法施行令120条参照)また、直通階段が2つ以上あれば、別の計算(重複距離)となる。(建築基準法施行令121条参照)
  階避難安全検証法での避難安全性能が確かめられれば除かれる。(建築基準法施行令129条の2参照)
 ということで、設問の「
歩行距離に関する制限については、住戸内の歩行距離を無視してよい」の規定はないため、誤り。

3 6階の居室の床面積の合計が200uを超える場合は、2以上の直通階段を設けなければならない。

答え: 正しい。 
  建築基準法施行令121条6号(二以上の直通階段を設ける場合)
  「第百二十一条  建築物の避難階以外の階が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その階から避難階又は地上に通ずる二以上の直通階段を設けなければならない。
  六  前各号に掲げる階以外の階で次のイ又はロに該当するもの
    イ 六階以上の階でその階に居室を有するもの(第一号から第四号までに掲げる用途に供する階以外の階で、その階の居室の床面積の合計が百平方メー トルを超えず、かつ、その階に避難上有効なバルコニー、屋外通路その他これらに類するもの及びその階から避難階又は地上に通ずる直通階段で第百二十三条第 二項又は第三項の規定に適合するものが設けられているものを除く。)
    ロ 五階以下の階でその階における居室の床面積の合計が避難階の直上階にあつては二百平方メートルを、その他の階にあつては百平方メートルを超えるもの」とあり、6階で居室の床面積がの合計が100uを超えると、2つ以上の直通階段が必要となる。

4 屋外に設ける避難階段及び避難階における屋外への出口から道又は公園、広場、その他の空地に通ずる敷地内の通路の幅員は、1.5m以上でなければならない。

答え: 正しい。 
  これは、平成20年 マンション管理士 試験 「問20」 選択肢4 でも出ている。
  建築基準法施行令128条 (敷地内の通路)
  「第百二十八条  敷地内には、第百二十三条第二項の
屋外に設ける避難階段及び第百二十五条第一項の出口から道又は公園、広場その他の空地に通ずる幅員が一・五メートル以上の通路を設けなければならない。」とあり、1.5mである。

答え:2 (またまた、細かなところからの出題だ。基本的に分かる人は少ない。2 とした人は運がいい。

平成20年度 管理業務主任者

【問 19】 建築物に作用する積載荷重及び外力に関する次の記述のうち、建築基準法によれば、誤っているものはどれか。

1 床の単位面積当たりの積載荷重は、構造計算の対象により異なり、その数値を大きい順に並べると、[床の構造計算をする場合]、[地震力を計算する場合]、[大ばり、柱又は基礎の構造計算をする場合]である。

答え: 誤っている。 
  前問に続き、知る分けないってところからの出題。解説者泣かせの問題。
  まず、建物には、風や雪、地震などの外からの力(ちから)がかり、また部屋の内部では家具や冷蔵庫などの積載荷重がかかることは分かる。
  これを受け、建築基準法第20条(構造耐力)
  「第二十条  建築物は、自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃に対して安全な構造のものとして、次の各号に掲げる建築物の区 分に応じ、それぞれ当該各号に定める基準に適合するものでなければならない。」とあり、この政令として、積載荷重については、建築基準法施行令85条(積載荷重)
  「第八十五条  建築物の各部の積載荷重は、当該建築物の実況に応じて計算しなければならない。ただし、次の表に掲げる室の床の積載荷重については、それぞれ同表の(い)、(ろ)又は(は)の欄に定める数値に床面積を乗じて計算することができる。

構造計算の対象   (い)  (ろ)  (は)
 室の種類  床の構造計算をする場合
(単位 一平方メートルにつきニュートン)
大ばり、柱又は基礎の構造計算をする場合
(単位 一平方メートルにつきニュートン) 
地震力を計算する場合
(単位 一平方メートルにつきニュートン) 
 (一) 住宅の居室、住宅以外の建築物における寝室又は病室   一、八〇〇  一、三〇〇  六〇〇
 (二)  事務室  二、九〇〇  一、八〇〇  八〇〇
 (三)  教室  二、三〇〇  二、一〇〇  一、一〇〇
 (四)  百貨店又は店舗の売場  二、九〇〇  二、四〇〇  一、三〇〇
 (五)  劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場その他これらに類する用途に供する建築物の客席又は集会室 固定席の場合 固定席の場合    二、九〇〇  二、六〇〇  一、六〇〇
その他の場合   三、五〇〇  三、二〇〇  二、一〇〇
 (六)  自動車車庫及び自動車通路  五、四〇〇  三、九〇〇  二、〇〇〇
 (七)  廊下、玄関又は階段 (三)から(五)までに掲げる室に連絡するものにあつては、(五)の「その他の場合」の数値による。 
 (八)  屋上広場又はバルコニー  (一)の数値による。ただし、学校又は百貨店の用途に供する建築物にあつては、(四)の数値による。

  とあり、この表によると、大き順に並べると、@床の構造計算をする場合 > A大ばり、柱又は基礎の構造計算をする場合 > B地震力を計算する場合 である。順序が誤っている。

2 積雪荷重は、[積雪の単位荷重]×[屋根の水平投影面積]×[その地方における垂直積雪量]として求めるが、積雪の単位荷重は積雪量1cmごとに20ニュートン/u以上としなければならない。なお、特定行政庁が規則で特段の定めをしていないものとする。

答え: 正しい。
  今度は、積雪荷重の計算式である。これは、建築基準法施行令86条 (積雪荷重)
  「第八十六条  
積雪荷重は、積雪の単位荷重に屋根の水平投影面積及びその地方における垂直積雪量を乗じて計算しなければならない
   2  前項に規定する積雪の単位荷重は、積雪量一センチメートルごとに一平方メートルにつき二十ニュートン以上としなければならない。ただし、特定行政庁は、 規則で、国土交通大臣が定める基準に基づいて多雪区域を指定し、その区域につきこれと異なる定めをすることができる。 」とある。

3 風圧力は、[速度圧]×[風力係数]として計算しなければならない。

答え: 正しい。 
  風圧力の計算式は、建築基準法施行令87条1項 (風圧力)
  「第八十七条  
風圧力は、速度圧に風力係数を乗じて計算しなければならない。」とある。

4 地上部分の地震力は、[当該部分の固定荷重と積載荷重の和]×[当該高さにおける地震層せん断力係数]として計算するが、特定行政庁が指定する多雪区域においては、固定荷重と積載荷重の和に更に積雪荷重を加えるものとする。

答え: 正しい。 
  地上部分の地震力は、建築基準法施行令88条1項 (地震力)
  「第八十八条  建築物の地上部分の地震力については、当該建築物の各部分の高さに応じ、当該高さの部分が支える部分に作用する全体の地震力として計算するものとし、そ の数値は、
当該部分の固定荷重と積載荷重との和(第八十六条第二項ただし書の規定により特定行政庁が指定する多雪区域においては、更に積雪荷重を加えるも のとする。)に当該高さにおける地震層せん断力係数を乗じて計算しなければならない。(以下略)...」とある。

答え:1 (ここも、1と解答した人は、運がいい。こんなの普通のマンション管理士・管理業務主任者試験を受ける人は勉強していない。ここまで必要とされる資格か? 出題者の頭を疑う。)

平成20年度 管理業務主任者

【問 21】 避雷設備に関する次の記述のうち、建築基準法によれば、誤っているものはどれか。

1 建築面積の8分の1以内の階段室を除いた高さが20mを超える建築物には、原則として避雷設備を設けなければならない。

答え: 誤っている。 
  避雷設備は、過去もよく出題がある。 平成16年 管理業務主任者 試験 「問25」,、 平成18年 マンション管理士 試験 「問21」 選択肢4 など。
  避雷設備については、建築基準法第33条 (避雷設備)
  「第三十三条  高さ二十メートルをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によつて安全上支障がない場合においては、この限りで ない。」とあり、単純に高さ20mを超える建築物で、建築面積は関係がない。避雷の主旨から考えれば、高さだけが絡む。

 なお、建築基準法施行令129条の14もある。(設置)
  「第百二十九条の十四  法第三十三条 の規定による避雷設備は、建築物の高さ二十メートルをこえる部分を雷撃から保護するように設けなければならない。」

2 避雷設備の構造方法を規定する日本工業規格が2003年に改正され、それに伴い建設省告示も改正されたが、それ以前の1992年の日本工業規格に適合するものは、現在の国土交通省告示に適合するものとみなされる。

答え: 適切である。 
  建築基準法施行令129条の15 (構造)
  「第百二十九条の十五  前条の避雷設備の構造は、次に掲げる基準に適合するものとしなければならない。
     一  雷撃によつて生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができるものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものであること。
     二  避雷設備の雨水等により腐食のおそれのある部分にあつては、腐食しにくい材料を用いるか、又は有効な腐食防止のための措置を講じたものであること。」とあり、
  平成12年建設省告示第1425号 
建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第129条の15第一号の規定に基づき、雷撃によって生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができる避雷設備の構造方法を次のように定める。
  「雷撃によって生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができる避雷設備の構造方法は、日本工業規格A4201(建築物等の避 雷設備(避雷針))―1992に適合する構造とすることとする。」とあり、これが改正され、(平成17年国土交通省告示第650号)
  平成12年建設省告示第1425号(雷撃によって生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができる避雷設備の構造方法を定める件)の一部を改正する件
  「建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第百二十九条の十五第一号
の規定に基づき、雷撃によって生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができる避雷設備の構造方法を次のように定める。
  「雷撃によって生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができる避雷設備の構造方法は、日本工業規格 四二〇一(建築物等の雷保護)―二〇〇三に規定する外部雷保護システムに適合する構造とすることとする。」とあり、附則2に
  「2
改正後の平成十二年建設省告示第千四百二十五号の規定の適用については、日本工業規格 A 四二〇一(建築物等の避雷設備(避雷針))―一九九二に適合する構造の避雷設備は、日本工業規格 A 四二〇一(建築物等の雷保護)―二〇〇三に規定する外部雷保護システムに適合するものとみなす。」とあり、旧(JIS A 4201ー1992)での適合も、新(JIS A 4201−2003)の適合とみなされている。

3 建物の雷撃に対する保護レベルは、TからWに区分されている。

答え: 適切である。 
  以前はなかった雷保護の効率として、保護レベルをTからWで分けている。ちなみに保護レベルTは保護効率98%で100回の落雷に対して98回は効果的に電撃を受け止める。保護レベルWは保護効率80%である。

4 定期的な検査を行うことを基本的条件として求めているが、その頻度については示されていない。

答え: 適切である? 
  検査の項目として、建設中や雷保護システムの施工完了後には検査を行うとあるが、保守の項目で、雷保護システムの信頼性を保つためには、 定期的な検査を行うことが基本的条件である。不備が確認された場合には遅滞なく修理を行わなければならない、とあるだけで、その頻度の明示はないようだ。

答え:1 (JISの内容まで踏み込むとは、適切な出題ではない。これも、根拠を探すのに、時間がかかる! 参考:マンション管理の知識 平成20年版 ページ747〜)

平成19年度 マンション管理士

〔問 20〕共同住宅の共用のエレベーターの検査及び報告に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 エレベーターの所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者。以下この間いにおいて同じ。)は、一級建築士、二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者(以下一級建築士等」という。)におおむね2年ごとに検査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。


注:建築基準法第12条は、平成28年6月施行で、改正があった。ここは、改正に未対応。

答え: 誤りである。 
  エレベーターに関しては出題傾向が高い。ここは、過去も出題されている。また、平成19年管理業務主任者試験【問19】も参考のこと。
    建築基準法12条3項「昇降機及び第六条第一項第一号に掲げる建築物その他第一項の政令で定める建築物の昇降機以外の建築設備(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物に設けるものを除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者は、当該建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者に検査(当該建築設備についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含む。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。」とあり、検査をする資格者は正しい。
 では、その報告の時期は、建築基準法施行規則6条(建築設備等の定期報告)
「  法第十二条第三項(法第八十八条第一項又は第三項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による報告の時期は、建築設備、法第六十六条に規定する工作物(高さ四メートルを超えるものに限る。)又は法第八十八条第一項に規定する昇降機等(以下この条において「建築設備等」という。)の種類、用途、構造等に応じて、おおむね六月から一年までの間隔をおいて特定行政庁が定める時期(法第十二条第三項の規定による指定があつた日以後の設置又は築造に係る建築設備等について、設置者又は築造主が法第七条第五項又は法第七条の二第五項の規定による検査済証の交付を受けた場合においては、その直後の時期を除く。)とする。」とあり、おおむね6ヶ月から1年までの間隔で行う。おおむね2年ごとではない。

★なお、国土交通大臣が定める資格を有する者とは、「建築基準適合判定資格者」と「昇降機検査資格者」という資格があります。

特定行政庁とは...建築基準法第2条33号
「三十三  特定行政庁 建築主事を置く市町村の区域については当該市町村の長をいい、その他の市町村の区域については都道府県知事をいう。ただし、第九十七条の二第一項又は第九十七条の三第一項の規定により建築主事を置く市町村の区域内の政令で定める建築物については、都道府県知事とする。 」とあり、その市町村に建築主事が置かれていれば、その市町村の長であるし、その市町村に建築主事が置かれていなければ、都道府県知事のこと。

*どうして、こんな面倒な、特定行政庁の規定があるのか
  建築主事は、建築に対して、法律的な面からだけ、審査しますが、建築基準法には、行政上の裁量を許す規定があります。
 その時の責任者として、市町村長や都道府県知事が求められます。

建築主事とは...では、建築主事の役目は、建築基準法4条(建築主事)
「第四条  政令で指定する人口二十五万以上の市は、その長の指揮監督の下に、第六条第一項の規定による確認に関する事務をつかさどらせるために、建築主事を置かなければならない。
  2  市町村(前項の市を除く。)は、その長の指揮監督の下に、第六条第一項の規定による確認に関する事務をつかさどらせるために、建築主事を置くことができる。 」とあり、建築の確認についての事務を行う人です。また、建築確認のほか、違反建築物への是正命令、斜線制限、絶対高さの制限などの各制限などを、建築基準法に基づいて行います。

