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平成13年度 マンション管理士試験問題

 ※ 出題当時以後の法令等の改正には対応していません。

〔問 1〕 建物の専有部分に関する次の記述のうち、建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)及び民法の規定並びに判例によれぱ、誤っているものはどれか。

1 専有部分は、区分所有権の目的たる建物の部分である。
2 一戸の専有部分を、複数の区分所有者で共有することもできる。
3 専有部分は、その用法だけでなく用途も規約で制限することができる。
4 専有部分には、共用部分に属する設備があってはならない。


〔問 2〕 区分所有法に定める区分所有者の団体(以下「管理組合」という。)の管理の対象に関する次の記述のうち、同法の規定によれぱ、誤っているものはどれか。

1 共用部分は、当然に管理の対象である。
2 建物の共用部分以外の附属施設のうち、区分所有者の共有に属するものは、当然に管理の対象である。
3 専有部分内の床下に設置されていて居室から見えない配管は、当然に管理の対象である。
4 区分所有者の共有に属さない敷地であっても、規約で定めることにより、管理の対象とすることができる。


〔問 3〕 Aが、管理組合に管理者Bが置かれているマンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律第2条第1号のマンションをいう。以下同じ。)の1戸を、その区分所有者と賃貸借契約を締結して占有している場合に関する次め記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 Bは、Aに対し、その居住場所に集会の通知をしなければならない。
2 Aは、区分所有者ではないが、集会の決議に拘束されることがある。
3 Aは、議題に利害関係を有する場合には、自ら集会に出席し、意見を述べ、議決権を行使することができる。
4 Aは、居室のバルコニーの使用方法につき、賃貸借契約に特段の定めがない限り、規約に定められた制限に拘束されることはない。



〔問 4〕 区分所有法による専有部分と共用部分に関する次の記述のうち、同法及び不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 専有部分を規約により共用部分とすることができ、また、区分所有法上当然に共用部分とされる部分(以下この問において「法定共用部分」という。)を規約により専有部分とすることができる。
2 専有部分を規約により共用部分とすることができ、また、規約による共用部分を専有部分とすることができる。
3 法定共用部分を規約による共用部分とすることはできず、また、規約による共用部分を法定共用部分とすることはできない。
4 専有部分と規約による共用部分は、その旨の表示登記をすることができるが、法定共用部分はその旨の表示登記をすることができない。


〔問 5〕 Aは、マンションの区分所有者Bからその専有部分を賃借しているが、他の区分所有者からの停止の請求を無視して、数年にわたりバルコニーで野鳩の餌付け及び飼育をし、著しい悪臭、騒音等を生じさせたため、B以外の区分所有者全員は、AB間の賃貸借契約の解除及びAの賃借部分の引渡しの請求を行うこととしたい。この場合に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 この請求を行うに当たっては、必ず集会で区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数で決議しなければならない。
2 この請求を行うための集会の決議の前には、必ずAに弁明の機会を与えなければならない。
3 この賃貸借契約の解除は、訴えをもってしなければならない。
4 この請求を行うに当たっては、事前にBの同意を得なければならない。


〔問 6〕 団地(3棟のマンションで構成され、各団地建物所有者が敷地を共有している。)の管理に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 敷地の管理は、3棟の管理組合の管理者の協議により行われる。
2 団地建物所有者及び議決権の各4/5以上の多数で建替え決議をすることができる。
3 敷地に関する規約の変更は、団地建物所有者及び敷地の持分による議決権の各3/4以上の多数による集会の決議によれぱ、一部の敷地の共有者の権利に特別の影響を及ぼす場合でも、その承諾を得ずに行うことができる。
4 区分所有法に定める手続きを経れば、団地の管理組合は、各棟についてもその管理に当たることができる。


