★★       条 文 の 解 説        ★★

建物の区分所有等に関する法律

(この解説においては、略称:区分所有法 と言う)

第1章 建物の区分所有 第2節 共用部分等

第十一条 共用部分の共有関係
第十二条
第十三条 共用部分の使用
第十四条 共用部分の持分の割合
第十五条 共用部分の持分の処分
第十六条 一部共用部分の管理
第十七条 共用部分の変更
第十八条 共用部分の管理
第十九条 共用部分の負担及び利益収取
第二十条 管理所有者の権限
第二十一条 共用部分に関する規定の準用

U-a.第11条(共用部分等 共用部分の共有関係)から 第14条(共用部分の持分の割合)まで

マンション管理士・管理業務主任者を目指す方のために、区分所有法を条文ごとに解説しました。 

試験問題は、過去の問題から出されるのではありません。条文から出題されます。

条文を勉強することが、合格への道です。

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第一章 建物の区分所有
第二節 共用部分等
 
(共用部分の共有関係)
第十一条
1項 共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。
   
過去出題 マンション管理士 H27年、H22年、H21年、H17年、H15年、H13年
管理業務主任者 R02年、

*「共有」とは、複数の人が、同じ物を、量的に分けて所有することです。

「共有」に属する...これで民法で規定する「共有」の適用を受けることになる。しかし、区分所有法の「共用部分」は 民法の「共有」の概念とちょとばかり違い、分割を請求したり、専有部分と分離して処分ができないので特別に規定する。

*しかし、規約で別段の定めができる(2項)

★ここからは、「第1章 建物の区分所有」 の 「第2節 共用部分等」 に入ります。
 「第2節 共用部分等」は、第11条から第21条までで構成されています。

★共用部分の共有関係
 第11条は建物の共用部分を誰のものにするか(帰属先)とその法的性質に関する規定です。

 第2条の定義条項により、建物は必ず @専有部分と、専有部分以外の A共用部分(イ.法定共用部分、ロ.規約共用部分 を含む)により構成されることになります。

<参照> 区分所有法 第2条(定義)

第二条  この法律において「区分所有権」とは、前条に規定する建物の部分(第四条第二項の規定により共用部分とされたものを除く。)を目的とする所有権をいう。
2  この法律において「区分所有者」とは、区分所有権を有する者をいう。
3  この法律において「専有部分」とは、区分所有権の目的たる建物の部分をいう。

4  この法律において「共用部分」とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び第四条第二項の規定により共用部分とされた附属の建物をいう。

5  この法律において「建物の敷地」とは、建物が所在する土地及び第五条第一項の規定により建物の敷地とされた土地をいう。
6  この法律において「敷地利用権」とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利をいう。

<参照> 区分所有法第4条

(共用部分)
第四条  数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分は、区分所有権の目的とならないものとする。
2  第一条に規定する建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができる。この場合には、その旨の登記をしなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

 

 建物の内「専有部分」は区分所有権の目的となり、区分所有者が所有しています(第2条)が、専有部分以外の建物の部分であるとされる「共用部分」は、第4条で規定された、@法定共用部分(廊下、階段室など)も A規約共用部分(もともと専有部分にもなりうるもの等)も専有部分と異なり区分所有権の目的にはならないとしました。

 もう一度共用部分を整理しますと以下のようになります。
  1.専有部分以外の建物の部分...廊下、階段室、外壁、屋根など
  2.専有部分に属しない建物の附属物...電気の幹配線、ガス・水道の本管、テレビ受信設備など
  3.規約によって共用部分とされた附属の建物...別棟の管理事務所、倉庫、車庫など
  4.専有部分になりうる建物の部分および附属の建物で規約によって共用部分とされたもの...建物内の集会室、共用の物置場、共用の車庫など
 なお、専有部分と共用部分の区分けの面倒さがあることには、注意しておいてください。

 区分所有法では専有部分の帰属先(持主)ははっきりと、区分所有者としました(第2条)が、共用部分はまだ、誰のものか決めていませんから、建物の中で持主の不明な不動産が存在していては法律上も面倒ですので、共用部分の持主は誰になるのかを法律としては決めなければなりません。

 共用部分の持主を決める前に、「共用部分(エントランス・階段室・エレベーターなどの法定共用部分と管理人室など規約共用部分を含めて)」とされる建物の部分の性質は何かを検討しますと、それは、マンション内で複数の人が、共同で利用する部分であることです。
複数の人が、共同で利用するのであれば、共同で利用する者たちを持主とすることが一番望ましいことではないでしょうか。
そこで、区分所有法では共用部分の持主をマンションの専有部分を所有する人たち(区分所有者)の全員の共同所有、つまり「共有」と明確にしました。(以前は、「共有と推定する」という規定であったために、解釈が分かれることもあった。)
 

 しかし、区分所有法における共用部分の共有関係は、民法での共有と異なり、共用部分の分割請求ができないとか、共有持分を専有部分と分離して処分ができないなどの特殊性があります。(第15条1項

★一部共用部分の帰属は?
 この建物の専有部分と共用部分の関係は、建物内において「明確に一部の人だけが利用する一部共用部分」(第3条参照)がある場合、例えば、1棟のマンションにおいて下が店舗部で上が住居部などのような場合において、店舗部だけで使用する入口や廊下と、住居部だけで使用する入口やエレベーターと廊下のように、明らかに各々の人だけが別々に利用する場所でも同じですから、一部共用部分であれば、それを利用する一部の利用者だけの共有とされています。(1項ただし書き)
 

 この結果、建物の共用部分を共同利用出来る権限は、専有部分の区分所有権という所有権に基づくものであることになります。

★共用部分(エレベーター、階段など建物の部分で土地は含まない)は分割管理できないので、区分所有者全員の共有にする。

★「共用」だとか「共有」だとかの言葉の違いに慣れること。専有部分でない建物の共有の部分はこの区分所有法では「共用部分」として表される。

<参照>共有 民法第249条〜

民法 第249条: 
  各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。

 但し、一部共用部分、例えば、1棟の建物で下が店舗で上が住居の場合などで、店舗部と居住部には出入り口が別々にあり、その使用と構造が、マンションの店舗部分と居住部分とでは「明確に異なる場合」は、各々の出入り口は、一部共用部分として店舗部分だけの持主(区分所有者であること)の共有又は居住部分持主だけの共有にする。
 だけど、規約で共用部分でも個人の所有とし、共有で無いように定めることはできる。(変な例外として管理所有がある。第11条2項)

★一部共用部分(一部の人たちのもの)とその共用部分の範囲

  建物の一部共用部分はかなり面倒なのでもう一度説明します。

  建物の一部共用部分とは、共用部分であっても、そこは、一部の区分所有者だけしか、利用しないことがはっきりとしているものです。(区分所有法第3条後段)。利用状況が、”明確になっていない”共用部分は、一部共用部分ではありません。その場合には、全体での共用部分となります。

<参照>区分所有法第3条(区分所有者の団体)

第三条  区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。

一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。

 たとえば、下駄ばきマンションの下層階の店舗部分だけで使われるお客用や店舗の従業員専用の出入口、階段、エスカレーター、空気調節設備等や、そして、上層階の住居部分のためだけに使われる居住者専用玄関、住居階専用のエレベーター、階段等が、店舗部分や住居部分の一部共用部分として典型的な例です。

 これに対して、共用部分のうち、店舗部分とか居住部分とかの区分に関係なく区分所有建物の区分所有者全員(以下「全員」といいます)の用途に供される部分(たとえば屋上、外壁等)を、全体共用部分といいます(区分所有法第3条前段)。

(注)構造・機能上特に一部の共用が明白な場合に限ってこれを一部共用部分として扱うことを相当とした判例があります(東京高裁 昭59.11.29判決)。

★一部共用部分の所有関係

 一部共用部分は、それを共用すべき区分所有者のみの共有に属し(区分所有法第11条1項ただし書)、全体共用部分は区分所有者全員で共有します(区分所有法第11条1項)。この点で共有関係も異なります。

★一部共用部分の管理

 共用部分の管理において、全体で使用する共用部分は区分所有者全員で管理を行い、これに要する費用は全員で負担するのが原則です(区分所有法第3条前段、第12条、第19条)。
 これに対して、一部共用部分の管理を全員で行うか、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者(以下「一部区分所有者」といいます)だけで行うかについて、区分所有法は次のように区分しています。

 一部共用部分の管理は、
 (イ)区分所有者全員の利害に
関するもの...→ 当然、区分所有者全員で管理(所有関係とは関係なく)
 (ロ)区分所有者全員の利害に
関係しないもの(すなわち、一部共用部分)でも、区分所有者全員の規約により区分所有者全員で行うものと定めたもの...→ 区分所有者全員で管理
 (ハ)上記(イ)および(ロ)以外のもの...→ 一部区分所有者だけで管理を行います。
  そして、一部共用部分の管理に要する費用は、一部区分所有者が負担するのが原則です(区分所有法第12条、第19条)。

★一部区分所有者の管理費用の負担基準

 共用部分の共有持分は、原則として「区分所有者の専有部分の床面積の割合によるもの」とし(区分所有法第14条1項参照)、つぎに、その持分に応じて管理費用を負担することとなっています。しかし管理規約で別段の定めをすることが許されています(区分所有法第14条4項、第19条)。