2 特定行政庁は、所有者が提出した定期検査報告概要書について閲覧の請求があった場合には、これを閲覧させなければならない。

答え:正しい。 
  細かな出題である。これは、建築基準法施行規則11条の4(書類の閲覧等)
 「  法第九十三条の二(法第八十八条第二項において準用する場合を含む。)の国土交通省令で定める書類は、次の各号に掲げるものとする。ただし、それぞれの書類に記載すべき事項が特定行政庁の使用に係る電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスク等に記録され、必要に応じ特定行政庁において電子計算機その他の機器を用いて明確に紙面に表示されるときは、当該記録をもつてこれらの図書とみなす。
   一 別記第三号様式による建築計画概要書
   二 別記第十二号様式による築造計画概要書
   三 別記第三十六号の二の五様式による定期調査報告概要書
   四 別記第三十六号の三の二様式及び別記第三十六号の四の二様式による定期検査報告概要書
   五 処分等概要書
   六 全体計画概要書
 2 特定行政庁は、前項の書類を当該建築物が滅失し、又は除却されるまで、閲覧に供さなければならない。
 3 特定行政庁は、第一項の書類を閲覧に供するため、閲覧の場所及び閲覧に関する規程を定めてこれを告示しなければならない。 」とあり、定期検査報告概要書について閲覧の請求があった場合には、これを閲覧させなければならない。

3 特定行政庁は、エレベーターを検査した一級建築士等に対して、当該エレベーターに関する報告を求めることができる。

答え: 正しい。 
  建築基準法12条5項「 特定行政庁、建築主事又は建築監視員は、次に掲げる者に対して、建築物の敷地、構造、建築設備若しくは用途又は建築物に関する工事の計画若しくは施工の状況に関する報告を求めることができる。
   一  建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者、建築主、設計者、工事監理者又は工事施工者
   二  第一項の調査、第二項若しくは前項の点検又は第三項の検査をした一級建築士若しくは二級建築士又は第一項若しくは第三項の資格を有する者
   三  第七十七条の二十一第一項の指定確認検査機関
   四  第七十七条の三十五の五第一項の指定構造計算適合性判定機関 」とあり、2号により可能。

4 建築主事は、使用制限その他保安上必要な措置の勧告等のため、必要な限度において、共同住宅に立ち入り、エレベーターを検査することができる。

答え: 正しい。 
  建築基準法12条6項「建築主事又は特定行政庁の命令若しくは建築主事の委任を受けた当該市町村若しくは都道府県の職員にあつては第六条第四項、第六条の二第十一項、第七条第四項、第七条の三第四項、第九条第一項、第十項若しくは第十三項、第十条第一項から第三項まで、前条第一項又は第九十条の二第一項の規定の施行に必要な限度において、建築監視員にあつては第九条第十項の規定の施行に必要な限度において、当該建築物、建築物の敷地又は建築工事場に立ち入り、建築物、建築物の敷地、建築設備、建築材料、設計図書その他建築物に関する工事に関係がある物件を検査し、若しくは試験し、又は建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者、建築主、設計者、工事監理者若しくは工事施工者に対し必要な事項について質問することができる。ただし、住居に立ち入る場合においては、あらかじめ、その居住者の承諾を得なければならない。 」とあり、可能。

答え:1 (ここは、1がXと分かれば、後は知らなくてもOKか。)

平成19年度 マンション管理士

〔問 21〕耐火建築物としなくてもよい共同住宅は、建築基準法の規定によれば、次のうちどれか。ただし、地階はないものとする。

1 防火地域内にあって、階数が2で延べ面積が400uの共同住宅

答え: 耐火建築物としなければいけない。 
  この耐火建築物も過去に出題されている。
   建築基準法61条 (防火地域内の建築物)
「 防火地域内においては、階数が三以上であり、又は延べ面積が百平方メートルを超える建築物は耐火建築物とし、その他の建築物は耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。ただし、次の各号の一に該当するものは、この限りでない。
   一  延べ面積が五十平方メートル以内の平家建の附属建築物で、外壁及び軒裏が防火構造のもの
   二  卸売市場の上家又は機械製作工場で主要構造部が不燃材料で造られたものその他これらに類する構造でこれらと同等以上に火災の発生のおそれの少ない用途に供するもの
   三  高さ二メートルを超える門又は塀で不燃材料で造り、又は覆われたもの
   四  高さ二メートル以下の門又は塀 」
  とあり、防火地域内では、延べ面積が100uを超える400uなら、階数が2であっても建築物は耐火建築物とすること。

2 準防火地域内にあって、階数が3で延べ面積が1,800uの共同住宅

答え: 耐火建築物としなければいけない。 
  建築基準法62条(準防火地域内の建築物)
「 準防火地域内においては、地階を除く階数が四以上である建築物又は延べ面積が千五百平方メートルを超える建築物は耐火建築物とし、延べ面積が五百平方メートルを超え千五百平方メートル以下の建築物は耐火建築物又は準耐火建築物とし、地階を除く階数が三である建築物は耐火建築物、準耐火建築物又は外壁の開口部の構造及び面積、主要構造部の防火の措置その他の事項について防火上必要な政令で定める技術的基準に適合する建築物としなければならない。ただし、前条第二号に該当するものは、この限りでない。
 2  準防火地域内にある木造建築物等は、その外壁及び軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造とし、これに附属する高さ二メートルを超える門又は塀で当該門又は塀が建築物の一階であるとした場合に延焼のおそれのある部分に該当する部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない。 」
  とあり、準防火地域内では、階数が3であっても、延べ面積が1,500uを超える1,800uは耐火建築物とすること。

3 準防火地域内にあって、階数が3で延べ面積が900uの一定の技術的基準に適合している共同住宅

答え: 耐火建築物としなくてもよい。 
  選択肢2で述べたように、建築基準法62条により、準防火地域内での階数3で、延べ面積が900uなら、耐火または準耐火建築物とすることもできる。特に耐火建築物としなくてもよい。

4 階数が4で延べ面積が1,200uの共同住宅

答え: 耐火建築物としなければいけない。 
  選択肢1及び2で述べたように、建築基準法61条と同法62条により、階数が4以上となると延べ面積も防火地域も準防火地域にも関係なく、全部、耐火建築物としなければならない。

答え:3

平成19年度 管理業務主任者

【問 17】建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条の用語の定義に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 耐火性能とは、通常の火災が終了するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。

答え: 正しい。 
  この建築基準法2条の定義は、良く出題されている。
    建築基準法2条「 七  耐火構造 壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、耐火性能(通常の火災が終了するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄筋コンクリート造、れんが造その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。」
  とある。正しい。

2 準耐火性能とは、通常の火災による延焼を抑制するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。

答え: 正しい。 
  建築基準法2条「七の二  準耐火構造 壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、準耐火性能(通常の火災による延焼を抑制するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。第九号の三ロ及び第二十七条第一項において同じ。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。」
  とある。正しい。

3 防火性能とは、当該建築物で発生した通常の火災が、周囲建築物に延焼することを抑制するために当該建築物の内壁又は天井に必要とされる性能をいう。

答え: 誤りである。 
  建築基準法2条「八  防火構造 建築物の外壁又は軒裏の構造のうち、防火性能(建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼を抑制するために当該外壁又は軒裏に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄網モルタル塗、しつくい塗その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。」とあり、「当該建築物で発生した」ではなく、「建築物の周囲において発生する」である。また、防火性能が求められているのは、「内壁又は天井」でなく「外壁又は軒裏」でもある。誤りである。燃え易い外壁と軒裏に対して延焼し難い性能を求めている。

4 遮炎性能とは、通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。

答え: 正しい。 
  建築基準法2条「九の二  耐火建築物 次に掲げる基準に適合する建築物をいう。
   イ その主要構造部が(1)又は(2)のいずれかに該当すること。
   (1) 耐火構造であること。
   (2) 次に掲げる性能(外壁以外の主要構造部にあつては、(i)に掲げる性能に限る。)に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。
     (i) 当該建築物の構造、建築設備及び用途に応じて屋内において発生が予測される火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
     (ii) 当該建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
  ロ その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が遮炎性能(通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を有すること。」
  とあり、ロにより正しい。

答え:3 (耐火とは、防火とは、が理解していれば、できる?)

平成19年度 管理業務主任者

【問 18】建築基準法における容積率算定において、延べ面積にすべてを算入しなければならないものは、次のうちどれか。

1 建築基準法施行令第2条第1項第8号により、階数に算入しない昇降機塔の屋上部分の床面積

答え: すべてを算入する。
  
設問が細かい。しかし、施行令からも良く出題されている。似たような問題は、平成17年 マンション管理士試験 問22 にもある。
    建築基準法での容積率とは、同法52条1項(容積率)
「  建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(以下「容積率」という。)は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数値以下でなければならない。ただし、当該建築物が第五号に掲げる建築物である場合において、第三項の規定により建築物の延べ面積の算定に当たりその床面積が当該建築物の延べ面積に算入されない部分を有するときは、当該部分の床面積を含む当該建築物の容積率は、当該建築物がある第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域又は準工業地域に関する都市計画において定められた第二号に定める数値の一・五倍以下でなければならない。」
  とあり、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合であり、建ぺい率(建築物の建築面積の敷地面積に対する割合。同法53条)と共に建築では、重要な要素である。
 そして、建築物の延べ面積とは、建築基準法施行令2条
  「四  延べ面積 建築物の各階の床面積の合計による。ただし、法第五十二条第一項 に規定する延べ面積(建築物の容積率の最低限度に関する規制に係る当該容積率の算定の基礎となる延べ面積を除く。)には、自動車車庫その他の専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設(誘導車路、操車場所及び乗降場を含む。)の用途に供する部分の
床面積を算入しない。」
  とあり、算入する建築物や床面積が規定されている。

 これらを踏まえ、 階数に算入しない昇降機塔の屋上部分とは、建築基準法施行令2条1項
  「八  階数  昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これらに類する建築物の屋上部分又は地階の倉庫、機械室その他これらに類する建築物の部分で、水平投影面積の合計がそれぞれ当該建築物の建築面積の八分の一以下のものは、当該建築物の階数に算入しない。また、建築物の一部が吹抜きとなつている場合、建築物の敷地が斜面又は段地である場合その他建築物の部分によつて階数を異にする場合においては、これらの階数のうち最大なものによる。」
  とあり、
 階数には、水平投影面積の合計がそれぞれ当該建築物の建築面積の八分の一以下のものは、当該建築物の階数に算入しない、が容積率の算定においては、同施行令4項
  「 第一項第六号ロ又は第八号の場合における水平投影面積の算定方法は、同項第二号の建築面積の算定方法によるものとする。 」
  とあり、同項第二号は、
「 建築面積 建築物(地階で地盤面上一メートル以下にある部分を除く。以下この号において同じ。)の外壁又はこれに代わる柱の中心線(軒、ひさし、はね出し縁その他これらに類するもので当該中心線から水平距離一メートル以上突き出たものがある場合においては、その端から水平距離一メートル後退した線)で囲まれた部分の水平投影面積による。ただし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の建築物又はその部分については、その端から水平距離一メートル以内の部分の水平投影面積は、当該建築物の建築面積に算入しない。」
  とあり、 除外の規定がないので算入となる。

2 自動車車庫の用途に供する部分の床面積

答え: 一部は算入しない。
  選択肢1で述べたように、建築基準法施行令2条1項4号
  「四  延べ面積 建築物の各階の床面積の合計による。ただし、法第五十二条第一項 に規定する延べ面積(建築物の容積率の最低限度に関する規制に係る当該容積率の算定の基礎となる延べ面積を除く。)には、自動車車庫その他の専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設(誘導車路、操車場所及び乗降場を含む。)の用途に供する部分の床面積を算入しない。
  とあり、
  全部が算入されないかと思うが、さらに、建築基準法施行令2条3項
  「  第一項第四号ただし書の規定は、同項に規定する専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設の用途に供する部分の床面積については、当該敷地内の建築物の各階の床面積の合計(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、それらの建築物の各階の床面積の合計の和)の五分の一を限度として適用するものとする。」
  とあり、自動車または自転車の車庫部分の床面積は、延べ面積の1/5を限度として延べ面積に算入されない。

3 地階でその天井が地盤面からの高さ1m以下にあるものの住宅の用途に供する部分の床面積

答え:一部は算入しない。
  建築基準法52条3項
 「 第一項(ただし書を除く。)、前項、第七項、第十二項及び第十四項、第五十七条の二第三項第二号、第五十七条の三第二項、第五十九条第一項及び第三項、第五十九条の二第一項、第六十条第一項、第六十条の二第一項及び第四項、第六十八条の三第一項、第六十八条の四、第六十八条の五(第二号イを除く。第六項において同じ。)、第六十八条の五の二(第二号イを除く。第六項において同じ。)、第六十八条の五の三第一項(第一号ロを除く。第六項において同じ。)、第六十八条の五の四(ただし書及び第一号ロを除く。)、第六十八条の五の五第一項第一号ロ、第六十八条の八、第六十八条の九第一項、第八十六条第三項及び第四項、第八十六条の二第二項及び第三項、第八十六条の五第三項並びに第八十六条の六第一項に規定する建築物の容積率(第五十九条第一項、第六十条の二第一項及び第六十八条の九第一項に規定するものについては、建築物の容積率の最高限度に係る場合に限る。第六項において同じ。)の算定の基礎となる延べ面積には、建築物の地階でその天井が地盤面からの高さ一メートル以下にあるものの住宅の用途に供する部分(共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分を除く。以下この項において同じ。)の床面積(当該床面積が当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の三分の一を超える場合においては、当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の三分の一)は、算入しないものとする。」
  とあり、容積率の算定において、地階でその天井が地盤面から高さ1m以下にあるものの住宅の用途に供する部分の床面積は、この建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の1/3を限度として延べ面積に算入されない。