〔問 7〕 管理者の権限又は義務に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 管理者が自己の名義で銀行に預金していた管理費を自己の用途に使った場合、各区分所有者は、区分所有者全員又は管理組合のために、その額について損害賠償を請求することができる。
2 管理者は、規約に特段の定めがない限り、規約、集会の議事録、書面決議の書面及びその事務に関する報告書を保管し、利害関係人の閲覧に供する義務を負う。
3 管理者は、善良なる管理者の注意義務をもってその職務を処理することが必要であり、これに違反した場合には、自己がその事務をその本旨に従って履行したことを証明しない限り、法的な責任を負う。
4 管理者は、規約に基づき原告又は被告となったときは、区分所有者にその旨を通知することを要しない。



〔問 8〕 甲マンション管理組合(管理者Aが置かれている。)に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 任期途中のAを集会の決議によって解任するためには、規約に特段の定めがない限り、正当な事由が存することが必要である。
2 Aの解任の議案が集会で否決されても、B(区分所有者の1人である。以下この問において同じ。)は、Aの解任の訴えを提起することかできる。
3 Aの選任は、規約に定めを置けば、集会の決議によらず理事会で行うことができる。
4 集会において、AのほかBを管理者に選任することができる。


〔問 9〕 規約として定めることができる事項に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 区分所有者は、共用部分の保存行為を、管理者を通じて行うとすること。
2 区分所有者以外には、集会の議事録の閲覧を拒むことができるとすること。
3 専有部分と敷地利用権を分離して処分することができるとすること。
4 共用部分を、管理者又は区分所有者である特定の者の所有とすること。


〔問 10〕 マンションの共用部分の変更又は管理に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 共用部分については、特定の共有者に専用使用する権利を設定することは認められない。
2 各共有者は、規約に別段の定めがない限り、各自平等に、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。
3 共用部分の変更は、改良を目的とするものであれば、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による集会の決議を要しない。
4 共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすときは、集会の決議に加え、その専有部分の区分所有者の承諾が必要である。


〔問11〕 甲マンション(同一床面積の13の専有部分からなり、Aが5戸、Bが3戸、Cが2戸、D、E、Fが各1戸を所有し、規約において、各専有部分は一の議決権を有するものとされている。)の建替えについて、区分所有法の規定によれば、その建替え決議ができるのは、次のア〜工のうち、いくつあるか。ただし、区分所有法の建替えに係るその他の要件を満たしているものとする。

ア A B C Dの賛成
イ A B C D Eの賛成
ウ A C D E Fの賛成
工 B C D E Fの賛成

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ


〔問 12〕 中高層共同住宅標準管理規約(単棟型)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 区分所有権の対象となる専有部分は、住戸番号を付した住戸とする。
2 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
3 建物の価格の1/2以下に相当する部分の滅失であっても、主要な構造部分に係るものであれば、その滅失した共用部分の復旧には、組合員総数及び議決権総数の各3/4以上の多数による決議を要する。
4 区分所有者が、その所有する専有部分を、第三者に譲渡又は貸与したときは、その区分所有者の駐車場使用契約は効力を失う。


〔問 13〕 被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法に基づき、地震によって被災したマンションを再建する場合に関する次の記述のうち、同法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 都道府県知事により建物の全部滅失が認定されなければならない。
2 建物の滅失が震度5を超える地震によるものでなければならない。
3 当該地震が地方公共団体の条例によって指定されなければならない。
4 建物の減失が政令で定められた災害によるものでなければならない。


〔問 14〕 Aがその所有するマンションの専有部分をBに賃貸した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。ただし、当該賃貸借契約は、定期建物賃貸借契約ではないものとする。

1 AB間の賃貸借契約は、書面によらなければ成立しない。
2 BがAに無断で賃借権を第三者Cに譲渡する契約を締結したとしても、Aは、Cがマンションの使用を開始しない限り、賃貸借契約を解除することができない。
3 BがAに交付した敷金については、Aが当該専有部分の区分所有権を第三者Dに譲渡し、Dが新たな賃貸人となった場合でも、特約がない限り、Aが、契約終了時にBに敷金返還債務を負う。
4 Bが、Aに対して事前に連絡をしないでその専有部分の修繕に必要な費用を出費した場合、その償還請求をすることができない。