 また、区分所有法では、一部共用部分で床面積があるときは、その床面積を一部区分所有者の専有部分の床面積の割合によって配分し、それぞれの区分所有者の専有部分の床面積に含めたうえで全体共用部分の持分を定めます(区分所有法第14条2項参照)。
 つまり、一部の区分所有者は、一部共用部分の持分と全体共用部分の持分とに応じた割合によるそれぞれの管理費用を負担することになります。
 ただし、この場合も、面倒さを考慮し、管理規約で別段の定めをすることが許されています(区分所有法第14条4項参照)。

<参考>標準管理規約(単棟型)9条:(共有) 

第9条 対象物件のうち敷地及び共用部分等は、区分所有者の共有とする。

★一部共用部分の全体管理は、問題が多い。
  下が店舗で、上が住居などのマンションで全体管理をしている場合には、入居後問題が発生しています。
  例えば、 分譲当初の管理規約では、店舗部分の駐車場が無償使用になっていたり、屋上に店舗の看板が、全体の管理組合の費用で維持されていたりします。
  また、管理費が店舗部と住居部では極端に差があることで、是正を求めて裁判になっています。   

  判例としては、各々の事例で、該当の利益・不利益、受忍限度を超えているかどうか、合理的な限度を超えているかどうか、が判定基準となっています。

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第十一条

2項  前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。ただし、第二十七条第一項の場合を除いて、区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることはできない。

過去出題 マンション管理士 R03年、H24年、H21年、H20年、H17年、H16年、H15年、
管理業務主任者 R02年、H15年、

別段の定めをすることを妨げない...規約で共用部分を「共有」としない方法をとってもいい。
                         この規定での「ただし」書きは、「管理所有」と呼ばれる、個人が所有できないはずの共用部分の特別な所有方法で問題がある方法。

<参照> 区分所有法 第27条1項(管理所有):

  管理者は、規約に特別の定めがあるときは、
共用部分を所有することができる

★規約による共用部分の所有形態の変更
 第11条2項は、規約で別段を定めることにより、前の第11条1項で規定した「共用部分が区分所有者全員の共有であることや、一部共用部分が該当する一部の区分所有者たちの共有であることを変更することができる」としています。
前1項の別段
を定めることができる規定です。

 建物の共用部分や建物の設備は、区分所有者全員がほぼ均等に利用・恩恵等を受けるもの(例えば全部の階に停まるエレベーター)や一部の者がより多く利用・恩恵を受けるもの(例えば、高層階専用エレベーターと低層階専用エレベーターの場合)があり、その共用性は様々です。
また、一部共用部分については一部共有者だけで別の管理組合を構成して独自に管理できますが、全体の管理組合内で別途、小さな管理組合を結成・運営するのも手続きが煩瑣なことは避けられません。
そこで、1項での規定「共用部分が区分所有者全員の共有であることや、一部共用部分が該当する一部の区分所有者たちの共有であること」とは異なった、各々のマンションの実態に即した共用部分・設備等の帰属や管理単位を規約にて別途、確認・設定できるとし柔軟性を持たせたのが本2項です。

 ただし、本来区分所有者全員の共有とされている共用部分を規約で共有でないことを別に定めることができるといっても、共用部分の利用権は、そのマンションに住む区分所有者に帰属することは当該部分の共同の利用を保証するみなもとですから、 
 @マンションの権利を持っている区分所有者 か、または、区分所有者でなくても、
 A管理に関わる管理者 でなければ、
 規約で定めても共用部分の「所有者」にはなれないこととなっています(2項但書)。(この
但し書きは「管理所有」と呼ばれます。)

★原則、共用部分は、マンションの持ち主たちの”共有”だけど、規約があれば、共用部分でも特定の人(区分所有者であること)や管理者(この場合には、区分所有者でなくてもいい)(第27条1項)の”所有”にできる。この方が共有よりも管理が円滑にできて便利と説明される。

★管理所有は分かり難い
  しかし、この管理所有という例外規定は、実に分かり難い例外です。
区分所有法で共用部分となると、不動産登記法での登記もできないのに、”所有者”がいるとは、法体系としておかしな規定です。

  それは、区分所有法ができる前から、マンションの分譲は行われており、現在の法体系では、共用部分とされる管理人室や集会室が分譲会社の物として、登記もなく存在していた現状に合わせた規定と考えれば、この分かり難さを理解する一助になるかも。
 また、複雑な共有での管理を一本化して簡単にする方法とも捉えることができる。

★ただし、共用部分は、@区分所有者 及び A管理者 以外のものは所有することはできない。

*この「管理所有」の概念は、中々理解できないでしょうが、区分所有法第20条第27条も参照のこと。(注:この分かり難さから、出題傾向は高い。)

  ◎管理者なら区分所有者でなくても規約で共用部分を”所有”できるが、管理者でない他の身分の人が共用部分を”所有”するなら、その人は必ず区分所有者の中から指定されること。

   また、管理所有(第27条)は、共用部分(法定共用部分と規約共用部分の区別はありません。また、建物の部分です。)にだけ認められる。敷地(土地)には認められていません。 

◎管理所有:共用部分の管理所有とは、各区分所有者が、共用部分に有した権利を一括して管理所有を認められた者に委ねるということで、いわば共用部分の所有権を「信託」することと解されます。
 信託とは:信頼できる人にお金や土地などの財産の運用や管理、または処分を委託すること。
 例:区分所有者5人がいて、規約でその内の1人を共用部分の所有者とする。
   しかし、この管理所有は1つの権利としての登記は出来ません。

◎管理所有を認められた者は、その共用部分について、保存行為(物の現状維持、修理程度)はできますが、変更行為は出来ません。管理所有は、あくまでも、共有での複雑な管理を一本化するためのやり方です。

◎この区分所有法でも特異な管理所有は、建物の共用部分だけに認められる行為であり、共有(または準共有)の敷地は対象になりません。(第20条参照)
    管理規約で敷地を管理所有すると定めても、法律上その規約は無効です。

★管理所有者の地位は継承されない。
  管理所有者の地位は、個人的な信頼関係に基づくもので、規約によって定められた管理所有者が死亡したり、専有部分を譲渡した場合には、その管理所有者の地位は、相続人や譲受人には承継されないと解されています。


〔設問−1〕 平成22年 マンション管理士試験 「問2」

〔問 2〕一部共用部分についての規約の定めに関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについては、区分所有者全員の規約に定めることはできない。

X 誤っている。 できる。
 一部共用部分とは、建物において、構造上明らかに一部の専有部分にのみ共用されている廊下や階段室のことをいいます。例としては、下が店舗で上が居住用のいわゆる「下駄ばきマンション」を想定してください。この場合、店舗用にだけ使用される廊下や階段、また住戸の人専用の廊下やエレベーターが、この一部共用部分に該当します。(区分所有法第3条後半参照)
 本来、この一部共用部分の管理や使用は、一部共用部分の区分所有者達だけで行うように規約を定めてもいいのですが、建物全体としての管理を望むなら、区分所有者全員の利害に関係していなくても、区分所有者全員の規約に定めることができます。それが、区分所有法第30条2項です。
 「(規約事項)
  第三十条  
   2  一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めることができる。 」
 丁寧に読まないと、分かり難い条文ですが、「一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて」により、区分所有者全員の利害に関係しないものであっても、区分所有者全員の規約に定めることができます。
 そこで、一部共用部分の区分所有者達で定めることのできるのは、@区分所有者全員の利害に関しないこと、と、A区分所有者全員の利害に関しないことだけど区分所有者全員の規約に定められている事項を除いた事項となります。


2 一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属し、規約で特別に定めても管理者が所有するものとすることはできない。

X 誤っている。 一部共用部分でも管理者が所有できる。
 前半の「一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属し」は、区分所有法第11条1項ただし書きにより正しい。
 「(共用部分の共有関係)
 第十一条  共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。 」
 そして、後半の「規約で特別に定めても管理者が所有するものとすること」については、区分所有法に特別に規定される、管理者が所有権を登記できない共用部分を所有するという規定、いわゆる「管理所有」があります。それは、同法第27条1項です。
 「(管理所有)
 第二十七条  管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。」
 この第27条1項の規定は、一部共用部分であっても適用が可能ですから、規約で特別に定めれば、管理者が一部共用部分を所有することができます。


3 一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するものであっても、これを共用すべき区分所有者のみで行う旨を規約で定めることは妨げない。

X 誤っている。 区分所有者全員の利害に関する一部共用部分なら、必ず、全員の規約に入れる。
 分かり難い設問です。これは、選択肢1で説明した逆の解釈です。
  区分所有法第30条2項は、区分所有者全員の利害に関するものは、区分所有者全員の規約で定めるように規定されていますから、「これを共用すべき区分所有者のみ(一部共用部分の区分所有者達だけ)」での規約は定められません。


4 一部共用部分であるか否かは、その構造上決定されるものであって、規約で別段の定めをすることはできない。

○ 正しい? 条文では、正しいが、判断が難しいので、規約で明確にすべき。
 一部共用部分については、区分所有法第3条の後半が参考になります。
 「(区分所有者の団体)
 第三条  区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。 」とあり、
 一部共用部分であるか否かは、その共用部分の客観的な性質からみて、明らかであることが求められていますから、規約で別段の定めはできないと考えられます。しかし、現実には、全部共用部分か一部共用部分であるかが明確ではない場合が多くて、裁判になっていますので、規約で定めた方がいいでしょう。
(参考判例:構造・機能上特に一部の共用が明白な場合に限ってこれを一部共用部分として扱うことを相当とした(東京高裁 昭59年11月29日。他に、東京高裁:平成14年9月30日、東京地裁:平成5年3月30日など)