4 共同住宅の共用の廊下と階段の用に供する部分の床面積

答え:全部を算入しない。
  建築基準法52条6項
 「  第一項、第二項、次項、第十二項及び第十四項、第五十七条の二第三項第二号、第五十七条の三第二項、第五十九条第一項及び第三項、第五十九条の二第一項、第六十条第一項、第六十条の二第一項及び第四項、第六十八条の三第一項、第六十八条の四、第六十八条の五、第六十八条の五の二、第六十八条の五の三第一項、第六十八条の五の四(第一号ロを除く。)、第六十八条の五の五第一項第一号ロ、第六十八条の八、第六十八条の九第一項、第八十六条第三項及び第四項、第八十六条の二第二項及び第三項、第八十六条の五第三項並びに第八十六条の六第一項に規定する建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積には、共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積は、算入しないものとする。」
  とあり、マンションの共用の廊下又は階段は、道と考えて算入なし。

答え:1 (選択肢1は、引っ掛け問題だ。良くない。この容積率の緩和と延べ面積の関係は、チャンと理解しておくこと。)

平成19年度 管理業務主任者

【問 19】昇降機についての定期検査をすることができる者が有しなければならない資格として、建築基準法第12条第3項の定める内容に適合しないものは、次のうちどれか。


注:建築基準法第12条は、平成28年6月施行で、改正があった。ここは、改正に未対応。

1 一級建築士

答え:適合する。
  定期検査をすることのできる資格は、平成19年マンション管理士試験【問20】でも出ているし、過去にも良く出題される。
    昇降機の扱いは、他の建築設備と異なっていることに注意。
    建築基準法12条3項
  「  昇降機及び第六条第一項第一号に掲げる建築物その他第一項の政令で定める建築物の昇降機以外の建築設備(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物に設けるものを除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者は、当該建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者に検査(当該建築設備についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含む。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。」
 これを受けた国土交通大臣が定める資格を有する者は、建築基準法施行規則第四条の二十 2項
  「 法第十二条第三項 の規定に基づき昇降機(法第八十八条第一項 に規定する昇降機等を含む。以下この条及び第六条において同じ。)について検査を行う国土交通大臣の定める資格を有する者(以下「昇降機検査資格者」という。)は、国土交通大臣が定める要件を満たし、かつ、次のいずれかに該当する者とする。
   一  建築基準適合判定資格者
   二  昇降機検査資格者として必要な知識及び技能を修得させるための講習であつて、第四条の三十六及び第四条の三十七において準用する次条(第一項を除く。)から第四条の二十三までの規定により国土交通大臣の登録を受けたもの(以下「登録昇降機検査資格者講習」という。)を修了した者
   三  前二号に掲げる者のほか国土交通大臣の定める資格を有する者 。」
  とあり、一級建築士は可能。(大体一級建築士は、何でもできるようだ。)

2 二級建築士

答え:適合する。 
  二級建築士も選択肢1で述べた、資格に該当している。

3 国土交通大臣が定める要件を満たし、かつ、国土交通大臣の登録を受けた建築設備検査資格者講習の修了者に該当する者

答え:適合しない。
  選択肢1で述べたように、昇降機の検査は特別扱いで、建築基準適合判定資格者と昇降機検査資格者は出来るが、「建築設備検査資格者」は入っていない。
  なお、建築設備検査資格者とは、建築基準法第12条第2項の規定に基づき、定期的に建築設備(換気設備、排煙設備、非常用の照明装置、給水設備及び排水設備)の安全確保のための検査を行い、その結果を特定行政庁へ報告する制度の定期検査を行うことのできる資格。

4 国土交通大臣が定める要件を満たし、かつ、建築基準適合判定資格者に該当する者

答え: 適合する。
  選択肢1で述べたように、 建築基準適合判定資格者は入っている。
  なお、建築基準適合判定資格者とは、建築物の構造、面積、敷地、設備等が建築基準法に違反していないかどうかの確認を行ったり、建築物が完成した際に、工事が確認どおりに行われたかどうかの最終的な検査も行ったりする。
従来の建築主事資格にかわり、建築確認業務の民間開放に伴って制定された資格。
 また、受験資格が厳しい。一級建築士に合格したもので、建築行政又は、建築基準法第77条の18第1項の確認検査の業務その他これに類する業務で政令に定めるものに関して2年以上の実務の経験を有するものが受験できる。

答え:3  (しかし、国土交通省は様々な資格を設定して、天下り機関に講習会や試験をやらせているものだ。)

平成19年度 管理業務主任者

【問 20】昇降機に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 乗用エレベーターのかごの積載荷重の最小値は、単位床面積当たりでは、床面積が小さいものほど大きくしなければならない。

答え:誤りである。 
  これも、また細かな設問だ。根拠を探すだけでも時間がかかる。ここまで知る必要性を疑う。だけど、過去にもこのあたりから「非常用の照明装置」など出題されている。
 乗用エレベーターの積載荷重については、建築基準法施行令129条の5(エレベーターの荷重)
「 エレベーターの各部の固定荷重は、当該エレベーターの実況に応じて計算しなければならない。
  2  エレベーターのかごの積載荷重は、当該エレベーターの実況に応じて定めなければならない。ただし、かごの種類に応じて、次の表に定める数値(用途が特殊なエレベーターで国土交通大臣が定めるものにあつては、当該用途に応じて国土交通大臣が定める数値)を下回つてはならない。
 ● 乗用エレベーター(人荷共用エレベーターを含み、寝台用エレベーターを除く。以下この節において同じ。)のかご
  * 床面積が一・五平方メートル以下のもの...床面積一平方メートルにつき三、六〇〇として計算した数値
  * 床面積が一・五平方メートルを超え三平方メートル以下のもの...床面積の一・五平方メートルを超える面積に対して一平方メートルにつき四、九〇〇として計算した数値に五、四〇〇を加えた数値 
  * 床面積が三平方メートルを超えるもの...床面積の三平方メートルを超える面積に対して一平方メートルにつき五、九〇〇として計算した数値に一三、〇〇〇を加えた数値」
  とある。
 これによると、床面積が小さいほど、積載荷重も小さくていい。誤りである。
  ところで、積載荷重とは、構造物に乗せる可動の物体の重さによる力。鉛直方向に加わる力。具体的には、建築では人や家具など、土木では車や電車などの重さのことを示す。積載荷重は、常に変動する。そのため、最小の場合と最大の場合、もしくは、標準的に定められた値について計算する。

2 乗用エレベーターの最大定員の算定においては、1人当たりの体重を60sとして計算しなければならない。

答え:誤りである。 
  これは、過去にも出ている。平成16年 管理業務主任者試験 問20。細かいけど、65kg/一人を知っていた人もいるかも。
  建築基準法施行令129条の6 (エレベーターのかごの構造)
「 エレベーターのかごは、次に定める構造としなければならない。
   一  各部は、かご内の人又は物による衝撃に対して安全なものとすること。
   二  構造上軽微な部分を除き、難燃材料で造り、又は覆うこと。ただし、地階又は三階以上の階に居室を有さない建築物に設けるエレベーターのかごその他防火上支障のないものとして国土交通大臣が定めるエレベーターのかごにあつては、この限りでない。
   三  かご内の人又は物がつり合おもり、昇降路の壁等かご外の物に触れるおそれのない構造とした壁又は囲い及び出入口の戸を設けること。
   四  非常の場合においてかご内の人を安全にかご外に救出することができる開口部をかごの天井部に設けること。
   五  用途及び積載量(キログラムで表した重量とする。以下同じ。)並びに乗用エレベーター及び寝台用エレベーターにあつては最大定員(積載荷重を第百二十九条の五第二項の表に定める数値とし、重力加速度を九・八メートル毎秒毎秒と、一人当たりの体重を六十五キログラムとして計算した定員をいう。以下この節において同じ。)を明示した標識をかご内の見やすい場所に掲示すること。 」
  とあり、5号により、60kg/一人は誤り。65kgが一人の平均体重ってことか。

3 エレベーターの出入口の床先とかごの床先の水平距離は、6cm以下としなければならない。

答え:誤りである。 
  これは、建築基準法施行令129条の7(エレベーターの昇降路の構造)
「エレベーターの昇降路は、次に定める構造としなければならない。
   一  昇降路外の人又は物がかご又はつり合おもりに触れるおそれのない構造とした丈夫な壁又は囲い及び出入口(非常口を含む。以下この節において同じ。)の戸を設けること。
   二  構造上軽微な部分を除き、昇降路の壁又は囲い及び出入口の戸は、難燃材料で造り、又は覆うこと。ただし、地階又は三階以上の階に居室を有さない建築物に設けるエレベーターの昇降路その他防火上支障のないものとして国土交通大臣が定めるエレベーターの昇降路にあつては、この限りでない。
   三  出入口の床先とかごの床先との水平距離は、四センチメートル以下とし、乗用エレベーター及び寝台用エレベーターにあつては、かごの床先と昇降路壁との水平距離は、十二・五センチメートル以下とすること。
   四  昇降路内には、次のいずれかに該当するものを除き、突出物を設けないこと。
     イ レールブラケットその他のエレベーターの構造上昇降路内に設けることがやむを得ないもの(ロに掲げる配管設備を除く。)であつて、地震時においても鋼索、電線その他のものの機能に支障が生じないように必要な措置が講じられたもの
     ロ 第百二十九条の二の五第一項第三号ただし書の配管設備で同条の規定に適合するもの」
  とあり、6cm以下でなく4cm以下で、設問は誤り。(しかし、4cmでも6cmでもここまで憶える必要性があるのか? 管理業務主任者が定規をもって現場で計るのか?)

4 光ファイバー又は光ファイバーケーブル(電気導体を組み込んだものを除く。)は、昇降機に必要な配管設備でなくても昇降路内に設けることができる場合がある。

答え:正しい。 
  今度は、昇降機での配管である。これは、建築基準法施行令129条の2の5(給水、排水その他の配管設備の設置及び構造)
「 建築物に設ける給水、排水その他の配管設備の設置及び構造は、次に定めるところによらなければならない。
   一  コンクリートへの埋設等により腐食するおそれのある部分には、その材質に応じ有効な腐食防止のための措置を講ずること。
   二  構造耐力上主要な部分を貫通して配管する場合においては、建築物の構造耐力上支障を生じないようにすること。
   三  第百二十九条の三第一項第一号又は第三号に掲げる昇降機の昇降路内に設けないこと。ただし、地震時においても昇降機のかご(人又は物を乗せ昇降する部分をいう。以下同じ。)の昇降、かご及び出入口の戸の開閉その他の昇降機の機能並びに配管設備の機能に支障が生じないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの及び国土交通大臣の認定を受けたものは、この限りでない。」
  とあり、3号の例外を受けた
  平成17年6月1日 国土交通省告示第570号(平成17年6月1日施行) 「 昇降機の昇降路内に設けることができる配管設備の構造方法を定める件」
  建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第129条の2の5第1項第三号ただし書の規定に基づき、昇降機の昇降路内に設けることができる配管設備で、地震時においても昇降機のかごの昇降、かご及び出入口の戸の開閉その他の昇降機の機能並びに配管設備の機能に支障がないものの構造方法を次のように定める。

  建築基準法施行令第129条の2の5第1項第三号ただし書に規定する昇降機の昇降路内に設けることができる配管設備で、地震時においても昇降機のかごの昇降、かご及び出入口の戸の開閉その他の昇降機の機能並びに配管設備の機能に支障がないものの構造方法は、次の各号に適合するものでなければならない。
   一 次のいずれかに該当するものであること。
      イ 昇降機に必要な配管設備
      ロ 光ファイバー又は光ファイバーケーブル(電気導体を組み込んだものを除く。)でイに掲げるもの以外のもの
      ハ ロに掲げる配管設備のみを通すための配管設備
   二 地震時においても昇降機のかご又はつり合おもりに触れるおそれのないものであること。
   三 第一号ロ又はハに掲げるものにあっては、次に適合するものであること。
      イ 地震時においても鋼索、電線その他のものの機能に支障が生じない構造のものであること。
      ロ 昇降機の点検を行う者の見やすい場所に当該配管設備の種類が表示されているものであること。
   四 第一号ハに掲げるものにあっては、前号に規定するほか、難燃材料で造り、又は覆ったものであること。」
   とあり、ロにより正しい。

答え:4

平成19年度 管理業務主任者

【問 21】共同住宅の非常用の照明装置に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 住戸内には非常用の照明装置を設けない設計とすることができる。

答え:正しい。 
  上の{問20}で説明したが、共同住宅の非常用の照明装置は過去にも出題されている。
    非常用の照明装置については、建築基準法施行令126条の4(設置)
「 法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物の居室、階数が三以上で延べ面積が五百平方メートルを超える建築物の居室、第百十六条の二第一項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室又は延べ面積が千平方メートルを超える建築物の居室及びこれらの居室から地上に通ずる廊下、階段その他の通路(採光上有効に直接外気に開放された通路を除く。)並びにこれらに類する建築物の部分で照明装置の設置を通常要する部分には、非常用の照明装置を設けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物又は建築物の部分については、この限りでない
  一  一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸
  二  病院の病室、下宿の宿泊室又は寄宿舎の寝室その他これらに類する居室
  三  学校等
  四  避難階又は避難階の直上階若しくは直下階の居室で避難上支障がないものその他これらに類するものとして国土交通大臣が定めるもの 」
  とあり、1号により、「一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸」は設置しなくてもいい。マンションで非常用の照明装置があるのは高級マンションです。