〔問 15〕 Aがマンションの購入に際してB銀行から融資を受け、これにBの抵当権を設定した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 Bの抵当権設定登記後、Aから当該マンションを賃借した者は、その賃貸借契約の期間が5年以内のときに限り、Bに対抗することができる。
2 Aが借入金について期限に弁済しない場合、Bが優先弁済を受けるためには必ず不動産競売によらなければならず、所有権を直ちにBに移転させる旨の特約をすることはできない。
3 Bの抵当権の効力は、原則として、当該マンションに付加して一体となった造作にも及ぶ。
4 Bは、抵当権の実行をしようとするときは、あらかじめAに通知をしなければならない。


〔問 16〕 AがBに中古マンションを売却した場合におけるAの瑕疵担保責任に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 Aの瑕疵担保責任については、Bは、その瑕疵を知った日から1年以内にAに請求しなければならない。
2 AB間で、「Aは瑕疵担保責任を負わない」旨の特約をしても、Aが瑕疵を知りながらBに告げなかった事実については、免責されない。
3 Aの妻Cが1年前にAの専有部分内において自殺したことを、AがBに告げないことは、当該マンションの「隠れたる瑕疵」に当たる。
4 Bは、あらかじめAに瑕疵の修補を請求した上でなければ、当該マンションに係る売買契約を解除することができない。


〔問 17〕 Aマンションの敷地は、下図のとおり、市道をはさんで甲地と乙地からなっており、甲地にはAマンションと集会所があり、乙地はAマンションの駐車場として使用されている。Aマンションの1階には、全専有部分共通の玄関及びロビーがあり、また、各階には各専有部分に通ずる廊下がある。なお、甲地及び乙地は、いずれもAマンションの敷地権たる旨の登記がされている。この場合に関する次の記述のうち、区分所有法及び不動産登記法の規定によれば、正しいものはどれか。


1 玄関、ロビー及び廊下についても、区分所有者の専有部分の所有権保存又は移転の登記とあわせて、共有持分の登記をする必要がある。
2 集会所は、規約で共用部分たる旨を定めたうえで、共用部分である旨の登記をしなければ、その旨を第三者に対抗することができない。
3 甲地及び乙地は、その性質から、法律上当然のAマンションの敷地である。
4 区分所有者は、Aマンションの各専有部分の所有権並びに甲地及び乙地の共有持分を、それぞれ分離して処分することができる。


〔問 18〕 登記簿に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 登記簿の甲区には所有権に関する事項が、また、乙区には所有権以外の権利に関する事項が、それぞれ記載される。
2 マンションの登記簿は、その建物全体に関する一棟の建物を表示する表題部、その一棟の建物に属する区分された建物ごとの表題部並びに甲区及び乙区から構成される。
3 所有権の買戻の特約の登記は、買主の権利取得の登記と同時に附記登記として、乙区事項欄に記載される。
4 所有権の仮差押の登記は、甲区事項欄に記載される。


〔問 19〕 住宅の品質確保の促進等に関する法律第88条に規定する瑕疵担保責任の特例に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 平成12年1月締結の売買契約に係るマンションについては、適用がない。
2 中古マンションについて、適用がある。
3 売買契約締結の日から10年間に限り、適用がある。
4 柱及び梁などについては適用があるが、屋根及び外壁については適用がない。


〔問 20〕 マンションの売買に際し、宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条の重要事項の説明に関する次の記述のうち、同条の規定に違反しないものはどれか。

1 規約については、案しかできていなかったので、売買契約成立後に説明することとした。
2 特別修繕費については、売買契約書に記載したので、重要事項説明書には記載しなかった。
3 管理費の滞納額については、不明であったので、口頭で数十万円になると説明し、重要事項説明書には「管理費清算金未定」と記載した。
4 規約中の管理組合の役員に関する定めについては、説明しなかった。