答え:4

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第十一条
3項  民法第百七十七条 の規定は、共用部分には適用しない。
過去出題 マンション管理士 H20年、
管理業務主任者 R02年、

適用しない...この条文で、区分所有法の建物の「共用部分」が民法の「共有」と一部扱いが異なることになる。区分所有法が民法の特別法たる一面です。

共用部分...建物において、@法定共用部分 と A規約共用部分 の両方を含むことに注意のこと。


民法第177条の規定{不動産の物権変動を第三者に対抗ためには、登記が必要である」 の適用除外とは、

<参照> 民法 第177条:

  不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従い
その登記をしなければ、第三者に対抗することができない

 区分所有法での建物の廊下や階段室などの「共用部分」は、その利用方法から多数の人々が関与する特異な存在であると区分所有法の設定者は判断しています。
 そこで、今までの経緯から共用部分は民法で定める複数の人の共有関係にあると一応規定しながらも(第11条1項本文参照)、マンションでは民法の共有関係において、変更行為における決定の方法である”全員一致(=全員の合意を得る)”で決することの困難さを理解し、区分所有法では、共有関係にあるとしながらも、「多数決が可能な規約で別段の定め」も認めました(第11条2項)。

 この、多数決理論の採用が区分所有法の特徴の一つです。

 さらに、本3項により、民法の第177条で定める、今までの戸建を中心とした一般の土地・建物の不動産としての処分方法や登記制度を変更し、次の第12条により、区分所有法特有の「共用部分」の使用方法や、専有部分の床面積による持分割合、単独での処分の禁止、変更、管理など規定しました。(第13条から第19条までを参照)

★区分所有法の共用部分の「共有」は民法の「共有」との大きな違いがある!

 区分所有法でも以前は、廊下や階段室が、権利の対象として、登記できたことも有りました(1962年以前)が、取引などでトラブルを招いたため、改正して今は共用部分には権利の登記を不要(権利の登記ができない)とし、共用部分単独では不動産取引の対象から外すことにしました。
 それが、区分所有法第11条3項での「
民法第百七十七条 の規定は、共用部分には適用しない」の意味です。

 この建物の共用部分を民法規定の通常の登記制度からはずしたことにより、区分所有法では、共用部分の共有者であってもその共用部分の自己の持分を単独に、その割合だけの処分はできません。(第15条)、且つ法定共用部分(廊下、階段室など)とされるものは単独で所有権の目的になりえない部分ともしてます。(第4条1項)
建物の区分所有権(専有部分に対する権利)が譲渡されれば、その区分所有権の譲渡に伴って必ず共用部分に対する持分も譲受人に移転するようにしています。(第15条)

 また、管理人室や集会室など専有部分ともなり得る建物の部分も規約で共用部分と定め(規約共用部分)て共用部分である旨の登記を行うことにより、その規約共用部分は取引を記録する不動産登記簿上の権利を記載する甲区(所有権関係の登記)乙区(抵当権など所有権以外の登記)の両区が閉じられ取引が出来なくなり(第4条2項)、よって法定共用部分および規約共用部分のいずれも取引の目的となりえなくしています。

 いいかえますと、マンションの建物の共用部分となると民法で認められた建物としての物権の得喪・変更ができなくなることです。

 区分所有法で
民法とは異なる特別の方式を採用したことにより、共用部分に関しては権利の得喪・変更を第三者に対抗するという自体がありえず、そこで、従来の民法第177条の意図した登記制度は変更になるということで適用しないとしました

★共用部分の復習
  ここで、復習です。
  区分所有法で定める「建物の部分」には、
   ア.専有部分 とそれ以外の 
   イ.共用部分 があります。(あくまでも建物の部分ですよ。敷地についてではありませんよ。)

  そして共用部分という言葉には、
   @法定共用部分 と 
   A規約共用部分 が含まれています。 

  @法定共用部分...階段室、エレベーター室などは、誰が見てもマンションで皆が使っている部分なので、特に登記をしなくても、他の人(第三者)の権利を侵さないため、登記不要で第三者に対抗できるようにした

  A規約共用部分...しかし、外見が専有部分(管理人室、集会所など)を規約で共用部分にすることができる。この場合には、第三者には分からないので登記をしないと、第三者に対抗できないとした。

  共用部分と表現されると、@法定共用部分とA規約共用部分の両方を含んだものであることに注意してください。特に法定共用部分だけを指してはいません。

<参照> 区分所有法 第4条2項:

 第一条(*注:区分所有権の目的物=専有部分)に規定する
建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができるこの場合には、その旨の登記をしなければ、これをもつて第三者に対抗することができない

★それでは、区分所有法では、共用部分を民法の適用外としたのなら、どうなるのか。
 以下の区分所有法第12条から第19条の適用となります。   


区分所有法からの出題ではないのですが、最近民法第177条からの出題がありますので、載せます。

{設問-1} 平成25年マンション管理士試験 「問12」

〔問12〕 Aは、Bとの間で、Aの所有する甲マンションの301号室の売買契約を締結した。Aは、その後、301号室について、Cとの聞でも売買契約を締結した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1  AC間の売買契約は無効であり、Cが301号室の所有権を取得することはない。


X 誤っている。 先に登記をすれば、室の所有権を取得する。 平成25年 管理業務主任者試験 「問4」 にも似たような出題がある。

 古くから「二重譲渡」と呼ばれている民法でもよく問題とされる箇所です。
 マンション管理士や管理業務主任者を目指している善良な人にとって、1つの物を二重に売るなんてことは考えられないことですが、昔から悪い奴は存在しています。悪い奴を罰するのは刑法に任せて、民法では、1つの物を買ってしまった後の人たちの権利をどう処理するのかに苦労してきています。
 まず、売買契約は、契約した時に成立し、事実上の支配がなくてもその所有権(物権の1つです)は移転していると民法第176条は規定しています。
 「(物権の設定及び移転)
 第百七十六条  物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる。 」
 しかし、この規定によりますと、設問のように1つの不動産が二重に売買されると、1つの物にも係わらず同じ権利を持つ者が2人もいるという事態になり、民法が原則としています、1つの物には、同じ内容の権利は1つしか成立しないという一物一権主義に反しておかしな状況となります。

 それでは2つある権利をどちらか1つだけを有効にするには何らかの形で優先順位を付けたらどうかという発想から、「先に登記をした方に権利を認めよう」としたのが、民法第177条です。
 「(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
 第百七十七条  不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」
 この民法第177条の規定により、二重譲渡は有効ですが、その権利を第三者に対して主張する(対抗するです)なら、登記がないとだめですよとしました。
 そこで、設問の検討ですが、AC間の売買契約は有効で、Bより後から買ったCであっても、室の登記をBより先にすれば、室の所有権を取得することも可能ですから、誤りです。



2  Cが、Aとの売買契約締結時に、301号室を既にBがAから買い受けていることを知り得た場合には、Cが301号室の所有権を取得することはない。

X 誤っている。 知っていても(悪意でも)いい。
 選択肢1でも述べましたように、Bより後から該当の室を二重に買受けたCであっても、Bより先に登記をすれば、その室の所有権を取得します。この場合、Cは既にBがAから買ったことを知っていても(悪意といいます)、かまわないと解されていますから、誤りです。


3  Bが先に301号室の引渡しを受けていても、CがBより先に売買代金全額をAに支払ったときには、Cは、Bに対して自分が301号室の所有権者であることを主張することができる。

X 誤っている。 登記を先にした方が主張できる。
  選択肢1でも説明しましたように、民法第177条では、
 「 (不動産に関する物権の変動の対抗要件)
 第百七十七条  不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」です。
 CがBに対して室の所有権者であることを主張するには、登記をしないとできませんから、誤りです。引渡しや、売買代金の前後は関係がありません。



4  Cが先に301号室の引渡しを受けていても、Bが所有権者として登記されたときには、Bは、Cに対して自分が301号室の所有権者であることを主張することができる。

○ 正しい。 登記を先にすれば、主張(対抗)できる。
 選択肢1でも述べましたように、民法第177条では、二重譲渡だけでなくトラブルの解決策をとにかく「登記」をした人を優先して扱っていますから、登記をしたBは、室の所有者であることをCに対して主張できますから、正しい。引渡しや、売買代金の前後は関係がありません。


答え:4  二重譲渡からの出題とは、新しい。宅地建物取扱士の試験かと思った。



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第十二条
 共用部分が区分所有者の全員又はその一部の共有に属する場合には、その共用部分の共有については、次条から第十九条までに定めるところによる。
過去出題 マンション管理士 未記入
管理業務主任者 未記入

★建物の共用部分が民法で定める「共有」の規定により処理されると分割されたりして、使えなくなるので民法の規定は採用しないとして、区分所有法で特別に設けた。

<参照>共有 民法 第255条(持分の放棄)、第256条(共有物の分割請求)〜

★通常なら、建物の共用部分も権利の対象として民法の規定をうけるのですが、区分所有法での特則として、前の第11条3項で、「民法第百七十七条 の規定は、共用部分には適用しない。」としたことを受けた規定が本第12条で、具体的には、次の第13条から規定される「使用」や「持分」「処分」「管理」「変更」など第19条までが適用されるといっています。

<参照> 民法 第177条:

  不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従い
その登記をしなければ、第三者に対抗することができない

 本第12条の条文が「共用部分が区分所有者の全員又はその一部の共有に属する場合には」とされていますから、そうでない場合は区分所有法第13条からの第19条までの7ケ条の適用はないことになりますが、前の第11条1項で共用部分は共有が原則であることを宣言している以上第13条からの7ケ条の適用がある場合が原則ということになります。
ちなみに、共用部分が区分所有者の共有に属さない場合とは「管理所有」が設定されている場合(第27条)の管理所有部分です。

民法での「共有」と区分所有法での建物の共用部分の「共有」の扱いの違い

 区分所有法の元になった 民法の共有関係(第249条から第262条まで)のうち、区分所有法(第13条から第19条まで)に対応した規定では、持分、処分、変更、分割などを以下のように変更しています。
 内容は、次のようになります。

◎まとめ(持分と共有物の違いを明確にすること)

No.  項目 民 法 の 共 有 区分所有法の共用部分の共有
共有物の使用 共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。(第249条) 持分に関係なく、共用部分をその用方に従って使用することができる。(第13条)
持分の割合 相等しいものと推定する。(第250条) 規約で別段の定めが無い限り、専有部分の床面積の割合。(第14条)
持分の処分(譲渡、抵当権の設定) 可能(共有”物”ではなく、”持分”に注意) 持分だけの処分はできない。(第15条)
共有物の保存行為 保存行為は、各共有者が単独ですることができる。(第252条ただし書) 各共有者が単独ですることができる。(第18条1項ただし書)
共有物の管理(利用・改良行為) 持分の価格の、その過半数で決する。(第252条) 区分所有者および議決権の各過半数による集会の決議で決する。(第18条1項)形状または効用の著しい変更を伴わない変更も同じ。(第17条1項)
共有物の変更 全員の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。(第251条) 形状又は効用の著しい変更を伴うものは、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。(第17条1項)
共有物の処分(譲渡、抵当権の設定) 全員の同意を得なければ、できない。(第251条) 共用部分だけの処分はできない。(第15条)
費用の負担 その持分に応じて負担する。(第253条) 規約に別段の定めが無い限り、持分に応じて負担する。(第19条)
共有物の分割請求 いつでも請求することができる。(第256条) できない。(第15条)

★区分所有法はあくまでも、民法の特別法です。
 基本的に、区分所有法の適用がある他に、民法の適用もあります。区分所有法の適用を受ける項目は、区分所有法の中に規定されている項目に限られます。


 例えば、新しくマンションの敷地を購入するなら、区分所有法での区分所有者及び議決権の各々 3/4以上の多数決では決められません。民法により、共有者全員の合意(同意)が必要になります。
 また、余っている敷地を売却する行為も、民法により、共有者全員 の合意が必要とされます。

 区分所有関係に入る時と、区分所有関係から出る行為は民法が適用されます。

 しかしこの民法の適用とするのか、区分所有法の適用とするのかの分岐点は明確でなく、民法なのか、区分所有法なのか、様々なケースが発生していて、裁判官や学説もその判断が分かれることもあります。
これは、まだ区分所有法が民法ほど認知されていない若い法律のせいでもあります。

 そこで、区分所有法に強い、「マンション管理士 香川」 の登場ともなるわけです。

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(共用部分の使用)
第十三条
 各共有者は、共用部分をその用方に従って使用することができる。
過去出題 マンション管理士 H28年、H27年、H16年、
管理業務主任者 H24年、H23年、H15年、

用方...用方(用法と同じ)とは、その物の本来的な目的・性質・用途により定まった使用方法。例えば、廊下なら通行用に使うこと。廊下には物を置いてはいけない。

★この条文は 民法 第249条:

  各共有者は、共有物の全部について、”その持分に応じた使用”をすることができる


  と似ている。

★第13条は共用部分の使用方法に関する規定です。
  前の第12条で区分所有者全員の共有部分である建物の「共用部分」については、
民法の共有関係と異なった第13条から第19条までの規定を適用することになりました。

 そこで、まず第13条は、共用部分の使用方法を定めています。

 区分所有法の源になっています、民法第249条では 共有関係での使用方法については、「共有物の全部につき”持分に応じた使用”ができる」と定めていますからその特則ということになります。

 なんども言っていますが、既存の民法の「共有」で対象としているのは1個の物を多数の者が所有している関係であり、1個の物を1部分だけ使用というのも通常考えにくく、誰かがその物を使用すれば使用はその物全部に及び、その間他の人は使用できなくなるのが原則です。

 例えば、1台の車を3人で共有していれば、車を使用するということとは、車全体を使うことになります。
共有だからといって、ある人がハンドルだけを使い、ある人がエンジンだけを使い、ある人がドアだけを使うなどは考えられません。

 そのため民法の共有では持分に基づく使用権は、持分の割合によるとして公平を保つ考えに立っています。(民法第249条)

 しかし、区分所有法の建物の共用部分(エントランス、階段とか廊下)は、上の民法の解説例としてあげた自動車の使用の状況と異なり、通常、多くの人が共同で使用(分割・部分使用または同時使用)することが可能な部分です。
 例えば、エレベーターの使用を考えてみましょう。
もしも、エレベーターの使用回数が各区分所有者の持分に応じるとするなら、自分の持分の大小に応じて数多く使えたり、少なく使うように制限されることになります。
また、エントランスの出入り回数も、自分の持分に応じて多くできたり、少なくするように制限されることになります。
この
民法の規定に従った持分割合に応じた使用方法は、マンションの場合、妥当でないことが分かるでしょう。
 従って、区分所有法では、各区分所有者は自分の持分(原則:専有部分の床面積比)の多少(大小)にもかかわらず、共用部分の全部を何度でも、その利用方法内で使用することができるとするのがこの規定の趣旨です。

  

★用方(用法)とは
  用方とはその物の本来的な目的・性質・用途により定まった使用方法という意味ですから、この点は民法第249条でも当然のことです。
用方に従った使用とは玄関を玄関、廊下を廊下、壁を壁として使用するということであり、その意味では至極常識的で当然の規定ですが、共用部分とされる建物の多様性からも用方の内容が必ずしも一義的に明確なものとはいえません。
しかし、建物の共用部分は専有部分(室)の便益のための部分ですから、共同の利益を害しない限り専有部分の便益に資する方向でその用方を決定するのが望ましいと思われます。

 従って、特定の専有部分を構成し又はそれに隣接する床・壁・天井・ドア・窓等の用方は当該専有部分の使用に支障がない範囲(壁に額や時計をビス留めし、床にカーペットをビス留めする等)に及び、エントランス、エレベーター、屋上等の用方は建物の全体としての専有部分の使用に支障がない範囲(共用部分を通してインターネットの配線を行う等)に及ぶと思われます。

 以上のように解しても共用部分の用方は多様ですから、各自が勝手に共用部分を使用することによる混乱を防止するため、室(専有部分)の改造など一定の事項を管理組合の承諾事項とし、規約や使用細則で定めることができることは勿論です。

★法定共用部分の用方 〜原則、規約でも使用制限ができないというが 〜
  法定共用部分(廊下・階段・エレベーターなど)とされるものは、その用方に従って使用することを禁止することは、規約でもできません。
  しかし、管理のために、集会の決議があれば、合理的な範囲(これも曖昧ですが)での制約は許されると解されます。(第17条1項第18条1項


★法定共用部分に専用使用権を設定できるか
  よくある例として、法定共用部分である屋上に分譲会社の広告塔が設置されているマンションがあります。
  この場合、分譲時の契約書の1項目として規定されていたり、管理規約の1項目として規定されていれば、法定共用部分ではありますが、特定の第三者が建物の共用部分を排他的に使用する権利の「専用使用権」を認めることになります。

 なお、マンションの分譲時に、分譲会社が、敷地に専用使用権を設定し、これを別途分譲した場合については、「マンションの駐車場の専用使用権の分譲をめぐる平成10年の最高裁判所の4件の判決について」を参考にしてください。

★規約共用部分の用方
  共用部分のうち規約で共用部分とした規約共用部分(管理事務室など)は、その規約で定めた使用目的、規約で前提としている使用目的に従って使用できることになります。

  用方に従わない使用者は、区分所有者の共同の利益に反する行為として、他の区分所有者からその行為の差止め請求等を受けることもあります。(第6条第57条から)

★専有部分の用途制限ができるか
 そこで、問題となるのが、個人が所有している専有部分であっても、「使用の制限」ができるかどうかです。

 例としては、「標準管理規約(単棟型)」は、住宅専用マンションとして、その「専有部分を専ら住宅として使用」するもの(標準管理規約12条参照)とし、共用部分の使用のほかに専有部分の用方を定め制限しています。

 通常の民法での所有権であれば、建物を住宅として使用することも、店舗として使うか、また事務所として使用するかどうかは、所有者の自由であり、標準管理規約のような制限は受けません。
 しかし、区分所有法における専有部分の区分所有権は、1棟の中にあるため、所有権の1種といっても特殊な位置にあり、「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。 (第6条1項参照)」の規定から使用の制限を受けることがあります。

 標準管理規約(単棟型)は、その前提が「居住専用」のマンションを想定しているために、「専有部分を専ら住宅として使用」する制限も可能と考えられています。
そこで、制限を受ける区分所有法での「区分所有権」は、
民法での物件である「所有権」というよりは、単なる専用使用ができる権利に過ぎないという論が出てくる訳です。