2 非常用の照明装置が必要な部分は、蛍光灯の間接照明とし、床面から1mの高さにおいて2ルクス以上の照度を確保しなければならない。

答え:誤りである。 
  非常用の照明装置の構造は、建築基準法施行令126条の5(構造)
「 前条の非常用の照明装置は、次の各号のいずれかに定める構造としなければならない。
   一  次に定める構造とすること。
     イ 照明は、直接照明とし、床面において一ルクス以上の照度を確保することができるものとすること
     ロ 照明器具の構造は、火災時において温度が上昇した場合であつても著しく光度が低下しないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとすること。
     ハ 予備電源を設けること。
     ニ イからハまでに定めるもののほか、非常の場合の照明を確保するために必要があるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとすること。」
  とあり、「蛍光灯の間接照明」ではなく、「直接照明」であり、また、「床面から1mの高さにおいて2ルクス以上の照度」でもなく、「床面において、1ルクス以上の照度」である。

 なお、蛍光灯を非常照明に使うときは、 (昭和45年12月28日建設省告示第1830号) 最終改正 平成12年5月30日建設省告示第1405号
「 非常用の照明装置の構造方法を定める件」
  第4 その他
    一 非常用の照明装置は、常温下で床面において水平面照度で1ルクス(蛍光灯を用いる場合にあつては、2ルクス)以上を確保することができるものとしなればならない。
    二 前号の水平面照度は、十分に補正された低照度測定用照度計を用いた物理測定方法によつて測定されたものとする。」
  の規定もある。

3 予備電源は、常用の電源が断たれた場合に自動的に切り替えられて接続され、かつ、常用の電源が復旧した場合に自動的に切り替えられて復帰するものとしなければならない。

答え:正しい。 
  選択肢2で述べた建築基準法施行令126条の5(ハ)により、非常用の照明装置には、予備電源を設けることになり、これをうけ、同じ選択肢2の
 (昭和45年12月28日建設省告示第1830号) 最終改正 平成12年5月30日建設省告示第1405号
 「非常用の照明装置の構造方法を定める件」
 第3 電源
   一 常用の電源は、蓄電池又は交流低圧屋内幹線によるものとし、その開閉器には非常用の照明装置用である旨を表示しなければならない。
   二 予備電源は、常用の電源が断たれた場合に自動的に切り替えられて接続され、かつ、常用の電源が復旧した場合に自動的に切り替えられて復帰するものとしなければならない。
   三 予備電源は、自動充電装置又は時限充電装置を有する蓄電池(開放型のものにあつては、予備電源室その他これに類する場所に定置されたもので、かつ、減液警報装置を有するものに限る。以下この号において同じ。)又は蓄電池と自家用発電装置を組み合わせたもの(常用の電源が断たれた場合に直ちに蓄電池により非常用の照明装置を点灯させるものに限る。)で充電を行うことなく30分間継続して非常用の照明装置を点灯させることができるものその他これに類するものによるものとし、その開閉器には非常用の照明装置用である旨を表示しなければならない。」
  とあり、2号により、正しい。

4 非常用の照明装置の水平面の照度測定は、十分に補正された低照度測定用照度計を用いた物理測定方法によって行わなければならない。

答え:正しい。 
  選択肢2で引用した、(昭和45年12月28日建設省告示第1830号) 最終改正 平成12年5月30日建設省告示第1405号
「 非常用の照明装置の構造方法を定める件」
  第4 その他
   二 前号の水平面照度は、十分に補正された低照度測定用照度計を用いた物理測定方法によつて測定されたものとする。
  の規定により、正しい。
   でも、文章が正しいと分かっても、照度計や物理測定方法に関心のある人は、NETで調べてください。JIS C1609、1993 の規格がありますよ。
   *精密級... 研究室レベルで要求される高精度の照度測定
   *一般型AA級... 基準・規定の適合性評価などにおける、信頼される照度値が必要とされる場での照度測定
   *一般型A級... 実用的な照度値が要求される照度測定
   *一般型B級... 照度の目安が要求される照度測定
 

答え:2 (実に細かいところまで出題される!)

平成19年度 管理業務主任者

【問 23】給排水衛生設備に関する次の事項のうち、建築基準法、同法施行令、同法施行規則及び関係告示において数値が明示されているものはどれか。

1 飲料水の配管設備において、水の逆流防止のために必要な水槽、流しなどのあふれ縁と水栓の垂直距離

答え: 数値は明示されていない? 
  しかし、これもあちらこちらの該当の規定を探すのに時間がかかる。
  この設問とピッタリの文章はないが、建築基準法施行令129条の2の5「二  水槽、流しその他水を入れ、又は受ける設備に給水する飲料水の配管設備の水栓の開口部にあつては、これらの設備のあふれ面と水栓の開口部との垂直距離を適当に保つ等有効な水の逆流防止のための措置を講ずること。 」とあり、具体的な数値はないようだ。

2 給水タンクに設置する通気管の有効断面積

答え: 数値は明示されていない?
   設問に近い告示は、昭和50年12月20日建告第1597号(最終改正:平成12年建設省告示第1406号)
「建築物に設ける飲料水の配管設備及び排水のための配管設備の構造方法を定める件」
  二  給水タンク及び貯水タンク
   イ  建築物の内部、屋上又は最下階の床下に設ける場合においては、次に定めるところによること。
     (1)  外部から給水タンク又は貯水タンク(以下「給水タンク等」という。)の天井、底又は周壁の保守点検を容易かつ安全に行うことができるように設けること。
     (2)  給水タンク等の天井、底又は周壁は、建築物の他の部分と兼用しないこと。
     (3)  内部には、飲料水の配管設備以外の配管設備を設けないこと。
     (4)  内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる位置に、次に定める構造としたマンホールを設けること。ただし、給水タンク等の天井がふたを兼ねる場合においては、この限りでない。
       (い)  内部が常時加圧される構造の給水タンク等(以下「圧力タンク等」という。)に設lける場合を除き、ほこりその他衛生上有害なものが入らないように有効に立ち上げること。
       (ろ)  直径60cm以上の円が内接することができるものとすること。ただし、外部から内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる小規模な給水タンク等にあつては、この限りでない。
     (5)  (4)のほか、水抜管を設ける等内部の保守点検を容易に行うことができる構造とすること。
     (6)  圧力タンク等を除き、ほこりその他衛生上有害なものが入らない構造のオーバーフロー管を有効に設けること。
     (7)  最下階の床下その他浸水によりオーバーフロー管から水が逆流するおそれのある場所に給水タンク等を設置する場合にあつては、浸水を容易に覚知することができるよう浸水を検知し警報する装置の設置その他の措置を講じること。
     (8)  圧力タンク等を除き、ほこりその他衛生上有害なものが入らない構造の通気のための装置を有効に設けること。ただし、有効容量が2m3未満の給水タンク等については、この限りでない。
    (9)  給水タンク等の上にポンプ、ボイラー、空気調和機等の機器を設ける場合においては、飲料水を汚染することのないように衛生上必要な措置を講ずること。 」とある。
  設問の「給水タンクに設置する通気管の有効断面積」に近いのは、「(8) 圧力タンク等を除き、ほこりその他衛生上有害なものが入らない構造の通気のための装置を有効に設けること」とあるだけで、具体的な数字はないようだ。

3 給水タンクに設置する場合の点検用マンホールに内接する円の直径

答え:数値は明示されている。
  ここは、過去にも出ている。平成18年 マンション管理士試験 「問43」
   選択肢2で引用した、昭和50年12月20日建告第1597号(最終改正:平成12年建設省告示第1406号)
「建築物に設ける飲料水の配管設備及び排水のための配管設備の構造方法を定める件」
(4)  内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる位置に、次に定める構造としたマンホールを設けること。ただし、給水タンク等の天井がふたを兼ねる場合においては、この限りでない。
       (い)  内部が常時加圧される構造の給水タンク等(以下「圧力タンク等」という。)に設lける場合を除き、ほこりその他衛生上有害なものが入らないように有効に立ち上げること。
       (ろ)  直径60cm以上の円が内接することができるものとすること。ただし、外部から内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる小規模な給水タンク等にあつては、この限りでない。 」
   とあり、点検用マンホールの内接の円の直径は60cm以上である。

 因みに、給水タンク(受水槽)の構造も、吐水口空間や水抜管の位置など、よくでるので参考までに載せる。

4 屋外排水管の勾配と管径の関係

答え: 数値は明示されていない?
  屋外排水管の勾配と管径の関係は管径が太いものほど勾配を緩くし、細いものほど急勾配とするが、規定はないようだ。

答え:3 (過去問題から、選択肢3を知っていれば、迷わないが、選択肢3の60cm以上を知らない人は、全然分からない問題だ。) 社団法人高層住宅管理業協会の正解:3

平成19年度 管理業務主任者

【問 24】火を使用する室に設けなければならない換気設備等に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 火を使用する設備又は器具の近くに排気フードを有する排気筒を設ける場合においては、排気フードは、不燃材料で造らなければならない。

答え:正しい。 
  換気設備に関する出題もよくある。
    まず、換気は、建築基準法28条2項及び3項
 「2項  居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。
  3項  別表第一(い)欄(一)項に掲げる用途に供する特殊建築物の居室又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたもの(政令で定めるものを除く。)には、政令で定める技術的基準に従つて、換気設備を設けなければならない。」
 とあり、原則換気設備の設置が義務付けられる。
  そして、設問は、建築基準法施行令20条の3 4項(火を使用する室に設けなければならない換気設備等)
 「火を使用する設備又は器具の近くに排気フードを有する排気筒を設ける場合においては、排気フードは、不燃材料で造ること。」
 とあり、正しい。なお、排気フードとは、覆いとか「かさ」の英語=Hood の方です。英語のFood(食べ物)ではありません。 

2 換気上有効な排気のための換気扇を設けた場合には、給気口の設置高さに対する数値上の制限はない。

答え:正しい。 
  選択肢1で述べたように、建築基準法28条3項の規定をうけ、
建築基準法施行令20条の3 2項
  「  建築物の調理室、浴室、その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備又は器具を設けたもの(前項に規定するものを除く。以下この項及び第百二十九条の二の六において「換気設備を設けるべき調理室等」という。)に設ける換気設備は、次に定める構造としなければならない。
  一  換気設備の構造は、次のイ又はロのいずれかに適合するものとすること。
    イ 次に掲げる基準に適合すること。
     (1) 給気口は、換気設備を設けるべき調理室等の天井の高さの二分の一以下の高さの位置(煙突を設ける場合又は換気上有効な排気のための換気扇その他これに類するもの(以下この号において「換気扇等」という。)を設ける場合には、適当な位置)に設けること。
     (2) 排気口は、換気設備を設けるべき調理室等の天井又は天井から下方八十センチメートル以内の高さの位置(煙突又は排気フードを有する排気筒を設ける場合には、適当な位置)に設け、かつ、換気扇等を設けて、直接外気に開放し、若しくは排気筒に直結し、又は排気上有効な立上り部分を有する排気筒に直結すること。
    (3) 給気口の有効開口面積又は給気筒の有効断面積は、国土交通大臣が定める数値以上とすること。
    (4) 排気口又は排気筒に換気扇等を設ける場合にあつては、その有効換気量は国土交通大臣が定める数値以上とし、換気扇等を設けない場合にあつては、排気口の有効開口面積又は排気筒の有効断面積は国土交通大臣が定める数値以上とすること。
    (5) ふろがま又は発熱量が十二キロワットを超える火を使用する設備若しくは器具(密閉式燃焼器具等を除く。)を設けた換気設備を設けるべき調理室等には、当該ふろがま又は設備若しくは器具に接続して煙突を設けること。ただし、用途上、構造上その他の理由によりこれによることが著しく困難である場合において、排気フードを有する排気筒を設けたときは、この限りでない。
    (6) 火を使用する設備又は器具に煙突(第百十五条第一項第七号の規定が適用される煙突を除く。)を設ける場合において、煙突に換気扇等を設ける場合にあつてはその有効換気量は国土交通大臣が定める数値以上とし、換気扇等を設けない場合にあつては煙突の有効断面積は国土交通大臣が定める数値以上とすること。
    (7) 火を使用する設備又は器具の近くに排気フードを有する排気筒を設ける場合において、排気筒に換気扇等を設ける場合にあつてはその有効換気量は国土交通大臣が定める数値以上とし、換気扇等を設けない場合にあつては排気筒の有効断面積は国土交通大臣が定める数値以上とすること。
    (8) 直接外気に開放された排気口又は排気筒の頂部は、外気の流れによつて排気が妨げられない構造とすること。
   ロ 火を使用する設備又は器具の通常の使用状態において、異常な燃焼が生じないよう当該室内の酸素の含有率をおおむね二十・五パーセント以上に保つ換気ができるものとして、国土交通大臣の認定を受けたものとすること。」
  とあり、1号イ(1)が読み難いが、該当する。正しい。

3 煙突、排気フードなどを設けず、排気口又は排気筒に換気扇等を設けた場合に必要となる有効換気量は、(燃料の単位燃焼量当たりの理論廃ガス量)×(火を使用する設備又は器具の実況に応じた燃料消費量)の40倍以上である。

答え:正しい。 
  選択肢2で述べたように、建築基準法施行令20条の3 2項 (4) 排気口又は排気筒に換気扇等を設ける場合にあつては、その有効換気量は国土交通大臣が定める数値以上とし、換気扇等を設けない場合にあつては、排気口の有効開口面積又は排気筒の有効断面積は国土交通大臣が定める数値以上とすること。」とあり、これをうけた、
昭和45年12月28日建告第1826号(最終改正 平成12年5月30日建告第1403号)
換気設備の構造方法を定める件
  第3 調理室等に設ける換気設備
     二  令第20条の3第2項第一号イ(4)の規定により建設大臣が定める数値は、次のイ又はロに掲げる場合に応じ、それぞれイ又はロに定める数値とすること。
       イ  排気口又は排気筒に換気扇等を設ける場合 次の式によつて計算した換気扇等の有効換気量の数値

       V=40KQ
  この式において、V、K及びQは、それぞれ次の数値を表すものとする。
    V  換気扇等の有効換気量(単位 m3/時間)
    K  燃料の単位燃焼量当たりの理論廃ガス量(別表(い)欄に掲げる燃料の種類については、同表(ろ)欄に掲げる数値によることができる。以下同じ。)(単位 m3)
    Q  火を使用する設備又は器具の実況に応じた燃料消費量(単位 kW又はkg/時間) 」
 とあり、正しい。

4 火を使用する設備又は器具の通常の使用状態において、当該室内の酸素の含有率をおおむね15%以上に保つ換気ができるものとして、国土交通大臣の認定を受けたものは、有効換気量についての規制は受けない。

答え:誤りである。 
  選択肢2で引用した、建築基準法施行令20条の3 2項「ロ 火を使用する設備又は器具の通常の使用状態において、異常な燃焼が生じないよう当該室内の酸素の含有率をおおむね二十・五パーセント以上に保つ換気ができるものとして、国土交通大臣の認定を受けたものとすること。」
  とあり、酸素の含有率は20.5%以上で、15%は誤り。

答え:4 (なんと細かい! 選択肢3の40倍や選択肢4の20.5%まで知っている人が何人いるやら。 また、根拠が告示では、設問が悪い!)