〔問 21〕 買主Aは、宅地建物取引業者Cの媒介で、売主である宅地建物取引業者Bから甲マンションの201号室を購入する契約を締結し、入居した。この場合に関する次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。

1 本件契約は3割の値引きをしたので、Bは現状のまま売り渡すこととし、瑕疵担保責任を負わない旨の特約をした場合、この特約は有効である。
2 Bの管理費の滞納額について、Cが重要事項として説明をせず、Aが支払わざるを得なくなった場合、Aは、Cに損害賠償を請求することができる。
3 ガス給湯器の故障について、Bから賃借していたDに責任がある場合、Aは、Bに損害賠償を請求することはできない。
4 上階301号室の汚水排水管の枝管(同室の床下コンクリートスラブと201号室の天井板との空間を通っており、301号室からの点検及び修理は不可能である。)の経年劣化により水漏れが生じた場合、Aは、301号室の区分所有者Eに損害賠償を請求することができる。


〔問 22〕 簡易専用水道の管理基準に関する次の記述のうち、水道法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 簡易専用水道の設置者は、水槽の掃除を1年以内ごとに1回、定期的に行わなければならない。
2 簡易専用水道の設置者は、有害物、汚水等によって水が汚染されるのを防止するため、水槽の点検を行うなどの必要な措置を講じなければならない。
3 簡易専用水道の設置者は、給水栓における水の色、濁り、臭い、味などに異常を認めたときは、水道水質基準の項目のうち、必要なものについて検査を行わなければならない。
4 簡易専用水道の設置者は、供給する水が人の健康を害するおそれがあることを知ったときは、しばらく様子を見た後、必要に応じて給水を停止しなければならない。


〔問 23〕 自動車の保管場所の確保等に関する法律の適用地域内におけるマンションに関する次の記述のうち、同法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 マンションの区分所有者から、自家用自動車を購入したいとの相談を受けたが、マンションの駐車場に空きがなかったので、マンションから直線距離で2km以内の位置にある駐車場を借りるよう助言した。
2 マンションの区分所有者から、自動二輪車を購入したいとの相談を受けたので、保管場所の位置を管轄する警察署長に保管場所の位置等を届け出るよう助言した。
3 マンションの区分所有者から、軽自動車を購入したいとの相談を受けたので、保管場所の位置を管轄する警察署長に保管場所証明書交付申請を行うよう助言した。
4 マンションの駐車場の改築工事を行うに当たり、マンションの前に交通量のほとんどない広い市道があり、駐車禁止の標識も立っていないことから、同市道をマンションの区分所有者の自動車の保管場所として一時的に使用するよう管理組合に助言した。


〔問 24〕 消防用設備等の点検及び報告に関する次の記述のうち、消防法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 特定の防火対象物に対して設置が義務付けられている消火設備、警報設備、避難設備等からなる消防用設備等は、すべて点検の対象となる。
2 1000u以上の共同住宅で消防長又は消防署長の指定を受けているものは、消防設備士免状の交付を受けている者又は総務大臣が認める資格を有する者が行う点検を受けなければならない。
3 消防用設備等に対する外観点検及び機能点検は、1年に1回行う必要がある。
4 共同住宅に係る点検結果の報告は、3年に1回消防長又は消防署長に対して行う必要がある。


〔問 25〕 マンション(延べ床面積2000u)の改修工事に関する次の記述のうち、建築基準法に基づく確認申請を要しないものはどれか。なお、建築基準法以外の法律に基づく認定等は受けないものとする。