 これを受け、多くのマンションでは、居住用であれば「住宅専用」とする使用方法の制限をしている管理規定になっています。

{判例-1}
  管理規約で住宅専用使用とする用途制限をした専有部分について、事務所として使用したことは規約違反に当たる(東京地裁八王子支部:平成5年7月9日)

{判例-2}
  管理規約で住宅専用使用とする用途制限をした専有部分について、幼児の保育室としての使用は規約違反に当たる(横浜地裁:平成6年9月9日)

★使用方法は明確にしておくこと
  用方に疑義がでないようにするためには、管理規約で定めるやり方の他に、使用細則を定める方法もありますが、自転車置場のルール、ペットの飼育など、これらは、住んでみないと分からないことが多いので、総会(集会)で決めることになりますが、定める内容により、過半数の賛成か、区分所有者数及び議決権の3/4以上の賛成が必要になります。
しかし、入居後では、居住者の総意をまとめるのは、難しいのが現状です。

 マンションの購入者、特にファミリー・タイプでは、買う前に置ける自転車の数、犬猫などのペットを飼って良いかはチェックが必要ですよ。

<参考>「標準管理規約(単棟型)」12条:(専有部分の用途) 

〔※住宅宿泊事業に使用することを可能とする場合、禁止する場合に応じて、次のように規定〕

(ア)住宅宿泊事業を可能とする場合
(専有部分の用途)
第12条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
2 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用することができる

(イ)住宅宿泊事業を禁止する場合
(専有部分の用途)
第12条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
2 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用してはならない

<参考>「標準管理規約(単棟型) 第12条関係コメント  

@ 住宅としての使用は、専ら居住者の生活の本拠があるか否かによって判断する。したがって利用方法は、生活の本拠であるために必要な平穏さを有することを要する。

A 住宅宿泊事業法第2条第3項に規定する住宅宿泊事業については、第2項のように、可能か禁止かを明記することが望ましい。また、旅館業法第3条第1項の簡易宿所の許可を得て行う「民泊」については、旅館業営業として行われるものであり、通常は第1項の用途に含まれていないと考えられるため、可能としたい場合には、その旨を明記することが望ましい。
旅館業法や住宅宿泊事業法に違反して行われる事業は、管理規約に明記するまでもなく、当然に禁止されているとの趣旨である。
 さらに、「区分所有者は、その専有部分を、宿泊料を受けて人を宿泊させる事業を行う用途に供してはならない。」のような規定を置くこともあり得る。

B マンションによっては、一定の態様の住宅宿泊事業のみを可能とすることも考えられ、その場合は規約に明記すべきである。
 多数の区分所有者等による共同生活の場であり、その共同生活の維持のための法的手段が区分所有法上特に設けられているというマンションの特性に鑑みれば、個別のマンションの事情によっては、例えば、住宅宿泊事業者が同じマンション内に居住している住民である等のいわゆる家主居住 型の住宅宿泊事業に限り可能とするケースも考えられる。

いわゆる家主居住型の住宅宿泊事業のみ可能とする場合の例

第12条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
2 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業(同法第11条第1項2号に該当しないもので、住宅宿泊事業者が自己の生活の本拠として使用する専有部分と同法第2条第5項の届出住宅が同一の場合又は同じ建物内にある場合に限る。)に使用することができる。
 さらに、個別のマンションの事情によっては、このようないわゆる家主居住型の住宅宿泊事業のうち、住宅宿泊事業者が自己の生活の本拠として使用している専有部分において宿泊させる場合(いわゆる家主同居型)に限り可能とするケースも考えられる。

いわゆる家主同居型のみ可能とする場合の例
第12条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
2 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業(同法第11条第1項2号に該当しないもので、住宅宿泊事業者が自己の生活の本拠として使用す
る専有部分と同法第2条第5項の届出住宅が同一の場合に限る。)に使用することができる。

C 新規分譲時の原始規約等において、住宅宿泊事業の可否を使用細則に委任しておくこともあり得る。

住宅宿泊事業の可否を使用細則に委任する場合

第12条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
2 区分所有者が、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用することを可能とするか否かについては、使用細則に定めることができるものとする。

D (イ)の場合において、住宅宿泊事業の実施そのものだけでなく、さらに、その前段階の広告掲載等をも禁止する旨を明確に規定するため、「区分所有者は、前2項に違反する用途で使用することを内容とする広告の掲載その他の募集又は勧誘を行ってはならない。」のような規定を置くこともあり得る。

E 暴力団の排除のため、暴力団事務所としての使用や、暴力団員を反復し
て出入りさせる等の行為について禁止する旨の規定を追加することも考え
られる。


   (注)標準管理規約(単棟型)は、住宅専用を想定しているので、マンションの下が店舗などの場合は別の雛形の規約がある。(複合用途型)

    「専ら住宅として使用する」の範囲
      @主婦の内職...特に他の住戸に影響がないので、認められる範囲。
      A趣味の教室としての使用...華道、茶道など少人数なら問題ないが、規模・人数によっては認められない場合もある。
      B塾やピアノ教室...人数・規模・教授の時間帯や周囲の状況で判断される。住宅地にあるマンションでは認められないこともある

<参考>「標準管理規約(単棟型)」13条:(敷地及び共用部分等の用法) 

第13条 区分所有者は、敷地及び共用部分等をそれぞれの通常の用法に従って使用しなければならない。

<参考>「標準管理規約(単棟型) 第13条関係コメント 

「通常の用法」の具体的内容は、使用細則で定めることとする
例えば、「自転車は、一階の○○に置きます。それ以外の場所に置いてはいけません。」


{設問-1}法定共用部分は、規約で定めれば、各共有者のその用法に従った使用について、一定の制限をすることも禁止することもできるか。(平成16年 マンション管理士試験 問1)

答え:制限・禁止は出来ない? →できることがある。
共用部分には、区分所有法4条により、@法定共用部分(廊下、階段室など)と、A規約共用部分があるが、区分所有法13条によれば、「その用方に従った使用」ができる。法定共用部分は、規約によっても各共有者の用方に従った使用は制限・禁止できない。ただし、規約共用部分については、規約で定めた使用目的などで制限・禁止はあり得る。

 (注:平成20年8月 解説変更。この設問は問題が多い。現実に法定共用部分であるマンションの屋根に設置された広告塔は、屋根の用方に従った使用方法と言えるのか疑問がある。時代の変化に伴い出題も適切ではなくなるという例です。)


{設問-2}共用部分に関する次の記述は、区分所有法の規定によれば、正しいか。

 *共用部分は、規約に別段の定めがない限り、各共有者は、その持分に応じてその負担に任じ、その持分に従って使用することができる。

X 誤っている。 持分に関係なく、使用できる。
 共用部分の負担については、区分所有法第19条(共用部分の負担及び利益収取)
 「第十九条  各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。 」とあり、設問の前半は正しい。
 共用部分の使用については、区分所有法第13条(共用部分の使用)
 「第十三条  各共有者は、
共用部分をその用方に従つて使用することができる」 とあり、持分(大小)に関係なく使用できます。後半が誤っている。

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(共用部分の持分の割合)

第十四条

1項 各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。
過去出題 マンション管理士 H28年、H27年、H26年、H25年、H22年、H20年、H19年、H15年、H14年、
管理業務主任者 H26年、H22年、

<参照>共有 民法 第250条: 

  各共有者の持分は、相等しいものと推定する。

 ★民法の共有では、その物に対する持分は特に指定が無ければ、均等(相等しい)になる。
 でもマンションでは各室(専有部分)の広さによって、分譲価格も違うので均等は不公平。
 そこで、建物の共用部分の持分割合を原則、自己所有部分(建物の専有部分)の床面積での比例配分にした。

  この第14条1項は、建物の共用部分の持分の割合を定めたものです。

  前の第12条で区分所有者全員の共有部分である「共用部分」については、民法の共有関係と異なった第13条から第19条までの規定を適用することにしたことを受けた規定です。

 原則として区分所有者全員が共有することになった(区分所有法第11条1項)建物の共用部分の持分の原則は「その有する専有部分の床面積の割合」によります。
そして、建物の専有部分の床面積は一般に「内のり(内法)計算」とされる、壁の内側の部分で計算(3項)しますが、これは規約で別段の定めも可能です。(4項)

  

  (注意:原則は「その有する専有部分の床面積の割合」です。規約は、例外として別段の定めができるだけです。勉強をしているうちに、規約の方が優先するように、誤解しますので、注意してください。)

★★ ここ第14条は重要 ★★ 議決権の基本ともなる。

★持分とは:権利で決めるか割合で決めるか → 割合で

 持分という用語には持分権という意味での共有の権利を指す場合と、その割合(持分割合)を指す場合がありますが、ここ区分所有法第14条では割合を意味しています。
建物の共用部分は区分所有者全員の共有と規定されました(第11条)から、次に共有者間の関係を適正に処理するため、各共有者の権利や義務の割合を定める必要があります。そこで、第14条では持分割合を規定しています。

★持分決定の基準:価値か面積か  → 面積で
 共有における持分割合を何を基準に定めるかについては、いろいろな考え方があります。

  多くの場合、
   @価値(価格=お金)を基準とするか、
   A面積(広さ)を基準とするか 
  に分かれます。

 マンションの場合、価値(お金)を中心に考えると、通常基準となりそうなのは、マンションの分譲価格でしょう。しかし、この分譲価格は、新築時・中古時など時間での変動が激しく、また、販売主の思惑などで分譲価格を割引くなど大きな変化があり基準とするには曖昧です。
そこで、客観的な基準としては、一般には、変動要素のない面積(広さ)を基準とした方法が、価格を基準する方法よりは勝っているといえます。

 1棟の建物を物理的にみれば専有面積の単位面積当たりに必要な共用部分は一定の筈ですから、各専有部分が必要とする(即ち各専有部分に付随する)共用部分の量(割合)は専有部分の面積に比例するというのは一応合理性がある考え方といえます。

 そこで本第14条1項では、共用部分の持分の割合を「専有部分の床面積基準の採用」を宣言しています。
ちなみに民法や商法では一般に出資割合(お金)が基準となっています。

★分譲価格に極端な差がある超高層マンション(タワー・マンション)は?