平成19年度 管理業務主任者

【問 25】駐車場設備に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 平面自走式は、敷地を平面的に利用する方式であり、1台(普通自動車)当たりの利用面積は、2.0m×5.0mである。

答え:誤りである。 
  駐車施設に関する出題は初めてである。
   根拠は、「マンション管理の知識 3訂版」から。
   平面自走式とは、敷地を平面的に利用して、駐車する方式で、前半は正しい。しかし、普通自動車の利用面積は、およそ、幅2.5mx奥行き5.0mを想定する。後半の幅2.0mが誤り。
(注:平成16年の「マンション管理の知識」では、幅2.5m x 奥行き5.0mだったが、平成20年版 ページ 675 では、幅2.3m x 奥行き5.0m と幅が狭くなっている。)

2 立体自走式は、駐車区画まで車が自走して出入りする2階建て以上の立体構造の駐車場であり、建築基準法の建築物に該当する。

答え:正しい。 
  立体駐車場には、スロープ車路を使って自動車が駐車場所まで走っていく方式と、機械パレットを使った機械式がある。機械式には、タワー式、2段・多段式、地下式などがある。前半は正しい。

 

そして、後半の建築基準法の「建築物」に該当するのか「単なる工作物」なのかは、屋根及び柱があるかどうかで、争いがあった。
  それは、 建築基準法2条(用語の定義)
「 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
   一  建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。」
 の「建築物」に該当するのか否かである。

  判例として、神戸地方裁判所 平成17年7月20日判決:裁判所の判断
 建築基準法の建築物とは、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの等をいうが、本件駐車場は工作物で、屋根及び柱もあるので、本件駐車場が上記建築物といえるか否かは「土地に定着する」といえるかによる。
「土地に定着する」の解釈にあたっては、建築物の利用者の生命、健康及び財産を守るにとどまらず、建築物が集団で存している都市の機能確保や市街地環境を確保するという建築基準法の目的を考慮しなければならない。
この観点からすると、「土地に定着する」工作物とは、必ずしも物理的に強固に土地に緊結された態様だけではなく、随時かつ任意に移動できる工作物ではない限り、工作物本来の用法上、定常的に土地に載置されている態様も含むものと認めるのが相当である。
本件駐車場は、確かに、鉄骨ユニットを組み合わせた「駐車場棚」を地平面上に載置しただけのものであり、製造メーカーパンフレットには、300坪あたりわずか6日間で設置でき、それを解体して別の場所に移動して同じ駐車場を組み立てることもできると謳われている。
しかし、本件駐車場は、組み立て及び解体が短時間ででき、設置や解体して移築することが容易なだけであって、その大きさ、自動車の格納能力、諸設備等に照らせば、解体せずにそのまま曵航移転することまでは予定しておらず、クレーンで吊り上げてそのまま移動させることも困難であるから、随時かつ任意に移動できる工作物とはいえない。
したがって、本件駐車場は、工作物本来の用法上、定常的に土地に載置されている場合にあたり、随時かつ任意に移動できる工作物とはいえないので、本件駐車場は「土地に定着する」工作物にあたり、建築基準法上の建築物といえるから、パチンコ店が同法に違反したものであるということを前提としてなした本件駐車場の使用禁止命令に違法はない。」
 と判断し、建築基準法で規定する「建築物」となり、それは、建築基準法6条の(建築物の建築等に関する申請及び確認) も必要となる。正しい。

3 二段式・多段式は、駐車区画が上下二段以上の立体構造を有する機械式駐車場であり、屋根の有無を問わず建築基準法の建築物に該当する。

答え:誤りである。 
  選択肢2で述べたように、「建築物か」「工作物か」での争いの後、判定がでた。それは、

工作物として扱う範囲 3層(4段)以下かつ高さ8m以下のもの
屋根のないもの
建物として扱うもの 屋根付きのもの
または工作物として扱う範囲を超えるもの

 と「屋根がない」のは、建築基準法の建築物ではない。誤り。

4 すべての機械式駐車装置において、建築基準法により保守点検の基準が定められている。

答え:誤りである。 
  選択肢2、及び3で述べたように、屋根がなければ「建築物」でない機械式駐車もあるわけで、そのときは建築基準法の適用もなく、「すべて」は誤り。また、機械式駐車装置の保守点検基準はあるのか? 法令検索で探したが、出てこなかった。

答え:2 (しかし、難問だ! 屋根があるかどうかの争いがあったとは。)

平成18年度 マンション管理士

〔問 20〕建築基準法第52条に定める建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(以下この問いにおいて「容積率」という。)に関する次の記述のうち、同法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 用途地域の指定のない区域内の建築物の容積率は、特定行政庁が土地利用の状況等を考慮し当該区域を区分して都道府県都市計画審議会の議を経て定める一定の数値以下でなければならない。

答え: 正しい。 
  建築基準法52条1項6号「用途地域の指定のない区域内の建築物  十分の五、十分の八、十分の十、十分の二十、十分の三十又は十分の四十のうち、特定行政庁が土地利用の状況等を考慮し当該区域を区分して都道府県都市計画審議会の議を経て定めるもの 」の規定どおり。
用途地域とは、行政が都市の環境を保つとともに機能的な街づくりのために、建築できる建物の種類、用途の制限を定めた12種の地域です。
  都市計画地域内での都市計画に定める用途に応じた区域です。
都市計画法8条で定められ、建築基準法47条で定められています。
都市計画法8条1項により、「 都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる地域、地区又は街区で必要なものを定めるものとする。
   一  第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域又は工業専用地域(以下「用途地域」と総称する。)。」とあり、
1.住居系
    @第一種低層住居専用地域、(高級住宅地)
    A第二種低層住居専用地域、(コンビニ程度は可能)

    B第一種中高層住居専用地域、(3階から5階建てのマンション)
     C第二種中高層住居専用地域、(中高層のマンション)

     D第一種住居地域、(木造+中高層マンション)
     E第二種住居地域、(事務所+店舗)

     F準住居地域、(道路沿いの住居)

2.商業系
    G近隣商業地域、(店舗+近隣住民)
    H商業地域、(主として商業中心)

3.工業系
    I準工業地域、(環境が悪化しない程度の工業)
    J工業地域、(主として工業中心)
    K工業専用地域、(工業だけ)

主に住宅を中心とした用途地域が7つ、商業ビルなどを中心とした用途地域が2つ、工場を中心とした用途地域が3つあります。
容積率とは、建築基準法第52条1項、
  建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(以下「容積率」という。)で、例えば、建物の延べ面積100平方メートルで、敷地(土地)面積200平方メートルなら、100÷200=0.5となり、容積率は50%となります。
また、延べ面積とは、建築物の各階の床の合計面積です。
  容積率制度の目的は、建物の容積率を各地域の実情に応じた一定の割合にすることによって、道路等の公共施設の能力に対応した機能の維持と増進を図るためです。
  容積率の最高限度は、用途地域によって定められています。
  前面道路の幅員(道路の幅)や特定街区では、緩和措置がとられます。
特定行政庁とは、建築基準法第2条32号、
 特定行政庁(とは) 建築主事を置く市町村の区域については当該市町村の長をいい、その他の市町村の区域については都道府県知事をいう。ただし、第九十七条の二第一項の市町村又は特別区の区域については、同条第四項の規定により当該市町村の長が行うこととなる事務又は第九十七条の三第三項の規定により特別区の長が行うこととなる事務に関する限り、当該市町村又は特別区の長をもつて特定行政庁とみなし、当該市町村又は特別区の長が行わないこととされる事務については、都道府県知事を特定行政庁とみなす。」とあり、
 建築主事が置かれている地方自治体の長のこと。
 建築主事は、建築確認のほか、違反建築物への是正命令、斜線制限、絶対高さの制限などの各制限などを、建築基準法に基づいて行う。
 原則的には、人口25万人以上の市では、市長が特定行政庁であり、それ未満のときは、各都道府県と市町村が話し合って、知事か市長のどちらかが、特定行政庁になる。しかし、現実には人口10万人を超える市のほとんどで、市長が特定行政庁になっている。特定行政庁には、「一般特定行政庁」と「限定特定行政庁」があり、前者は建築基準法についてすべての事務が行える広い権限を持っている。
★指定確認検査機関も建築確認ができるようになった...「指定確認検査機関」制度は、平成10年の建築基準法改正により、これまで特定行政庁の建築主事が行なってきた確認および検査業務について、新たに必要な審査能力を備える公正な民間機関(指定確認検査機関)も行なうことができるものとする制度です。
この機関の指定は、一の都道府県の区域で業務を行う機関については、都道府県知事が行い、二以上の都道府県の区域で業務を行う機関については、国土交通大臣が指定を行っています。

2 前面道路の幅員が12m未満である建築物の容積率は、当該前面道路の幅員のメートルの数値に、建築物の所在する地域等の区分に従い、それぞれ一定の数値を乗じたもの以下に制限される。

答え: 正しい。 
  建築基準法52条2項「前項に定めるもののほか、前面道路(前面道路が二以上あるときは、その幅員の最大のもの。以下この項及び第十二項において同じ。)の幅員が十二メートル未満である建築物の容積率は、当該前面道路の幅員のメートルの数値に、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数値を乗じたもの以下でなければならない」の規定どおり。(例えば、住居系の用途地域では、原則 4/10、その他の地域では原則 6/10に前面道路の幅員のメートルの数値を乗じたもの以下になる。)

3 建築物の敷地が建築物の容積率に関する制限を受ける2以上の地域にわたる場合においては、当該建築物の容積率は、最も低い地域の容積率が適用される。

答え: 誤りである。 
  建築基準法52条7項「建築物の敷地が第一項及び第二項の規定による建築物の容積率に関する制限を受ける地域、地区又は区域の二以上にわたる場合においては、当該建築物の容積率は、第一項及び第二項の規定による当該各地域、地区又は区域内の建築物の容積率の限度にその敷地の当該地域、地区又は区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計以下でなければならない」の規定によれば、最低の地域の容積率にはならず、該当の部分の面積比となる。

◎整理しましょう。
  ★建ぺい率でも、2つ以上の地域・区域にまたがるときは、各部分の面積割合になる。
 建築基準法53条2項: 建築物の敷地が前項の規定による建築物の建ぺい率に関する制限を受ける地域又は区域の二以上にわたる場合においては、当該建築物の建ぺい率は、同項の規定による当該各地域又は区域内の建築物の建ぺい率の限度にその敷地の当該地域又は区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計以下でなければならない。
  ★混同しやすいのは、この敷地と建築物との「防火地域」「準防火地域」での厳しい方の規定の適用の違いです。
 <参考>建築基準法67条
   (建築物が防火地域又は準防火地域の内外にわたる場合の措置)
    第六十七条  建築物が防火地域又は準防火地域とこれらの地域として指定されていない区域にわたる場合においては、その全部についてそれぞれ防火地域又は準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。ただし、その建築物が防火地域又は準防火地域外において防火壁で区画されている場合においては、その防火壁外の部分については、この限りでない。
    2  建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合においては、その全部について防火地域内の建築物に関する規定を適用する。ただし、建築物が防火地域外において防火壁で区画されている場合においては、その防火壁外の部分については、準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。

4 敷地の周囲に広場等一定の空地を有する建築物で、特定行政庁が安全上、防火上等支障がないと認めて許可したものの容積率は、その許可の範囲内において、一定の限度を超えることができる。

答え: 正しい。 
  建築基準法52条14項「次の各号のいずれかに該当する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものの容積率は、第一項から第九項までの規定にかかわらず、その許可の範囲内において、これらの規定による限度を超えるものとすることができる。
   一  同一敷地内の建築物の機械室その他これに類する部分の床面積の合計の建築物の延べ面積に対する割合が著しく大きい場合におけるその敷地内の建築物
   二  その敷地の周囲に広い公園、広場、道路その他の空地を有する建築物」
   の2号の規定どおり。

答え:3

平成18年度 マンション管理士

〔問 21〕共同住宅に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 避難階段から屋外に通ずる出口の戸には、かぎを使用すれば屋外に自由かつ容易に出ることができる施錠装置を設けなければならない。

答え: 誤りである。
  建築基準法施行令第125条の2、1項「次の各号に掲げる出口に設ける戸の施錠装置は、当該建築物が法令の規定により人を拘禁する目的に供せられるものである場合を除き、屋内からかぎを用いることなく解錠できるものとし、かつ、当該戸の近くの見やすい場所にその解錠方法を表示しなければならない。
   一  屋外に設ける避難階段に屋内から通ずる出口
   二  避難階段から屋外に通ずる出口
   三  前二号に掲げる出口以外の出口のうち、維持管理上常時鎖錠状態にある出口で、火災その他の非常の場合に避難の用に供すべきもの」
   の規定によれば、かぎは使用できない。
  ★余り、法律的に考えなくても、よく読むと当然。避難時に「鍵」を持って逃げる人は少ないでしょう。
  「 法令の規定により人を拘禁する目的に供せられるもの」とは、刑務所などをさすようです。