1 屋内階段の全面模様替え
2 すべての柱に鉄板を巻き付ける耐震補強
3 最下階のすべての床の模様替え
4 屋根の全面模様替え


〔問 26〕 マンションの大規模の修繕を行う場合に、建築基準法第86条の7の規定に基づき、既存の建築物に対する制限が緩和されるものは、次のうちどれか。

1 建ぺい率に関する規制
2 容積率に関する規制
3 日影による中高層の建築物の高さに関する規制
4 低層住居専用地域内における建築物の絶対高さに関する規制


〔問 27〕 都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 高度利用地区は、市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため、建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度などを定める地区である。
2 高層住居誘導地区は、住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、建築物の容積率の最高限度、建築物の建ぺい率の最高限度及び建築物の敷地面積の最低限度を定める地区である。
3 特定街区は、市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率、建築物の高さの最高限度などを定める街区である。
4 高度地区は、市街地の環境を維持し、又は土地の利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度、建築物の容積率の最高限度又は最低限度などを定める地区である。


〔問 28〕 管理組合の運営に関する次の記述のうち、区分所有法の規定及び中高層共同住宅標準管理規約(団地型)によれば、適切なものはどれか。

1 団地の管理組合が行った団地の共用部分に関する集会の決議は、団地内の各棟の管理組合のこれに関する集会の決議に優先する。
2 管理組合の集会は、最高の意思決定機関であり、理事会は、集会の決議に反する決議及び業務執行をすることができない。
3 管理者である理事長は、管理組合の業務執行機関の代表者として、理事会の決議に拘束されずに業務を執行することができる。
4 管理組合が法人格を取得しても団体としての同一性は維持されるので、法人格取得前と同様、管理者である理事長が業務執行機関である。


〔問 29〕 管理組合の総会の運営に関する次の記述のうち、中高層共同住宅標準管理規約(単棟型)によれば、適切でないものはどれか。

1 理事長が病気なので、その同居の配偶者が議長を務めた。
2 議事に法律上の利害関係を有する組合員以外の者の傍聴を認めた。
3 議事の採決の結果が可否同数になったので、議長が可否を決定した。
4 議長が、欠席の組合員から自己に対する委任状を受け取った。


〔問 30〕 管理組合の業務に関する次の記述のうち、区分所有法の規定及び中高層共同住宅標準管理規約(単棟型)によれば、適切でないものはどれか。

1 規約により駐車が禁止されている敷地内に駐車がなされている場合に、その自動車をレッカー車で移動すること。
2 管理費に不足を生じた場合に、組合員に対して、その都度必要な金額の負担を求めること。
3 漏水事故があった場合に、事故の原因箇所と思われる専有部分への立入りを求めること。
4 専有部分の賃借人に対して、規約を遵守するよう申し入れること。


〔問 31〕 管理委託契約に関する次の記述のうち、中高層共同住宅標準管理委託契約書及びマンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「マンション管理適正化法」という。)の規定によれば、適切でないものはどれか。

1 区分所有者が共同生活の秩序に反する行為をした場合に、マンション管理業者が行為の中止を求めることができるとすること。
2 マンション管理業者は、事業年度終了後6ヵ月以内に委託業務に係る収支決算書を作成し、管理組合に報告しなければならないとすること。
3 マンション管理業者は、必要があるときは、専有部分に立ち入ることができるとすること。
4 マンション管理業者は、善良なる管理者の注意義務をもって委託業務を行うが、自らの申し出にかかわらず、管理組合が承認しなかった事項に関しては、責任を負わないとすること。


〔問 32〕 マンションの管理をめぐる訴訟に関する次の記述のうち、区分所有法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 管理組合は、管理組合法人であるか否かにかかわらず、民事訴訟において、原告又は被告となることができる。
2 管理者に不正な行為があったときは、各区分所有者は、その解任を求める訴訟を提起することができる。
3 区分所有者が各区分所有者の共同の利益に反する行為をした場合には、その利益侵害の程度によって、行為の停止、専有部分の使用禁止、区分所有権の競売を請求する訴訟を提起することができるが、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による決議が必要である。
4 管理組合法人とその理事との間の民事訴訟については、監事が、当該法人を代表して原告又は被告となる。


〔問 33〕 甲マンション管埋組合(管理組合法人でないものとする。)に係るマンションの管理に関する訴訟について、区分所有法の規定によれば、当事者適格を持つことがないものは、次のうちどれか。