  

 なお、最近の超高層マンション(タワー・マンション)の出現により、高層階の分譲価格と低層階との分譲価格において極端に差がある場合には、この「建物の専有部分の床面積」を基準とする方法よりは、価値(分譲価格)を基準とする方法も、区分所有法での共用部分の持分として検討される事項ではあります。
 通常、専有部分の分譲価格に影響を及ぼす要因としては、専有部分の床面積の他に、階数、眺望、日照(方角・位置)などが考えられます。
これらの要因を客観的に評価する基準の設定は非常に困難ですが、専有部分の床面積の割合とは異なる「規約で別段の定め」として(第14条4項参照)、分譲価格を基準として各共有者の共用部分の持分割合とすることも可能です。

 区分所有法の元になりました、現在は削除されている旧民法第208条では、区分建物においても「価格」を採用していました。

<参照> 旧民法第208条 

『数人ニテー棟ノ建物ヲ区分シ各其一部ヲ所有スルトキハ建物及ヒ其附属物ノ共用部分ハ其共有二属スルモノト推定ス』、
  『共用部分ノ修繕其他ノ負担ハ各自ノ所有部分ノ”価格”二応シテ之ヲ分ツ


★持分を定める実際の効果
 民法と異なりマンションでは、建物の玄関や階段、エレベーターなどの共用部分を使用する権利は、各自が専有している床面積の大小(広さ)に関係なく行使できます(第13条)から、ここで持分を決定する実益は、後ででてきます、集会での「議決権」という名の発言権の割合(第38条参照)と管理費等の負担の割合(第19条参照)の決定基準となることです。

 そこで区分建物の使用方法が、居住専用とか店舗併設などで異なっていたりするときは、集会における発言権の割合(議決権)と管理費等の負担の割合を他の用途の建物とは別にするなどの、建物による価値の差も考慮した持分割合を設定する必要もあるでしょう。

★注意:区分所有法第14条1項で定める専有部分の床面積の割合の原則は、建物の「共用部分」の持分割合について定めたものです。
  敷地(土地)の持分割合には適用がありません。土地の権利と建物の権利は別のものです。
 敷地の共有の割合は、民法の原則により、販売時の「契約」により、決まります。敷地についての持分割合が定められていないときは、民法の原則により、「相等しいものと推定」されます。

標準管理規約(単棟型) 第10条関係コメント 

@ 共有持分の割合については、専有部分の床面積の割合によることとする。 ただし、敷地については、公正証書によりその割合が定まっている場合、 それに合わせる必要がある。
 登記簿に記載されている面積は、内のり計算によるが、共有持分の割合の基準となる面積は、壁心計算(界壁の中心線で囲まれた部分の面積を算出する方法をいう。)によるものとする。

 (注)専有部分の登記簿は不動産登記法上「内のり計算」になりますが、新規分譲時には、まだ柱と壁の概要しかできてなく、内装は未定で販売されます。
   それでも、共用部分の持分割合は決めておく必要があり分譲時の規約に規定されます。


A 敷地及び附属施設の共有持分は、規約で定まるものではなく、分譲契約等によって定まるものであるが、本条に確認的に規定したものである。なお、共用部分の共有持分は規約で定まるものである。

B なお、第46条関係Bで述べている価値割合による議決権割合を設定する場合には、分譲契約等によって定まる敷地等の共有持分についても、価値割合に連動させることが考えられる

  (注)価値割合が考えられるのは、最近のタワー・マンションの出現により、同じ床面積であっても、超高層階と低層階での著しい分譲価格の違いが生じている場合です。

★未分譲の共用部分の費用(管理費)は誰が負担するか。
  区分所有法で定める区分所有権は、分譲が開始され、登記簿に記載されたときから法令、規約などが適用されます。
 しかし、分譲の当初から完売していないとき、つまり未分譲の専有部分があるときでも、建物が完成し購入した誰かの入居が始まれば、清掃費、外灯費、エレベーター等の維持・管理費などが発生します。
 入居戸数が少なくても、マンション全体としての維持費も発生しますが、規約では、購入者は、自己の専有部分に応じた管理費しか支払っていません。
 このような場合、以前は商習慣で、管理費が不足しても、後日専有部分が完売し、管理費が充分になるまで会計上もマイナスの処理がなされていました。
 しかし、今日では、未分譲の区分所有建物を所有している、分譲業者が未分譲部分に対応した管理費を支払うことになっています。

 (そこで、このような未分譲の室がある状態での管理組合の総会(集会)があれば、分譲業者に、未分譲分の議決権があります。)

 ただし、入居時の特約で、分譲業者は、未分譲全戸分の管理費は負担しないで、未分譲分があっても、全体の95%を限度としていることがあります。全戸の販売が長引けば、管理費が不足することもあり得ます。ひどい話です。

 このような状況にならないようにするためには、 「マンション管理士 香川事務所」 に早めに相談をすることです。

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第十四条
2項  前項の場合において、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有するものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれその区分所有者の専有部分の床面積に算入するものとする。
過去出題 マンション管理士 H25年、
管理業務主任者 H27年、H22年、

*ここも、分かり難い表現に注意。

★持分算定の方法。
  第14条2項は、一部共用部分がある時の床面積算入規定です。

  一部共用部分があるマンションとは、度々、例にあげますように、上は住居部、下は店舗部のあるいわゆる「下駄ばきマンション」を想像してください。そして、住居部だけでで使用する出入口やエレベーターと、店舗部だけで使用するお客専用の出入り口や従業員専用の出入口が別々にあり明確に利用区分がある場合です。

 その場合、該当する一部共用部分は一部の区分所有者のみの共有に属する(第11条1項)ため、全体共用部分との関係においては専有部分に準ずるものと考えられます。
 このことは当該一部共用部分(に関する専有部分)を1人の者が単独で所有している時を考えれば明らかです。
特定の一部共用部分も所有する者と、全体共用部分のみを所有する者との関係を公平に取り扱うためには一部共用部分の面積を当該一部共有者の専有面積に加算して全体共用部分の持分算定の基礎とすることが必要だとするのが本項の趣旨です。

 なお、附属の建物は規約で一部共用部分とされていても、本体の建物の共用部分とは無関係なため除かれます。

★一部区分所有者は、一部共用部分の持分と全体共用部分の持分とに応じた割合によるそれぞれの管理費用を負担することになります。
  一部の人が使う共用部分であっても、その使用者の割合で、専有部分の床面積と同じ扱いにでき全体の議決権などに反映できる。

★床面積を有しない一部共用部分がある?
  たとえば、明確に店舗部だけで使用する掲示板や出入り口は、一部共用部分として管理の対象になりますが、床面積はありません。

★ しかし、規約で別の定め可(第14条4項)。


{設問-1}次の記述は正しいか。

*共用部分の共有持分割合の算定に当たって、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)の床面積を、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれの区分所有者の専有部分の床面積に算入しようとする場合には、規約でその旨を定めなければならない。

答え:誤りである。 
 区分所有法第14条2項によれば、共用部分の共有持分割合の算定に当たって、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)の床面積を、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれの区分所有者の専有部分の床面積に算入しようとする場合には、規約でその旨を定める必要は無い。規約は、これ以外の方法を定めるときに必要となる。(原則と規約の違いを理解のこと)


{設問-2} 平成25年 マンション管理士試験 「問32」

〔問32〕 甲マンションには、A、B及びCの三人の区分所有者がいる。それぞれの専有部分の床面積は、Aは40u、Bは60u、Cは120uで、あるが、A及びB二人のみの共用に供されるべき一部共用部分がありその面積が20uで、ある。この場合におけるA、B及びCのそれぞれの共用部分の持分の割合は、区分所有法の規定によれば、次のうちどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。

1  Aは18%  Bは32% Cは50%
2  Aは20%  Bは35% Cは45%
3  Aは20%  Bは30% Cは50%
4  Aは23%  Bは30% Cは47%



*共用部分の持分の割合となると、区分所有法第14条1項、2項
 「(共用部分の持分の割合)
 第十四条  各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。
   2  前項の場合において、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有するものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれその区分所有者の専有部分の床面積に算入するものとする。
   3  前二項の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による。
   4  前三項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。」とあります。
 1項により、各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合によるのですが、2項にも変な規定があります。
 「一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有するものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれその区分所有者の専有部分の床面積に算入するものとする」です。
 そこで、設問に従って、
 一部共用部分を、A・Bに別途、専有部分の床面積の割合により配分して割り振ることになります。