2 高さ31mを超える共同住宅には、高さ31mを超える部分を階段室の用途に供するもの等一定のものを除き、非常用の昇降機を設けなければならない。

答え: 正しい。 
  建築基準法34条2項「高さ三十一メートルをこえる建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。」の規定のとおり。
昇降機には、エレベーターやエスカレーターもあるが、建築基準法施行令129条の13の3により、
   「(非常用の昇降機の設置及び構造)
   第百二十九条の十三の三  法第三十四条第二項 の規定による非常用の昇降機は、エレベーターとし、その設置及び構造は、第百二十九条の四から第百二十九条の十までの規定によるほか、この条に定めるところによらなければならない。」
とあり、非常用の昇降機は「エレベーター」と定められている。
なお、除かれる場合として、
  建築基準法施行令129条の13の2、「法第三十四条第二項 の規定により政令で定める建築物(非常用の昇降機が不要な建築物)は、次の各号のいずれかに該当するものとする。
   一  高さ三十一メートルを超える部分を階段室、昇降機その他の建築設備の機械室、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する用途に供する建築物
   二  高さ三十一メートルを超える部分の各階の床面積の合計が五百平方メートル以下の建築物
   三  高さ三十一メートルを超える部分の階数が四以下の主要構造部を耐火構造とした建築物で、当該部分が床面積の合計百平方メートル以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備でその構造が第百十二条第十四項第一号イ、ロ及びニに掲げる要件を満たすものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの(廊下に面する窓で開口面積が一平方メートル以内のものに設けられる法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備を含む。)で区画されているもの
   四  高さ三十一メートルを超える部分を機械製作工場、不燃性の物品を保管する倉庫その他これらに類する用途に供する建築物で主要構造部が不燃材料で造られたものその他これと同等以上に火災の発生のおそれの少ない構造のもの 」
 も、記憶しておくこと。

★どうして、31mを越えると非常用エレベーターが必要か?
  31mは昔の尺貫法の約100尺(33m)に該当します。以前の高さ制限でもあります。
  消防用の避難はしご車もその高さにあわせて31mまでは、届きますがそれ以上は届きません。
  そこで、消防隊も消火活動に使える非常用エレベーターが必要とされます。  

   

(注意:出題傾向として、この非常用エレベターの設置(31m超)と問4の避雷設備(20m超)はかなり高い。)

3 居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、20分の1以上としなければならないが、一定の技術的基準に従って換気設備を設けた場合は、その必要はない。

答え: 正しい。 
  建築基準法28条は居室に必要な「採光」と「換気」について規定しています。
(居室の採光及び換気)
 第二十八条  住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、住宅にあつては七分の一以上、その他の建築物にあつては五分の一から十分の一までの間において政令で定める割合以上としなければならない。ただし、地階若しくは地下工作物内に設ける居室その他これらに類する居室又は温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室については、この限りでない。
2  居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。
3  別表第一(い)欄(一)項に掲げる用途に供する特殊建築物の居室又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたもの(政令で定めるものを除く。)には、政令で定める技術的基準に従つて、換気設備を設けなければならない。
4  ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、前三項の規定の適用については、一室とみなす。」とあり、
2項により正しい。

★この建築基準法第28条は、出題傾向が高いので押さえておきましょう。住居の基本となる、室の明るさと換気は重要な部分です。4項の「ふすま、障子などで仕切られた二室は、一室とみなす」も押さえておきましょう。

居室とは、建築基準法第2条四号によると、「居室(とは)  居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。」とあります。
 具体的には、寝室、居間、台所などが該当します。玄関、廊下や階段は居室ではありません。便所、浴室も利用時間が一時的なので居室ではありません。
★居室に求められる室内居住環境...良好な室内居住環境を実現するために、採光、換気、防湿、遮音、温度調整、有害な化学物質の規制があります。
★換気が必要なわけ...室内で人が呼吸をすると、酸素を消費し二酸化炭素が排出され空気が汚染されます。そこで、この規定があります。
  また、台所のガスコンロなどの燃焼器具からの排ガスは人体に有害です。トイレの臭気も室内にこもると嫌な気分になりますので、屋外に排出します。

★機械式換気設備の詳細は、こちら。(平成15年 マンション管理士 問44)

4 高さ20mの共同住宅には、避雷設備を設けなくてもよい。

答え: 正しい。 
  建築基準法33条「高さ二十メートルをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によつて安全上支障がない場合においては、この限りでない」の規定により、高さが20mをこえると避雷設備は設けるが、20m丁度の時には、いらない。
避雷設備は,受雷部,避雷導線及び接地極からなり,設置方法,施工法等は、建築基準法でなく、日本工業規格:JIS規格A4201で定められている
避雷設備としては,避雷針の他受雷部を省略した架空地線金網による保護物の被覆,独立避雷針等がある。

JIS規格A 4201:1992(旧規格)では,避雷設備は,年1回以上検査を行って規定に適合した状態であることを確認するように次の3項目が定められています。
   (1)接地抵抗の測定を行い,総合接地抵抗が10Ω以下であることを確認する。ただし,鉄筋コンク リート造等の建築物で鉄骨などを利用した構造体接地を採用している場合は,接地抵抗の測定 はおこなわなくてもよいことになっている。
   (2)突針・むね上げ導体などの受雷部と避雷導線との各接続部の検査を行い,雷撃電流が支障な く流れることを確認する。
   (3)地上部の引き下げ導線に断線・溶融その他の損傷が無いことを確認する。接地抵抗は,季節変動があり,経年劣化のおそれもありますので,接地極を埋設している場合は必ず測定をして下さい。
なお,JIS規格A 4201:2003(新規格)では,同様の趣旨で,保守に関して信頼性を保つために定期的な検査を行うことが基本的条件であると規定されています。
建築基準法第33条に避雷設備の設置基準高さとして20mを越える建築物と規定されていますが、20m以下の建築物であれば雷撃を受けないという根拠は何もなく、昭和25年建築基準法施行以前にあった市街地建築法で高さ65尺(19.7m)以上の建築物に避雷設備を設けることが規定されていたことから、従前法規に準拠した一応の目安と理解すべきものと思います。
★高層ビルでは側面に落雷がある...低いビルでは、頂部に落雷があるので、避雷針で対応できますが、最近の高層ビルでは、壁にも落雷があるので、壁面に避雷導線を設置します。

答え:1

平成18年度 マンション管理士

〔問 43〕飲料水用水槽に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 オーバーフロー管、通気管及び水抜き管には、外部から害虫等の侵入を防ぐために、先端に防虫網を設ける必要がある。

答え: 適切でない。
  受水槽については、出題傾向が高い。構造は以下のようになっている。

★六面点検
改定された、建設省告示1924号により「水槽は天井、底または周壁の保守点検を容易かつ安全に行うことができるよう設置されなければならない」と規定されています。周囲4面と上下2面の外面全てについて点検できるようにするため通常六面点検と呼ばれています。具体的には、上面(天井)100cm以上、底および周壁は60cm以上の空間を確保しなければなりません。

★またこのほかに、通気管も規定がある。
通気管は、合成樹脂製耐蝕性防虫網を取り付けて、虫等衛生上有害なものの侵入を防止します。

★オーバーフロー管(水が水槽内に満杯にならないように、満杯前に外に水を流す管。給水管への逆流を防止しています。)と通気管(受水槽の上部にある)は、常に開いていて、外気にさらされるので、建築基準法施行令129条2の5、2項6号の規定にもとづく平成12年建設省告示第1406号二「給水タンク及び貯水タンク(6)ほこりその他衛生上有害なものが入らない構造のオーバーフロー管を有効に設けること(7)ほこりその他衛生上有害なものが入らない構造の通気のための装置を有効に設けること。」の規定により、外部からの害虫などの侵入を防ぐための、防虫網を設ける必要があるが、給水槽の下方にある水抜き管は、給水槽の水を清掃の時などに抜くため以外は閉めているので、虫は入らないため防虫網は不要

2 オーバーフロー管及び水抜き管には、水槽への排水の逆流を防ぐために、排水管との間に排水口空間を設ける必要がある。

答え:適切である。 
  建築基準法施行令129条2の5、2項2号「水槽、流しその他水を入れ、又は受ける設備に給水する飲料水の配管設備の水栓の開口部にあつては、これらの設備のあふれ面と水栓の開口部との垂直距離を適当に保つ等有効な水の逆流防止のための措置を講ずること」の規定により、一定の垂直距離をもった排水口空間がある
*下の吐水口空間との違いをはっきりさせておくこと*

3 給水管への逆流を防ぐために、給水管の流入口端からオーバーフロー管下端までに吐水口空間を設ける必要がある。

答え:適切である。  
  建築基準法施行令129条2の5、2項2号の規定のとおり。
一般にはラッパ管以外は、吐水口空間は給水管の流入口端からオーバーフロー管の下端であることに注意。*

★吐水口空間
給水管の流入口端とオーバーフロー管との間が吐水口空間です。この空間がないと、水槽の水が給水管に逆流します。

 

4 内部の保守点検を容易に行えるようにするために、有効内径600o以上の施錠可能な構造のふたを設ける必要がある。

答え:適切である。 
  ここは、平成19年 管理業務主任者 試験 「問23」 でも出ている。
    平成12年建設省告示第1406号二 給水タンク及び貯水タンク(4)「内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる位置に、ほこりその他の衛生上有害なものが入らないように有効に立ち上げたマンホール(直径60cm以上の円が内接することができるに限る。)を設けること」の規定どおり。

★マンホール
改定された、建設省告示1924号で新たに定められたマンホールは直径60cm以上。
取り外し式は、ヒンジ金具側の小ねじ2本を取ることで蓋が取りはずせます。

 

答え:1

平成18年度 管理業務主任者

【問 17】建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1項第6号に規定する「延焼のおそれのある部分」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。ただし、防火上有効な公園、広場、川等の空地若しくは水面又は耐火構造の壁その他これらに類するものに面する部分を除くものとする。

1 延焼のおそれのある部分とは、基準となる線からの距離が、1階にあっては3m以下、2階以上にあっては5m以下の距離にある建築物の部分をいう。

答え: 正しい。 
  建築基準法2条1項6号「延焼のおそれのある部分(とは) 隣地境界線、道路中心線又は同一敷地内の二以上の建築物(延べ面積の合計が五百平方メートル以内の建築物は、一の建築物とみなす。)相互の外壁間の中心線から、一階にあつては三メートル以下、二階以上にあつては五メートル以下の距離にある建築物の部分をいう。ただし、防火上有効な公園、広場、川等の空地若しくは水面又は耐火構造の壁その他これらに類するものに面する部分を除く。」の規定どおり。

★延焼のおそれのある建築物の部分...木造なら、上で規定される範囲内にある、屋根、軒裏、外壁や外壁の窓など開口部が考えられます。

2 隣地に関する基準となる線は、隣地境界線である。

答え: 正しい。
  選択肢1の解説参照。 建築基準法2条1項6号の規定「隣地境界線」のとおり。

3 道路に関する基準となる線は、道路中心線である。

答え: 正しい。
  選択肢1の解説参照。建築基準法2条1項6号の規定「道路中心線」のとおり。

4 同一敷地内の他の建築物に関する基準となる線は、他の建築物の外壁面である。

答え: 誤りである。
  選択肢1の解説参照。建築基準法2条1項6号の規定によれば、「相互の外壁間の中心線」。

答え:4

平成18年度 管理業務主任者

【問 18】建築基準法第12条に基づく定期調査、定期検査に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。


注:建築基準法第12条は、平成28年6月施行で、改正があった。ここは、改正に未対応。

1 定期調査を行わなければならない建築物の用途、規模等は、国土交通大臣が指定する。

答え: 誤りである。 
  建築基準法第12条1項「第六条第一項第一号に掲げる建築物その他政令で定める建築物(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物を除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者。第三項において同じ。)は、当該建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者にその状況の調査(当該建築物の敷地及び構造についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含み、当該建築物の建築設備についての第三項の検査を除く。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。」の規定により、特定行政庁が指定。
特定行政庁とは、建築基準法第2条32号、
 特定行政庁(とは) 建築主事を置く市町村の区域については当該市町村の長をいい、その他の市町村の区域については都道府県知事をいう。ただし、第九十七条の二第一項の市町村又は特別区の区域については、同条第四項の規定により当該市町村の長が行うこととなる事務又は第九十七条の三第三項の規定により特別区の長が行うこととなる事務に関する限り、当該市町村又は特別区の長をもつて特定行政庁とみなし、当該市町村又は特別区の長が行わないこととされる事務については、都道府県知事を特定行政庁とみなす。」とあり、
 建築主事が置かれている地方自治体の長のこと。
 建築主事は、建築確認のほか、違反建築物への是正命令、斜線制限、絶対高さの制限などの各制限などを、建築基準法に基づいて行う。
 原則的には、人口25万人以上の市では、市長が特定行政庁であり、それ未満のときは、各都道府県と市町村が話し合って、知事か市長のどちらかが、特定行政庁になる。しかし、現実には人口10万人を超える市のほとんどで、市長が特定行政庁になっている。特定行政庁には、「一般特定行政庁」と「限定特定行政庁」があり、前者は建築基準法についてすべての事務が行える広い権限を持っている。

2 昇降機以外の建築設備で定期検査を行わなければならないものは、特定行政庁が指定する。

答え: 正しい。
  建築基準法第12条3項「昇降機及び第六条第一項第一号に掲げる建築物その他第一項の政令で定める建築物の昇降機以外の建築設備(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物に設けるものを除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者は、当該建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者に検査(当該建築設備についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含む。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。」の規定どおり。