1 管理組合の理事会
2 個々の区分所有者
3 集会で指定された区分所有者
4 管理者であるマンション管理業者


〔問 34〕 マンション(管理組合法人が設立されているものとする。)の専有部分内で犬が飼育されている場合に関する次の記述のうち、区分所有法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 区分所有者は、集会を開き、犬を飼育している区分所有者の承諾を得ることなく、犬の飼育を禁止する内容に規約を改正することができる。
2 犬の飼育を禁止する規約が設定されている場合、管理組合法人は、犬を飼育する区分所有者に対して犬の飼育を禁止することのほか、必要があれば、犬の引渡し又は売却を請求することができる。
3 犬の飼育に関する規約が定められていない場合であっても、犬の糞尿によるマンションの汚損や臭気が著しいときは、管理組合法人は、必要があれば、犬を飼育する区分所有者に対して飼育の禁止を請求することができる。
4 専有部分の賃借人が規約に反して犬を飼育していた場合、管理組合法人は、当該専有部分の区分所有者に請求することなく、直接、賃借人に対して犬の飼育の禁止を請求することができる。


〔問 35〕 A管理組合(決算月を3月とする。)の決算に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとする。

1 3月に保険期間2年の掛捨型保険を契約し、全保険期間分に係る保険料全額を支払ったが、決算上は、当該年度分のみを費用として処理し、残りは資産として計上した。
2 3月に大規模修繕工事が完成したので、4月に支払い予定の費用を3月の未払費用として計上した。
3 実施を予定していた修繕工事が延期されたが、予算上は、当該年度の工事であったので、未払費用として計上した。
4 3月に4月分の管理費等が入金されたため、会計上、前受金として計上し、次の4月に収入として振替え処理した。


〔問 36〕 管理費等の滞納防止を図るための規約の定めに関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 管理費等の徴収方法として、各区分所有者が開設する預金口座から、自動振替により管理組合口座へ引き落とすこととする。
2 区分所有者が規約に定められた期日までに納付すべき管理費等を納付しない場合、その未払金額について遅延損害金を加算して請求することができることとする。
3 多額の管理費等を滞納した場合には、滞納者に係る駐車場使用契約を解除することができることとする。
4 専有部分が賃貸されている場合、当該専有部分に係る区分所有者が管理費等を長期間納付しないときは、賃借人が管理費等を負担することとする。


〔問 37〕 マンションに用いられる構造方式とその特徴に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 壁式構造は、壁や床等の面的な構造部材により荷重や外力に対応する構造方式で、中低層の建物に多く用いられる。
2 ラーメン構造は、チューブ状の鋼管にコンクリートを充填(じゅうてん)したものを主要な構造部材とする構造方式で、中高層の建物に多く用いられる。
3 鉄骨鉄筋コンクリート構造は、鉄骨の骨組みを鉄筋コンクリートで覆ったものを主要な構造部材とする構造方式で、高層の建物に多く用いられる。
4 免震構造は、積層ゴム等の装置を設けて地盤から建物に伝わる地震の振動を軽減しようとする構造方式である。


〔問 38〕 排水設備に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 ゴミの排水立て管への流出を防ぐ措置として、衛生設備と排水枝管の接続部に加えて、その排水枝管の途中にもトラップを設けた二重トラップが採用される。
2 トラップの主な機能は、排水管内の臭気や害虫が室内に侵入することを防ぐことである。
3 通気管の主な機能は、トラップの封水を保持したり、排水の流れが円滑に行われるようにすることである。
4 マンションの排水には、汚水、雑排水、雨水の3系統があるが、汚水と雑排水は、同一の排水立て管を用いることがある。


〔問 39〕 マンション(5階建て壁式構造)の4階における居室のダイニング・キッチンのリフォームに係る増築が、下図のとおり、計画されている。この場合に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 Aを避難上有効なバルコニーとするために、避難ハッチ等の設置が必要である。
2 Bの外壁は主要な構造部であるので、補強がなされなければ、耐震性が低下する。
3 既存バルコニー内の増築であるので、容積率は変わらない。
4 この増築を実施するためには、規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による議決が必要である。