 一部共用部分=20u を A=40u と B=60u の割合 4:6 で分けると、
 A=8u、 B=12u となり、

  Aは、元々の  40u +  8u = 48u
  Bは、元々の  60u + 12u = 72u
  Cは、元々だけの            120u となり、

 A、B、C の合計は 48u + 72u + 120u = 240u  ですから、

 A の共用部分の持分の割合は A=48/240 = 20%
 B の共用部分の持分の割合は B=72/240 = 30%
 C の共用部分の持分の割合は C=120/240= 50% 
 となります。



答え:3  

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第十四条
3項 前二項の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による。
過去出題 マンション管理士 H15年、
管理業務主任者 未記入

原則:内側線で囲まれた部分...一般に「内のり(内法)計算」とされる、壁の内側の部分。
                       壁の中心で計算する「壁芯計算」よりも、狭くなる。

水平投影面積とは
  立体を垂直方向(上から下へ)から平らな画面に投影するときにできる図形の面積(縦x横)

★専有面積の算定方法とその意味
 第14条1項で、各共有者の共用部分の持分を、その有する専有部分の床面積の割合としましたから、次に本3項で、共用部分の持分の基準となる専有面積の算定方法を定めました。

★建物の床面積の算出方法 〜壁芯で計るか、内のりで計るか〜
 建物の床面積については、建築基準法では、一般の建物では壁の中心線(壁芯)で囲まれた部分から算出し、マンション(区分建物)では壁などの内側で囲まれた部分(うちのり=内法)を床面積としています。(参照:不動産登記規則 第115条)

 この規定を参考にして、区分所有法でも、共用部分の持分の基準となる専有面積の算定方法を、不動産登記上の建物で採用した、内法(うちのり)面積を採用しています。

<参照>不動産登記規則 第115条(建物の床面積)

 建物の床面積は、各階ごとに壁その他の区画の中心線(区分建物にあっては、壁その他の区画の内側線)で囲まれた部分の水平投影面積により、平方メートルを単位として定め、一平方メートルの百分の一未満の端数は、切り捨てるものとする。

注:不動産登記法ではマンションの専有部分は、区分建物と呼ばれています。

★共用部分の持分の基準となる専有部分の床面積と各専有部分の支配とは別の論争
  今までの条文の解説で建物の「専有部分」と「共用部分」の仕切り(区分け)が難しくて裁判上でも争いが絶えないと言ったことを覚えていますか。

 ここで、もう一度解説します。

 建物の専有部分と共用部分の区分点をめぐって、各専有部分がどこまでを支配するか、いいかえると柱や壁、床、天井等の境界の範囲に関しては
 @壁芯説と 
 A内法(うちのり)説、そして最近は、
 B折衷説(上塗り説) が有ります。

 しかし、本3項の床面積の規定は問題になっている管理や使用での専有部分の範囲を決める趣旨ではなく共有持分算定の根拠としての基準を決めているにすぎません。
従って、専有部分の範囲に関する壁芯説や内法説等のどれを採用するかという問題と本項の面積算定基準をどれにするかとは全く無関係といえます。

 事実、標準管理規約でも専有部分の範囲は上塗り説ですが持分算定上の面積はこの内法説ではなく、規約で別段の定めができる(4項)ので壁芯面積としております。

★専有部分の床面積の算出方法には、2種類ある。

    @壁芯計算...壁の中心線から計算する。

    A内法(うちのり)計算...壁の内側から計算する。 ← 区分所有法はこれで(原則)

      どうして、床面積の計算方法が問題になるかというと、不動産登記法でも建築基準法でも、一般の建物の床面積は壁芯計算だから。
     マンション(区分建物)だけが例外になっている。

参考:不動産登記規則 (建物の床面積)

第百十五条
 建物の床面積は、各階ごとに壁その他の区画の中心線
区分建物にあっては、壁その他の区画の内側線)で囲まれた部分の水平投影面積により、平方メートルを単位として定め、一平方メートルの百分の一未満の端数は、切り捨てるものとする。

参考:建築基準法 施行令第2条1項3号

  三  床面積 建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による。

     容積率算定の床面積も柱・壁・扉などの区画の中心線(壁芯)で囲まれた部分の水平投影面積。

    ちなみに、マンションの共用の廊下、階段などの床面積は、容積率に入れない。エレベーター室は容積率に入れる。(建築基準法第52条6項 参照) (注;平成27年6月1日施行の建築基準法により、昇降機(エレベーター)の昇降路の部分の床面積も延べ面積に算入しないことになった。)
  また、老人ホーム等の共用の廊下なども、令和元年6月25日施行で、追加になった。

  参考:建築基準法第52条6項 (令和元年6月25日:施行)

6 第一項、第二項、次項、第十二項及び第十四項、第五十七条の二第三項第二号、第五十七条の三第二項、第五十九条第一項及び第三項、第五十九条の二第一項、第六十条第一項、第六十条の二第一項及び第四項、第六十八条の三第一項、第六十八条の四、第六十八条の五、第六十八条の五の二、第六十八条の五の三第一項、第六十八条の五の四(第一号ロを除く。)、第六十八条の五の五第一項第一号ロ、第六十八条の八、第六十八条の九第一項、第八十六条第三項及び第四項、第八十六条の二第二項及び第三項、第八十六条の五第三項並びに第八十六条の六第一項に規定する建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積には、政令で定める昇降機の昇降路の部分又は共同住宅若しくは老人ホーム等の共用の廊下若しくは階段の用に供する部分の床面積は、算入しないものとする。

★ しかし、共用部分の持分は、規約で別の定め可(第14条4項)。

★現実には、分譲マンションなどでは、建築中でまだ内装が終わっていない段階で販売する(青田売り)ので、この場合には、壁芯からの計算しかできないため、壁芯計算でやっているマンションが多い。そして、当初の規約もこの壁芯計算でやることが普通。
 標準管理規約(単棟型)でも、壁芯計算を採用している。(参考:標準管理規約(単棟型)10条、及び 関係コメント)

<参照>標準管理規約(単棟型) 10条(共有持分)  

第10条 各区分所有者の共有持分は、別表第3に掲げるとおりとする。

標準管理規約(単棟型) 第10条関係コメント  

@ 共有持分の割合については、専有部分の床面積の割合によることとする。 ただし、敷地については、公正証書によりその割合が定まっている場合、 それに合わせる必要がある。
登記簿に記載されている面積は、内のり計算によるが、共有持分の割合 の基準となる面積は、壁心計算(界壁の中心線で囲まれた部分の面積を算 出する方法をいう。)によるものとする。

 (注)専有部分の登記簿は不動産登記法上「内のり計算」になりますが、新規分譲時には、まだ柱と壁の概要しかできてなく、内装は未定で販売されます。
   それでも、共用部分の持分割合は決めておく必要があり分譲時の規約に規定されます。


A 敷地及び附属施設の共有持分は、規約で定まるものではなく、分譲契約等によって定まるものであるが、本条に確認的に規定したものである。な お、共用部分の共有持分は規約で定まるものである。

B なお、第46条関係Bで述べている価値割合による議決権割合を設定する場合には、分譲契約等によって定まる敷地等の共有持分についても、価値割合に連動させることが考えられる

  (注)最近のタワー・マンションの出現により、同じ床面積であっても、超高層階と低層階での著しい分譲価格の違いが生じている場合です。

★壁芯面積と内法面積との違い。
 壁芯面積を採用した方が将来的な区分建物の合併・分割時に専有総面積の変更が必要ないこと、建築中で内法面積が算定できない時期に規約等を作成する場合は壁芯面積(建築確認申請面積)を使用する必要があること等から、この面積の計算方法は壁芯面積基準が望ましいといえます。

登記簿の面積が分譲面積より”狭い”
 新しくマンションを買った人がすぐに気がつくのが、不動産登記簿(権利書)に記載されている室の面積と分譲会社が説明していた分譲床面積(専有面積)の違いです。
 不動産登記簿の方が狭くなっているので、購入者からの質問が多い項目です。
 不動産登記簿は「内法計算」を採用していて、分譲会社は「壁芯計算」を採用しているためです。
 「住宅ローン控除」の適用となるのは、登記簿の面積(内法計算=狭い)ですので、専有部分の床面積が50u以上あることを確認してください。(注:2021年度から、所得条件により床面積が 40u以上50u未満でも控除対象の税制改正あり。)

★バルコニー(ベランダ) は専有部分に含めない場合が多い。
 マンションによって、その室の専有部分の大きさにより、バルコニー(ベランダ) の広さも室ごとに変化しています。
 販売タイプで一部の室だけにバルコニー(ベランダ) がある場合を除き、殆どの室にバルコニー(ベランダ) がある場合は、バルコニー(ベランダ) の広さは専有部分に含めていません。

 「標準管理規約(単棟型)」は、バルコニー(ベランダ) を、専用使用ができる「共用部分」としていますので、管理費や修繕積立金の負担基準の専有面積から、バルコニー(ベランダ) 面積は除いています。

<参考>「標準管理規約(単棟型)」第8条、「別表第2」の共用部分の範囲 

別表第2 共用部分の範囲

1 エントランスホール、廊下、階段、エレベーターホール、エレベーター室、共用トイレ、屋上、 屋根、塔屋、ポンプ室、自家用電気室、機械室、受水槽室、高置水槽室、パイプスペース、メーターボックス(給湯器ボイラー等の設備を除く。)、内外壁、界壁、床スラブ、床、天井、柱、基礎 部分、バルコニー等専有部分に属さない「建物の部分」