3 定期調査の対象となった共同住宅の調査は、5年間隔で行う。

答え: 誤りである。
  建築基準法施行規則第5条1項「法第十二条第一項 (法第八十八条第一項 又は第三項 において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による報告の時期は、建築物の用途、構造、延べ面積等に応じて、おおむね六月から三年までの間隔をおいて特定行政庁が定める時期(法第十二条第一項 の規定による指定があつた日以後の新築又は改築(一部の改築を除く。)に係る建築物について、建築主が法第七条第五項 (法第八十七条の二 又は法第八十八条第一項 において準用する場合を含む。第六条第一項において同じ。)又は法第七条の二第五項 (法第八十七条の二 又は法第八十八条第一項 において準用する場合を含む。第六条第一項において同じ。)の規定による検査済証の交付を受けた場合においては、その直後の時期を除く。)とする。 」の規定により、6ヶ月から3年の間で、特定行政庁がさだめる。

4 所有者と管理者が異なる場合においては、定期調査、定期検査の結果を特定行政庁に報告する義務があるのは所有者である。

答え: 誤りである。
  選択肢1で述べたように、建築基準法第12条1項の規定により、「所有者と管理者が異なる場合においては、管理者」。

★定期報告制度のまとめ。

  *報告を要するものの指定者 ----> 特定行政庁

  *報告義務者  ---> 所有者(または管理者)

  *報告時期  1.昇降機(など)  ---> 6ヶ月〜1年の期間で特定行政庁が定める時期 

            2.昇降機以外   ---> 6ヶ月〜3年の期間で特定行政庁が定める時期

  *調査・検査有資格者   1.昇降機     ---> 建築基準適合判定資格者、昇降機検査資格者、1級、2級建築士

                   2.昇降機以外  ---> 1級、2級建築士、特殊建築物等調査資格者(なお、建築設備は「建築設備検査資格者」も可能)

  *報告先 ----> 特定行政庁

*特定行政庁 ;大阪府の例;
  ●報告の時期 
    (※検査済証の交付を受けていれば、初回の報告は免除されます。)
   建築物・・・3年に1回
   建築設備・・・毎年
   昇降機及び遊戯施設・・・毎年

  ●報告義務者
   報告年度には特定行政庁より通知が来ます。
   建築物の所有者(所有者と管理者が異なる場合は管理者)は、専門技術者(有資格者)に調(検)査を依頼してくだい。
  ●調査(検査)者
   それぞれの調(検)査を行なうには、次の資格が必要です。
   建築物 :特殊建築物調査資格者、1・2級建築士等
   建築設備 :建築設備検査資格者、1・2級建築士等
   昇降機 :昇降機検査資格者、1・2級建築士、建築基準適合判定資格者

答え:2

平成18年度 管理業務主任者

【問 20】非常用エレベーターに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 非常用エレベーターの設置が必要とされるのは、建築物の高さが45mを超える場合である。

答え: 適切でない。
  建築基準法34条2項「高さ三十一メートルをこえる建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。」の規定により、高さ31mを超えると非常用の昇降機の設置が義務付けられている。建築物の高さが45mを超えるは反する。
★どうして、非常用の昇降機がエレベーターとなるの?
  昇降機には、エレベーターやエスカレーターもあるが、建築基準法施行令129条の13の3により、
   「(非常用の昇降機の設置及び構造)
   第百二十九条の十三の三  法第三十四条第二項 の規定による非常用の昇降機は、エレベーターとし、その設置及び構造は、第百二十九条の四から第百二十九条の十までの規定によるほか、この条に定めるところによらなければならない。」
とあり、非常用の昇降機は「エレベーター」と定められている。
 なお、ついでに、除かれる場合として、
  建築基準法施行令129条の13の2、「法第三十四条第二項 の規定により政令で定める建築物(非常用の昇降機が不要な建築物)は、次の各号のいずれかに該当するものとする。
     一  高さ三十一メートルを超える部分を階段室、昇降機その他の建築設備の機械室、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する用途に供する建築物
   二  高さ三十一メートルを超える部分の各階の床面積の合計が五百平方メートル以下の建築物
   三  高さ三十一メートルを超える部分の階数が四以下の主要構造部を耐火構造とした建築物で、当該部分が床面積の合計百平方メートル以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備でその構造が第百十二条第十四項第一号イ、ロ及びニに掲げる要件を満たすものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの(廊下に面する窓で開口面積が一平方メートル以内のものに設けられる法第二条第九号の二 ロに規定する防火設備を含む。)で区画されているもの
   四  高さ三十一メートルを超える部分を機械製作工場、不燃性の物品を保管する倉庫その他これらに類する用途に供する建築物で主要構造部が不燃材料で造られたものその他これと同等以上に火災の発生のおそれの少ない構造のもの 」
 も、記憶しておくこと。

★どうして、31mを越えると非常用エレベーターが必要か?
  31mは昔の尺貫法の約100尺(33m)に該当します。以前の高さ制限でもあります。
  消防用の避難はしご車もその高さにあわせて31mまでは、届きますがそれ以上は届きません。
  そこで、消防隊も消火活動に使える非常用エレベーターが必要とされます。

2 非常用エレベーターの乗降ロビーの床面積は、非常用エレベーター1基について5u以上としなければならない。

答え:  適切でない。
  建築基準法施行令129条の13の3、3項7号「床面積は、非常用エレベーター一基について十平方メートル以上とすること」の規定により、10u以上が必要。5u以上は反する。

3 非常用エレベーターには、かごを呼び戻す装置を設け、その装置の作動を中央管理室においても行うことができるものとしなければならない。

答え: 正しい。 最も適切。
  建築基準法施行令129条の13の3、7項「非常用エレベーターには、かごを呼び戻す装置(各階の乗降ロビー及び非常用エレベーターのかご内に設けられた通常の制御装置の機能を停止させ、かごを避難階又はその直上階若しくは直下階に呼び戻す装置をいう。)を設け、かつ、当該装置の作動は、避難階又はその直上階若しくは直下階の乗降ロビー及び中央管理室において行なうことができるものとしなければならない」の規定のとおり。

4 非常用エレベーターのかごの定格速度は、45m/min以上としなければならない。

答え:  適切でない。
  建築基準法施行令129条の13の3、11項「非常用エレベーターのかごの定格速度は、六十メートル以上としなければならない」の規定により、60m/分以上であり、、45m/minは、反する。

答え:3

平成17年度 マンション管理士

〔問22〕建築基準法第52条第5項に規定する建築物である共同住宅のア〜エの共用部分のうち、建築物 の容積率の算定の基礎となる延べ面積に床面積を算入しなくてもよいものの組合せは、同法の規定によれば、次のうちどれか。

ア 中央管理室
イ 廊下
ウ 階段
エ エレベーター機械室

1 アとイ 
2 イとウ 
3 ウとエ 
4 エとア 

答え: 似たような出題は、平成19年 管理業務主任者試験 問18 にもある。
   建築基準法第52条第6項によれば、「第一項、第二項、次項、第十二項及び第十四項、第五十七条の二第三項第二号、第五十七条の三第二項、第五十九条第一項及び第三項、第五十九条の二第一項、第六十条第一項、第六十条の二第一項及び第四項、第六十八条の三第一項、第六十八条の四、第六十八条の五、第六十八条の五の二第一項、第六十八条の五の三(第一号ロを除く。)、第六十八条の五の四第一項第一号ロ、第六十八条の八、第六十八条の九第一項、第八十六条第三項及び第四項、第八十六条の二第二項及び第三項、第八十六条の五第三項並びに第八十六条の六第一項に規定する建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積には、共同住宅の@共用の廊下又はA階段の用に供する部分の床面積は、算入しないものとする。 」とされ、イとウ(2)が対象外。
★共同住宅の廊下や階段は、道路の延長と考えればいい。
容積率とは、建築基準法第52条1項、
  建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(以下「容積率」という。)で、例えば、建物の延べ面積100平方メートルで、敷地(土地)面積200平方メートルなら、100÷200=0.5となり、容積率は50%となります。
また、延べ面積とは、建築物の各階の床の合計面積です。
  容積率制度の目的は、建物の容積率を各地域の実情に応じた一定の割合にすることによって、道路等の公共施設の能力に対応した機能の維持と増進を図るためです。

答え:2(イとウ)

平成17年度 マンション管理士

[問23〕準防火地城にある共同住宅に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っている ものはどれか。

1 地階を除く階数が4以上であるもの又は延べ面構が1,500uを超えるものは、耐火建築物としなければ ならない。

答え: 正しい。 
  この設問の鍵は「準防火地域にある」、です。
 建築基準法62条1項によれば、「準防火地域内においては、地階を除く階数が四以上である建築物又は延べ面積が千五百平方メートルを超える建築物は耐火建築物とし、延べ面積が五百平方メートルを超え千五百平方メートル以下の建築物は耐火建築物又は準耐火建築物とし、地階を除く階数が三である建築物は耐火建築物、準耐火建築物又は外壁の開口部の構造及び面積、主要構造部の防火の措置その他の事項について防火上必要な政令で定める技術的基準に適合する建築物としなければならない。ただし、前条第二号に該当するものは、この限りでない。」の規定とおり。

準防火地域とは、 都市計画法(8条1項5号)に基づいて定められる地域。火災が発生した場合でも延焼速度を遅くし、市街地の防火に役立てることを目的として指定される地域。4階建て以上の建物はすべて耐火建築物としなければならないが、3階建て以下の場合は規模によって準耐火建築とすることもできる。準防火地域内に延べ床面積500平方メートル以下の木造3階建て住宅を建てるときは、外壁や軒裏を防火構造とするなど、主要構造部・開口部に関する一定の基準を満たさなくてはならない。

防火地域とは、都市計画法(8条1項5号)に基づいて定められる地域。この地域内には、万一火災が起こっても他に延焼しないような建物・工作物を建てなければならない。 基本的には耐火建築物であること。平屋または2階建てで、延べ床面積が100平方メートル以下であれば準耐火建築物でもよい。ただし、延べ面積が50平方メートル以下の平屋建ての付属建物で外壁・軒裏が防火構造になっているもの、高さ2m以下の門や塀などは例外として除外される。

耐火建築物とは、周辺で起こった火災の際にも、また室内で火災が発生した場合でも、それに耐えて崩落したり炎上したりしないだけの性能を持った建築物のこと。
建築基準法(第2条9の2号)によれば、大きく三つの条件を備えた建築物のこと。その条件は以下のとおり。
   1. 壁、柱、床などの主要構造部が耐火構造(耐力壁の非損傷性、壁および床の遮熱性、外壁及び屋根の遮炎性)を有し、周辺火災にも、室内火災にもその終了時まで耐えうること。
     *鉄筋コンクリート造、レンガ造などで、火災が終わっても、また材料が使える。
   2. 外壁開口部に防火設備を有すること。
   3. 周囲の火災に対し、外壁の耐力壁が構造耐力上支障ある損傷を生じないこと。また外壁は加熱面以外の面が可燃物燃焼温度以上に上昇しないこと 。

準耐火建築物とは、周辺で起こった火災の際にも、また室内で火災が発生した場合でも、それに耐えて崩落したり炎上したりしないだけの性能を持った耐火建築物以外の、耐火建築物に準ずる性能を持つ建築物。
建築基準法(第2条9の2号)によれば、大きく分けて次の2つの条件を満たすこと。
   1.壁、柱、床などの主要構造部が準耐火構造(耐火構造に準じた性能)で、なおかつ外壁開口部に防火設備を有する建築物。
   2.主要構造部は準耐火構造ではないが、それと同等の性能を有するものとして防火の措置その他の事項について政令で定める技術的基準に適合するもので、なおかつ外壁開口部に防火設備を有する建築物。
    *一般の木造住宅はそのままでは準耐火構造とならないが、木材の表面を石膏ボードで覆ったり、防火構造の外壁材を用い、内装下地に石膏ボードを使用するなどして準耐火性能をもつことができる。

2 当該共同住宅の外壁の開口部で延焼のおそれのある部分には、一定の防火設備を設けなければならない。

答え: 正しい。 
  建築基準法64条によれば、「防火地域又は準防火地域内にある建築物は、その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が準遮炎性能(建築物の周囲において発生する通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を設けなければならない。」の規定とおり。
防火設備とは、建築基準法施行令109条によると、
(防火戸その他の防火設備)
第百九条
 法第二条第九号の二ロ及び法第六十四条の政令で定める防火設備は、防火戸、ドレンチャー(火災発生時に延焼が広がるのを防ぐために、壁などに水を噴射し、膜を作ることで防火する。あくまでも、防火であり、初期火災を消火するスプリンクラーとは、位置づけが違う。防火用のスプリンクラーと考える。) その他火炎を遮る設備とする。
  2 隣地境界線、道路中心線又は同一敷地内の二以上の建築物(延べ面積の合計が五百平方メートル以内の建築物は、一の建築物とみなす。)相互の外壁間の中心線のあらゆる部分で、開口部から一階にあつては三メートル以下、二階以上にあつては五メートル以下の距離にあるものと当該開口部とを遮る外壁、そで壁、塀その他これらに類するものは、前項の防火設備とみなす。 」とある。

3 延べ面積が500uを越え、1,500u以下のものは、耐火建築物又は準耐火建築物にしなければならない 。

答え: 正しい。 
  建築基準法62条1項によれば、「準防火地域内においては、地階を除く階数が四以上である建築物又は延べ面積が千五百平方メートルを超える建築物は耐火建築物とし、延べ面積が五百平方メートルを超え千五百平方メートル以下の建築物は耐火建築物又は準耐火建築物とし、地階を除く階数が三である建築物は耐火建築物、準耐火建築物又は外壁の開口部の構造及び面積、主要構造部の防火の措置その他の事項について防火上必要な政令で定める技術的基準に適合する建築物としなければならない。ただし、前条第二号に該当するものは、この限りでない。 」の規定とおり。

4 当該共同住宅が防火地域及び準防火地域にわたる場合においては、準防火地域の建築物に関する規定は適応されることはない。

答え: 誤りである。 
  建築基準法67条2項によれば、「建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合においては、その全部について防火地域内の建築物に関する規定を適用する。ただし、建築物が防火地域外において防火壁で区画されている場合においては、その防火壁外の部分については、準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。 」の規定により準防火地域の規定が適用になることがある。