〔問 40〕 マンションの設備に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 エレベーターのいわゆるPOG契約は、消耗品の交換だけではなく、部品の取替えや修理を状況にあわせて行うことを含む保守契約のことである。
2 油圧式エレベーターの場合、一般に最上階に機械室を設置することが多い。
3 屋内消火栓は、消防隊が放水のために使用することを主目的として設けられた消防用設備である。
4 借室電気室は、建物内に電気を供給するための変電設備を設置したスペースで、電力会社が借り受け、設備の維持管理はすべて電力会杜が行う。


〔問 41〕 マンションの維持保全に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 竣工が昭和56年以前のマンションは、一般的に旧耐震基準で設計されているため、適切な時期に耐震診断を行うことが望ましい。
2 階段室をエレベーター室に改造する工事費に充てるため借入れをした場合、その利息の支払いには、管理費を充当する。
3 建設省が実施した「平成11年度マンション総合調査」によれば、長期修繕計画を作成していると回答した管理組合は、全体の80パーセントを超えている。
4 修繕積立金の目的は、将来の修繕実施時の一時金徴収をなるべく避け、修繕を円滑に実施することにある。


〔問 42〕 マンションの維持保全に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 マンションを良好に維持保全することは、区分所有者等の居住者、管理組合にとってのみならず、周辺地区や都市環境にも重要であるので、国及び地方公共団体は、必要な情報及び資料の提供等の措置を講ずるよう努めなければならない。
2 中高層共同住宅標準管理規約(団地型)においては、特別修繕費の徴収は、団地の管理組合で一括して行うこととされている。
3 マンションの維持保全が最適な時期に行われるよう、建物診断、長期修繕計画の作成及び修繕積立金の確保について、規約に定められていることが望ましい。
4 マンションの維持保全には、耐用年数を考慮する必要があるが、鉄筋コンクリート造のマンションに関する税法上の固定資産減価償却耐用年数は、平成10年の改正時に60年に延長されている。


〔問 43〕 マンションの長期修繕計画と特別修繕費に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 長期修繕計画は、どの部分を、いつ頃、どの位の費用で修繕すべきかを計画するもので、特別修繕費の算定根拠としても重要である。
2 長期修繕計画の計画期間は、あまり長すぎても現実的ではないので、10年程度が一般的である。
3 長期修繕計画で対象となる主要な工事項目には、屋上防水、外壁補修、給排水管取替等がある。
4 長期修繕計画では、修繕工事費だけでなく、調査診断、修繕設計、工事監理、長期修繕計画の見直しなどのコンサルタント費用も計上しておくことが重要である。


〔問 44〕 マンションの調査診断及び改修設計に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 鉄筋コンクリートの中性化が進むと、コンクリート強度の低下により躯体の耐久性の低下につながる。
2 コンクリートのひび割れは、漏水につながるだけでなく、コンクリートの中性化、鉄筋腐食をももたらす劣化現象であるので、注意が必要である。
3 調査診断における予備調査は、目視等簡便な方法で行い、通常は、診断機器の使用や破壊試験は行わない。
4 排水管の更新改修は専有部分内については困難であるので、エポキシ樹脂ライニング工法による更生工法があるが、現段階では主流ではない。


〔問 45〕 マンションの大規模修繕工事の請負及び工事監理に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

1 マンションの全面的な排水管取替工事は、建築基準法で定める大規模の修繕に該当しない。
2 工事が設計図書のとおりに実施されているか否かを確認する工事監理に関しては、その工事費が1億円以上のものについては、一級建築士が当たることが義務付けられている。
3 コンクリートのひび割れ長さやタイルの浮き枚数については、事前に数量を確定することが難しいので、実費清算方式を採用することがあるが、この方式は、清算後の増額高が予測できないので避けた方がよい。
4 工事完成後のアフターケアを十分に行うため、請負業者が竣工図書を提出するとともに、施工後は有償で定期点検を行うのが通例である。