2 エレベーター設備、電気設備、給水設備、排水設備、消防・防災設備、インターネット通信設備、 テレビ共同受信設備、オートロック設備、宅配ボックス、避雷設備、集合郵便受箱、各種の配線配管(給水管については、本管から各住戸メーターを含む部分、雑排水管及び汚水管については、配管継手及び立て管)等専有部分に属さない「建物の附属物」

3 管理事務室、管理用倉庫、清掃員控室、集会室、トランクルーム、倉庫及びそれらの附属物

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第十四条

4項  前三項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。

過去出題 マンション管理士 R03年、H26年、H22年、H14年、
管理業務主任者 H30年、H27年、H22年、

*前三項の規定...前にある3つの項。区分所有法第14条1項、2項、3項のこと。(原則、共有持分は専有部分の内法計算による床面積の割合とする)を規約で変更できる。

妨げない...建物の共用部分では、共有持分の割合を規約で別の方法に変えてもいい。(「内のり計算」を「壁芯計算」にするなど)

★任意規定 〜規約による変更の許容〜
 本4項では、前の3項(これは直前の第3項目だけを指すのではなく、これより前に規定されている3つの項目という意味です。)即ち第14条1項から3項の原則を規約で別の定めに変更することを許した規定です。

 従って、1項で規定された持分算定の床面積基準を不動産鑑定に基づく価格基準に変更したり、複合用途建物で各用途別に一定の乗数を乗ずる等により「合理的な持分算定方法」に必要に応じて変更することができます。
 また、2項の規定を変えて、一部共用部分の床面積を専有部分に算入しないとする扱いや、その半分の床面積だけを算入する扱い等その建物にあった変更ができますし、3項の「内法計算」の規定を変更し、壁芯計算に変更すること(実際のほとんどの規約はこの変更を行っています。)ができることになります。

 ★規約があれば特に専有部分の床面積の出し方をいろいろと考えなくていいということ。内のり面積を壁芯面積にしてもいい。(現実的には、壁芯面積の方が多い。)

 この各専有部分の床面積割合が、原則として、後ででてきます、区分所有法第38条により、様々なことを決定するのに重要な集会での「議決権」の割合となりますが、床面積比での議決権行使は、どの人が賛成か、反対かでの過半数の計算や、3/4以上の計算が大変に面倒ですので、多くの場合、余り専有部分の床面積に差が無いときは、規約で 1戸=1議決権 の方法がとられることもあります。

 

★規約があれば、何でも変更していいのか?

  マンションの使用方法や管理方法については、区分所有者間の憲法ともいえる「規約」で定められますが、民法第90条での「公序良俗」に反したり、区分所有法で他の規定を許さない「強行規定」に反するものは規約でも定めることができません。これは、あとの規約(第30条)の説明でも述べます。

 具体的には、規約で別段のことを定めることができるのは、この第14条3項のように、区分所有法で「規約で別段の定めをすることを妨げない」とか、「規約で定めることができる」と規定されている事項です。

<参照>民法 第90条:(公序良俗)
第九十条  公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。

<参照>区分所有法 第30条:(規約事項)

第三十条  建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。

2項  一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めることができる

3項  前二項に規定する規約は、
   専有部分若しくは共用部分又は建物の敷地若しくは附属施設(建物の敷地又は附属施設に関する権利を含む。)につき、
   これらの形状、面積、位置関係、使用目的及び利用状況並びに区分所有者が支払つた対価その他の事情を総合的に考慮して、区分所有者間の利害の衡平が図られるように定めなければならない。

4項  第一項及び第二項の場合には、区分所有者以外の者の権利を害することができない。

{判例}規約で1住戸1議決権と定めたため、専有部分の床面積割合 31.5%を持つ区分所有者が、議決権としては、10.7%に落ちた場合:

   判決主旨;議決権配分は区分所有者の自治に任されており、本人が規約内容を承認していたとみとめられるので、この程度では、不合理な差別・不当な財産権の制限とは認められない。


{設問} マンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律第2条第1号イのマンションをいう。以下同じ。)の共有持分の割合に関する次の記述のうち、建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 敷地の共有持分は、共有者間で別段の定めがない限り、専有部分の床面積比による。

答え:誤りである。 用語の敷地、共用部分の違いを明確にしておくこと。
 区分所有法によると、建物の共用部分の持分については、第14条第1項により、各共有者の持分は原則専有部分の床面積の割合であるが、同条第4項により、規約でこの割合と異なる割合が定められているときは、その割合による」ことになる。
しかし、敷地(土地)に関しては、共有者間で別段の定めが無いときについては、区分所有法で定めがない。この場合には、民法が適用され、民法第250条により「相等しいものと推定される」。よって、本肢は誤りで、本問の正解肢となる。

2 区分所有法上当然に共用部分とされる部分の共有持分は、規約に別段の定めがない限り、専有部分の床面積比による。

答え: 正しい。 区分所有法第14条第1項は、「各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。」と定め、同条第4項は、規約による別段の定めができることを定める。そして、このことは、法定共用部分・規約共用部分の別を問わない。よって、法定共用部分の共有持分の割合は、規約に別段の定めがない限り、専有部分の床面積比によることになり、本肢は正しい。

3 規約による共用部分の共有持分は、規約に別段の定めがない限り、専有部分の床面積比による。

答え:正しい。 区分所有法第14条第1項は、「各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。」と定め、同条第4項は、規約による別段の定めができることを定める。そして、このことは、法定共用部分・規約共用部分の別を問わない。よって、規約共用部分の共有持分の割合は、規約に別段の定めがない限り、専有部分の床面積比によることになり、本肢は正しい。

4 専有部分の共有持分は、共有者間で別段の定めがない限り、相等しい。

答え:正しい。 ここも専有部分と共用部分の用語の違いを明確にしておくこと。
  専有部分の共有持分は、区分所有法に規定するものではない。よって、民法の共有に関する定めによることになる。民法第250条によると、専有部分を共有している場合、その共有持分の割合については、共有者間で別段の定めがなければ、相等しいと推定される。よって、本肢は正しい。

正解:1


<参考>「標準管理規約(単棟型)」10条:(共有持分)

10条 各区分所有者の共有持分は、別表第3に掲げるとおりとする。

別表第3  敷地及び共用部分等の共有持分割合
住戸番号 持  分  割  合
敷地
及び 附属施設
共用部分
○○号室 ○○○分の○○ ○○○分の○○
○○号室 ○○○分の○○ ○○○分の○○
○○号室 ○○○分の○○ ○○○分の○○
○○号室 ○○○分の○○ ○○○分の○○
合計 ○○○分の○○ ○○○分の○○

標準管理規約(単棟型) 第10条関係コメント 

@ 共有持分の割合については、専有部分の床面積の割合によることとする。 ただし、敷地については、公正証書によりその割合が定まっている場合、それに合わせる必要がある。
登記簿に記載されている面積は、内のり計算によるが、共有持分の割合 の基準となる面積は、壁心計算(界壁の中心線で囲まれた部分の面積を算 出する方法をいう。)によるものとする。

 (注)専有部分の登記簿は不動産登記法上「内のり計算」になりますが、新規分譲時には、まだ柱と壁の概要しかできてなく、内装は未定で販売されます。
   それでも、共用部分の持分割合は決めておく必要があり分譲時の規約に規定されます。


A 敷地及び附属施設の共有持分は、規約で定まるものではなく、分譲契約等によって定まるものであるが、本条に確認的に規定したものである。なお、共用部分の共有持分は規約で定まるものである。

B なお、第46条関係Bで述べている価値割合による議決権割合を設定する場合には、分譲契約等によって定まる敷地等の共有持分についても、価値割合に連動させることが考えられる

  (注)最近のタワー・マンションの出現により、同じ床面積であっても、超高層階と低層階での著しい分譲価格の違いが生じている場合です。

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ページ終わり

謝辞:Kzさんの了解により一部転用・編集をしています。

最終更新日:
2022年 9月 7日:見直した。
2022年 1月3日:標準管理規約など、更新した。
2021年12月19日:令和3年(2021年)の出題年を入れた。
2021年 3月 7日:令和2年(2020年)の出題年を入れた。
2020年 3月29日:令和元年(2019年)の出題年を入れた。
2019年 9月22日:建基法など見直した。
2019年 4月17日:平成30年の出題年を入れた。
2018年 9月11日:第12条の「共有」を見直した。
2018年 3月13日:平成29年の出題年は該当しなかった。
2017年 9月 7日:管理所有(第11条2項)に加筆した。
2017年 3月14日:平成28年の出題年を入れた。
2016年 4月 8日:3月14日付の標準管理規約の改正に対応した。
2016年 2月24日;平成27年の出題年を入れた。
2015年 3月19日;平成26年の出題年を入れたり、一部文章を検討した。
また、平成27年の建築基準法改正で、建築基準法第52条6項を入れた。
2014年 2月23日:平成25年の出題「問32」を第14条2項に入れた。
2013年 8月 2日:図など改めた。
2013年 7月29日:少し追記した。
2013年 3月24日:平成24年の出題年を入
2012年 2月21日、2月22日:第11条3項に図入。平成23年の出題入。標準管理規約の改正も入。
2011年10月17日:第14条に追記
2011年 5月24日:ちょろちょろと
2011年 1月15日:平成22年の出題を記入
2010年6月2日:ちょろちょろと
2010年1月23日:H21年の出題年を記入
2009年6月18日

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