★宅地建物取引主任者 試験でよく出されるように、「防火地域で2つの地域にまたがるときは、制限の厳しいほうの地域の規定が適用される」のはあくまでも原則で例外もあることをついています。

★参考:建ぺい率と容積率は、制限の異なる地域にまたがるときには、各々の面積に按分して適応します。(参考:建築基準法53条2項、52条6項)

答え:4

平成17年度 管理業務主任者

[問17] 採光に関する次の記述のうち、建築基準法(昭和25年法律第201号)の原則的規定によれば、正しいものはどれか。

1 住宅の居室には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、5分の1以上としなければならない。

答え: 誤りである。 
  この採光と換気については、出題傾向が高い。
  建築基準法第28条、(居室の採光及び換気)
 第二十八条  住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、住宅にあつては七分の一以上、その他の建築物にあつては五分の一から十分の一までの間において政令で定める割合以上としなければならない。ただし、地階若しくは地下工作物内に設ける居室その他これらに類する居室又は温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室については、この限りでない。
 2  居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。
 3  別表第一(い)欄(一)項に掲げる用途に供する特殊建築物の居室又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたもの(政令で定めるものを除く。)には、政令で定める技術的基準に従つて、換気設備を設けなければならない。
 4  ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、前三項の規定の適用については、一室とみなす。 」
の規定により、床面積に対して1/7以上が正しい。 設問の「5分の1以上」は誤り。

居室とは、建築基準法第2条四号によると、「居室(とは)  居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。」とあります。
 具体的には、居間、ダイニング、キッチン、寝室、子供部屋、応接室、書斎等 継続的に使用する部屋で人が継続的に使用するので採光・換気その他環境衛生についての決まりがあります。玄関、廊下や階段は居室ではありません。便所、浴室も利用時間が一時的なので居室ではありません。
★居室に求められる室内居住環境...良好な室内居住環境を実現するために、採光、換気、防湿、遮音、温度調整、有害な化学物質の規制があります。
★換気も必要です。...室内で人が呼吸をすると、酸素を消費し二酸化炭素が排出され空気が汚染されます。そこで、この規定があります。
  また、台所のガスコンロなどの燃焼器具からの排ガスは人体に有害です。トイレの臭気も室内にこもると嫌な気分になりますので、屋外に排出します。

2 住宅の居室の窓その他の開口部で採光に有効な部分の面積は、当該居室の開口部ごとの面積に、それぞれ採光補正係数を乗じて得た面積を合計して算定する。

答え: 正しい。 
  建築基準法施行令第20条1項、「法第二十八条第一項 に規定する居室の窓その他の開口部(以下この条において「開口部」という。)で採光に有効な部分の面積は、当該居室の開口部ごとの面積に、それぞれ採光補正係数を乗じて得た面積を合計して算定するものとする。ただし、国土交通大臣が別に算定方法を定めた建築物の開口部については、その算定方法によることができる。」の規定のとおり。(設問4も参照)採光補正係数は地域・区域により計算の方法が異なっています。

★採光有効面積は、各 (開口部(窓など)x採光補正係数) で求めたものの合計となります。
★居室の床面積に対して必要な採光有効面積は、1/7以上です。(選択肢1参照)

3 ふすま、障子で仕切られた二室は、採光に関する規定の適用について、一室とはみなされない。

答え: 誤りである。 
  選択肢1でも述べたように、建築基準法第28条第4項、「ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、前三項の規定の適用については、一室とみなす。 」とある。設問の「一室とはみなされない」は誤り。
★この規定は、採光だけでなく、換気でも同じです。

4 採光補正係数の値は、隣地に建つ建物の高さを用いて算定する。

答え: 誤りである。
  従来の算定方法は、隣地境界線までの水平距離に建築物の各部分からの高さで除した割合が各地域、区域によって定められており、それより下を採光上無効としてきました。今回の改正ではその下方にある窓でもその面積を大きくすることによって上方の窓と同一の有効面積が得られるようになりました。
新しい算定方法は「採光関係比率」に応じ「採光補正係数」を計算し、これを開口部の面積に乗じて採光上有効な面積を求めます。
 建築基準法施行令第20条第2項に採光補正係数が規定されている。
  「前項の採光補正係数は、次の各号に掲げる地域又は区域の区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるところにより計算した数値(天窓にあつては当該数値に三・〇を乗じて得た数値、その外側に幅九十センチメートル以上の縁側(ぬれ縁を除く。)その他これに類するものがある開口部にあつては当該数値に〇・七を乗じて得た数値)とする。ただし、採光補正係数が三・〇を超えるときは、三・〇を限度とする。
   一  第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域又は準住居地域 隣地境界線(法第八十六条第十項 に規定する公告対象区域(以下「公告対象区域」という。)内の建築物にあつては、当該公告対象区域内の他の法第八十六条の二第一項 に規定する一敷地内認定建築物(同条第九項 の規定により一敷地内認定建築物とみなされるものを含む。以下この号において「一敷地内認定建築物」という。)又は同条第三項 に規定する一敷地内許可建築物(同条第十一項 又は第十二項 の規定により一敷地内許可建築物とみなされるものを含む。以下この号において「一敷地内許可建築物」という。)との隣地境界線を除く。以下この号において同じ。)又は同一敷地内の他の建築物(公告対象区域内の建築物にあつては、当該公告対象区域内の他の一敷地内認定建築物又は一敷地内許可建築物を含む。以下この号において同じ。)若しくは当該建築物の他の部分に面する開口部の部分で、その開口部の直上にある建築物の各部分(開口部の直上垂直面から後退し、又は突出する部分がある場合においては、その部分を含み、半透明のひさしその他採光上支障のないひさしがある場合においては、これを除くものとする。)からその部分の面する隣地境界線(開口部が、道(都市計画区域又は準都市計画区域内においては、法第四十二条 に規定する道路をいう。第百四十四条の四を除き、以下同じ。)に面する場合にあつては当該道の反対側の境界線とし、公園、広場、川その他これらに類する空地又は水面に面する場合にあつては当該公園、広場、川その他これらに類する空地又は水面の幅の二分の一だけ隣地境界線の外側にある線とする。)又は同一敷地内の他の建築物若しくは当該建築物の他の部分の対向部までの水平距離(以下この項において「水平距離」という。)を、その部分から開口部の中心までの垂直距離で除した数値のうちの最も小さい数値(以下「採光関係比率」という。)に六・〇を乗じた数値から一・四を減じて得た算定値(次のイからハまでに掲げる場合にあつては、それぞれイからハまでに定める数値)
   イ 開口部が道に面する場合であつて、当該算定値が一・〇未満となる場合 一・〇
   ロ 開口部が道に面しない場合であつて、水平距離が七メートル以上であり、かつ、当該算定値が一・〇未満となる場合 一・〇
   ハ 開口部が道に面しない場合であつて、水平距離が七メートル未満であり、かつ、当該算定値が負数となる場合 零

とあり、開口部の直上にある建築物の部分から隣地境界線までの距離=Dを、その部分から開口部の中心までの距離=Hで除したD/Hの数値(「採光関係比率)という。)に、用途地域ごとに定められている数値(住居系においては6)を掛けて、用途地域ごとに定められている数値(住居計においては1.4)を引いた数値(住居系においてはD/H×6−1.4、ただし、0≦採光補正係数≦3)が「採光補正係数」である。設問の「隣地に立つ建物の高さを用いて算定する」は誤り。当該建築物の軒の高さから各開口部の中心までの距離を用いて算出する。

答え:2

平成17年度 管理業務主任者

[問18] 建築基準法施行令第1条の用語の定義に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 構造耐力上主要な部分とは、基礎、壁、柱などで、建築物の自重及び積載荷重を支えるものをいい、筋かいなどの斜材を含まない。

答え: 誤りである。 
  建築基準法施行令第1条第3号「構造耐力上主要な部分(とは)  基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。)、床版、屋根版又は横架材(はり、けたその他これらに類するものをいう。)で、建築物の自重若しくは積載荷重、積雪、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものをいう。 」とある。設問の「筋かいなどの材料を含まない」は誤り。

★ここで、参考書を開いて、基礎、壁、柱、小屋組、筋かい、梁、ラーメン構造、トラス構造、ピロティ形式などの確認をしてください。

2 敷地とは、一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地をいう。

答え: 正しい。 
  建築基準法施行令第1条第1号。「敷地(とは)  一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地をいう。」の規定のとおり。

3 地階とは、床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの3分の1以上のものをいう。

答え: 正しい。 
  建築基準法施行令第1条第2号。 「地階(とは)  床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの三分の一以上のものをいう。 」の規定のとおり。
地盤面とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、その接する 位置の高低差が3mを超える場合は、その高低差3m以内ごとの平均の高さにおける水平面をいいます(建築基準法第52条第4項)。
 この地盤面が、建築物の高さを測る基準です。

容積率との関係:地階に設ける住宅部分
建築物の地階に設ける住宅の用途に供する部分で、その天井が地盤面からの高さ1m以 下にあるものの床面積については、当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の3分の1までは、 容積率算定上、延べ面積に算入されません(建築基準法第52条第3項)

★そして、地階の居室には、からぼり(ドライエリアともいいます)や換気設備、湿度調節設備が必要です。
 建築基準法29条:(地階における住宅等の居室)
    「第二十九条  住宅の居室、学校の教室、病院の病室又は寄宿舎の寝室で地階に設けるものは、壁及び床の防湿の措置その他の事項について衛生上必要な政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。」
 とあり、 同施行令22条の2:(地階における住宅等の居室の技術的基準)
    「第二十二条の二  法第二十九条 (法第八十七条第三項 において準用する場合を含む。)の政令で定める技術的基準は、次に掲げるものとする。
     一  居室が、次のイからハまでのいずれかに該当すること。
        イ 国土交通大臣が定めるところにより、からぼりその他の空地に面する開口部が設けられていること
        ロ 第二十条の二に規定する技術的基準に適合する換気設備が設けられていること。
        ハ 居室内の湿度を調節する設備が設けられていること。」
   の規定があります。

4 耐水材料とは、れんが、石、人造石、コンクリート、アスファルト、陶磁器、ガラスその他これらに類する耐水性の建築材料をいう。

答え: 正しい。 
  建築基準法施行令第1条第4号。「耐水材料(とは)  れんが、石、人造石、コンクリート、アスファルト、陶磁器、ガラスその他これらに類する耐水性の建築材料をいう。 」の規定のとおり。

★傾向として、建築基準法や建築基準法施行令の定義条項(xxxはyyyという)からの出題は高い。
 法の基本ですので、一度建築基準法の第2条、建築基準法施行令第1条、第2条は読んでおいてください。

答え:1

平成17年度 管理業務主任者

[問19] 次に掲げる各種手続について、手続を行う主体及び手続のあて先の組み合わせのうち、建築基準法の原則的規定によれば、誤っているものはどれか。


注:建築基準法第12条は、平成28年6月施行で、改正があった。ここは、改正に未対応。

  

 答え: 正しい。 
  建築基準法第6条、(建築物の建築等に関する申請及び確認)
      「第六条  建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。)その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。当該確認を受けた建築物の計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をして、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合も、同様とする。」
 とあり、
 (国土交通大臣等の指定を受けた者による確認)
  「第六条の二  前条第一項各号に掲げる建築物の計画(建築士法第三条 から第三条の三 までの規定に違反するものを除く。)が建築基準関係規定に適合するものであることについて、第七十七条の十八から第七十七条の二十一までの規定の定めるところにより国土交通大臣又は都道府県知事が指定した者の確認を受け、国土交通省令で定めるところにより確認済証の交付を受けたときは、当該確認は前条第一項の規定による確認と、当該確認済証は同項の確認済証とみなす。
 により、 建築確認申請は、建築主 ->建築主事又は指定確認検査機関 となる。

 答え: 正しい。 
  建築基準法第15条。(届出及び統計)
    「第十五条  建築主が建築物を建築しようとする場合又は建築物の除却の工事を施工する者が建築物を除却しようとする場合においては、これらの者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、当該建築物又は当該工事に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内である場合においては、この限りでない。」 
   により、建築物工事届は、 建築主 ->都道府県知事 となる。

 答え: 誤りである。 
  建築基準法第15条(届出及び統計)
   「第十五条  建築主が建築物を建築しようとする場合又は建築物の除却の工事を施工する者が建築物を除却しようとする場合においては、これらの者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、当該建築物又は当該工事に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内である場合においては、この限りでない。」
   により、建築物除却届は、除却の工事を施行する者 ->都道府県知事 となる。設問では、「建築物除却届の手続きの主体を建築主」としており誤りである。正しくは「施工者」である。

 答え: 正しい。 
  建築基準法第12条1項、2項;定期検査、検査の報告:(報告、検査等)
   「第十二条  第六条第一項第一号に掲げる建築物その他政令で定める建築物(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物を除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者。第三項において同じ。)は、当該建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者にその状況の調査(当該建築物の敷地及び構造についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含み、当該建築物の建築設備についての第三項の検査を除く。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
   2  国、都道府県又は建築主事を置く市町村の建築物(第六条第一項第一号に掲げる建築物その他前項の政令で定める建築物に限る。)の管理者である国、都道府県若しくは市町村の機関の長又はその委任を受けた者(以下この章において「国の機関の長等」という。)は、当該建築物の敷地及び構造について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は同項の資格を有する者に、損傷、腐食その他の劣化の状況の点検をさせなければならない。
   により、定期調査・検査の報告は、所有者又は管理者 ->特定行政庁 となる。

答え:3


平成29年〜平成24年 平成23年〜平成17年 平成16年〜平成13年

最終更新日:
2018年 3月17日:建築基準法第12条の改正を入れた。
2013年 3月27日:3ページにした。
2012年 3月:平成23年分の追加
2011年 4月25日:平成22年分の追加
2010年4月3日:平成21年分の追加
2009年3月4日

ページ 終わり


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