〔問 46〕 マンション管理士の義務等に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 マンション管理士は、マンション管理士の信用を傷つけるような行為をした場合には、30万円以下の罰金に処される。
2 マンション管理士は、5年ごとに、国土交通大臣又はその指定する者が行う講習を受けなければならず、これに違反したときは、国土交通大臣は、その登録を取り消すことができる。
3 マンション管理士は、正当な事由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らした場合、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処される。
4 マンション管理士でない者が、マンション管理士又はこれに紛らわしい名称を使用した場合には、30万円以下の罰金に処される。


〔問 47〕 マンシヨン管理士及び管理業務主任者に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 マンション管理士は、管理組合の管理者等及び区分所有者等の相談に応じ、管理組合の運営を行うことを業務とする者であって、管理業務主任者と同様、マンション管理業者に置くことが義務付けられている。
2 マンション管理士は、管理組合の管理者等又は区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務とする者であって、マンション管理業者の事業の適切な実施の確保に資することが求められている。
3 マンション管理士は、管理組合の管理者等又は区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務とする者であって、管理業務主任者と同様、マンションの管理の適正化に資することが求められている。
4 マンション管理士は、管理組合の管理者等又は区分所有者等の相談に応じ、マンション管理業者の置く管理業務主任者に対して適切な指導を行うことを業務としている。


〔問 48〕 マンション管理業者の行う重要事項の説明に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 マンション管理業者は、新たに建設されたマンションについて管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結する場合は、説明会を開催して重要事項を説明する義務はない。
2 マンション管理業者は、従前の管理受託契約と同一の条件で管理受託契約の更新を行う場合は、管理組合に管理者等が置かれている場合であっても、重要事項を説明しなくてよい。
3 マンション管理業者は、従前の管理受託契約を更新しようとする場合であれば、当該契約条件を変更するときであっても、説明会を開催して重要事項を説明する義務はない。
4 マンション管理業者は、説明会の1週間前までに、区分所有者等及び管理者等全員に対し、重要事項並びに説明会の日時及び場所を記載した書面を交付しなければならない。


〔問 49〕 マンション管理業に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 マンション管理業の登録要件として、基準資産額が300万円以上であることが必要であり、この基準資産額とは、貸借対照表又は資産に関する調書に計上された資産の総額である。
2 マンション管理業者は、登録事項に変更があったときには、その日から30日以内に、その旨を指定登録機関に届け出なければならない。
3 マンションの管理に関する事務のうち、基幹事務(管理組合の会計の収入及び支出の調定及び出納並びにマンションの維持又は修繕に関する企画又は実施の調整)については、管理組合の同意があっても、これを一括して他人に委託してはならない。
4 マンション管理業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、登録番号等を記載した業務状況調書を掲げなければならない。


〔問 50〕 「マンションの管理の適正化に関する指針」において定められている「マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項」に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 管理組合の運営は、情報の開示、運営の透明化等開かれた民主的なものとする必要があり、事前に十分な資料の準備等もなしに、集会で重要な意思決定が行われることがないように十分な配慮がなされるべきである。
2 規約等に違反する行為があった場合、管理組合の管理者等は、その是正のため、必要な勧告、指示等を行う必要があるが、法令等に則り、その是正又は排除を求める措置をとる際には、違反者には、必ず弁明の機会を与えるよう措置すべきである。
3 管理組合は、専有部分と共用部分の範囲及び管理費用を明確にすることにより、トラブルの未然防止を図ることが重要であり、あわせて、これに対する区分所有者等の負担も明確に定めておくことが望ましい。
4 建築後相当の年数を経たマンションにおいては、長期修繕計画の検討を行う際には、必要に応じ、建替えについても視野に入れて検討することが望ましく、各区分所有者の意向を十分に把握する等合意形成を図りながら進める必要がある。


終わり


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